神殺しin―――ハイスクールD×D   作:ノムリ

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海水浴

 夏休みと言えば、海やキャンプ、夏祭りに出かけるのが定番、というわけでやってきた海水浴。

 と、言っても流石に夏休みに海に行こうものならアホみたいな人混みで泳ぐことなんてほぼ不可能ということで『月の都』の端っこにある海に来る。此処なら他人が入ってくることもなく、自由に泳げるし誰かが荷物を見ておく必要もない。

 そもそも、俺たちが居る海水浴場は、基本『月の都』に住んでいる人も利用できない場所だ。開発した武器の試験運用、技のテストなど行う軍用関係の浜辺だ。勿論、住人が夏を満喫できるようにそれようの海水浴場も作られ、そっちには海の家も出ている。

 砂浜にビニールシートを敷いてパラソルを立てる、見るからに定番の光景。

 ビニールシートの上に腰を下ろし持ってきたクーラーボックスから冷えたお茶のペットボトルを取り出し喉を潤わせ、水着に着替えに行ったセレナたちを待つ。

 都会の海に比べれば田舎の海は比較的空いている。

 それでも

「お待たせしました、涼さん!」

「主!どう私の水着!」

「涼どうかにゃ?」

「似合ってるかな、涼くん!」

「涼、どうだろうか?」

 水着姿になったセレナ、灯巳、黒歌、イリナ、ゼノヴィアが水着に着替えて戻ってきたようだ。

 白色にビキニの水着に下の方にはスカートのように短いフリルがあしらわれた水着を着たセレナ。

 胸元に大きなリボンが飾られた赤色のビキニ水着を着た灯巳。

 大きな胸が零れてしまいそうなほど面積の小さい紫色の水着を着た黒歌。

 黄色の生地に白色のハイビスカス模様がランダムで配置されたビキニを着たイリナ。

 バンドゥビキニという谷間の部分だけが一部だけが空きシンプルながらもセクシーさがある青色の水着を着たゼノヴィア。

 五人それぞれがチョイスしてきた水着を俺に見せる為に横一列に並んだ。

 美少女が五人も揃えば勿論、周りの男たちの視線も集める。中には彼女と一緒に来たんだろう、隣の女の子に頬を引っ張られている男もいる。

 

「皆、似合うな!俺はいま世界中の男の中で一番の贅沢を味わっている気がする!」

 現に周りの男から女の子を五人も侍らせていることで嫉妬の視線を四方八方から受けているけど、そんなことも気にならないほど目の前の光景に釘付けになっている。

 

「にして、熱いですね」

 青空に輝く太陽を見上げなら首筋を流れる汗を拭うセレナ。

「『月の都』の天気情報は基本は日本に設定してあるからな、日本が夏ならこっちも夏になる。俺の権能だから好き勝手に弄れはするけど毎回調節するのは面倒だから設定しっぱなしのままだ。だから人間界で雨が降ればこっちも雨が降る」

「へぇ~、結構便利な権能だね」

 イリナの言う通り便利な権能だ。現に場所によって世界各地の温度・湿度・天候を再現することで世界中の植物を育て、陸と海では養殖が行われている。つまり、しようと思えば年中海水浴を楽しむことも出来るということだ。と、言っても一年に何回も海で泳ぎたくなるわけじゃないけど。

「というわけで、行くよセレナ!泳ぐぞ~!」

「えっ!ちょっと!」

 灯巳はセレナの手を取ると全力ダッシュで海へと走り出していった。

「ゼノヴィア、私たちも泳ご!」

「そうだな、人生初の海水浴を満喫するとしよう」

 イリナとゼノヴィアも仲良く海に向かって行った。

「涼は泳がないのかにゃ?」

「少しゆっくりしたらな泳ぐさ」

 ビニールシートで横になり、はぁ~、と息を吐き出し。今日の今朝方新幹線で帰ってきたそのまま海に来たのはいいけど、流石に疲れた。

 目を瞑りゆっくりしているとしゅるり、という布が擦れる音を勝手に耳が拾う。

「涼、サンオイル塗って欲しいにゃ」

 黒歌の声に反応して目を開くと胸をさらけ出した黒歌が横で膝をつき座っている。体を動かす度にたわわに実った胸が揺れる。

「念のために聞くけど何処に?」

 体を起こしながら聞くと。

 全身!と言いながら、ビニールシートに横になる黒歌。シミ一つ、傷一つない綺麗な背中。好奇心で指先でスゥー、と背中をなぞると、ビクッ!と震える。

「涼!くすぐったいにゃ」

「背中がエロいから仕方ない、しかも上から見ると胸が潰れて横からはみ出してるし」

 黒歌の大きな胸が自重で潰れて、脇の辺りからはみ出して見えているのが絶妙にエロい。

 サンオイルを手に出し。両手で擦って温める、ほんのり温かくなってくらいで黒歌の背中に両手についたサンオイルを塗り込んでいく。綺麗な背中は撫でるように滑り、上から徐々にお尻に向かって下りていく。

