ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」   作:わんたんめん

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うれしいことにおきにいり数が先日2000人を超していました。
こんなまどマギにあるまじき鬱な様子がなくガンダムしかない作品に高評価やお気に入りしてくださる方々に感謝しかありません。

多分これからもこの作品はガンダムに向かって邁進をしていくと思います。

色々とネタに走ることしか知らない作者ですが、これからもご愛読していただけたら幸いです。


第70話 悪魔か、コイツ

「うーん…‥‥決しておいしくない訳ではないのだけど…‥‥」

 

「可もなく不可もない。この一言につきるわね。」

 

「量だけはいっちょ前だよな。だけど味はごく普通な上に魔法少女割とかいうコスト度外視もいいところな部分もあるせいなのが相まってマジでいろはが微妙な顔してた理由がわかるぜ。」

 

「まさしく五十点か…‥‥申し訳ないが。」

 

「んぎゃぁ~ッ!?やっぱりかぁぁぁぁぁ!!!!」

 

コトリと箸やレンゲを置いたさやかたちからの微妙な顔をしながらの批評に悲痛な叫び声を挙げながら頭を抱える鶴乃。

みかづき荘でアイからマギウスの翼に関して一通りのことを聞き終えた一行。わざわざ朝から駆けつけていたのも相まって時刻は昼時を回り始めたところ、せっかくだし昼を近所で済まそうと話しこんでいたところに割り込むように鶴乃がそれなら自分の実家でやっている中華料理屋でと提案してくる。

さやか自身初めて彼女と顔合わせした時にそのことを聞いていたため、一度は足を運んでみたいと思っていた。

しかしその提案を受けると諸手を挙げて喜ぶ鶴乃の後ろで微妙な反応を見せるいろはの顔があった。もちろん気になったさやかだが、それを聞いて一度受けた話を白紙にしてしまうのも喜ぶ鶴乃に申し訳が立たないため、敢えて聞かずにおいておくことにした。

鶴乃とその料理屋でアルバイトをしているフェリシアの案内で彼女が切り盛りしている中華料理店『万々歳』を訪れることになった。

ちなみに店に入るやいなや彼女がおすすめしてきた魔法少女割というのにはさやかが聞いた途端に異常なほど嫌な予感が頭をよぎったため、半ば無理矢理といっていいレベルで一人前だけをおねがいすることにした。

その反応にどこか不服気にしながらも知り合いとはいえ客としてやってきた人間の要望はできる限り応える主義なのかとりつけた注文通りに料理を作ってくれた。

もっとも、四人のテーブルに置かれたのは満漢全席もかくやというレベルで盛り付けられたフルコースだったのだが。

 

「鶴乃の料理、オレは好きだぜー。腹がこれでもかってくらい膨れてすっげー幸せだし。」

 

「フォローありがとねぇッ!!!鶴乃ちゃんとっても嬉しいよ!?でもそれって量についてだよね!?肝心の味はっ!?」

 

カウンターの席に背もたれを股の間に挟むようにして座っているフェリシアが顔を綻ばせながらそういうが、今の鶴乃にほしいのは味の評価である。まくしたててくる鶴乃に若干気圧されながら出したフェリシアの返答は、普通。鶴乃はその場で膝から崩れ落ちた。

 

「あうぅぅぅぅぅ、やっぱりダメなんだぁぁぁぁぁ!!」

 

ガクリと折れた膝をついてめそめそと泣き始める鶴乃にどことなくいたたまれない空気になるさやかたち。といってもそれもさやかとマミだけの話で他の二人は口直しと言わんばかりに懐からお菓子を取り出したり、我関せずといった様子で水を飲んでいたが。

 

「そういえば、この料理は鶴乃が厨房で作っていたようだったが普段の営業ではどうしているんだ?父親かそのあたりか?」

 

「いや?いつも鶴乃が作ってるぞ?客でやってくるおやじたちへの接客もだな。」

 

崩れ落ちている鶴乃の代わりにフェリシアがそう答えるが、不意に何か考え込むような仕草を見せ始める。なんだか猛烈に嫌な予感がふつふつとさやかの胸の中で湧き始める。

 

「…‥‥そういえば鶴乃の父ちゃん見たことねぇな。なんなら母ちゃんもか?」

 

(…‥‥‥やらかした)

 

(ええ‥‥‥ものの見事に踏み抜いたわね。)

 

