ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」   作:わんたんめん

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以前感想でさっさんと敵対する羽目になる黒江は不憫だな、というのをいただきました


第93話 ドッペルウィッチ

 

「ふんふっふ〜ん♪みったまはまだ17だっから〜♪」

 

神浜ミレナ座。かつては劇場だったらしいが、廃館となってからは調整屋、八雲みたまが半ば私物化して、自身のお店のように内装をいじくりまわしていた。

普通に考えれば法律に引っかかっている気がしないでもないが、そんな自分の領域をみたまはハタキ片手に鼻歌を口ずさみながら掃除に勤しんでいた。

そんな上機嫌な彼女の耳に部屋の扉が開けられる音が入る。

 

「いらっしゃ〜い。予約の連絡とかなかったはずわよね?」

 

「ああ、そうだな。とはいえ、その様子だとそちらも暇そうだがな。」

 

現れたさやかにみたまは突然の訪問であるにも関わらず、不快感のない笑みを振り撒く。

 

「そうねぇ、確かにそうではあるのだけど。明日から出張の予定で空けるから、これはそのためね。危ないところ、一日ズレてたらしばらく待ちぼうけだったわよ?」

 

「その出張というのはマギウスの翼にか?」

 

「………………もしかして、今日やってきたのはそれを聞くため?」

 

さやかの吹っかけにみたまは狼狽するわけでもなく冷静に、至極淡々とした様子で見据える。

するとさやかは部屋に置かれている小さいテーブルに目を向ける。

そのテーブルの上には雑多と置かれた小物類の中に羽根たちがつけているものと同じデザインのペンダントがあった。

 

「その答え方は肯定と見てもいいのか?」

 

さやかがテーブルの上に置いてあるペンダントを一目したことにみたまは自身がマギウスの翼と関係を持っていることを見透かされていると感じ、一つため息を吐いた。

 

「‥‥‥‥もう、こっちだって生活のためにやってることなのよ?」

 

「ん‥‥‥?ああ、別にマギウスの翼に手を貸していることを糾弾するつもりはない。色々彼女から聞いてはいるからな。」

 

マギウスの翼に多少なりとも関係をもっていることを問い詰められると思っていたみたまは不服そうな顔をしてわざとらしく口をすぼめていたが、さやかのそんなつもりはないという言葉と共に新しく部屋に入ってきた人物に目を丸くする。

 

「久しいな、八雲。」

 

「…‥‥‥あらやだ、貴方ったら彼女まで引き込んでいたのね。」

 

「ちなみにアタシもいるぞー」

 

現れた十七夜にみたまは心底から驚いた表情で味方に引き入れたさやかを見つめるが、開いた扉から顔をのぞかせたひなのにさらに驚きの声を挙げる。

 

 

 

 

 

 

 

「…‥‥‥何回見ても壮観ねぇ。貴方たち三人が足踏みそろえるなんていつぞやかの昏倒事件以来かしら。」

 

「そうでしょうね。あの時は一歩間違えたら西と東で抗争が起きていたわ。」

 

みたまのつぶやきにやちよがそう返す。

テーブルを挟んだ二つのソファ。片方には落ち着かない様子で渋い表情を見せているみたま。反対側にはさやかを筆頭にいろはと十七夜、ひなの、やちよという各地域の代表者がそろい踏みしていた。実力も申し分ない三人にさすがのみたまもいつものどこか緩い雰囲気は消え失せ、目の前の危険に全力でどうしようかと思案を練っていた。

 

「一応確認として聞いておきたいのだがマギウスの翼の本拠地、フェントホープというらしいのだがそこに赴いたことはあるのか?」

 

「…‥‥‥‥そう、ね。確かに私は調整屋としてあの子たちのアジトみたいな場所に行ったことはあるわ。あのペンダントは入るためにはそれが必要だって言われてもらったものよ。」

 

「で、その本拠地は移動が可能。場所を転々とすることで発見を困難にしている。流石に場所とかは貴方が中立の立場上教えられそうにないか?」

 

さやかの言葉にみたまは静かに頷く。

つまり詳細はみたまの中立の立場上明かさないということになる。

 

「そもそもの話、私にもあのフェントホープの場所はわからないわ。基本的に黒羽根の案内がないと行けないもの。」

 

