やはり俺が十師族を守護するのは間違っている。 作:ハーマィア
深夜テンションでお送りしている為誤字があるかもしれません。ご了承ください。
ねえ。
「信頼」って言葉、知ってる?
——ああいや違う違う。トラストとかビリーヴとかそういう意味じゃなくて、
信じて頼る。誇大妄想と被虐意識が行き過ぎた素晴らしい仲良しこよしだとは思うのだけど、今あなたの周りにどれだけこの信頼に値する人がいるのかしら。
あなたの本心を話した五人? それとも本当に妹さんだけ、とか?
——。
中学校の文化祭はとても楽しかったわよね。
自分一人を悪者に仕立てあげて。
誰も彼もの心を引っ掻いて、悪人の処刑を喜ぶような一致団結の仕方をさせて。
そのうちの何人かは、あなたが受けた痛みに涙を流した。……けれど、結局はあなたを信じてくれたあの子の心には、悲しみが残った。
まったく。
いい迷惑よね?
自分の足で立てないからと勝手にへばりついてきたくせに、歩けるようになった途端、突き放すんだもの。
十師族の守護者の名が腐るわな。
……まぁ。
『だからこそ』という訳なのだろうけど。
さて。
そのようなわけで。
神経を逆撫でするだけの無意味で無価値な退屈極まりない与太話はここまでにしておいて。
口を閉じてよく聞きなさい。
〝彼女〟が目覚めたわ。
…………。
いきなり過ぎる、という顔をしてるんだね。
ええ、ええ。わかってるわ。前振りも予兆も気配も無かったもの。驚くのも無理はないけど、対処はあなたがしなければならない。
行いは悪逆非道、心は純真無垢、なのにその在り方は『秩序』。
その本質は、身の内から限りなく私情を排除し『人類存続』の為に行動する管理ソフトウェア。
必要ならば強大な力を以て自ら行動することもある、所謂『おせっかい』が本性であるとも言えるだろうさ。
ただそれはあの娘の『忠誠』とはまったく別物だから、彼女を識ればあの娘にたどり着けるなんて考えないでね。
————。
……はぁ? あなたがやらなくて誰がやるの? 馬鹿げた奇跡の連続にでも縋るつもり? その時その瞬間に神様が降誕するのをイチコンマの時間のズレもなく予定に組み込めって?
笑わせんな。
あなただって十師族
ただ、目覚めるとは言っても完全な覚醒状態に至っていない『微睡んでいる』状態かしら。
だから龍脈もイデアにも特別な変化は無いし、大きなエネルギーの胎動も確認されていない。
ただ、魔法を用いた戦闘によるエネルギーの引っ張り合いが起きれば、それに刺激されて覚醒が早まる可能性もある。
————。
……そう。いかに問題を起こさないように立ち回るかだけど、十師族程度でもそのサイオン保有量の多さと魔法技能の高さのせいで、普通魔法師よりは格段に刺激する可能性が高い。知ってると思うけど。
よって、覚醒時期を先延ばしにする為にも今回の目標を定めます。
今回は『テロリストへの対処』と『殺傷性Aランク以上の魔法を使わせないこと』の二つ。
寒気とか、人体に害が無い魔法なら構わないけれど、生命活動が停止しかねないレベルの凍結魔法使用は厳禁。
発砲だの流血だったりのは極論として魂魄の流出ではなく物質の移動だから、影響として与えるレベルがゼロなので闘争の発生を防ぐ必要はない。
それに加えてだけど。
ぶっちゃけ雑魚が魔法を何発撃とうが、彼女の周囲に漂うサイオンの嵐の方がまだ煩い方だし、戦略級魔法と
ただ、九校戦の頃にはどうあがいても覚醒してるでしょうし、その時はその時で考えましょう。
今はとにかく、闘争を未然に防ぐ——ああ、役員としての仕事を全うしろと言っているわけじゃない。
潰せ。と言っている。
善も悪も、被害も犯罪も、発生しなければそれで良い。
例えば、星を呼び寄せるためにとある少女の命が枯れようとしているのなら、枯れるより先に摘み取れ。
復讐者とその仇とがやり合っている場面では、諸共に殺せば良いの。
喧嘩両成敗は『煩いから静かにしろ』っていう第三者的都合から来るものなワケだけど、この場合は問題が起きる前に全てなくなっているのがよろしい。
何はともあれ、頑張ってくれたまえ。人間にとってのクモの巣のように細く脆い世界を守るために。
……あ、そうそうあと一つ。
彼女が覚醒段階に入った原因は、学園で起きた爆発のせいだ。
あれほど大きな爆発がなければ、ニブルヘイムが放たれようと戦略級魔法が発動されようとも平気だったのだがね。
だから、藍野日織のこともしっかりと見ておくように。
————ハ。
その嫌そうな顔が見れただけで僕は満足だよ比企谷八幡。
やるべき事はしっかり、ね。