ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」   作:わんたんめん

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…‥‥‥結局こうなっちゃった。
前みたいな議長みたいとかキュウベェくせえってことにはならないようには頑張ったつもりではあるけど、どうだろ(白目)




第71話 ある一つの決断

「いらっしゃいませーって、さやかちゃん」

 

「すまない。注文した側であるにもかかわらず連絡を受けるまですっかり頭から抜け落ちていた」

 

「いいのいいの、別に気にしなくても」

 

連絡を受けて『ブロッサム』までやってきたさやかたち。自動ドアをくぐって花の匂いで心が休まる店内に入ると、レジで会計をやっているこのみが出迎える。店内にはたまたまなのか客の姿は見当たらず、彼女のそばには直前まで話していたのかベージュに近いクリーム色の髪を団子状に二つ作った少女が不思議そうにさやかたちの方を向いていた。

会話をいったん切ったこのみは頼まれた花束を取りに行ったのか席を外して探しに行った。時間的には少しの間だったが、横にいたその少女はさやかのことをじっと見つめ続けていた。

 

(この人……一体なんなんだろうか)

 

視られていることはわかっているため、そのことを疑問に思うさやかだったが、ほむらたちは思い思いに店内の花を物色しているのか助け船を出してくれる雰囲気ではなかった。なんとかその疑問を顔に出すようなことはせずに取りに行ったこのみを待つ。

 

「おまたせー、代金はこの前に貰っているからこのまま、ってみとちゃん?さやかちゃんのこと、じっと見つめてどうしたの?」

 

店の奥から戻ってきたこのみが繕ってくれた花束を手渡そうとしたところでさやかの隣にいた少女に声をかけた。どうやら彼女の名前はみと、というらしい。

 

「そちらが店の奥に向かってからずっと見られていたのだが……」

 

「────はっ、思わず我を忘れて見つめてしまっていました!!」

 

さやかが困った表情でそう言った瞬間、我に返ったように少女がハッとした顔をするとそんなことを口走る。突然の再起動にこのみとさやかはびっくりした顔を見せ、物色していたほむらたちもそれを聞いたのか目線をこちらに向けてくる。

 

「横顔をじっと見つめ続けるようなことをしてごめんなさい!!なんというかものすごく不思議な感覚があなたから感じたもので!!何かこう……能力を使っていないのに心が繋がるような!!」

 

「は、はぁ……」

 

興奮気味にずいっと顔を寄せてくる少女に愛想笑いを浮かべながら一歩退くさやか。なんというか彼女からの圧がすさまじいのだ。そのまま少女は興奮冷めやまぬ様子で話を続ける。

 

「もしやあなたは私と同じ心を繋げることのできる魔法少女なんですか!?私の名前は相野みとって言います!!」

 

「魔法……少女?」

 

彼女から飛び出た言葉に思わず目を丸くする。彼女は確かに魔法少女の単語を出し、なおかつ自身を魔法少女だと言ったのだ。

 

「ちょ、みとちゃんッ!?それを大声で出すのはまずいって!?」

 

「え……あ゛ッ!!」

 

たまらずこのみが静止する声を出すも既に遅し。目の前の少女は呆けた声を挙げたところでようやく周りの状況と自分が口走ったことを理解したのか顔面蒼白といった表情にし、さらに思考がショートしたのか陸に打ち上げられた魚のように口をパクパクとさせる。

 

「……別に気にしなくていいわよ?今お店の中にいるの、全員魔法少女だもの」

 

「ふぇ……?そう、なんですか?」

 

少女の反応ぶりが面白かったのかクスクスと口元を手で覆い隠しながらマミがそういうと、もう一度素っ頓狂な反応を見せ茫然とする。そして思考停止した少女に代わってこのみが確認するようにさやかに不安そうな顔と目線を向ける。

 

「その通りだ。私も含め、ここにいる人たちはみんな魔法少女だ」

 

さやかがそういいながら目くばせするとそれに応じたマミが懐からソウルジェムを取り出し、自分が魔法少女であることを明かす。残りの二人はまるで興味がなさそうにしていたが、話自体は聞いてくれていたのか同じようにソウルジェムを取り出した。

