ペルソナの世界でCOD   作:O.K.O

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第3話

「さっきはありがとう。本当に助かった」

 

「大したことじゃない、気にするな。俺は福良英二、ええっと……」

 

「雨宮蓮、蓮でいい」

 

「蓮ね、りょーかい。俺も英二で大丈夫」

 

「よろしく英二」

 

「だぁぁぁぁ!何さらっと自己紹介してんだよ?!こっちは聞きてぇことが山ほどあるのによ!!」

 

先程の戦闘から程なくして、黒髪君こと蓮、金髪君、俺の3人は監獄のようなこの場所から脱出するため脱出経路を探っていた。

鴨志田の方は隙を見て、蓮と金髪君が牢から脱出した際に、逆に鴨志田を牢に閉じ込めたみたいだ。

しかし安心はできない。今頃鴨志田の騎士達が牢の鍵を開けているだろう。早くここから逃げないと。

 

「その気持ちは分かるけど今は逃げないとだろ?ええっと……」

 

「坂本竜司だ、竜司でいい。確かにそうかもしれねぇけど、気になって仕方ねぇんだよ。まだ英二の方は分かる、その装備は気になるけどまだ現実的だし。味方……なんだよな?」

 

「まあそうだな。気づいたらここにいた。脱出するって意味なら同じ仲間だ」

 

なんでここにいるのかは俺が1番聞きてぇ。

 

「そうか……。さっきもそうだけど、銃の扱いに慣れてるみてぇだし頼りにしてる」

 

「はは……あんまり期待はしないでくれ」

 

そんなに真っ直ぐな瞳で見られても困る……。たまたま敵が弱かったからどうにかなっただけなんだ……。

そうして竜司は俺から視線を外し、そのまま蓮へと向ける。

 

「それよりも転校生!いや蓮か、さっきのは一体なんだよ?!急に変身したと思ったら仮面のやつが出てくるし、今は今で普通の格好に戻ってるし……」

 

金髪君こと竜司の言う通り、今蓮の姿は先程の黒のマントから最初の高校生らしい制服に戻っていた。

 

「それが俺にも分からない……気づいたらああなっていたんだ」

 

「無自覚ってことか……なんなんだよさっきから、マジで訳わかんねぇ!」

 

竜司は頭をかかえる。

なるほど、無自覚で咄嗟にペルソナを覚醒させたってことか。

命懸けの状況で一発逆転……さすが主人公だな。

 

「とりあえずこっから出ねぇとなんともならねぇだろ。ほら早いとこ出口を見つけて「おい、お前ら!」……え?」

 

なんだ今の声?敵か?

俺は咄嗟にICR-7を構えた。

 

「そこの金髪とくせっ毛と武装したやつ!こっちだこっち!」

 

「な、なんだ?!」

 

あー、そう言えばこんなヤツいたなぁ……。

俺はそいつを見るとICR-7を再び肩にかけ直した。

声の主の方向を見ると、二本足で立つ黒猫のような生物がそこにいた。

そいつは騎士に捕まったのか、牢屋に囚われている。

 

「お前ら、そこに鍵があるだろ?すまん、ここから出してくれ」

 

「猫……?」

 

「猫じゃねぇ!」

 

蓮がそいつの風貌を見て思わずそう呟くと、そいつは真っ先に否定する。

いやいや、猫だろ。

 

「お前、どう見たって敵じゃん」

 

「なんでここに捕まってるやつが敵なんだよ!んなわけあるか!」

 

そんな時、向こうの方で騎士が叫ぶ声が聞こえる。

 

「見つけたぞ!待て貴様ら!」

 

「うわっ!もう来やがった!くそっ、どっから出れんだよ!」

 

「お前ら、出口を探してるのか?出してくれれば案内するぞ!捕まって処刑は嫌だろ?」

 

お?それは結構いいんじゃないか?ウィン・ウィンの関係だしな。

 

「本当か……?」

 

「嘘じゃねぇ!本当だって!」

 

「貴様ら!大人しくしとけ!」

 

騎士達は残り50メートル程まで迫っていた。

おいおい、もうすぐそこじゃねぇか……。いずれにせよ戦闘は避けられねぇな。

 

「蓮、鍵を頼む。俺が時間を稼ぐ」

 

「おい英二!」

 

俺は竜司の声を流し、ICR-7の照準を一体の騎士に合わせた。

相手は走っていてエイムを合わせにくいが、俺も動きに合わせて微調整する。

 

「くらえ」

 

そうして俺は引き金を引いた。乾いた発砲音とともに発射された銃弾は立て続けに3発、相手の頭部に命中する。ヘッドショットだ。

 

「ぐはっ?!」

 

「ナイト、抹殺」

 

「うぉぉ!すげぇ!」

 

「やるなあいつ!あんな遠い敵を撃ち抜くなんて抜群の射撃センスじゃないか!」

 

騎士が一体消滅すると同時に竜司と猫が感嘆の声を上げる。

そんな時、カチャリという音がする。

 

「よし、空いたぞ」

 

「お、サンキュー。やっぱりシャバの空気は美味いぜ」

 

おいおい、言うてる場合かて。

呑気な猫にため息をつきそうになるが、俺はそのまま二体目に照準を合わせ、発砲する。

 

「ぐっ……」

 

「おぉ!英二ナイス!」

 

よし、2体目も消滅。周りも若干怯んでるな。

だが、それでも騎士はまだいる。数で押し込まれるとまずい……。

そんなことを考えていると意気揚々と猫が声を上げた。

 

「お前、見所あるな。そんなお前に免じて吾輩の力も見せてやろう。いでよ、ゾロ!」

 

