やはり俺が十師族を守護するのは間違っている。 作:ハーマィア
みんな! 7月3日だ! 魔法科高校の優等生がアニメでくるぞおおおお!!
誤字報告ありがとうございました!
勝負に勝つ。それは、どういうことか。
一色愛梨はこう考える。
相手の力を分析し、理解して不明な部分を完全に除去した上で「圧倒的な力の差」でもって相手をねじ伏せること。
僅差での勝利とか、思いきりをぶつけられる熱い戦いなどには意味が無い。
継続して戦闘に参加できないし、何より相手に舐められる。必要なのは、恐怖に似た圧倒的戦力だ。
熱い思いは、実戦で何も役に立たない。
自分は雑兵では無い。
一騎当千の働きをしてこそ、魔法師の頂点、二十九家たる一色の人間として自他共に認められるもの。
一色家の跡継ぎである自分に求められるのも、相手に恐怖を植え付けるような力だ。
『流石は愛梨様。あの十師族に
『1番にはなれないだろうが……彼女も、
『いやいや。最近じゃ、妹のいろは様の方が頭角を表してきているらしいぞ。何でも、彼女の力を上手く伸ばす方法を誰かが見つけたとかで——』
「…………っ」
自分に求められるもの、それは強さ。
自分は一色の期待を背負って、昇り詰める。周りにもそうなる事を期待されている——そう考えていた。
実際は違っていた。いや、ほんの少しのズレがあった。
周囲にはまるで自分しかいないかのように言われていたけれど、それはあくまでその時その場限りでの話。
新しい逸材が産まれれば、必然的に皆の興味はそちらへと移る。
まだ自分は見捨てられていない。
けれど、いつか遠くないうちに、両親は完全に自分に見切りをつけるのではないか。
その時、自分は家族として扱ってもらえなくなるのではないか。
そんな恐怖が自分という逃げられない牢獄の中で渦巻き、彼女を苦しめていた。
愛梨がそう思い始めるようになってしまった原因——それは、妹のいろはだ。
自分より優れた兄弟姉妹に自分の役目を奪われてしまうのは魔法師にとってよくある話だが、実際、妹は自分と同等かそれ以上に優れていた。
知覚する速度が常人以上に優れている愛梨と、他人の話す言葉が真実か嘘かが直感でわかる、妹のいろは。彼女達は将来、十師族の一条にも並ぶ程の魔法師になる事を期待されている。
しかし、魔法師として戦闘能力が優れているのは間違いなく愛梨の方だ。
いろはの力は戦闘にあまり適しておらず、一色家が取り組んでいる魔法の研究テーマとも違う。
突然変異のようなものとして扱われているいろはだから、愛梨とは実力を競い合う事は無い——筈だった。
事件が起きたのは、いろはが中学校に入学したばかりの1年生の春。
新入生歓迎会と称する部活動の勧誘が活発化していた頃だ。
愛梨の得意競技であるリーブル・エペーの部活も、新入部員獲得の為にデモンストレーションを行っていた。
そして、初心者であるいろはと経験者であり既に大会での優勝経験もある愛梨との模擬試合をすることに。
仲睦まじい姉妹。周囲の観客も、しなる剣に振り回されるいろはを見て微笑ましさすら感じていた筈だ。
だが。
『……っ、……!?』
『……あ、……勝っちゃっ……た……』
あり得ない事に、初心者のいろはが実力者であるはずの愛梨の剣を撃ち破ってしまった。
観客達には愛梨がわざと手を抜いたものと見えていたかもしれないが、愛梨には格上に打ちのめされたかのような敗北感と、まさか初心者に負けてしまったのかという焦燥感が渦巻いていた。
(……思えば、あの時から。あの時から、私にかけられる期待の目が薄くなり始めた……)
直接確認をしたわけではなく、何かの噂を聞いたわけでもない。でも、何処となく自分と両親の間の距離がその日以降、広がっているように感じたのだ。
それだけなら愛梨の勘違いで済む話だっただろう。