その光景を見た少女はホッとしたのか深く安堵のため息を吐いた。

 

「す、すみませんでしたぁ…………」

 

「まぁその……気をつけて、な?今のような状況というのはほとんどないからな」

 

「はい!!肝に銘じておきますッ!!」

 

目の前で謝り倒す少女をそう宥めるさやか。その対応に少女は瞳をランランと輝かせる。少女本人としてはもっと怒られるとでも思っていたのだろうか。ともかく少女のコロコロと変える表情に微妙な笑みを禁じ得ない。

 

「こっちは肝が冷えたよ……」

 

「はじめは触れるつもりはなかったのだが……彼女は一体?」

 

「え、ああ……この子は相野みとちゃん。出張販売をやっていたときに知り合って、そこからみとちゃんの友達の魔法少女へのプレゼントを作る手伝いをしたんだ」

 

胸をなでおろしているこのみにさやかが目の前の少女、相野みとのことを尋ね、軽い紹介を受けたが、さやかは相野の友達にも魔法少女がいると聞かされると、改めて神浜市は魔法少女の人数が多いことを再認識する。

 

「それで……ね。お話は突然変わっちゃうんだけど、後ろの人たちも魔法少女なら、話しても大丈夫だよね?」

 

そう言って、今度は心を痛めているように不安そうな表情を見せるこのみ。まだこのみと顔を合わせた回数は少ないが、彼女がそのような表情を見せそうな話題はかなり絞られる。

 

「秋野かえでのことか。その様子だと、あまりいい話はなさそうだがな」

 

「?‥‥‥‥かえでちゃんがどうかしたの?」

 

かえでの名前を出すと、かえでとも知り合いなのか不思議そうに首をかしげる相野。それに目配せで大丈夫なのかと心配そうな顔をこのみに向ける。

 

「実は‥‥‥かえでちゃん、最近学校にも来なくなっちゃったみたいなの」

 

「‥‥‥‥‥そうか」

 

それを聞いたさやかは一言断りを入れると席を外して少し離れたところいいるほむらたちのところに向かう。

 

「話は聞いていたか?」

 

「ええ、一応耳を傾ける程度はしていたけど……」

 

「……確かお前、もしかしたら魔法少女のアレを知ってしまったからかもとか言ってたよな」

 

「とにかく一回連絡を取れるか試してみましょう」

 

ほむらから促されるように懐から携帯を取り出し、電話帳から番号を引っ張り出す。連絡先は、以前もかえでのことで連絡を取ったレナだ。

コール音が鳴ったことでレナの携帯がつながったことを確認すると電話口に耳をあて、レナが出るのを待った。

しかし、しばらく待っていたが電話口からレナの声が聞こえてくることはなく、留守電を促す機械音声が代わりに流れてきてしまった。

 

「……マジか。まだ時間的には日中のはずだが……」

 

「まさか……」

 

「いや、まだ一回しかかけていない。たまたまの可能性もある」

 

険しい表情をしながら電話を切るさやか。色々嫌な予感が頭をよぎるが、ひとまずそれを全部押さえつける。どうしても考えたくないという本音が心の中にあふれ出る。

通話状態にならなかったことはまだ構わない。しかし今日は休日な上に時刻もまだ昼すぎを回ったところ。よほどなことがない限り鳴っている電話に気づかないというのは考えにくかった。

 

「…‥‥どう思う、ほむら」

 

「私に聞くの?正直な意見しか出せないわよ?」

 

ほむらの言葉にさやかは重々しく頷いた。ほむらの意見を仰いだのは一番経験のある魔法少女であると同時に、さやか自身の中にある甘さのようなものをなくしておきたいというのもあった。

さやかの様子を見たほむらは瞳を閉じ、小さくそう、とつぶやいた。

 

「以前からあなたからの報告で彼女の様子が変になっていることは聞いていたわ。そして、その原因に関する予想も。それを踏まえるのなら、彼女は向かってしまったと考えるのが一番現実的ね。水波レナさんも連れ添って。十咎ももこさんがどうだか不明だけど、あまり期待はしない方が賢明ね」

