ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」   作:わんたんめん

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コメントまともに返せてなくて申し訳ない‥‥‥でも送ってもらえるとウレシイ‥‥(乞食)


第88話 そのまま船出に付き合ってもらう

 

「ハァァァァァァァッ!!」

 

雄たけびと共に手にしていたバスターソードⅡを振り下ろす。

軽々しく振っているように見えるが、その実態はGN粒子による重力緩和によるもの。

振り下ろせば本来の重量が威力となって相手に襲い掛かる。

 

『!!!??!!?!?!?!』

 

魔法少女の相手はよほどのことがない限り、基本は魔女である。

今回も例外ではなく、バスターソードを叩きつけられた魔女は巨体を大きくのけぞりながらその身を構成する鉄臭い印象を覚える胴体にヒビをつけられていた。

無論魔女も反撃として巨体から伸びる双腕をさやかに向けて振り回すが、空を駆ける彼女は悠々とその範囲から逃れる。

 

「これで…‥‥!!」

 

巨腕から逃れたさやかはブラスターを展開し、魔女に向けて高出力のビームを発射する。

対する魔女は攻撃に使っていた両腕をクロスさせることで防御しようとするが、ブラスターのビームは両腕ごと魔女の身体を貫き、風穴を形成する。

 

「トドメだ!」

 

焼き切れた両腕をかいくぐり、懐に入ったさやかは持ち手を起こし、剣のように持ったブラスターで横に一閃。

銃身下部のブレードで残った魔女の身体を両断した。

そこで魔女は活動を停止したのか、霧散していき、魔女が斃れた箇所にグリーフシードを落とす。

 

「…‥‥‥強いって聞いちゃあいたが、神浜の魔女と出くわしてから数分足らずか。鎧袖一触ってのはこういうことを言うのか?」

 

結界が崩れたことを確認したところに魔法少女姿のひなのが声をかけてくる。隣には十七夜の姿もあった。

なぜこのような状況になったかと言えば、自身の魔法少女としての特異性を明かしたさやかだったが、あまりに突飛な内容に流石の二人も半信半疑な様子だった。

マミに電話して説明してもらう選択肢もあったが、提案をするより一歩早くひなのが話を切り出したのが、どこか適当な魔女とさやかを戦わせることだった。

 

「‥‥‥‥んで、見せてもらってもいいか?」

 

そう言って差し出されたひなのの手の上にさやかは自身のソウルジェムを乗せた。

あっけらかんとした様子で渡してくるさやかに一瞬たじろぐひなのだったが、視線を手元のソウルジェムに落とす。

さやかのソウルジェムは空に近い水色にクリアグリーンの粒子が星のようにちりばめられている、端から見ても珍しい色合いをしていた。

 

「‥‥‥‥‥派手な攻撃をしていたわりには穢れのたまり具合が小さいな…‥‥」

 

「ああ。そして、美樹君の言葉通りであるのならこの後────」

 

ひなのの隣でのぞき込んでいた十七夜が言葉を続けようとした途端、ソウルジェムの中にあった黒いしみが小さくなっていく。

その現象に見ていた二人が驚いている間にもその現象のスピードは加速し、さやかのソウルジェムの中にあった穢れはきれいさっぱり見えなくなってしまった。

 

「こ、これは…‥‥‥!!」

 

「おいおい‥‥‥本気でソウルジェムの穢れが消えちまったぞ」

 

「これを、なんらかの形で再現することができればいいのだが…‥‥‥‥」

 

「確かにできれば革新モノなのは確かだが‥‥‥‥‥アタシでも原理やらがさっぱりだ。お前の固有魔法ってわけじゃないのか?」

 

「…‥‥‥少なくとも、それはないと考えている。それ以前、私は自分の固有魔法がなんなのかを理解していない」

 

難しい顔を浮かべるさやかの言葉に二人はより一層疑問の表情を深める。

基本的に魔法少女の固有魔法はインキュベーターとの契約時の願いに準じたものになる。

ほむらの魔法が時間操作なのは、まどかを助けるために時間を巻き戻す必要があったため。マミはリボンだが、彼女の展開する結界には総じて回復効果がある。契約した状況を鑑みれば、いわばリボンは包帯のような、傷を塞ぐためのものだろう。

 

「不躾な質問ですまないが美樹君、君は契約の時に何を願った?」

 

「…‥‥‥まぁ、候補がない訳ではなかったが、結局何も叶えないまま私は魔法少女になった。その時に必要だったのが、戦うための力だったからな」

 