だが、その日以来、実際に両親と愛梨が会話をする機会は目に見えて減り続け、今では「おはよう」や「おやすみなさい」などの挨拶のみ。別に嫌いだとかそういう話でもないのだからいつでも会話をすれば良いのだが、愛梨には自分から話しかける勇気はない。
そして極めつけは、衰弱するように力を失くしていった愛梨とは対照的に僅か数ヶ月で、まるで
『…………おめでとう』
いや、稲妻のように剣技を魅せるいろはのその姿は、かつてそこで戦っていた自分自身そのもの。
いろはが、自分の——ものであった筈の魔法を使いこなしていた。
だが、愛梨が真に絶望したのは妹が
それを目にした時、愛梨は、驚きも喜びもしなかった。……その事に、愛梨は失望したのだ。
自分自身が感じた感情の乏しさ、反応の薄さに愛梨はショックを受けた。
そこまで家族に関心が持てない。それはつまり、家族だけでなく、自分も諦め始めているという事。
それを自覚した数ヶ月前、愛梨は魔法をマトモに使えなくなった。
だが、
魔法の強さは心の強さだ。直接的に魔法の強さに繋がる訳ではないが、心がなければ魔法は作れない。
だから、心が残っていれば。
きっとまた、強くなれる。
そう信じて、彼女は今日もCADを握る手に力を込めた。
「くっ……!」
右手を卵に翳す。ぷるぷる、と震えているのは愛梨の右腕。卵は1ミリも動かせていない。
——と。
「……!? う、うごいた!?」
卵が左右に揺れる。まさか、と愛梨は顔を綻ばせるが——
「っ!?」
不安定な場所に置いたせいか。台の上を転がった卵はその下の机に落ちて割れ、中身が愛梨の顔や胸に飛ぶ。
「……………………」
それを目の当たりにして、愛梨は呆然とした。
「……っ、く」
涙が滲む。しかし、我慢しようと思えば思うほど、その涙は溢れてくる。
啜り泣く声が、部屋の中に響く。
それは、もう無くしたものを諦めきれない少女の奇行か、或いは呪いか。
今朝早く——日も昇らないうちから始めて、既に何十回目かもわからない移動魔法の練習に失敗した愛梨は、ただ呆然と、鏡に映る自分の顔と体を見た。
——酷い顔だ。
寝不足でついた目のクマや泣き腫らした跡が残る目尻のせいで、目の輪郭が歪んでいる。
目は口ほどに物を言うとはまさにこのことか。
〝無駄な努力はやめろ〟——自分の体に、そう言われているような気がした。
——と。
『お姉ちゃーん? これから————の——を——るから、——はもう少し待ってねー』
「……?」
外から声がする。多分妹の声だが、その内容は上手く聞き取れなかった。
何か用事か。……こんな自分に。
「ん、……?」
不意に、部屋の鏡が目に留まる。
「…………ぇ」
鏡に触れ、戸惑う。
「……何、やって、私……」
泣きじゃくるのはやめた。明日から強く生きよう——そう思ったのは何度目か。そして、こんな顔を鏡に映すのも——何度目か。
もろく崩れ去った自分の自信。
立て直すには支えにするものが無くて、立て直したところで目指すものはかつての自分という、何ら成長のない有様。
「……どうすれ、ば」
どうしたら良い。
努力はした。考えうる限りの解決策も探った。新たな力を得られないか、一の魔法を研究している金沢の研究所にだって、何度も通った。
精神的な疲れがあるのかもしれないからと、外を歩いてみたり、絵を描いてみたり、或いは何もしなかったりと、気分転換なるものも試してみた。
提案されたさまざまな手段の全てに取り組んだ。今だってこうして、失った魔法を取り戻す為に学校を休み、一日中練習してばかりだ。
……だが、だめだった。
最初から分かりきっている努力の結果が、変わりはしないかと祈る——それこそが、最も無駄なことだ。
変わらないものは変わらない。
失ったものは取り戻せない。
今まで愛梨が努力と呼んでいたものは、もう二度と取り戻せないものを掴もうとして握り潰した、ただの現実逃避だ。
「…………」
現実が、肩に重くのしかかる。
「……お風呂に、入ろ」
