ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」 作:わんたんめん
「ソウルジェムのことですか?はい、存じ上げています。知る機会に恵まれたのはあきらのおかげでしたが。」
「やはりか。前に会った時からなんとなくお前は知っているのではないかと薄々感じていた。」
「あら、見抜かれていましたか。まぁ正直に言いますとあなたからそのようなことを仄めかされた時は内心ではとても驚いていたのは事実ですからね。」
「なら協力の件は?」
「マギウスの翼に関しては以前から噂として聞き及んでいます。私の固有魔法には反応こそ何もなかったために静観を決めこめていましたが、彼女らが魔女を育成しているともなれば話は別です。」
「え、そんなあっさり!?」
「ななか?私そんなの知らないんだけど………………?」
「それはそうでしょう。あなたにはまだ話していませんでしたから。」
「ええ……………」
くいっとメガネの位置を動かしながらそう言い切るななかにあきらは何も返せなくなってしまう。
さやかがまず会いにむかったのはななかたちのグループだ。
例によって互いの連絡先を知っているかこを間に挟んでのやりとりを通じ、こうして集まる機会を得たが、想像以上にトントン拍子で進み、まとまったことにさやかについてきたこのみも驚きを隠せない様子だ。
そしてななかにソウルジェムに隠された真実を知るおかげとされたあきらはそのことに心当たりがないようだったが、ななかが彼女に説明すると、合点がいったのか納得の声をあげると同時に顔を青くする。
「…………要はボク、ななかがいなかったら死んでたってことだよね?」
「そうなりますね。ですのでもっと感謝してくれてもいいんですよ?」
「恩着せがましいのネ………………」
肩を竦めるあきらにななかはふんぞりかえるように腰に手を当て、いわゆるドヤ顔に近い表情を見せる。
まぁ、恩着せがましいのは事実なため、その様子を美雨からは白い目で見つめられていた。
「あの…………流石にもう一つの"爆弾"と美樹さんが呼んでいたのは………」
「…………すまない。それを私の口から語ることはできない。マギウスの翼に関わっていけば自ずと知ることはできるだろうが……………」
かこの言葉にさやかは目を伏せ、申し訳なさそうにそれが語ることができないのを謝罪する。
「それと、そのマギウスの翼に対抗している魔法少女に七海やちよさんがいるとのことですが………………」
「…………………フェリシアのことか?」
なんとなくななかの言葉に若干の歯切れの悪さを感じたさやかが少し考えた後にそういうとななかは面食らった表情をし、一度咳払いのような声をあげる。
「…………すみません、無礼なのは重々承知なのですが、以前の彼女の行動があまりに目に余るものだったので。」
「気持ちはわからないでもないが、正直にいうと七海やちよ以外のあそこの面々は限りなく白に近いグレーだと思ってもらった方がいい。」
「?…………なんだか言い方変だけど、味方ってことでいいんだよね?」
「問題ない。だが、彼女らはソウルジェムのことなどをまるで知らない。どこかで知った、もしくは知らされた時に彼女たちがどう転ぶかが不明瞭だ。」
「だったらアナタが教えてあげるのがいいのネ。」
「そうしたいのも山々なんだが、何より知ってる家主がそれを嫌がるんだ。気持ちは理解しているつもりだが。」
「嫌がるとは…………やちよさんがですか?」
美雨からの指摘に困ったように首を振るさやかにななかが不思議そうに首を傾げた。
ななかたちと会う前にさやかはいろはたちにもできる限り情報を共有した上で事にあたるべきだろうとしてやちよに電話をかけたのだが、その時の彼女は妙に嫌がっていた。
まるで忌避しているとでも言っていいような様子。明らかにそれを巡って何か有ったのだろうと考えてしまうのは自然だった。
さやかとしても西側の顔とされる彼女と蟠りを持つのは避けたかったためにその時は引き下がることにした。
(こればかりはな……………この前はこちらの判断である程度は決められたからよかったものの…………)
迂闊に広げ回って、マギウスの翼に降る魔法少女が増えたら本末転倒だ。神浜市に来た時から引きずり続けている問題にさやかはため息をつく他なかった。
「……………そういえば、話が変わるのだが、東側の代表者について何か知っているか?」
「東側の代表者…………?名前程度であれば存じてはいますが………………なるほど、そういうことですか。」
「……………理解が早くて非常に助かる。」
「え?なに?どういうこと?」
「………………事態は私が思っていたより大きく、深刻化している、ということです。」
「いやそんなメガネのレンズを光らせながら賢いアピールされても…………っていうかそれどうやってるの?」
あきらのツッコミに耳を貸す様子もなく、話を進めていく二人。
そしてさやかはななかから東側の代表者の名前を聞き出した。
「
「ええ、顔を合わせた機会は少なかったですが、実力に申し分はありません。戦力に引き込むとしてもこれ以上はないでしょう。」
「助かった。あとは七海やちよに掛け合ってその魔法少女と会えないか聞いてみる。」
「そうした方が賢明でしょう。基本的に西と東では不可侵であると聞き及んでいます。私たちが向かってしまえば東の魔法少女の皆さんに余計な刺激を与えてしまうでしょう。今は団結するときである以上、それは避けるべきです。」
「え!?そうなんですか?」
ななかの言葉に驚きの声を挙げるこのみ。その理由を聞いてみると、彼女はさやかについてくるつもりだったらしい。
「このみちゃん、なんだか積極的だね…‥‥‥」
「あ…‥‥‥!!」
不思議そうな顔を浮かべるかこの言葉に思わずこのみはさやかと顔を見合わせる。