「…‥‥願いを叶えなかったから、お前自身なんの能力を持ってるかわかんねぇってことか。え?じゃあ、さっきの魔女との戦いは────」

 

「別に固有魔法を使わなくとも魔力を塊としてぶつけたり、刃として飛ばしたりできる。感覚的には私の戦闘スタイルはそれの延長に近い、と思っている。」

 

「延長にしては火力とか諸々がオーバーな気もするが‥‥‥‥‥これ以上は話しても意味なさそうだな」

 

「しかし…‥‥これを再現するのだとしても、そもそものアテのような人間はいるのか?」

 

「‥‥‥‥‥一応いるにはいるが…‥‥‥」

 

十七夜の言葉に渋い表情を見せるさやか。

それを見たひなのは何かを察したような反応を見せる。

 

「まさか、そのアテっていうのもマギウスの翼にか?」

 

「…‥‥‥‥里見灯花という人物を知っているか?」

 

「いや、知らないな。都くんは?」

 

「確か、宇宙科学の権威とか言われてる奴だろ?アタシもその筋の人間だから知っているってだけだが‥‥‥‥まさか魔法少女?」

 

「ああ。それも‥‥‥‥マギウスの御三家と呼ばれる、要はトップの内の一人だ」

 

さやかの言うアテの人物が寄りにもよって敵対している組織のトップだということにひなのは深いため息を吐いた。

 

「ふぅ…‥‥‥‥マジか」

 

「ああ。マジだ」

 

正気を疑っているようなひなのからの確認にさやかは真剣な表情で力強く頷いた。十七夜も表情は苦笑いこそ見せているが、内心はひなのと同じようなものだろう。

 

「こりゃあ…‥‥とんでもない舟に乗っちまったかぁ‥‥‥‥‥大しけどころか台風のなか帆を出してるようなもんだな」

 

「確かにな。だが、美樹君の魔力回復が向こう側に伝わればその里見灯花とやらを交渉の席につかせることも可能ではないだろうか?場合によっては事を穏便にすませることもできなくはないだろうが‥‥‥」

 

「いや、それはもう手遅れだろう。もう彼女らは止まれない、というより止まることが許されない。下手に希望を見せれば、その希望があるという事実そのものが彼女たちにとっての絶望になってしまう」

 

「そうか‥‥‥‥いや、すまない。妄言だった。忘れてくれ」

 

行動次第で里見灯花を交渉の場に出すことができるかもしれないという言葉をさやかは残念そうな、それでいて険しい表情で否定した。

マギウスの翼は既に他者を手にかけている。それは黒羽根たちなどが、と言うわけではなく、魔女やウワサによってが大半だろうが少なくとも自分たちが目指している救済。その過程に誰かの犠牲があるのはわかっているだろう。

自分たちは生きるために救済が必要。だから多少の犠牲は目をつむることができると。

しかし、そこに別の選択肢、少なからず犠牲がでないものが現れてしまったら?

そこに残るのは誰かの命を無為に奪った事実しか残らない。

 

「…‥‥‥相当色々言われるのは想像に容易いな。言葉の刃ほど鋭いもんはない、とアタシは思うぜ?」

 

「覚悟の上だ。というか、私はまだ魔法少女になってから二か月経ったかどうかだ。なんといわれようともいなかったんだから無理、と返すほかない」

 

「フッ、それはごもっともな言葉極まりないな」

 

「…‥‥‥ま、心持ちは知れたとして、これからどうするんだ?」

 

これからの動向を聞かれたさやかだが、その表情はどこか厳しめなものを見せる。

 

「…‥‥ななかたちが知り合いの魔法少女たちを可能な限り集めてくれたが、それでも戦力差は歴然だ。その差を埋めることは考えない方が賢明だろう。問題なのは、向こうの本拠地の所在を明らかにできないという面だ」

 

「あー…‥‥‥場所をコロコロ移動している上に入るにも構成員の案内が必要っていうんだろ?」

 

ひなのの疑問気な言葉に無言で頷くさやか。

魔法少女の救済を謳うマギウスの翼、その本拠地の詳細は敵対するさやかたちにとって目下の課題だったが、実はついさっき解決した、というよりしてしまった。

ひなのと会う前に鉢合わせた観鳥の記憶を覗き見した十七夜がその本拠地らしき場面を見たというのだ。

名前は『フェントホープ』。

希望を守る、という意味のようだがその施設には十七夜が見た限り、侵入する上で厄介な性質が二つほどあった。

 

一つ目はどうやら移動が可能らしく、見た限り神浜市の北側、北養区にあるらしいが正確な位置までの特定は不可能。

二つ目は入り口が明確でなく、内部に入るには羽根の案内が必須とのことだった。

 