——もう辞めよう。
そう思うと、すんなりと立ち上がることが出来た。
いや、愛梨が動こうとするよりも前に体は動いていた——。
「……なによ、心ではわかってたってこと?」
ただ自分が認めたくなかっただけで、本心ではもうとっくに諦めていたらしい。
その事をようやく実感した愛梨は、自嘲混じりに微笑った。
ため息を吐く。……肩の荷が降りたように、色々と軽く感じる。今なら、両親や妹ともきちんと話をすることができそうだ。
勿論、良い意味ではないが。
「よし……」
着替えを持って風呂場に向かう。
一色家の浴室は風呂好きな当主の影響で浴場と呼べるほど広く、また今の時間は家族は誰も入る事は無いので、誰と顔を合わせるまでもなく、愛梨はゆっくりできる。
少しでもリラックス出来れば良い——向かう途中で、愛梨は思った。
(きっとまた、お風呂から上がれば私は魔法を練習する)
それは、やめると口にしても心で決めても、いつのまにかまた目指してしまう呪いにも似た予告。
繰り返しになっても良い。それが魔法を取り戻す手段にはならなくても、魔法を諦めない理由になれば、それでいい。
自分でやってみてわかる通り、自分の手にはまだ魔法が残っているのだから。
脱衣所に入り、鍵を閉める。
覗きなどの心配はしていないが、誰とも顔を合わせたくないからだ。
——特に、こんな酷い顔を誰かに見られるのは耐えられない。
脱いだ服を洗濯カゴに放り込み、着飾ることのない姿で浴室へと向かう。
大衆浴場の場であれば入浴着などを着用するのがマナーであるが、自宅でそれを気にする必要はない。
他にもっと気にしなければならない事はある。
浴室の扉に手をかけて、愛梨は目を瞑る。
(そうよ。可能性がゼロになった訳じゃない)
今の愛梨を支えているのはその僅かな希望のみ。強がりを言えるのも、現実を受け入れられずに駄々をこねていられるのも、全てはその望みがあるからだ。
——それさえなくなってしまったら、いよいよ「一色愛梨」という人間は立ち直れなくなる。
そうならない為にも、彼女が今の自分について考える事は必要な儀式だ。
もっとも、愛梨が今決意したのは現実を受け入れる術を身につけるのではなく現実を直視しない努力をする事。
彼女が一度でも事実を受け入れてしまえば、既にヒビの入っている彼女を受け止めている器は砂のように崩れ落ちてしまうだろう。
——その希望すら根拠は無いという事を、愛梨は忘却していた。
「……よし」
怯える感情を心の奥にしまい込んで、瞳をこじ開け、愛梨は扉を開けた。
開けた扉の向こうでは、水着姿で照明を取り換えているいろはと、いろはを肩車している愛梨の知らない少年がいた。
間隔が1メートルも無い程の近距離で、何やら照明設備の交換作業をしているらしい。
浴室に入ってすぐの照明を、2人は交換していた。
「先輩、もうちょい右です右……あ、そのへんで。……よしっ、外れた」
「……別に照明の取り換えくらいいつだってやるけど、変身が途切れてる時にやらなくたっていいだろ……ん?」
「今はお姉ちゃんがお風呂に入る時間だから、早く取り換えとかないと思春期のお姉ちゃんが人を呼ぶ羽目になるし、困っちゃうんですよ……え?」
2人が愛梨の侵入に気づく。そして愛梨の姿を目にするなり、2人は凍りついた。
「……………………」
(…………)
心の中までも無言になりながら、愛梨はただ前を見る。
熱に当てられたかのようにぼうっと上の方を漂っていた愛梨の意識が、晴れた。
どうやら人は、リラックスする以外にもあまりにも刺激的な光景を目にすると意識が覚醒するらしい——ではなくて。
異性。見られた。全裸。
「……〜〜〜〜〜ッ!?」
愛梨は燃えるような痛みを体に覚えた。
それは、未だ恋の味も知らぬ少女が初めて知った、羞恥の心。
反抗期さえ何食わぬ顔でやり過ごした彼女は、初めて味わう想像だにしない苦しみを受け流せずに、ただ、翻弄される。
