先輩へ
ちょっと無理ぽだったんでこれ出します
( ・∇・)
たかこ「ユージ」
ユージ「なんだ?」
たかこ「…少し、話があるの」
ユージ「………………」
たかこ「私、もうこの仕事、やめようかなって思ってるの」
ユージ「……!?」
たかこ「この20年間。私たちはコソコソと色んな汚い事をやってきたわ。今だってそう、普通の女性がカフェでお茶してる時、私たちはこうやって死体を掃除している。あの人たちはその手で対応の電話を取るのに、私たちはその手を、裏切り者を殺めるために使っている。最近、血で真っ赤に染まった自分の手を見て思うのよ、あぁ、なんで私、こんなことやってるんだろうって。」
ユージ「たかこ?」
たかこ「毎日毎日、殺して、掃除して、売って、盗られて、盗り返して、毎日毎日…毎日毎日毎日毎日、なんで私は「お前…一体どうしたんだよ、一旦落ち着」私は何時だって落ち着いているわよ!!」
ユージ「!!?」
たかこ「………………ッ、ごめんなさい」
ユージ「いや、いいんだ」
たかこ「…ユージ、私。もうダメみたいなの、疲れちゃったみたいなのよ。昼の世界に戻りたい。戻って、普通に働いて、普通に恋して、普通に家庭を持って………ハハッ、そんな当たり前の日常が、こんなにも眩しかったなんてね」
ユージ「…俺たちにとっての『普通』って、何なんだろうな」
たかこ「そうね…私たち、何時から間違えたのかしら」
ユージ「俺は、お前が辞めようと辞めまいと、お前の決めたことにとやかく言うつもりはない。お前が決めたことに今まで間違いがあったか?たかこなら、どこでだってやっていけるさ」
たかこ「ありがとう。私、ユージのその言葉が聞きたかったのかもね」
たかこ「はぁーあ。なんかユージに話したらスッキリしたわ」
ユージ「で、どうするんだ?辞めるのか?」
たかこ「えぇ。気持ちの整理もついたし、今から長に辞表渡してくるわ」
ユージ「そうか」
たかこ「寂しくなるわね」
ユージ「寂しくなんかないさ。どうせ、辞めても俺の家に押しかけてくるんだろ?」
たかこ「ふふっ。缶ビール冷やして待ってなさいよ」
ユージ「つまみ忘れたら追い返すからな」
たかこ「はいはい。じゃ、行ってくるわ」
ユージ「おう」
そしてその日、たかこはこの仕事をやめたと同時に、消息不明となった。
ユージ「…………」
たかこ「ぷはぁー!やっぱアンタと飲むビールが1番だわ!」
ユージ「…お前、何でピンピンしてるんだよ」
たかこ「へぇ?逆に何で私が死んだと思ってたの?」
ユージ「だってお前!あの日から急に連絡も取れなくなっただろうが!」
たかこ「だーかーらー!それはあのジジイが辞める時に私の携帯を壊しちゃって連絡したくても出来なかったの!」
ユージ「だからってキレて親父さん殺すことないだろ!?」
たかこ「しょうがないでしょ!アイツが私の事襲おうとしてきたんだから!私まだ純血の処女でいたいのよ!」
ユージ「処……ッてめぇの都合なんて知らねぇよ!おかげで俺たちがどんだけ大変な思いをしたと思って!」
たかこ「あーはいはいすみませんねー」
ユージ「はぁ……」
たかこ「でも、よかったじゃん。アンタずっとジジイの席を狙ってたわけだし」
ユージ「にしても急過ぎるだろ。おかげで俺の人生計画が台無しだ」
たかこ「私も、念願の昼の世界でこうやって働けてるし、お互い楽しくやっていけてるじゃない」
ユージ「まぁ。な」
たかこ「あとは、私が玉の輿と結婚して主婦になるだけね!」
ユージ「お前みたいな女を好きになる男なんて、相当な物好きだろうな」
たかこ「なっ!?こーんな素敵な女は世界中どこ探してもここにしかいないわよ!?」
ユージ「えっ?どこだ?」
たかこ「あっち向いてんじゃないわよ!」
ユージ「ははっ。ほら、そろそろ帰れ。お前も明日は早いだろうが」
たかこ「ううぅ。まさか昼の世界でも月曜日が嫌いになるなんてね…」
ユージ「はいはい。また来週な」
たかこ「……ユージ」
ユージ「なんだ?」
たかこ「もし、お互いこれからもいい人が見つからなくて、き、気になってる人もいなかったらさ…私が、貰ってあげてもいいのよ?」
ユージ「寝言は寝てから言え。この酔っぱらい」
たかこ「ちぇ。つまんないの。少しは冗談に付き合ってくれたっていいじゃない」
ユージ「冗談を言える余裕があるなら、見送りはしなくても大丈夫だな」
たかこ「乙女を夜中に1人で帰らせるなんてそれでもお前は男かゴラァ!」
ユージ「おばさんはさっさとお帰りください」
バタンッ
たかこ「ホントにドア閉めやがったぞコイツ………はぁ」
ユージ「…………」
たかこ「(全く、この鈍感男。早く気づきなさいよね)」
ユージ「(なんだよアレ。『貰ってあげてもいいのよ』じゃねぇよ。期待すんだろ、クソ)」
これは、昼の世界に憧れ、殺しを辞めた女と、
夜の世界で、彼女と街の平和を守る男の話。