「…‥‥‥‥羽根の案内って言ってたが、絶対カラクリみたいなのはあるはずじゃないのか?なんかそれっぽいのは視えなかったのか?」

 

明らかに面倒くさい雰囲気にひなのは鬱屈とした表情を見せながら十七夜に他に視えたものがないかを尋ねる。

 

「うむ…‥‥‥観鳥君の目線から見えた光景だったからはっきりとは見えなかったが…‥‥入るときに何か胸元?あたりにあるものをかざしていたような‥‥‥‥‥」

 

「‥‥‥‥‥ペンダントか?」

 

十七夜の言葉を頼りにさやかは羽根たちの胸元にお揃いのペンダントのようなアクセサリーがつけられていたことを思い出す。

十七夜が見た記憶を鑑みるに、おそらくそれがフェントホープに入るためのカギの代わりと見るのが正解だろう。

 

「言われてみればアタシを勧誘してきた奴らもそんなのを付けてた覚えがあるぞ」

 

「ふむ、となるとやはりふん縛ってでも観鳥君の身柄を拘束した方がよかったのでは?」

 

「‥‥‥‥彼女は黒羽根より位の高い白羽根だ。何かあったときに不審がられる速度は黒羽根より段違いだと思うべきだ」

 

「というか、アタシの目の前でそんな話をするなよなあ」

 

目の前で知り合いを縛り上げるとかいう話を聞かされたひなのは露骨に嫌悪感を強めた表情で二人の話を強制的に切り上げる。

流石にデリカシーを欠いた発言であったことは十七夜もわかっていたのか、素直にすまないとひなのに従った。

 

「ったく‥‥‥‥で?そのペンダントが必要なら、適当な黒羽根の魔法少女からぶんどるのか?」

 

「…‥‥‥いや、それも少し厳しいかもしれない」

 

実のところ、さやかたちの方でもマギウスの翼の本拠地を探そうとはしていた。

とはいえ十数人で神浜市中を探し回るのは土台無理な話なため、黒羽根を見かけたらできる限りの範囲で追跡を行うという話だったが─────

 

「最近活動の鳴りを潜めているのかぱったりと姿を見せなくなった」

 

「え、なんだソレ。絶対マズいことが起きる前フリだろ」

 

「………………美樹君、流石に一度七海と連絡をとって足並みを揃えるべきだ。胡散臭いとか怪しいを通り越して異常だぞ、あの組織」

 

神妙な面持ちを見せていたさやかに十七夜が険しい表情でそう提案する。

覗き見た記憶から何か見つけたと判断したさやかは詳細を後で聞かせてもらうとして、スマホを取り出したさやかはやちよと連絡を取ろうとする。

 

『お掛けになった電話番号は現在使われていないか、電波の届かないところにいる────』

 

「‥‥‥‥‥‥‥」

 

コール音すらならず、電子的な音声が返ってくる。

それにさやかはゆっくりとスマホを下ろし、自身を落ち着かせるように大きく息を吐いた。

 

「…‥‥‥‥和泉十七夜」

 

「…‥‥‥何かあったらしいな?」

 

「都ひなのを頼む。ザンライザーで飛ぶ。」

 

「‥‥‥‥なるほど?」

 

十七夜の返答を待つよりも早く、さやかは突然駆け出すと、理科室の窓を開け放ち、そこに足を掛ける。

 

「はっ!?おまっ、待って────」

 

一見すると急にトチ狂った人間が自殺に奔ったようにも見えるさやかの行動に、ひなのは目を丸くして静止の声をかけるがさやかはそのまま学校の校舎から飛び降りていった。

 

「都君、少し失礼させてもらう。」

 

間に合わなかったと思い、口を魚のようにパクパクさせているところに十七夜が彼女の身体を掬うように抱え上げると、同じように開けられた窓に向かって走り出す。

 

「乗りかかった舟だ。そのまま船出にまで付き合ってもらおうか?」

 

「待て待て待て待てぇ!!!せめて身の安全くらいは保障しろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 

十七夜の雰囲気からとりあえず自殺とか死にに行くわけではないことは察せたが、それでも怖いモノは怖いというように身をよじらせるひなの。

そんな彼女を尻目に、十七夜もさやかと同じように窓枠に足を掛け、校舎から飛び降りるように大きく跳躍する。

 

「そのまま降りてくると思っていたのだが‥‥‥意外と大きく飛んだな。」

 