「…………………意外と空振りに終わりそうだな。あのペンダント、もらってもいいか?」

 

「渡したら貴方達仕掛けに行くでしょ?私が中立の立場だって知っておいてそれを聞くの?」

 

ダメ元で聞いてみるが、想像通りの返答に肩を落とすさやか。

瞬間隣から何やら不穏な雰囲気を感じとる。

 

「いろは」

 

「はい。やちよさん、暴力はダメです。」

 

確認すらせずにすぐさまいろはの名前を呼ぶと、彼女もそれがわかっていたのか二つ返事に近い速さでみたまが断った途端に不穏なオーラを出したやちよの両肩を後ろから抑える。

 

「………………まだ何もしてないでしょう?」

 

「まだ、の時点で自白しているようなものだろう。」

 

不服そうに眉間に皺を寄せるやちよだが、十七夜にそう指摘されるとムスッとした表情ながらも挙げていた左腕を下ろした。

 

「………………そういえばさ、アタシってコイツらからドッペルのことは聞かされたんだが、まだ実物を見たわけじゃない。みたまの口からドッペルの説明はできるのか?」

 

「それくらいなら、別に構いはしないわよ?」

 

やちよの様子を見て、話を進めてもいいと思ったひなのはみたまにドッペルの詳細を求める。

 

 

 

「強い依存性に副作用………………魔女の力を使っている以上良いことだけではないとは薄々感じていたが………………」

 

みたまからドッペルの説明を受けたさやか達。その内容は全員が渋い表情を浮かべてもおかしくはない代物だった。

 

ドッペルウィッチ。みたま曰く正式名称はそうらしい。

概略はソウルジェムに溜まり切った穢れを魔法少女が抱いた感情の発露として魔女化させ、外部に放出させることでソウルジェムから取り除く。

さやかがドッペルを実際に使用する様子を見た時となんら違いはなかった。

 

「依存性と副作用と言うが、具体的なもんまでは分かってないのか?」

 

ひなのがそういうとみたまは少し考えてからペンとメモ帳を取り出すと、サラサラと何かを書き始める。

 

「ねぇ、貴方たちの中でリーダーは誰なのかしら?」

 

「リーダー?そんなのは特に決めては────ん?」

 

みたまの言葉にそう言いながら周りを見たさやかだったが、ひなのと十七夜の指が自身に向けられているのを見て不思議そうに首をかしげる。

 

「‥‥‥‥じゃあ私もそうさせてもらうわね。」

 

やちよまで自身に指をさしたことに不味い雰囲気を感じ取ったさやかは反射的にいろはの方を見るが、彼女も少し気まずそうに目線を外したあとにおずおずとさやかを指さした。

 

「あの…………流石にさやかさんが集めた魔法少女の皆さんなのに、後から合流した私ややちよさんがリーダーになるのは筋違いかと思うんですけど……………」

 

その言葉にさやかは目を見開くと諦めたようにため息をついてソファにもたれこんだ。

 

「…………………他の2人もそんな感じか?」

 

「それもそうだが、自分をはじめとした代表者がリーダーになるとどこかで諍いが生じた時がな………………」

 

「ま、アタシもほぼほぼやちよと同タイミングといっても差し支えはねぇからそこのいろはと同意見ってやつだ。」

 

「…………………了解した。皆がそういうのなら私も腹を括る。」

 

さやかはそう決意するとみたまに向けて手を差し出した。

その様子にみたまはクスクスと笑うとその手にメモ用紙を手渡した。

 

「もし、貴方がフェントホープに来ることができたのなら、その部屋を探してみて。そこでなら、実物を見せながら話せるから。」

 

「実物、か。」

 

みたまの言葉に引っかかりを覚えながらも受け取ったメモ用紙をみる。そこには隔離施設の文字が書かれていた。

 

「…………………」

 

「これでも少しは貴方には期待しているのよ。貴方の調整をした時、初めてだったのよ?何も目を背けなかったの。」

 

隔離施設というあからさまな単語にたまらず眉を顰めるさやか。しかし、その直後のみたまの言葉に内心疑問符を挙げる。

 

「背けなかった?」

 

「ソウルジェムに触れるということはその魔法少女の魂そのものに触れること。そうねぇ、深層心理って言えば良いのかしら。ともかく本人でさえ知り得ない心の内っていうのが覗けちゃうの。」