 

「……やはり、そうなのか。」

 

「ええ、残念だけど。でも、あなたもそうなってしまう予感がないわけではなかったんでしょ?」

 

ほむらの問いに顔を俯かせ、少し間を空けながらうなずく。推測の上なため確証を得ていたわけではないが、突然友人との連絡を閉ざしてしまうなど、その本人によほどショックな出来事があったとしか考えるほかない。普通であれば閉じこもっている本人に直接聞くほどのことをしなければその要因を知ることは厳しいが、幸いさやかたちには共通点があった。

 

魔法少女であること。そしてそのまだ年端のいかない女子に甘美な響きを思わせるソレに隠された魔女化の運命。

 

それさえ知っていれば、原因を想像することは難しくない。おそらくかえではその運命を知ってしまったのだと考えられる。そしてそれを誰にも言いだすことすらできなかった。

 

「……そろそろなりふり構っていられなくなってきてんじゃねぇの?向こうも、こっちもさ」

 

難しい表情を見せながらそう言う杏子。前日の件もあり、マギウスの翼からの警戒度は高まることが予想される。さらに彼女らのトップである『マギウス』の動き方次第でウワサを破壊され続けていることを焦り、強硬な策に出られてしまう可能性もある。

杏子の言う通り、両陣営ともなりふり構っていられなくなるかもしれない。

 

「だが、それを行うにはどうしても危なっかしい部分を含んでいる」

 

「そりゃあそうだけどよ……十人ぽっちで組織相手に張り合うってのも土台無理な話だろうよ。ただでさえどっちに傾かれるかわかんねぇ奴らを抱えてるんだからさ。そうなりゃ最悪五人以下だ、こっちは。もしそうまでなってんのにどうにかなっちまったんなら、そら完全にアニメの話だ」

 

「……確かに、その通りだな」

 

杏子の言葉に考え込むように顔を下げるさやか。総力戦にまでもつれ込んだ際に不利なのが自分たちなのは明白だ。ウワサを作り出している柊ねむがどれほどの力を持っているのかは知らないが、最悪の展開として、作り出したウワサや魔女を駆使して神浜市中の人々を無差別に襲うようになったら被害なしでそれを食い止めることは不可能だ。

できることはその被害を可能な限り食い止めるほかはない。そしてそれを行うためにも人手がかなりの人数が必要になる。

 

「……二人はどう思う?」

 

「正直言って、どこまで話すかによるわね」

 

ただ、いざ話を持ち掛けようとするとどうしても魔女化やソウルジェム関連の話に足が縫い付けられる。さやかは、何かアイデアはないかと投げかけるようにほむらとマミに視線を向けるとほむらが早々に指を三本立て、まるでプランが三つあるかのように意見を返した。

 

「一つは全部話すこと」

 

一つ指を折る。マギウスの翼の存在、そして魔女化のことやソウルジェムのこと。自分たちの持っている情報をすべて詳らかに明かすこと。しかし、それは一種の博打にも等しいだろう。さやかのように落ち着いた対応をできる人もいるが、ほむらの巡った平行世界のマミのように現実を受け入れることができずに結果として向こうに戦力を与えてしまう可能性もある。

 

「もっとも、これはわたし個人としても選びたくはないルートね。余計な死人を増やすのはごめんだもの」

 

ほむらも同じ意見だったのか、そういうと隣のマミに白い目線を向ける。まるで愚痴でも吐いているような口ぶりだが、マミにとってはさやかから聞かされたとはいえ並行世界の自分のことなどほとんど自分の与り知らないことと全く一緒なため、苦い表情を浮かべるほかなかった。

 

「もう一つは逆に話さないこと」

 

もう一つ指を折る。今度は正反対に何も話さずこのままこのみたちをなるべく遠ざけるようにすること。

 

「でもぶっちゃけるとこれも、わたし個人としてはやっていることがインキュベーター共とほとんど変わらないからイヤね。アイツらと似ていることやっているっていうだけで、はらわたが煮えくり返るわ」