フェリシアの言葉に渋い表情を禁じ得ないさやかとマミ。迂闊だったことを恥じながらも出た言葉を引っ込めることはできないため恐る恐る鶴乃の様子を見守る。

 

「‥‥‥‥えっと、一応ちゃんと両親はいるからね?なんならおばあちゃんまでいるし。流石に…‥‥おじいちゃんはいないけど。」

 

泣くのをやめたのか立ち上がりながらそう言って苦笑いを見せる鶴乃。一見何も変わりないように見えたが人の感情の動きに機敏なさやかはわずかに鶴乃の言葉の震えのようなものを感じ取る。その震えのようなものを感じたのは彼女が祖父の名前を出したところだった。なんなら家族のことを語ったときの言葉の全てに感情の震えのようなものがあったが、一際大きかったのが祖父についての部分だった。

 

「…‥‥厨房も鶴乃一人でやっているのか。となると、この店を引き継ぐつもりでもあるのか?」

 

「そう、だね…‥‥‥わたしはそうしたいって思ってる。それがわたしの夢でもあるし。だけど────」

 

「だけど…‥‥?」

 

万々歳を継ぐことが自分の夢であると語る鶴乃。立派な夢だと感心して聞いていたが、その表情は暗く、何か思い悩んでいるような雰囲気にも見えた。

 

「あ‥‥う、ううん!!なんでもないよ!!ともかく、わたしはこの万々歳を継いでおじいちゃんの時と同じくらいまで盛り上げたいの!!」

 

自分がどんな表情をしているのか気づいたのか咄嗟に笑顔で取り繕う鶴乃。まぁまぁあからさまな取り繕い方だったが、ここで追及するのも彼女を嫌な気分にさせるだけだろうと思い、そのまま彼女のペースに合わせることにした。

 

「お前に時間が空いていればの話だが、知り合いというほどでもないが腕の立つ料理人を知っている。私の方で話してみるから許可さえもらえれば彼女の元で技術を学んでみるのはどうだ?」

 

「え?いいの?」

 

「そちらさえよければの話だ。それに向こうが聞き入れてくれるかもわからない。もっとも彼女の取り扱っている分野も違うのだが。それでもいいか?」

 

とりあえず話題転換のためにさやかは鶴乃に知っている料理人がいるから彼女の元で師事を仰いでみることを提案する。評価こそ50点という微妙なものだが、決して食えないわけではなく、普通に人に出すことはできるくらいのレベルだ。独学かは定かではないが、センスはあると思われる。

その筋の人間からキチンと教えられればもしかすると化ける可能性もあるかもしれない。

 

「うん!!ぜぇんぜん大丈夫ッ!!」

 

そのさやかからの提案を食い入るような目をしながら受ける鶴乃。どうやら彼女のお店に対する熱意は相当のものらしい。

 

「なら、追って連絡するから連絡先をくれるとありがたい。携帯とかは持っているか………?」

 

携帯を取り出しながら鶴乃にもお願いし、アドレスを交換しようとするさやか。しかし、ふと携帯の画面に気になるものがあったのかはたとした様子で自分の携帯の画面を見つめる。

 

「あれ?どうかした?」

 

「…………いや、なんでもない。こちらの都合を思い出しただけだ。」

 

「そうなの?大丈夫そうならいいんだけど。」

 

さやかの様子を不思議に思った鶴乃だったが、さやかの反応から何か悪いことが起こったわけではないことを察したのかそれ以上聞かないことにした。

 

 

「それじゃあねー!!!」

 

「また来いよなー!!!」

 

店を後にしたさやか達。店先で見送る二人にそれぞれ反応を返すと神浜の市街地を歩き始める。

休日というのもあって往来はたくさんの人の声で賑わっており、まさに平和といった雰囲気を感じさせる。

 

「安易に家族の話題に触れたのは迂闊だった……………」

 

「そうね。一見とても活発な印象を受ける彼女でも触れられたくない話題なんかいくらでもあるわよ。」

 

「いや……………実を言うと水名神社で初めて会った時から彼女に関しては違和感は覚えていたんだ。」

 

「水名神社って確か………………あー、お前が小さいキュウべぇの後を追っていった時か。」

 

「あのキュウべぇも中々妙な存在よね………………喋らないし、どこか普通のキュウべぇとは違う雰囲気があるし‥‥‥それで?美樹さんが感じた違和感って?」

 

