ルビィちゃんも推しなので、書きました。
「ルビィちゃん、お誕生日おめでとうずら〜!」
「花丸ちゃん、ありがとう!」
自室で、ルビィは親友に盛大にお祝いされていた。土曜日の今日は、学校は休み。自宅故に姉も在宅だったが、
「ダイヤさんは、平気なの?」
「うん……まあ」
「?」
微妙な反応をしたルビィに、花丸は首を傾げる。
「──ルビィ〜! お誕生日おめでとうございますわ〜! 一つ歳を重ねて大人になったルビィもまた愛おしく愛らしいですわね〜! ケーキもお菓子も沢山用意してますのよ〜! 今日はわたくし秘蔵のスクールアイドルのライブ映像をたっぷりと堪能しましょうね〜! 特別に、わたくし特製フライドポテトも楽しみにしていて下さいね〜!」
と、浦の星の生徒には見せられないほどの破顔っぷりに祝われる側が引いてしまったとは言えなかった。
「──花丸ちゃんと二人きりになりたいからって、今は席を外してもらったの」
「ルビィちゃん……! 嬉しいずら〜」
花丸はルビィの手を握って感激。
「は、花丸ちゃん……」
二人きりとはいえ、恥ずかしさでルビィの頬がほんの少しだけ染まる。
「──そんな優しいルビィちゃんには、これを……」
手をルビィから足元に移した花丸は、
「──じゃーん! ルビィちゃんに、誕生日プレゼントずら!」
カバンから取り出した紙袋を手渡す。
「オラが真剣に選んだ、ルビィちゃんにオススメする一冊ずら!」
「本……? あっ、これ知ってる! 広告で気になってた恋愛小説!」
「ふっふっふ……。オラのすないぱーあいにかかれば、この程度造作もない! ずら」
「それは、使い方違うと思うけど……。でもありがとう! すっごく嬉しい!」
「喜んでくれて良かったずら。一生懸命選んだ甲斐があったずら〜」
エッヘンと得意げに胸を張った花丸。それをニコニコ眺めていたルビィだったが、ふと何かを思い出す。
「──あ、そうだ。私もね、花丸ちゃんに渡したいものがあるの?」
「渡したいもの?」
ルビィは戸棚をガサゴソと漁ると、
「──これ!」
笑顔で振り返った。
「……雑誌?」
「うん! スクールアイドルの特集雑誌なんだけどね、この刊はμ'sの特集なの! 花丸ちゃんにも読んで欲しくって!」
先ほどとは逆に雑誌を手渡された花丸は、
「でも、いいの? マルがもらっちゃって……。ルビィちゃんも読みたいんじゃ……」
「ルビィはもう何回も読んだから大丈夫だよ」
ルビィは笑顔で答えると、一ページ目の文章を暗唱してみせる。
「わ、ルビィちゃん凄い……! 流石、スクールアイドルにかける想いは、誰にも負けないずら!」
「お姉ちゃんには敵わない事も多いけど……でも! やっぱり、スクールアイドルは好きだから」
「うんうん。マルがよく知ってるずら」
自分の事のように頷く花丸に、ルビィはエヘヘと照れる。
花丸は手元に視線を落とすと、
「ルビィちゃんの誕生日に本を持ってきたのに、まだ本があるのって不思議だな〜」
「あっ、ごめんね! つい熱くなっちゃって、花丸ちゃんの気持ち考えてなかった……」
発言を深読みしたのか、慌て出すルビィに花丸は首を横に振る。
「あ、ううん、そうじゃなくて。やっぱりルビィちゃんは、アイドルの話をしてる時が一番輝いてるずら。マルはそんなルビィちゃんを見てるのがだーいすきずら!」
花丸は手に持った雑誌を軽く持ち上げ、
「マルはまだあんまりスクールアイドルに詳しくないし、ルビィちゃんにもっと色々教えてもらいたいずら!」
「花丸ちゃん……」
「これからもオラは、ルビィちゃんと一緒にスクールアイドル頑張るずら! ねっ?」
右手を突き上げた花丸は、ルビィに向かってウインク。それはまだ少しぎこちなかったが、
「ありがとう花丸ちゃん! ルビィね、花丸ちゃんとスクールアイドルの話ができて凄く嬉しい!」
ルビィには、しっかり届く。
「じゃあ、一緒にライブ映像見ようよ! みんなすっごく可愛いから!」
「見る見る! 今日はルビィちゃんの楽しい事、ぜーんぶやるずら! マルも楽しみずら〜!」
仲良く液晶の前に並んで座りながら、ルビィは隣の横顔を盗み見る。
キラキラしたその瞳を見ながら、ルビィも楽しいそうに微笑んだ。