ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」   作:わんたんめん

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やべぇ‥‥‥‥今まで6千7千とか書いてたからいざ4千字程度で出そうとすると罪悪感的な何かがえぐい…‥‥‥


第76話 代表者

「……………最近はまぁ、神浜に入り浸っていたからな…………」

 

言い訳じみた言葉に思わずため息が出る。

自分の机の上に積み重なるのは分厚い本の山。その背表紙にはそれぞれ国語やら数学といった学校の教科が一つずつ記されていた。

 

(…………テスト勉強、まるで進んでいない。)

 

季節は春を通り過ぎ、茹だるような暑さが何日か続くことが多くなってきた。

暑くなれば、学生の身であるさやか達にはある時期がやってくる。夏休みだ。

普通であれば、楽しみにし、日々をどう過ごすか想像を膨らませているだろうが、それは小学生までの話。

残念なことに夏休みをただでは過ごさせんと壁のように立ちはだかるイベント、それがテストである。

ここのところ頻繁に神浜に足を運んでいたさやかは色々あってこれ(テスト)の対策を行うことをすっかり忘れていた。

 

「とりあえずやるか………」

 

ちょっと億劫になるさやかだったが、結局は先生からチェックされるためどのみちやる必要があると自分に言い聞かせることでなんとか机の椅子に着いた。

 

(………………自惚れるつもりはないのだが、なんだか理解力が上がった気がする。特に数学。)

 

そんなことを考えながらスラスラと問題を解いていくさやか。問題が解ければモチベーションが上がるのか、気づけば時計の針がかなり進んでいた。

 

「……………こんなものか。」

 

ひと段落つくと腕を真上に伸ばし、リラックスするさやか。

時間も時間なため、寝ようとしたタイミング、机に置いていたスマホが着信を知らせる。

 

 

「………………何かデジャブじみたものを感じる。」

 

このタイミングで電話とは一体どこの誰だと思いながらスマホの画面に目をやると、画面には春名このみの名前が。

 

(………………出るしかないな。)

 

ソウルジェムが自身の魂であることを聞かされると少し考える時間が欲しいといった彼女。

あれから特に連絡のようなものはなかったが、今こうして連絡を寄越してきたということは彼女の中で考えがまとまったということだろう。

もっとも、それがさやかにとって喜ばしい形かそうでないかはわからないが。

 

「もしもし?」

 

『あ…………もしもし、こんばんは』

 

「…………大丈夫そうか?」

 

『……………まぁ、どうかなって感じです。』

 

さやかの言葉に乾いた笑いのような声を上げるこのみ。

空元気なようにも見えるが、それはそこまで深刻なようには見えないように思える。

 

『ごめんね、さやかちゃん中学生なのに高校生のわたしが泣きつくような形になってちゃって……………』

 

「……………自分がなんであるかなど、関係あるものか。」

 

『えっ?』

 

「誰であれ、ショックなことがあれば立ち直るまでには時間が要る。そこに年齢が上やら立場とかいう理由で無理に納得しようとすることなどあってはならないだろう。特にこういう命に関わるようなことはよりそうであるべきだ。」

 

「で、ホントのところどうなんだ?電話越しだと大丈夫そうに聞こえるが。」

 

『…………うん、実はね。さやかちゃん達からあのことを教えられた後、別の日に

みとちゃん達がまた来てくれたの。』

 

「相野みとか……………『達』?」

 

『えっと、さやかちゃんは知らないよね。みとちゃんと同じ団地に住んでいる魔法少女のせいらちゃんとれいかちゃんのこと。』

 

そう言われて少し相野との会話を思い返してみるさやか。

そういえば彼女の能力を使用した空間でそんな感じの名前が出ていた気がする。

 

「……………いや、名前だけは聞かされた覚えがある。まぁいい、今回の主題はその人たちではない。紹介は会ってからでもいいはずだ。」

 

『それもそっか。それで話の続きなんだけど───────』

 

そこから先はさやかもある程度相野から聞かされたことと同じような内容だった。

ひょんなことからソウルジェムが自身の魂であることをインキュベーターから聞かされたときには自分の身体がまるで人間ではなくなってしまったような感覚に恐怖したが、それでもそこで生きることをやめてしまっては、叶えた願いが、なによりそこにあった出会いに嘘を吐くことになるからと。

 

『わたしが願いを叶えたのはお店の店長の病気を治してほしかったからなの。そこに後悔はないよ。みとちゃんたちの言うことに則るなら、それはわたしが花を好きになったきっかけを否定する、なによりのことだから。』

 

それを聞いたさやかは安堵した。

魔法少女の真実を明かすことはかなりリスキーなことである以上、教えられた人間がどちらに傾くかは完全に本人任せになってしまう。

もちろん可能性によってはマギウスの翼に属してしまうこともあるだろう。

しかし、仮にこのみがその決断を下したとしてもさやかはそれを糾弾するつもりは一切ないのも正直なところだった。

それはあくまでこの未来ない運命から逃れたいがための縋りだ。手法にこそ受け入れがたい部分が山ほどあるが、その救いを求めた行動、行為に後ろ指を指すことは絶対にできない。

 

『でも…‥‥どうにかできるならしたいよね。わたしにはまだ知らないことがあるけど、これだけでも、とても…‥‥‥』

 

「ああ。それには私も同意見だ。だが、いくら救われたいからと言って、それを免罪符に他者を傷つけるのは間違っている。所詮は綺麗事に過ぎないが。」

 

『き、綺麗事って‥‥‥さやかちゃんって自分でやっていることによくそんなことが言えるね…‥‥』

 