「鶴乃は確かにすごく活発な印象を受ける。だがどうにも、彼女の印象には()があるような感じがして止まないんだ。」

 

「奥ぅ?アタシにはよくわかんねえけど、とにかくなんか隠してるってことか?」

 

「猫を被っているということ?」

 

「いや、どちらかと言えば………………そう在らなければならないと強迫めいたものだ。」

 

鶴乃と初めて会った時から感じた違和感。それは彼女から仄かに漂う負の感情とも呼べるような雰囲気だった。鶴乃はその快活な印象という気を張ることでそれを隠しているようだったが、さやかから見ればそれは隠しているというより無理矢理抑圧し、押し殺しているようにも感じられた。

 

(……………おそらくあの活発で、周りに笑顔を振りまく彼女を、彼女自身の全てであるとは思わない方がいいのかもしれない。)

 

そう一人心の中でつぶやくさやかの表情はひどくもの哀しげなものを浮かべる。

 

「すまない。突然こんなこと話してもあまり意味があるようには思ってはもらえないだろうな。」

 

「いや、お前が時折見せる不思議ちゃん発言みてぇなのはぼちぼち慣れてはきてっからいいんだけどさ。それ、あいつらに言う気はあるのか?」

 

杏子の言うアイツらとは十中八九、鶴乃とチームを組んでいるやちよやいろはたちのことだろう。しかし、さやかには彼女たちにそれを指摘するつもりは微塵もなかった。何か意図があって鶴乃自身がそうしているのであれば、その行いは彼女自身の行動を貶めるに他ならない。いらない不和をもたらすことは本意ではない。さやかは杏子の問いかけに無言で首を横に振った。

 

「なら別に気にしなくていいんじゃねぇの?お前さんが気にするのは勝手だけど、結局どうすんのかはアタシらより会う機会の多いいろはたちってことだ。まぁだいぶありえねぇ方向になるけど、仮にあいつらと鶴乃の間でなんかそれでトラブった時に言えばいいんじゃねぇの?」

 

「私も佐倉さんと同意見ね。同じ事言うようだけど誰しもあまり周囲に言いたくない、もしくは言えない秘密の一つや二つはあるわ。」

 

「そしてそれを周囲に打ち明けることが一番の解決策かもしれないし、隠し続けるっていう逆もしかり、ってところかしら?もっとも、私のそばにはそのあんまり話したくないことを推論だけで見抜いてあろうことか真正面にぶつけてくる困った後輩さんがいるのだけどね?」

 

「いや、まぁ‥‥‥‥確かにその通りだが‥‥‥もしかしなくてもそれなりに根に持っていたりするのか?」

 

「言ったでしょう?乙女の秘密はみだりに知るものじゃあないって。」

 

「‥‥‥‥年齢的に乙女と自称するのはまだ若いと思うのだが、なんならその言葉に倣うのなら私も乙女ということに────」

 

「さやかが乙女だなんだって言いだしたらアタシは気持ち悪くて吐くぞ。」

 

「間違って実弾でも飛び出したらどうするつもりなのかしら?」

 

マミの言葉に半ば冗談のつもりで自身も乙女であると言いそうになったが、直後に割り込んできた横やりに思わず口を閉ざす。さやか自身冗談のつもりだったのだが、横やりを入れてきた杏子とほむらの表情は二人ともマジな顔をしていた。

杏子はまだ心底から気持ち悪がっているように顔を青くしていたが、ほむらの顔はなんというか黒かった。仮にさやかが少しでもその場から動こうものならば即座に射殺でもされるんじゃないかと錯覚してしまうほどの凄みを醸し出していた。

 

「‥‥‥‥冗談だ。冗談だからそんな顔を向けないでくれ。特にほむら。お前の殺意が割りと本気なのがわかってしまうから心臓に悪い‥‥‥‥撃たないよな?」

 

「あら。ごめんなさい、そんなににじみ出ていたかしら?イノベイターって思ったより大変そうなのね。」

 

「見え透いた悪意をまるで隠そうとしない‥‥‥‥もしかしなくてもコイツ、悪魔の素質でもあるのか?」

 

さやかが参ったように肩を竦めるとほむらは笑みを見せるが彼女から感じる悪意をわざと膨らますように増大させてさやかをげんなりさせてくる。流石のさやかもこれには疲れたような表情を表に出してしまう。

 

「人を悪魔呼ばわりとは失礼ね。まぁ、少し前までの私はそこまで堕ちてみるのも吝かではなかったのかもしれないけど。」

 