全身が熱い。頬が、額が、喉が、胸が、指が、腕が、腹が、脚が、土踏まずが。
「……、大丈——」
側から見れば、愛梨は蹲って震えているように見えた。
それは他人に関心が薄い少年——八幡にも言える事で、今にも倒れそうな愛梨に向かって心配そうに手を、
「……
水着の美少女を肩車した少年が無表情で全裸の美少女に手を伸ばしている様は、たしかに変態だった。
「——っわっとた」
そして、愛梨に向かって伸ばしていた八幡の腕をいろはが掴み取った事により、足が滑りやすい風呂場で作業をしていたせいもあってか、2人のバランスが崩れた。
「——あっ!」
「…………え?」
その事故は必然的に、2人の目の前にいた愛梨を巻き込んでしまう。
前向きに倒れた八幡といろはと、それに巻き込まれる愛梨。一番最初にダメージを負ったのは、いろはだった。
「へぶッ!?」
浴室のドア上の壁に顔を派手にぶつけ、潰れたカエルの断末魔のような声を出すいろは。顔が赤くなり、鼻血も出ていたが、結果的に一番の軽傷だったのはいろはだった。
「……いっ、…………?」
いろはに続くのは姉の愛梨。だが、妙な圧迫感があるだけで、後ろ向きに倒れた彼女は打ち身どころか、擦り傷すら負わなかった。
「いや悪い」
そう言って愛梨に向かって頭を下げる八幡。
自分と視線を合わせようとしない彼を見て、愛梨は彼が何をしたのか、思い知った。
転んだはずの愛梨。しかしその体は床に触れておらず、柔らかくて温かい、毛布のようなものに包まれている感触がある。
たぶん、魔法で愛梨を助けてくれたのだ。
気体を固定する魔法で柔らかいクッションのようなものに受け止められて、愛梨は無事だった。
「…………?」
しかし、それではこの、押さえつけられているような圧迫感の説明にはならない。
倒れる愛梨の身を包むだけなら、上から押さえる必要はないのだから。
故に、この魔法の効果では無いのかもしれない。
(それじゃあ——)
原因を探ろうとして、愛梨は思ったよりも近くにある八幡の顔にドギマギしつつ、彼の顔から視線を圧迫感の原因へと向けた。——向けない方が、彼女は先ほどよりもさらに巨大な羞恥に晒される事はなかったかもしれない。
「……え」
八幡の掌が、愛梨の乳房を鷲掴みに——いや、押しつぶしていた。
具体的には、愛梨の胸を支点にして、八幡と愛梨の体同士が触れないように自身の体を支えていた。
「…………」
しかし、その体勢も一瞬の事。すぐさま横に手をついて愛梨の胸から手を離し、八幡は起き上がる。
「いや、悪い」
呆然としたまま、八幡の差し出す手を取って愛梨も立ち上がる。
その言葉が愛梨の裸を見たことと転倒に愛梨を巻き込んだことを指していないのは、明確に理解できた。
胸を揉まれた事に対する謝罪。それ以外に考えられない。
それに加えて、今の事故は意図的ではない身体接触。許すか許さないかで言えば、愛梨はきっと許していたに違いない。
「……、……」
だが彼女は疲れていた。
相手に反省の意思があっただとか、誰が元凶だとか、そんな事など微塵も考えられないほどに、彼女は疲れていた。
「……………………」
魔法が使えないという事実に対するストレスだけでなく、ろくに睡眠を取れていないせいで精神的疲労はもちろん、肉体的疲労は限界を軽く超えている。
疲れは即ち、理性の欠落に繋がる。
理性とは地球上で唯一ヒトにのみ備わっている機能で、その強弱は個人によってまちまちであれど、咄嗟の判断を思いとどまらせることが出来る、ブレーキのような役目を帯びている。
それ故に、理性を削られたヒトは獣に近しい思考をしてしまうものだ。
衝動的に、愛梨は右腕を振り上げた。
「きゃああああああああああああっ!?」
相手の事などまともに見えていない。迎撃する魔法なんて、練る暇すらない。
だのに。
バチッ、ヴィヴァヂッ!!