「んぅ…くぅ…ぁ」

 背中を撫でる度に聞こえてくる甘い声。

 あの、黒歌さん、辞めてもらっていいですか。流石に俺も男なんでそんな声出されると…。

 背中、腰をサンオイルを塗り終わり、ついにお尻にたどり着いた。躊躇うこともなく水着の下に手を入れて揉む様にお尻にもしっかりサンオイルを塗り込んでいく。尻尾の周りもくすぐるように指先で塗り込みくすぐったいのかそれとも心地いいのか、サンオイルを塗っている手に尻尾が甘えるように絡みついてくる。

 柔らかいお尻を堪能してのちに、次は太ももにサンオイルを塗っていく。

「にゃふふ!くすぐったいにゃ……ねぇ、涼」

「ん?なんだ」

「白音の事にゃ」

「助けに行きたい?」

 数秒ほど黙った黒歌。

 小猫は黒歌にとって唯一の血の繋がった家族。元はと言えば彼女が追われる立場になったのは妹を救う為だ。

「助けには行きたいにゃ、でも、それが原因で涼たちに迷惑はかけたくもにゃい……」

「気にしなくてもその為の作戦は練ってある。今度、リアス・グレモリーとディオドラ・アスタロトのレーティングゲームがある。隠密部隊から情報だと旧魔王派もその時に仕掛けるらしい。後手に回るけど、俺たちも便乗して一度力を示すには丁度いい祭りごとだろ。その時に、小猫を説得してくるといい。出来るかどうかはお前次第だけどな」

 無理やり連れて帰ってくるっていう手段も取れなくもないけど、多分小猫の件は大丈夫だろう。月の都という種族共生という夢物語が実現した場所を見せてある。

 それに三大勢力に未来が無い事くらい多少学のある奴なら分かることだ。まあ、それを受け入れず。大丈夫だと思っている奴もきっと多いだろうけど。

 既に俺の率いる獣群師団と三大勢力の戦争は禍の団やいくつかの神話勢力を巻き込む様に大きな渦のように広がってきている。現に、日本神話とは同盟を。北欧神話とは今度話し合いの場が設けられる。

 それに対して、悪魔はレーティングゲームなんて戦争の遊戯に興じて戦争の準備はしていない。天使と堕天使も目立った動きはなし。確かに俺たちも表立って動いていない、けれど、戦争は=武力で決まるわけじゃない。他の組織・種族との協力、自組織の財力、自組織と相手組織の食料問題、土地や環境など多くの要素が戦争では絡み合う。

「分かったにゃ。絶対に連れてきた見せるにゃ」

 思わず体を起こし、俺の目を見つめる黒歌……上半身裸で。

「あー!!黒歌がおっぱいで主を誘惑してる!」

 タイミング悪く戻ってきた灯巳が上半身裸の黒歌を見て大騒ぎ。灯巳が急に戻ってきたことを疑問に思ったセレナも追って戻ってきてしまい。

 灯巳はと言えば、黒歌に対抗するべく上下とも水着を脱ぎだした。

「ちょっと、灯巳さん!誰かに見られたらどうするんですか!?」

 横でいきなり水着から全裸になった灯巳に驚きながら慌てて、鞄からタオルを引っ張り出すセレナ。

「だいじょーぶ!結界で浜辺を囲ったから外からは誰にも見えないし、声も漏れないもん!だから青姦もヤり放題!」

「何を言ってるんですか!はしたない!男女の営みというものは部屋でやるものです!ほら水着を。水着を着てください!」

 灯巳とセレナの大騒ぎを聞きつけて結局、イリナとゼノヴィアも戻ってきた。

「…イリナ、青姦とはなんだ?」

「え!え~と、それはね~、何かな~?私は分からないな~、あはは…」

 どうもイリナは意味を知っているらしいが、流石に説明をするのは憚られるようだ。

「黒歌、お前もさっさと水着を着ろ、灯巳もだ。全く、俺も泳ぎたいからな」

 五人を置いて海に走り出し水泳選手のように飛び込み、全身を包み込む海水のひんやりと冷たさが体の熱っぽさを打ち消す。

 海中での活動は人間の体じゃ限界がすぐにくる。息を止めたまま素早く体を『混沌獣』の力で作り替える。

 首に鰓を生み出し肺呼吸から海水から酸素を取り入れられる鰓呼吸に呼吸法を変え、水中を泳ぎやすいよう手足の指に間に水搔きが生み出される。

 人間にとって水中は不自由であっても『混沌獣』を使えば、どんな場所にも適応できる。

 海中の深い場所で上を見上げると太陽の日差しが海に降り注ぎ、キラキラと海中を乱反射して幻想的な景色を生み出す。

 のんびりとしていると、上からどぼん!と五人が海に飛び込んできた。

 海中を魚のように泳ぎ回り、首にある鰓を見たイリナはごぱ!と口から特大の泡を吐き出して狂いそうに海上に戻って行った。

 