「‥‥‥‥本気か?」

 

「流石に冗談よ。そもそも具体的に何をもって悪魔と称されるのか、わかるわけないもの。」

 

「それはやはり…‥‥神とかそういう超常の存在に逆らってみるとかか?」

 

「神ねぇ‥‥‥‥‥そんな存在いるのかしら?」

 

「さぁな。だが、少なくとも私はあまり神とかを信じる気にはならないな。たいていの神様は理不尽をつき付けてくるからな。」

 

微笑むような表情を浮かべるほむらにさやかは両の掌を上に向けて肩を竦めながら神様を信じないと語る。

 

「ま、それはともかく。調子、少しは戻ったか?」

 

「おかげ様でな。こうやって気を病めば弾丸が飛び出ると脅してくる奴がいる以上、おちおちうなだれている暇もなさそうだ。」

 

先ほどまで見せていた表情から一転ニヒルな笑みを見せる杏子に呆れているような笑みでそれに応えるさやか。

 

「とりあえず感傷的になりすぎてしまったな。どうにも魔法少女には何かしら抱えていそうなやつが多くてな‥‥‥‥」

 

『それは言えてる』

 

さやかの言葉に同意するように口をそろえながらうなずく三人。

 

「そういえばさ、今アタシらどこに向かってんだ?こっちの方角は駅の方向じゃねぇだろ?」

 

「美樹さん、さっき何か連絡受けてたみたいだけど一体誰から?」

 

「実は電波塔での戦いの前に夏目かこから紹介された花屋に足を運んでいた。本当はそこで見舞い用の花束を買う予定だったのだが、色々雲行きが怪しくなってな。結局その時は花束の依頼だけして受け取りを先延ばしにしてもらっていたんだ。それの連絡がさっききた。」

 

「夏目…‥‥ああ、常盤さんのところの。それはそれとしてお店からの連絡だったら早めに向かった方がいいでしょうね。私たちも一緒にいきましょうか。」

 

「いいのか?完全に私事になってしまうが。」

 

「どのみち今日はアイから話を聞くだけで、それが終わってしまえばあとは帰るだけよ。好きにしなさい。」

 

「二人がそういうのならありがたいものだが…‥‥杏子もそれでいいのか?」

 

「んぁ?あたしは基本予定なんざ考えねぇからな。いい暇つぶしになんだろ。」

 

了承したのかよくわからないが、暇つぶしにはなると言っているのならついては来てくれるのだろう。そう結論づけたさやかはフラワーショップ『ブロッサム』に向けて足を進め始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしもーし?」

 

「ッ…‥‥‥‥‥」

 

声をかけるが反応のようなものを返す気配はない。それは別に声をかけられた人物に意識がないわけではなくただ単に一心不乱にそこら辺をせわしなく歩き回っているのだが、その人物の表情は不機嫌そのものであり、どちらかと言えばわざと聞こえないふりをしているのが正解だろう。

声をかけた人物はその反応をつまらないと思ったのかふてくされた表情をすると腰かけていた椅子に座りなおし、優雅なティータイムの時間としゃれ込む。

その隣には同じテーブルをかこっている別の人物がいたが、その人物は手にしている本を読みふけっているようで、周りなどまるで意に介していないようだ。

 

コツコツといらだちを隠すように歩き回っている人物の足音が反響する。しばらくそんな時間が流れていったが────

 

 

「ねぇアリナー。最近ずっっとそんな調子だけど、そんなにあの美樹さやかってのに負かされたのが悔しいの?」

 

「悔しいッ!?そんなチープなモノじゃあないんですケドッ!?」

 

やはり静かな空間で足音が反響しつづけているのは煩わしいものがあったのか、しびれを切らしたようにアリナに声をかけた。

その瞬間、アリナはギャルンッとでも効果音がなりそうなほどの勢いで身を翻しながら声をかけてきた魔法少女、『マギウス』の里見灯花をにらみつける。

 

「アリナにとってあのドッペルは最高のアートそのモノなの!!それをアイツは‥‥‥‥!!!」

 

アリナの脳裏に浮かび上がるのは先日のセントラルタワーの屋上における戦闘。ウワサの結界を破壊されたことを今後が面倒だとは思いつつも、自身のドッペルに絶対の自信を持っていた。ドッペルから生み出される極彩色の絵具はすべてを狂わせる。