「私たちには示さなければならないことがあるからな。」

 

『示さなきゃって‥‥‥‥一体どんなこと?』

 

「代替案だ。具体的に言えば、マギウスの救済に変わる何か革新的な方法だ。それがなければ、マギウスを止めたところでいつか必ずどこかでマギウスと同じようなグループが現れ、また同じ争いが起こる。それでは何も変わらない。それどころかむしろ悪循環に捕らわれていってしまう。」

 

『ようはいたちごっこってわけだからこの一発で解決する必要があると‥‥‥‥でもでも、そんな方法って簡単に見つかるものなの?』

 

「…‥‥‥難しいな。その一言に尽きる。」

 

(可能性がないわけではない。しかし…‥‥)

 

このみの言葉にそう返す裏腹、さやかは渋い表情で考えこむ。

考えてはみるが、その段階に入るためにはどのみちマギウスに今の行いを止める必要がある。そうでなければ交渉のテーブルにつくことすらできないからだ。

 

(彼女にああ言った手前、そう簡単にへこたれる訳にはいかないな。)

 

『‥‥‥‥やっぱりそうだよね。ところで話は変わるんだけど、さやかちゃんはこれからどうするの?またしばらくはウワサを探し回るつもり?』

 

「…‥‥それも一つだが、現状大きな問題として存在するのが、第一に相手との戦力差、次点で本拠地の居所だ。後者はともかくとして前者の戦力差の問題は早急に対応するべき問題だ。マギウスの翼に所属する羽根たちは基本的にはそこまで名うてと言える魔法少女はいないが、総人数の全容まで把握できていない。なにより向こうは育てた魔女やウワサを出してくる可能性もある。そうなってしまえばこちらはじり貧に近くなる。現状では対応が不可能だ。」

 

『流石に魔女まで出してくるんだとしたら周りの魔法少女の人たちも気づいて手伝ってくれるんじゃ…‥‥』

 

「自分から言っておいてとも思うかもだがそうなるのは状況が最終局面に近くなってからだと考えるべきだろう。普通であれば魔女を利用するなど、多くの魔法少女は反感を覚えるだろうからな。結果的にそれは自分の首を絞める行為に他ならない。」

 

『ということはその間にその羽根の魔法少女さんたちと戦えるだけの人数が必要ってこと?』

 

「そういうことだ。だがさっきも言った通りマギウスの翼に身を寄せている魔法少女は多い。彼女ら全員を相手にする、とかいう大それたことをするつもりはないが、それでも十人くらいでは流石に戦力に心元がない。」

 

『‥‥‥‥さやかちゃんはその戦力にあてとかあるの?』

 

「‥‥‥‥知っているかはわからないが、常盤ななかたちのグループには声を掛けようと思っている。」

 

『常盤さんたちのところか…‥‥‥確かにあの人たちもだいぶ強い方だけど‥‥‥‥‥』

 

「‥‥‥‥なにかあるのか?」

 

『私はいわゆる代表者って呼ばれている人たちを引き込んでみるのがいいと思う。』

 

「代表者?」

 

このみの言葉に首をかしげるさやか。

彼女の説明では代表者とは、神浜市内における西側、東側、南側と分けられた魔法少女たちの勢力図でそれぞれの地域におけるトップとされる魔法少女のことらしい。

そういえばどこかの会話で七海やちよが西側の魔法少女代表とか言われていたような気がするのを思い出す。

聞くところによるとやちよは東側の魔法少女の代表と話し合いで西と東で魔女の取り合いが発生しないよう線引きを行い、言うところで言う縄張りを定める協定を結んだとされているらしい。

 

「魔法少女が多いがための代表者か‥‥‥‥‥」

 

『うん。巻き込むことはすごく申し訳ないんだけど、多分その人たちがいれば、その分早めに解決できるかなって‥‥‥‥‥どうかな?』

 

「‥‥‥‥‥いや、既にウワサは東側の地区でも確認している。マギウスの翼はおそらく神浜全域まで及んでいると考えた方がいいだろう。その存在も既に耳に入っているかもしれない。もしかしたら協力関係を築くこともできるかもしれない。」

 

このみの言葉に肯定気味な意見を返すさやか。

理由としては彼女の言う通り、戦力的にも信頼を置ける人物が増えればそれだけ解決までの時間は早くなるだろう。もう一つは事後処理的な面からだ。

仮に一通りの事件が沈静化したとき、そういうリーダー格の魔法少女が複数人いれば、各地域の魔法少女たちの動揺を抑制することができる。

具体的に言うならば、ソウルジェムのことや魔女化のことを明かされたときだ。さやかたちのような外の者より、その代表者をはじめとする見知った人物から知らされた方が動揺の度合いも変わるだろう。

 

「ともかく、一度はその代表者と話がしてみたい。仮に協力を取り付けられなくてもそういう勢力がいると知ってもらうだけでも十分な宣伝効果があるというものだろう。それで、その代表者の名前とか知っているか?」

 

『ごめんね、流石にそこまでは知らないかな‥‥‥‥‥‥やっぱりやちよさんなら知ってるだろうけど…‥‥‥』

 

「‥‥‥‥‥‥‥まぁ、勝手に会いにいくより彼女を通した方が適切な段取りではあるか。」

 




感想くれると非常に助かります…‥‥‥


〈余談〉

クロブでエクプロ触りました。
あの機体勝ち負けとか置いておいて楽しいね。
結構クロブのモチベ上がる上がる。

マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………

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