さやかもここで思い出したが、かえでの交友関係の中にはかこもいたのだった。そして彼女はかえでがマギウスの翼にいる可能性が高いことを知らない。
ともかくかこにもかえでの現状を知らせる必要があるという意味合いで頷くとこのみの説明でかこにかえでのことを伝える。
「そ、そんな…‥‥かえでちゃんがマギウスの翼に…‥‥!?」
「あくまでその可能性が高いだけと念押しはする。だが、今のところ彼女との連絡が途絶えているのが現実だ。さらには彼女の周りの魔法少女とまで音信不通になっている始末だ。」
ショックのあまり手元で口を覆うかこにそう説明するさやか。
友人が知らない間に一般人や他の魔法少女に被害を及ばしているグループに加入しているかもしれないというのが相当つらいであろうことは想像に難くない。
「‥‥‥‥あなたのいう“爆弾”、どうやら相当のもののようですね…‥‥‥」
隣でかこの狼狽ぶりを見たななかは険しい表情を浮かべる。
かえではおそらくソウルジェムが黒く濁りきったら自身が魔女になり果てることを知ってしまったのだろう。そこでこのままでは自分に未来がないことを悟ったことでマギウスの翼に入り、そこで知ったことをレナに流した可能性がある。
(‥‥‥‥‥実をいうとももことも連絡が取れていない…‥‥おそらく、もう────)
イヤな確信が心の中で渦巻くが、ひとまず置いておくほかない。
「とりあえず、どのみちそのマギウスの翼っていうのを止めないと。魔法少女を救済とかよくわからないけど、魔女を育てて他の人を襲わせるなんて魔法少女として見過ごせないよ。」
「そうアルネ。イロイロとナゾなところがあるけど、それで家族にもしもがあったら絶対許さないネ。」
「再度の申出になりますが、私としてもあきらと同じで魔女を育て、利用するという輩を捨ておくつもりはありません。あなたほどの魔法少女が戦力が必要と言うのでしたら、喜んで手を貸しましょう。」
「…‥‥‥すまない、ありがとう。」
ショックも相応にあったが、それでもマギウスの翼に対抗するための戦力になってくれると言ってくれたななかたちにさやかは頭を下げ、感謝の意を述べる。
「それで、現状では明確に味方と呼べる人物はどのくらいでしょうか?戦力の把握をしておきたいのですが。」
「確か…‥‥さやかちゃんのところの四人とみとちゃんのグループの三人、あとやちよさんのところに私だから‥‥‥‥‥」
「…‥‥多く見積もっても10人弱、最悪10以下にしかならない。」
ななかから現状の味方陣営の頭数を聞かれるとこのみが指折りながら数え、さやかが目線を下に落としながら総計を出す。
まぁ、どう見ても戦力図が釣り合っている気がしない。
「こちらを頭数に含んでも10前半‥‥‥‥‥対する向こうは?」
「マギウスの翼に所属する魔法少女は多くはほとんどが無名の魔法少女だ。しかし、何より人数が多い。神浜全域に及ぶ活動範囲を鑑みても百か二百はくだらないと考える。」
頭を悩ませているようなさやかの言葉にその場にいる全員に暗い雰囲気がのしかかる。
無論全員を相手にする必要がないのはわかっているつもりだが、それでもおよそ十倍の相手にななかたちは改めてさやかたちが立ち向かっている相手の強大さを認識する。
「…‥‥‥‥ざっと十倍‥‥‥‥どうするのななか?」
「とりあえずこちらもできうる限り協力してくれる方をかき集めるほかないでしょう。一概に弱いと言っても魔法少女。固有魔法の性能や使い方次第ではいくらでもやりようはあると考えるべきです。」
とはいえ、一度交わした約束をその場で反故にするつもりもななかたちにはなかった。
あきらが苦いものでも食べたような表情から話を振られたななかは結局はさやかがやっていることと同じように協力してくれる魔法少女を増やすしかないという結論になる。
「あきら、私たちの方でも探してみましょう。こちらでも多少はアテがあります。少なくとも、あの騎士さんは事情を話せば意気揚々とこちらに加勢してくるのは目に見えていますが。」
「あぁ、確かに…‥あの人は絶対そうするよねぇ‥‥‥‥うーん、巻き込んじゃうのは気が引けるけど、何も言わないでおくのも後々言われそうな人がいるんだよなぁ‥‥‥」
「?‥‥‥‥まぁ、基本誰に来てもらってもこちらとしては大歓迎だが、一度くらいは顔合わせのようなことはさせてほしいとだけは要望を出しておく。」
二人の話に首をかしげるさやかだったが、最低限アリナ・グレイみたいな半ば気がふれているような魔法少女が来なければいいと思い、それだけを条件に出した。
「フーン…‥ワタシはあまり思い浮かぶのいないネ。前の気絶事件の時に会ったあの三人組は?」
「あの人たちは…‥‥どうかな‥‥‥遊佐さんが動いてくれたらそれにくっついてくる形で来てくれるとは思いたいけど…‥‥‥」
「まぁね‥‥‥‥いろんな意味で危ういのがいるのネ。」
思っていた以上に魔法少女たちの間で交友関係があることにさやかは目を見開く。
実際あとで聞いてみれば少なくとも年単位で魔法少女として生きている人物がほとんどだった。
その間にも様々な出来事があったであろうことは想像に難くない。
「改めてよろしく頼む。魔法少女としてまだ未熟で神浜の人間でもない私では限界がある。」
「‥‥‥‥‥あなたが未熟かどうかはさておき、そう正直であれるその姿勢には素直に賞賛の声を。神浜の魔法少女はよくも悪くも癖のある人たちが多いですので。」
各地域の代表者ぇ‥‥‥‥もう少し色々頑張ってよ…‥‥まぁ周りから祭り上げられたのが大半なんだろうけど、特に南側
マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………
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ガンダムだ
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ガンダムではない