しかし、その絶対の自信をたった一人の魔法少女に粉々に粉砕させられた。絵具に触れても侵食される様子を微塵も感じさせない白緑のフィールドに包まれた姿、そしてその奥に照らされた不屈の瞳はまるでその人間の精神性をを知らしめているようだった。

 

「ッ‥‥‥Damn It(くそったれ)!!!」

 

思わずテーブルに拳を叩きつける。それでテーブルが叩き壊されることはなかったが、中々強烈な音が響いたためそばにいたマギウスの二人はびっくりしながらアリナに抗議するような目線を送る。

しかし送ったところでアリナがそれに反応を見せる雰囲気もなかった。二人は諦めて彼女を下手に刺激しない方向に固めたようだ。

 

「うわぁー…‥‥荒れてるねぇ…‥‥」

 

「そのようだね。あの様子ではしばらくは近寄らない方が賢明かも。それはそれとして、例の魔法少女に対する対策も考えないといけない。」

 

「ええ~。そんなの別のヒトに任せておけばよくな~い?ねむったら少しは好きに動くっていうのを考えたらどうかにゃ~?」

 

「そうもいかないんだよ、灯花。アリナのドッペルが負けを喫したのはともかくとして、みふゆや羽根たちの前でそれをやらかしたのは失敗だね。おかげで羽根たちの間では彼女に対する不安で持ち切りだよ。彼女たちの不安を取り除かないと。」

 

「む~、面倒くさい~。別にいくつかウワサを壊されたところで私たちの計画にはなんの障害もないっていうのに~…‥‥」

 

「それが上に立つ人間の責務というものだよ。上司は部下のメンタルにもキチンと目を配ってあげないと。」

 

ふくれっ面を見せる灯花を窘めるようにねむが読んでいた本を閉じる。

 

「えっとなんだっけ、空とか飛べるとか月夜たちが言っていたんだよね?」

 

「攻撃手段は主に全身に装着された武装によるもの。見た感じ近距離系に重きをおいているようだけど、そんなことはなくビームのような強力な遠距離攻撃も有している。」

 

灯花とねむはとりあえずその魔法少女と接敵したことのある人物から得た特徴を指折り数えながら羅列していく。

 

「何より厄介だと僕が感じているのが大剣のような武装から展開されるバリア。これを張られると軒並み外部からの干渉が遮断されるらしい。それこそドッペルによる攻撃もね。」

 

「月夜たちの笛花共鳴も防がれちゃったんだっけ?あとアリナのドッペルも。」

 

「そうらしいね。まぁ僕らが実際にその魔法少女と相対したわけではないから結論を出すことは難しいと思うけどね。」

 

「あとは最近だと、最強の魔法少女の噂なんていうのが神浜の魔法少女の間で広まっているとも耳に挟んだかな?その正体がその例の魔法少女であることもね。あまり興味がなかったから今まで忘れていたけど。」

 

「ウワサッ!?アイツ、ウワサになるほどフェイマスなの!?」

 

けだるげな表情でテーブルに突っ伏していた灯花の言葉にアリナが何かひらめいたかのように直前まで見せていた表情から一転、嬉々とした子供のような笑みを浮かべる。

 

「ならクリエイトするしかないヨネッ!?ウワサにはだいたいテールがつくものなんだから!!」

 

「まぁ、確かに噂には尾ひれや背びれがつくという言葉はあるけど…‥‥誇張や拡大解釈されたかもしれない部分まで全部ひっくるめたウワサを作るということ?」

 

Exactly(その通り)!!アリナたちには絶対に負けないウワサができるし、それと同時にアイツへの対抗のプランも手に入るってコト♪もうこれってWinーWinヨネ!!」

 

「んー‥‥‥どうしよっかねむ?結局は作るのはねむだから私的にはどちらでもいいんだけど…‥‥」

 

アリナの提案に灯花はウワサの制作がねむの能力であることにかまけて決定権を彼女に放り投げた。少しは考えてほしいと思うねむだったが、こんなくだらないことで口喧嘩をするわけにはいかなかったため我慢を自身に強いた。

 

「まぁ…‥‥確かにあの魔法少女の存在は目に余るのも正直なところだからね。対抗策を講じておくことに無駄があるとは思えない。いいよ。作ってみるよ。」

 

 

 

 

 




はーい挙手ー

あ、(察し)ってなった人挙手ー

マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………

  • ガンダムだ
  • ガンダムではない
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