ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」 作:わんたんめん
それはそれとして十七夜さんがネタキャラになりそうで怖いぞ。
古風な言い回しをするのも相まって一回脳内でグラハムになったし。
「まぁなんだ、確かに初対面で子供呼ばわりは流石に礼を欠き過ぎたのはその通りだ。すまない。似たようなことで以前にも怒られたというのに‥‥‥‥」
「お、おう…‥‥‥恵美里のヤツもこれくらい上の人間に対する敬意ってもんがあるとなー…‥‥‥」
初手で失礼をぶちかましてきたことを素直に謝罪するさやかに多少面食らったような表情を見せるひなの。
その時遠い目を浮かべながら恵美里のことを言っていたような気がするが、特に触れないでおくことにした。
彼女も彼女でひなののことを子供扱いしているのだろう。彼女のことを等身大で見ているとも言い換えられると思うが。
「で、お前が例の魔法少女か?なんか最近『最強の魔法少女』って触れ込みみたいなのを耳にするんだが。」
「…‥‥美樹さやかだ。ちなみにその触れ込みをばらまいている奴らのことはわかっているのか?」
「確か‥‥‥‥‥マギウスの翼とかを名乗ってたな。怪しいケープ被ってどっかの宗教かと思ったよ。勧誘もされたしな。」
「都君のところには来たのか…‥‥‥私や七海のところには来なかったのだが‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥所感だが、それはもしかしなくてもお前たち二人は怖がられているのではないのか?」
「おお、気が合うなお前。西側の代表者とはいつかの協定んときに会ったきりだが‥‥‥‥和泉、お前ら雰囲気からして近寄りづらいんだよ。あん時の話の内容からして軽い雰囲気で行けるもんじゃないってのは認識してたがそれでも限度ってもんがあるだろ?一介の科学野郎がいていい会合ではなかったぞ。」
「‥‥‥‥‥‥まぁ、それでも構わないとも。自分がそうあることによって東の魔法少女が正しくあるのであれば────」
「一般的に恐怖による抑制はその影響下にある人物からは反発を招きやすい。水面下、お前の知らないところで勝手に転覆の下準備をされるだけだ。あまりこう言うことは言いたくないが、だから東側の魔法少女の多くがマギウスの翼の構成員になっているのではないか?」
「…………………要は美樹君、君は自分のせいでマギウスの翼の戦力を増やしたと?」
「うーん……………他にも理由はいくつか考えられるが、ことお前の言う東側の魔法少女が多い点に関してはお前自身が要因の一つかもしれない。特に、さっきの彼女に対する対応を見てるとな。どうにも………………」
「そうか……………………そうなのか……………そう、だったのか……………」
「うわ、見るからに和泉がしおらしくなってく。コイツのこんな有様初めて見たぞ。」
語気をわずかに強めながら憮然として詰め寄る十七夜だが、悩ましげな表情のさやかからの結論を聞くと、ショックだったのか渋い柿でも食べてしまったような沈痛な表情を浮かべる。
その様子を目の当たりにしたひなのは見間違いなのはわかり切っていたが、まるで顔に年取ったシワが浮かび上がっているようにも見えた。
「ん…‥‥‥?ちょっと待て。お前ら、アタシの前に誰かと会ったのか!?」
「‥‥‥‥観鳥令と鉢合わせた。」
さやかと十七夜が自身と会う前に誰かと会っていたということに耳敏く反応してくるひなのにさやかはわずかに眉を顰めるも、直前に観鳥と会ったことを明かす。
「なっ‥‥‥‥‥お前らアイツに変な事してないだろうなっ!?」
観鳥の名前を出された途端、語気を強めるひなの。にらみをきかせているが、二人を捉えるその目は十七夜に向けて多く向けられているような気がする。
(‥‥‥‥‥そういうことか。)
さやかより十七夜の方を警戒しているようにも思えるその様子にさやかはその理由を見出した。
おそらく、どこまで正確かは定かではない。しかし、ひなのは気づいている。
「‥‥‥‥‥もしかして、気づいているのか?彼女が、観鳥令がマギウスの翼に所属していることを。」
「ッ‥‥‥‥‥やっぱり、そうなのか。」
さやかの言葉に一度大きく目を見開いたひなのは重苦しい表情を浮かべ、力なく理科室の丸椅子に腰かける。
だぼだぼな故に腕にひっかけているに等しかった白衣がまるでずり落ちてしまうかのようにも見えた。
「………………ただ、裏でなんかしているなって感じてただけだ。お前さんの言うように、何から何まで察してたわけじゃない。」