恐怖で悲鳴も上げられないひなのと彼女を抱えて落ちてくる十七夜の二人を先に待っていたさやかが展開したザンライザーの背に着地させる。

 

「なっ…‥‥‥なんだこれ‥‥‥‥!!」

 

「すまないが落ち着くスペースもないからそのまま彼女を抱えていてくれるか?あと危ないから魔法少女の姿でいてもらえると助かる」

 

「分かった」

 

目まぐるしく変わる状況についていけないひなのを置き、三人を乗せたザンライザーはまだ日の高い神浜市を天高く駆け上がる。

 

「行先は?」

 

「神西区のみかづき荘。少なくともそこに行けば現状の把握はできると思うのだが…‥‥‥」

 

そうはいうが、さやかの表情は苦々しいものを浮かべていた。

さやかの脳裏に徐々に最悪のケースが想起され始めていたからだ。

 

(‥‥‥‥‥まさかとは思うが、単身殴り込みとか早まってはいないだろうな…‥‥!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…‥‥‥ハァ‥‥‥‥!!!」

 

薄暗い路地裏を黒いローブを羽織った少女が駆ける。

長い時間走り続けていたのか、荒い息を漏らしていた少女は追っ手を気にでもしているのか、後ろを忙しなく確認したあとにようやく息を一息ついて物陰に隠れる。

 

「ハァ‥‥‥ハァ…‥うう、ついにやってしまいましたぁ…‥‥!!」

 

自身のやったことを後悔しているのか、大きなため息を吐きながらフードを外す。

頭につけているウサギのような耳がついた赤いカチューシャが現れ、彼女の心境を表しているように力なくへたる。

 

「でも、でも…‥‥あんなの、絶対に絶対にダメなんです…‥‥‥ギャ、ギャンブルとか、ゲームセンターのコインゲームでちょっと欲張って溶かしてしまうことより‥‥‥‥ううッ!!」

 

少女は何か恐ろしいものでも見てしまったのか嗚咽を零しながら震える体を抑え込む。

 

「フ─ッ…‥‥‥ドッペルは、あの御方たちは魔法少女にとって、新しい希望になるとおっしゃっていました…‥‥‥ですが、ですが!!」

 

 

「人が…‥‥人でなくなってしまうのは、それは果たして、救済と呼べるものなのでしょうか‥‥‥‥‥!!」

 

 

少女の脳裏に蠢く泥のような物体が思い浮かぶ。

少女にとって本当に偶然、青天の霹靂といっても過言でもない出来事だった。

いつもはあまり近寄るなと言われているエリア、確か隔離部屋とか言っていたような気がする。

たまたま道に迷っていた少女はたまたま門番がいないときにそのエリアに迷い込み、そしてその一室で見つけてしまった。

 

自分たちが解放の象徴として使っているドッペルが魔法少女の身体を侵食し、不定形な、それも人としての形を見失っているモノになり果てている様を。

少女がそれが人であり、魔法少女だとわかったのも、その泥に人の顔のようなものがあったからだという曖昧なモノだったが、それでもショックであることに変わりはない。

 

「もしも、もしもドッペルは使いすぎるとあのような末路をたどってしまうというのなら、絶対に止めないと‥‥‥‥!!だから!!」

 

振るえる体を半ば無理矢理に押さえつけるように立ち上がる。

羽織っているローブは脱がない。自分が何者なのかを迅速にわかってもらうため。

胸元のペンダントも捨てない。フェントホープに入る以上、コレが必要なのは身に染みてわかっている。

 

「いつもはこの体質は恨んでいますが、今回ばかりは賭けさせていただきます」

 

掛け金は己の命。

賭けに負ければ、グリーフシードの手持ちがない自分がドッペルを発現し、それが何度も続けば────

 

(一世一代の大博打。こちらの勝利条件は、どこにいるかもわからない魔法少女と出会うこと。なんて、なんて分の悪い賭け────)

 

可能性は果てしなく低い。少女の目的はこの広い神浜市である魔法少女に出会うこと。

砂漠から針を探し出すほど、とは言わないが、それでもどこにいるかもわからない魔法少女を探しだせる可能性は限りなく低いだろう。

そんな文字通り、分の悪い賭けに少女は薄く笑みを浮かべていた。

普通なら挑む前に諦めるべきこの賭けに少女は意気揚々と、そのテーブルに自身の掛け金を乗せる。

 

「さぁ、張らせていただきます!!お願いしますからいてくださいね、私のジョーカーさん!!」

 

 

 

 

 




多分最後の子、さっさんとコネクトしたら何になるかわかる人にはわかると思う…‥ウン

マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………

  • ガンダムだ
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