「え、涼くん何その姿」

 俺の首に出来た鰓を指さして驚くイリナ。

 そういえば、こういう使い方は見せたことなかったっけ。

「便利なもんだろ、地球上の大抵の場所は適応できるんだ」

「偶にはいいですね、涼さん。私も久しぶりに人魚になりたいです」

 珍しくノリ気のセレナが自分の唇を差し出してくる

 俺は躊躇なく、セレナと唇を重ねる。

 俺とセレナの行動のイリナやゼノヴィアは?の浮かべながら見ていると数秒後にはその変化に気づいたらしい。

「…セレナの足が……」

 イリナとゼノヴィアの視線先にあったのは、本来二本あるはずの人間の脚ではなく。人間界では伝説として語られる魚の下半身、人魚の姿だ。

「鰓も作ったからちゃんと呼吸も出来るだろ」

 今したのは、一時的に『混沌獣』の合成効果を他人に付加するというものだ。時間にしても十分程度。戦闘にはあまり役立たないけど移動位には使える。付加するには、術を掛けるのと同じように口移しか、俺の血肉を対象が体内に取り込むの二通りしかない。

 

「権能ってほんとチートよね」

 呆れながらも海中を呼吸も気にせず一切の抵抗なく泳ぎ回るセレナの姿を食い入るように見るイリナ。

「主、私も人魚する!」

 そう言って、俺の唇を奪う灯巳。

 相変わらず強引なことだ。

 セレナと同じように『混沌獣』の付加を灯巳にする。

 数秒で灯巳も同じように人魚の姿に変わり、セレナと同じように海中を泳ぎに行った。

「それじゃ私もするにゃ」

 灯巳と同じく一切の躊躇いなく俺の唇を奪って行った黒歌。

「じゃあ、次は私の番だな」

 俺の頬に手を当てて、優しく唇を重ねるゼノヴィア。

 三人は付き合いが長い分、人前でキスをしても気にもしない。その辺りゼノヴィアも一緒らしい。

 唇を離す頃には、ゼノヴィアも人魚の姿に変わり。慣れないながらも上手く体を動かして泳いで行った。

 イリナには急にキスとというのは、難易度が高いらしいけど一人だけ置いていくわけにもいかない。

「ちょっと心のじゅん、んっ!」

 戸惑っているイリナの唇を奪い、『混沌獣』の付加を与える。

 最初は驚いていたけど受け入れた。

 少しして人魚の姿に変わったイリナ。

「凄い……絵本の中みたい!おわ!?」

「ほら、行くぞ。最初は難しいから慣れるまで手を引いてやる」

 自分が人魚になったことに驚いているイリナの手を引いて泳ぎだす。

「ほんとに泳いでるよ!涼くん!」

 リアクションが昔、セレナが最初に人魚になった時の同じだ。やっぱり女の子が人魚とか、お姫様とか憧れるもんなのかね~。

 慣れてきたのか徐々に泳ぐのが早くなってきたイリナ。手を離すとイリナはすいすいと、沖の方で泳ぎ回っているセレナたちの元に向かっていく。

 沖の方に出れば人間界の海と同様にサンゴ礁や魚が泳ぎまわり自然の海の景色を見る事ができる。

 イルカのように海面を飛び跳ねているセレナ、灯巳。

 魚の群れと並んで泳ぐ黒歌、イリナ、ゼノヴィア。

 各々が好きなように泳ぎ回っていると、あっという間に十分が過ぎ去った。

 人魚の姿から元の人間の姿に戻った後は、俺がイルカの姿に変身にして、セレナと灯巳を背に乗せて泳ぎまわった。

 昼食の事も忘れて年相応に思う存分遊び回った。

 

 

「あ゛~もう無理、動けない」

「そうだな、私も無理だ」

 海水浴なんて初めてのイリナとゼノヴィアは全力で遊び倒し、鯨に変身した俺の背中の上で横になって日向ぼっこしている。

 セレナ、灯巳、黒歌はまた人魚に変身して泳ぎ回っている。

「どうだった人魚になった感想は?」

「凄かった!涼くんあんなこともできたんだね!」

「ああ、確かに凄い。あれなら水中戦も苦戦せずに戦える」

「ゼノヴィア…こういう時くらい戦いの事なんて言わないでよ」

 楽しんでくれたのなら連れてきたかいがあるってもんだ。

 悪魔祓いだった、イリナとゼノヴィアは今まであんまり子供らしい時間なんて過ごせてないだろうからな。出来るだけそういう時間を過ごさせてやりたい、戦争に巻き込んだ、俺が言うのは可笑しいかもしれないけど、それでもだ。

「涼くん」

「ん?」

「次は夏祭りに行きたい!」

「そうだな、みんなの浴衣姿は楽しみにしているよ」

 戦争をしようっていうのに呑気なものだけど、俺はこれで良い。

 これが、俺の守ると決めたものだから。


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