さやかの言葉にそう返したひなのだったが、ショックのあまりなのか声のトーンはかなり低い。明らかに落胆している様子だ。
「……………………」
その様子のひなのに困ったように手を頭に回すさやか。
髪を軽くかき乱す仕草からまるで嫌な予感でも当たってしまったようだった。
実際、十七夜からこの学園の名前を聞かされた時や、掲示板に張られていた観鳥報を見た時からひなのと観鳥に交友関係があるだろうとは思っていた。
知り合いがマギウスの翼にいる、という状況は珍しくない。
かことこのみ、そして彼女らに対するかえでがその最たる例だろう。
「…………………なぁ………前にマギウスの翼がアタシのことを勧誘してきた時、アイツらは七海のことをやけに目の敵にしていた。魔法少女の救済を阻んでいるとかなんとかってさ。」
「聞いたのか、彼女らの目的を。」
「まぁな。普通の誘いならまだしも、奴らからきな臭い匂いしかしなかったもんだからな。」
いつのまにか復活していた十七夜が少しだけ目を見開いて驚きをあらわにすると、ひなのは羽根たちから怪しげな雰囲気を感じとったことを明かす。
「で、あいつらの掲げる救済っていうのは一体なんなんだ?聞こえのいい単語を使っちゃいるが、七海と一緒に反抗してるってことは少なからず看過できない部分があるってことだろ?」
「七海やちよと一緒に‥‥‥‥まぁ協力体制を敷けているとは私個人の中で思っているが…‥‥‥」
ひなのの質問にさやかは微妙な表情を浮かべながら十七夜に目配せをする。
それに十七夜はうなずく様子を見せると、さやかはひなのに顔を向けなおす。
「奴らは自分たち、延いては魔法少女が救われるために活動をしている。そこに間違いはない。だが、奴らはそのために多くの一般人を手に掛けることも辞さないつもりだろう。」
さやかと十七夜はひなのにマギウスの翼の目的と諸行を語る。
始めの肯定的な意見にわずかに眉をひそめるひなのだったが、やがてその表情を深刻なものに変える。
「魔女を集めたり育てたり、話の内容がそっくりそのまま再現されるウワサ…‥‥‥前者はともかく後者は‥‥‥‥確かに最近は噂みたいなのが妙に多いとは思ってたけどさぁ‥‥‥‥‥」
「私も実際にこの目で見たわけではない。だが、ここ最近は異常現象が多すぎる。まるで神浜に吸い寄せられるように魔女の個体数が増加しているのも事実だ。美樹君からすればこれらもマギウスの翼による仕業なのだろう?」
「ああ。奴らには魔女を制御下におく手法が存在する。そこから派生したのかどうかは定かではないが、私たちの目の前で使い魔を操ってみせた。」
「だったら…‥‥一体なんのために魔女を集めたり育てたりなんかをしてるんだ?何も知らないアタシからすればまるで救済との関係性がわからない。」
「…‥‥‥奴らが何のためにその行為をしているのか、その目的はすまないがまだはっきりしていない。ただ奴らが救済に奔ったその理由はわかる。」
「…‥‥‥まさか、話すのか?」
「‥‥‥‥‥隠していてもいずれその真実は白日に晒される。というかお前も知っている立場の魔法少女だったか。」
「一応、飛蝗の一件でな。だが、そうなると厳しいな。彼女らは絶対的な悪にはなりえない。少なくともその行く先は紛れもなく善だ。」
「だからあの時止めたんだ。彼女らは厳密には敵ではない。」
「‥‥‥‥‥まさかとは思うが、ソウルジェムとグリーフシードは元々同じモンだったとか言い出したりはしないよな?」
「ッ!?」
「なッ!?都君、なぜ君がそれをッ!?」
「あー…‥‥‥知ってたわけじゃねぇけどお前らの反応で確信したわー‥‥‥‥‥」
ひなのを放っておいて喋っていた十七夜とさやか。
困惑した状態で話の詳細を聞こうとしてくると思っていたところに飛び出た発言に思わず声を荒げたり目を大きく見開いて驚きを露わにする二人にひなのはため息を一つついた。
「いや普通気になるだろ。ソウルジェムに生じた穢れを魔女から落ちてきたグリーフシードで吸収できるなんてソウルジェムとグリーフシードになんらかの互換性が成立してないと現象として起こりえない。まぁ所詮は机上の空論を越えることはなかったんだが。魔法なんて専門外もいいところだし。」
どうやらひなのの中ではソウルジェムとグリーフシードの関係性については以前から目についていたようだ。もしかしたらなんらかの実験をしていたのかもしれないが、その結果は振るわず推論の域を出ないものとなるはずだった。
現実は御覧の通りだが。