 

(イヤなのか……)

 

なんとも自分勝手だが、彼女の胸中を全く知らないわけではないため、必要以上に口を挟もうとはしなかった。

 

「そして三つ目。わたし達が隠し事自体はしていることを話した上で忠告、この先の判断を彼女たちに委ねる」

 

そしてほむらが出した三つ目の提案。

 

「……要するに話すだけ話してあとはついてきた奴の自己責任ってわけか。だいぶ身勝手だな。」

 

「仕方がないのよ。話すことが難しいのなら、その存在だけを仄めかしてあとは自分から知ってもらうしかないでしょう。あとで後ろ指指されながら罵倒されるのなんてごめんよ」

 

「まぁ、前まで口より先に行動が出るお前からすれば話そうと努力しているだけでも上々だとは思うがな」

 

「うるさいわね……それで?あなたはどうするのかしら」

 

案は出した。後は好きに任せるとでも言うようにほむらはさやかにそう問いかける。

 

「……説明は毎回私がしないといけないのか?結構説明に関しては口下手だと自負しているのだが……」

 

「接点あるのがあなたしかいないのだからしょうがないでしょう。不可抗力だと思いなさい。」

 

不服そうにしているほむらからピシャリと言い放たれ、ため息を吐くと重い腰を上げ、このみ達のところへ歩みを進める。少しという割には結構間を空けてしまったと思っていたさやかだったが、その認識は間違っておらず、かえでの身を案じて今にも突っ走りそうになっているみとを、このみが抑えている光景があった。

 

「二人とも、少し時間をくれないだろうか?」

 

「はい……?」

 

「ふえ?」

 

落ち着かせるように二人をなだめ、話せるようになったところでさやかは決心した表情で話し始める。

 

「……結論から言えば、秋野かえでの居所におおかたの見当はついている。」

 

「えっ!?」

 

「ほ、ほんと!?」

 

さやかの言葉に驚きの声を挙げる二人。しかし話の内容とは反面におおよそ喜んでいるとは思えない思い詰めているようなさやかの表情に二人は何か事情があることを察する。

 

「まず、春野このみ。貴方にははじめに謝らせてほしい」

 

「え……?」

 

突然の謝罪に面食らう表情を見せるこのみ。本来なら彼女からの返答を待ってから続きを話し始めるべきなのだろうが、無礼を承知でさやかはそのまま話を続ける。

 

「前回ウワサのことを話したと思うが、あの話にはこちらで意図的に伏せていたことがある」

 

「い、意図的ってわざとってこと?」

 

このみの言葉に無言で頷くさやか。突然に継ぐ突然の話にこのみは困惑必至の様子だ。

 

「以前ウワサについて魔女と姿形こそ似ていて、本質的には魔女とは異なると言った。その時は詳細などは伏せていたが、はっきりとした理由がある。それはウワサは人の手で創られた存在だからだ。そして、その創造主は私たちと同じ魔法少女でもある」

 

「ま、魔法少女……!?それじゃあ、この前の『アイ』っていう人も……」

 

「考えている通り、創られた存在だ。もっとも、彼女は彼女自身の考えでその創造主から離反したのだが……」

 

「ねぇ、そのウワサっていうの、わたしは初耳なんだけどとりあえず他人を危ない目に遭わせるんだよね?その魔法少女が創った理由みたいなのは教えてくれるの?」

 

このみの反応に合わせて少しずつ理解してもらうつもりでいたところに初耳であるはずのみとが至極落ち着いた様子で話を切り込んでくる。隣ではこのみが平然としていることに驚いているが、向こうから話を進めてくれるのは正直言ってありがたかった。

 

「話せることには話せるが、いいのか?」

 

「へ?何が?」

 

「魔法少女が他人に危害を加えていることに対して、驚いたりとかしないのか?」

 

「うん。そういうこと、前にもなかったわけじゃないからね。」

 

「そうなのか……」

 

魔法少女の数が多ければ、必然的にそういう悪事に手を染める魔法少女もいる、ということなのだろう。

 