「え、ちょ————————は?」
愛梨の右腕は、まるで雷のようなエネルギーを纏っていた。
否、それは「のような」ものではなく——
「……な、
「わーっ!? ちょっと、お姉ちゃ————」
愛梨の悲鳴と彼女の平手から繰り出される
「…………え?」
そして、幾らかの理性を取り戻した愛梨が目にしたのは、自らによる破壊の痕跡。
今の一瞬で壊れたものは両手を使っても数え切れないが、見つけやすいのは八幡が飛んでいった方角の風呂場の壁だろう。破壊と共に残された痕は、とてつもないレベルのエネルギーが通過した事を窺わせる。
「……ま、魔法……?」
窮地の覚醒だとか戦況をひっくり返す偶然など、そういうお約束じみた雰囲気とは違う明らかな異物感。
何せ、今彼女は何の魔法も、魔法式すら作っていないのだ。
普通であれば、魔法が発動する道理が無い。
今の自分が魔法を使えた理由がわからずに悩みたかった愛梨だが、それについて彼女が悩むことは無かった。
愛梨の足元の瓦礫が動いた。
「あの」
ただ、がむしゃらに放たれた力の余波で崩れた壁の瓦礫の中に埋もれていたいろはが、軽蔑するような——いまいち親しみを感じられない視線で、埋もれたまま愛梨を見上げていた。
「お姉ちゃん……」
「……? いろは?」
いろはにそんな目で見られる理由がわからず、愛梨は困惑する。全裸で。
「……真っ裸で考え事をしたいって気持ちはわからなくもないけど、今はとりあえず服を着た方が良いんじゃないかなぁ? 色々派手に壊しちゃったし、人が集まってくるだろうし」
……………………。
「あっ」
ばつん、と一色家のブレーカーが落ちた。
その一瞬前。
一色家に雷が落ちていた。
先程の比喩ではなく、正真正銘、本物の落雷が両手で頬を覆う愛梨めがけて。
(…………これ)
一瞬で全身を紅くして、黒焦げになった着替えに涙を浮かべる愛梨。その体の端から漏れる電光を見て、いろはは確信した。
(……確実に
あれは八幡の力だ。八幡が持っていた力を、どういう訳か愛梨が持ってしまっている。
そしてその能力を奪ったのは、故意ではない。
『お邪魔しまーす……って、……あぁ、そういう……』
いつまで経っても纏まりきらない思考は、雅音を迎えに行ったかおりが家を訪ねてくるまで続いた。
〜人物紹介〜
一色愛梨
一色家令嬢。蝶よ花よと愛でられて育ってきたものの、中学2年生時にその能力の殆どを消失。さまざまな病院や調査機関を受診したが、診断の結果、愛梨の体が全く想子を作り上げていない事が判明し、彼女の魔法喪失はどうにもならない事がわかっていた。しかし彼女の両親はそれを彼女に伝える事ができず、彼女はそれを自分の体が精神的に不調な所為だと思い込んだまま、魔法技能を完全に失った。