 

「よくわからないが………………私は他の人とはその深層心理が違ったのか?」

 

「だって大なり小なり魔法少女っていうのは不安を抱えてるものよ?大体はそれに準じた光景やとっても不安定な声が聞こえてくるのに貴方ときたら、一面のお花畑なんだもの。」

 

それはもう圧巻だったのよ、花びらがバァーと広がって久々に癒されちゃった………というみたまだがさやかには自分が遠回しに頭の中がお花畑とバカにされてるようにも聞こえてしまう。

が、みたまがそこまで言ったところでどこか影の差し込んだ、そんな感じのある笑みを浮かべた。

 

「………………………ああいうのが、平和だと言うのなら。貴方は心の奥底からそれを願っている、ということなのよね。一分の絶望が差し込まないほどに。」

 

 

 

 

 

 

 

「結局、足掛かりになりそうなのは得られなかったわね。」

 

「だけど、決戦用にみたまからグリーフシードは調達できた。準備が一段階整えられただけでも無駄足じゃなかったんじゃないのか?」

 

「と言うが目の前の課題が解決できてないのは不変の事実だ。流石に自分もそこらの黒羽根を捕まえた方が早いと思ってきたな。」

 

代表者たちが思い思いに意見を交わしている中、さやかは一人硬い表情を見せていた。

 

「…………一つ聞いてもいいか?」

 

「自分か?どうかしたのか。」

 

「八雲みたまの言葉、あれは本心からのものと思っていいのか?なんというべきか、本心では本心なのだが、別の本心のようなものが入り混じってる感覚がしたのだが。」

 

「‥‥‥‥‥言っただろう。八雲と自分はお互いに色々思うことがある同胞だとな。」

 

さやかにそう尋ねられた十七夜は何か思案に耽るようにすると、それだけ答えた。

さやかははじめ十七夜からそういわれたときは何か互いに事情のようなものがあるのかと思っていたが、十七夜の内心に抱えているものは思い出した上で考えてみれば、十七夜とみたまは互いに同じような感情を抱いているという可能性もあった。

つまり、みたまも神浜市の現状を取り巻いている西側と東側の間の格差。それに怒りのようなものを抱えている人物である、ということになる。

 

「…‥‥‥とりあえず、いったん他のみんなと合流したいな。確か戦い方のすり合わせをしたいからウワサの気配のある噂‥‥‥‥口で言うとややこしいな、ともかく色々回っているとは連絡を受けていたが‥‥‥‥」

 

いったん思考を切り替えながらスマホを取り出したさやかは連絡が一件来ていることを見かける。誰かと思い、メッセージの送り主を確認すると、マミの名前があった。送られた時間もさほど経っていないが文章と共に画像が添付されており、それを見たさやかは目を丸くした。

 

 

『どうしたらいいかしら‥‥‥‥』

 

困ったような笑みを浮かべているのがわかりやすく浮かぶマミのメッセージと共に、そこにはふん縛られた上にななかたち味方の魔法少女全員に取り囲まれて顔面蒼白で恐怖のあまり震えている黒羽根────もっと正確に言うのが許されるのなら、黒江の姿があった。

 

「…‥‥‥不憫だ…‥‥この上なく不憫だ…‥‥!!!」

 

彼女の精神衛生上、この上なくよろしくないのを瞬時に察したさやかはすぐさま事情を全員に伝え、急いで現場に急行するのだった。

 

 




そういえばこの作品に推薦を書いてくれた方がいました。この場を借りてお礼申し上げます。イクッ(絶頂)


あ、それはそれとして(唐突)

さっさんとのコネクトの新作だよ!!



二葉さな…‥‥‥○○○○○○○○○ ヒント:パチンコ

七海やちよ‥‥‥‥○○○○○○○○○○○○○ ヒント:形がどうであれ誰かを背負って戦っていた

純美雨‥‥‥‥○○○○○○ ヒント:魂を獲する者

水波レナ…‥‥○○○○○○○○ ヒント:氷の幻想はすべてを氷結させる

伊吹れいら…‥‥○○ ヒント:ランカスレイヤー

和泉十七夜…‥‥○○○○○○ ヒント:結局本名で呼ばれることがなかった風

ちなみに小文字も一文字でカウントしてる

マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………

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  • ガンダムではない
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