「改めて話を戻させてもらう。ウワサを創った理由に関してだが、正直に言えば詳細はわかっていない。が、目的は魔法少女の救済というもので、ウワサはそれの成就のために必要らしい」

 

「ま、魔法少女の……救済……?それってどういうこと?」

 

「……それについては、まずこっちの話を全て聞いてからにしてほしい。色々順序というのがあるんだ」

 

魔法少女の救済。反応を見るに大方初耳なのだろう。驚愕といった声をこのみがあげる。隣にいる相野も声こそ挙げてなかったが、驚いたように目を見開く反応を見せていたため、このみと同じく初耳なのだろう。

 

「私たちが相手にしているのは『マギウスの翼』と呼ばれる魔法少女たちの組織だ。そのウワサを創る魔法少女を組織のリーダーのトップの一人に置き、その組織で掲げている理念に賛同した多くの魔法少女を配下としている」

 

「その理念っていうのが、魔法少女の救済ってことなの?」

 

「ああ。ついで、というには中々強烈かもしれないが、奴らはウワサを守護しているほかに使い魔から魔女を養殖し、育てている」

 

「ま、魔女を使い魔から養殖って……!?」

 

聞かされた言葉に空いた口がふさがらないといった様子で茫然とした表情を浮かべる二人。使い魔が魔女に成長するには人を食らう必要がある。それを育てるということは既に多くの一般人が生贄のような形でささげられている可能性がある。

 

「なんとかそのマギウスの翼っていう魔法少女たちのこと、止められないの?そんなこと、賛同している人が多いなんて思いたくはないんだけど……」

 

「そうあってくれればよかったんだがな。奴らの噂はこの神浜市の外にも広がっている。実際、私たちもその噂を聞きつけてやってきた節があるのだからな」

 

「噂……?一体どんなの?」

 

「夢の中に少女が現れ、揃ってある言葉を残していくというものだ。神浜に来れば、魔法少女は救われるという言葉をだ。」

 

「……みとちゃん、聞いたことある?」

 

このみの言葉にフルフルと首を横に振る相野。どうやらマギウスの翼は勧誘活動のようなものは市内では行わないらしい。足がつくことを恐れているのか、それともそのようなことをしなくても自ら加入を望んでくる魔法少女が多いからだろうか。

どのみち人数比率は向こうが圧倒的なのだが。

 

「ふぅ……ようやく落ち着いてきたんだけど、もしかしなくてもかえでちゃんはそのマギウスの翼に連れ去らわれちゃったってこと?」

 

「いや……おそらく自らの意志で向かったと考えている。そして、その理由を私たちは察してはいる」

 

自身の見解を述べると同時に先読みしてこのみたちが求めていることを自分たちが知っていることを明かす。が、情報を持っていることを明かしただけでその先をさやかは頑なに話そうとはしない。てっきり教えてくれるものだと思っていた二人は怪訝な表情を見せる。

 

「察してはいるが、私はこれは教えられるものではなく、できれば自分で知ってもらいたいと思っている」

 

「知っているのに、教えてくれないんですか?」

 

知っているのに教えないというある種いじわるをされているようなことにこのみは非難するように細めた目線を向ける。

 

「身勝手なのはわかっている。だが……私たちが想像している通りなら、秋野かえでがマギウスの翼に下った理由はすべての魔法少女に絶望を突きつける羽目になる」

 

「絶望って……それってどういう……」

 

「絶望……?ねぇ、ちょっとごめん!!」

 

さやかの説明に怪訝な表情を隠し切れないこのみだが、相野は何か思いついたような様子を見せると突然さやかの手を掴み取った。

 

「な、何を────うわっ!?」

 

相野の行動に不意を突かれた表情を見せながら驚くさやかだが、その言葉が続くことはなかった。彼女に手を掴まれそれを反射的に振りほどこうとした瞬間、視界が光に包まれ、目がくらんでいるうちにさやかの意識は闇に沈んでいった。

 




感想くれっとやっぱうれしい。どんな感想であれ、来たこと自体がうれしいから何回も見て悦に浸ってしまう。

マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………

  • ガンダムだ
  • ガンダムではない

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