そう言うと猫はゾロと呼ばれる剣士のようなペルソナを呼び出した。

 

「でけぇな」

 

「お前も変なやつ出せるのかよ!?」

 

「変なやつとはなんだ!吾輩のペルソナ、とくと見せてやる。行けゾロ!」

 

猫がそう言うと、ゾロは騎士に対し剣を振る。

すると風のような魔法が発生したと思ったら騎士は消滅した。

 

「す、すげぇ……」

 

「ふふん」

 

猫は竜司の感嘆の声にこれ以上ないドヤ顔をかましている。

俺は何気なく蓮の方を見ると、先程の戦闘時の黒いマントを羽織った姿に変わっていた。

 

「蓮も変身してるのか」

 

後ろには仮面をつけたペルソナが待機している。

 

「おぉ!お前ペルソナを出せたのか!」

 

「ペルソナ……?」

 

蓮の疑問に猫が答える。

 

「なんだ、知らないのか?ペルソナってのは自分自身の化身みたいなもんだ。こいつがペルソナを呼び出す時、仮面を剥がしたの見たろ?」

 

へぇ、そうなのか。

 

「人は誰しも心に仮面を被って生きている。そいつを自覚し、自ら剥がすことで……」

 

「お、おい!来たぞ!」

 

くそっ、敵のやつ大事な説明の時に空気読めよ。

俺が再び照準を合わせようとすると、猫に止められた。

 

「一旦待ってくれ。こいつのペルソナの力を見たい」

 

「あー……わかった」

 

「蓮、やってやれー!」

 

そうして蓮が騎士と対峙する。騎士は自らの姿を変え、ピーターパンに出てきそうな妖精になった。

 

「なんか弱そうだな」

 

「いや、これが本来の姿、シャドウも迎撃体制だ。お前を殺すために本気になったってことだ!支援してやるから死ぬ気で戦え!」

 

「分かった。奪え、アルセーヌ!」

 

そうして2、3回攻防があったものの猫の支援により、蓮はなんとか残りの敵を迎撃した。

 

「お前、やるじゃねぇか。ペルソナの力も中々のもんだ」

 

猫が蓮のことを褒めていると、蓮は再度制服の姿に戻った。

 

「うぉっ、また戻っちまった……」

 

「力の扱いが、まだ完全じゃないようだな。あの姿がそう簡単に解けるはずがない」

 

「へぇそんなもんか……。てか、早く出口行こうぜ!」

 

「竜司の言う通り、また次の敵が来る前に早く行こう。猫、案内してくれ」

 

「だから猫じゃねぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして猫(名前はモルガナというらしい)の案内の元、なんとか地上フロア、そして出口(通気口)にたどり着くことができた。

途中秀尽学園の体操服を着た生徒が囚われていたり、騎士と出くわし戦闘になったり、といったハプニングがあったが何とかここまで来ることができた。

 

「よし、着いたぞ。この通気口が外に繋がってる」

 

「ありがとなモルガナ、じゃあ出ようぜ」

 

「いや、吾輩はここでやることがある。ここでお別れだ」

 

「そうか……ここまでありがとう」

 

「何かしこまってんだよ蓮。いいってことよ。ほら行け!」

 

蓮と竜司は頷き、先に通気口へと入った。

 

「ほら、英二も行け!」

 

「あぁ、その前に……ちょっと試したいことがあってな」

 

「試す??」

 

俺は腰から情報端末を取り出すと、画面右に表示されたゲージが溜まりステルス機のようなアイコンが黄色に光っているのを確認した。

 

「こいつはやはり……」

 

俺は黄色に光ったアイコンをタップした。

 

<UAVとのデータリンクを開始>

 

その瞬間、端末の画面には多数の赤点が表示された。

 

「英二、何やってんだ?早くしねぇと……その赤点はなんだ?」

 

モルガナも気になったのか、情報端末を覗き込む。

 

「これか?恐らく……敵の位置だろう」

 

「え?!そんなのが分かるのか?!」

 

UAV、CoDBO4におけるスコアストリークの一つだ。

スコアストリークとは、ゲームにおいてデス(死ぬこと)せずに敵を連続キル(殺すこと)していくとポイントが溜まり、そのポイントを使って発動させることのできるシステムだ。

UAVは発動させるとマップ上に敵の位置が赤点として表示されるようになるスコアストリークであり、その利便性は初心者から上級者まで幅広く使われるほどだ。

ちなみにUAVの欄の上にはあと二つ、スコアストリークが表示されているが、ポイントが足りず使用できないという意味で今は暗く表示されている。

 

「英二、お前ペルソナを使えるわけじゃないのか?」

 

「あぁ、そうだな。俺は生身だ」

 

「そうなのか……それはすげぇけど、一体どういうことだ……」

 

モルガナが何やら頭を悩ませているが、俺は知りたいことが知れた。ここから退散することにしよう。

 

「モルガナ、俺ももう行くわ」

 

「あ!英二!射撃センスと言い、その能力……お前の力が必要になるかもしれない。また会った時はよろしくな!」

 

「あぁ、そんときはよろしく」

 

生きるか死ぬかのこんな世界もう来たくねぇけど……。

そう言って俺は通気口の中に入った。

 

「蓮と竜司と英二か……。あの3人は使えそうだ。特に蓮と英二だな。蓮はペルソナ使いとしてかなり使える。しかし、英二は一体どういうことだ。抜群な射撃センスに加え、ペルソナ使いでもないのにあの能力……聞いたこともない……得体がしれねぇが、力を借りることになるかもしれねぇ」

 

帰り際、モルガナが何やら呟いていたが俺の耳には届かなかった。

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