「しかし、ソウルジェムに穢れをため込みまくった果てがグリーフシードへの変化で自分の魂が魔女になっちまう‥‥‥‥‥んで、奴らがその救済として看板にしてるのがドッペルとかいう奴か。」
「原理は不明だが、ため込んだ穢れを魔女の力の一端として放出することである種のリセットをかけているのだと思う。」
「‥‥‥‥‥現物を見たことがないからなんとも言えないが、本当に安全なのか?仮にも魔女の力を使っているのだろう?」
「少なくとも、私が初めて見たときは特に副作用のようなものは感じなかった。ソウルジェムも確認させてもらったが、穢れを取り除いているのは確かだった。」
訝し気な表情を見せる十七夜に念を押すように見ている限りは影響のようなものはなかったことを語るさやか。
しかし、それを言うさやかの表情も難しげなのも事実だ。
以前フクロウ幸運水のウワサを破壊しにいったときに天音姉妹が言っていた言葉からドッペルをグリーフシードの代わりにするつもりなのだろう。
代わりにするということは何回もドッペルによる浄化を行うのだろうが、回数を重ねたことによる問題はないのだろうか。
仮にも自身の内にある魔女の力を引き出しているのだ。十七夜の懸念ももっともだろう。
(私も何も影響がないとは思えない。1から10までメリットしかないものなど、この世に存在するわけがない。)
「とはいえ、ソウルジェムにんな秘密が隠されてたとはな‥‥‥‥‥流石のアタシも平静を保てねぇなー‥‥‥‥‥‥だが、観鳥がマギウスの翼に参入したのもよくわかる。そりゃああんまりだ。こんな運命、ぶっ壊したくなる。」
一通りさやかと十七夜からソウルジェムのことを聞かされたひなのはわずかに舌打ちを零した。
彼女の言う通り、最終的には魔女になってしまう運命など誰もがあんまりだと思うだろう。
「なんだが、魔法少女とはいえアタシたちが人間であることに変わりはない。そこには絶対に越えちゃいけないラインがある。他人に害を与えるなんざその最たる例だろうさ。」
「‥‥‥‥‥後回しになってしまったが、私たちがアンタの元を尋ねたのはマギウスの翼に対抗するために手を貸してほしいからだ。ここまで聞いたわけだが…‥‥‥」
おずおずと協力の是非を聞いてくるさやかにひなのは静かに瞳を閉じ、考える仕草を見せる。そして────
「アタシはさ、正直にぶっちゃけるとそこの和泉や七海みたいに強いわけでもなく、ただ単に他のみんなより年季が入っちまってたからこんな立場にいる。できることと言えば、今までやってきた科学を抜くと相手の話を聞いてやるくらいだ。」
「だけど、アタシは結局何も知らなかった。観鳥や他のみんなが知ってしまったことのデカさを。誰にも言えるはずがない、こんなこと。近くにいたアタシにすらも。」
「だからアタシはとりあえず観鳥と話がしたい。アイツはあんまりいい顔しないかもしれないけど、それでも────アタシはアイツの先輩なんだ。こんな
「なら────」
「その前に少しだけ聞きたいことがある。」
協力を承諾してくれそうな雰囲気だったが、ひなのの険しい表情の前に一端阻まれてしまう。
「お前はさっきマギウスの翼の救済は間違いではないって言ってたよな?それにも関わらずあいつらを止めようとするなら、何かあるのか?代替案みたいなのは。じゃないと終わったあともかなり面倒なことになるぞ。」
「…‥‥‥‥明確に代案と呼べるものはない。が、可能性のようなものはある。」
「…‥‥‥‥それを聞かせてくれてもいいか?」
「‥‥‥‥‥問題ない。誰にも話していないわけではないからな。」
ひなのの確認に肯定すると、さやかは少し間を空け、どこか緊張した面持ちで佇む。
隣にいた十七夜もさやかが何の話をするつもりなのか見当もついていない様子で首をかしげる。
「私の魔法少女の姿には、特性としてグリーフシードが必要なくなるレベルでの魔力の生成が行われている。それを何らかの形で再現することができれば…‥‥‥‥」
それをはじめて聞かされた二人はただ目を見開いて茫然とすることしかできなかった。
勢いで書く上に仕事でろくにキャラストとか見れてないから齟齬やエミュに失敗してたらごめんね!!(泣)
マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………
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ガンダムだ
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ガンダムではない