神殺しin―――ハイスクールD×D   作:ノムリ

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授業参観

 転校から数週間。

 学校生活に慣れ、俺、セレナ、灯巳、ゼノヴィア、イリナはクラスにも馴染み。友人も出来た。

 本日は学園イベントの一つ授業参観当日。

 親が学校にやってきて授業風景を見るイベント。小学生ならともかく高校生になると生徒は嬉しさよりも気恥ずかしさが先に出る。

「最悪だ、両親が授業を見に来るなんて」

 そう隣で壁にもたれながら呟く一誠。

 一誠とはまあ、それなりに話が合う、というか、女子生徒の方が総合的に多いこの学園では男子友達というのは貴重なので上手く話しを合わせて輪に加わっている。

「あ~、ドンマイ。でもいいじゃねえか親が居るだけでも幸せってもんだ」

「涼は両親居ないのか?」

「色々あるんだ、俺と戦うことになった時、聞かない方が良かったとならない為に聞かない方がいいと思うぞ」

 悪い、と言って気軽に聞いてきたことを後悔しているらしい。流石に異世界から来ましたとは教室で言うわけにはいかない。そもそも元の世でも両親なんてまつろわぬ神に殺されて生きてないから同じようなものだけど。

「ねえねえ、神無月に聞きたいことがあるんだけどいいかな」

 俺と一誠が話しているとやってきのは同じクラスの桐生藍華。橙色の髪に、三つ編みの眼鏡というラノベに出てきそうな外見だが、内面は学園で有名な変態三人組こと一誠、松田、元浜と変わらないほどのエロ方面の知識とネタを持っている。

 まあ、セレナたちとも仲良くしてくれてるみたいだから邪険には出来ないが。

「なにかあったのか」

「昨日、ゼノヴィアっちとイリナを抱いたってほんと?」

 桐生の言葉を聞いた生徒は凍った。といか流石は年頃の高校生。松田と元浜だけでなく、近くで立ち話をしていた女子も地味にこっちを見て聞き耳を立てている。

「ほんとだ、補正するなら、セレナ、灯巳ともう一人も居れて五人抱いたから6Pだな。それがどうかしたか?」

「……恥ずかしがらずによく言えたわね、アンタ」

「何に恥ずかしがる必要がある。俺はアイツらを好きだし、愛してる。気持ちは言葉にしないと相手には伝わらないんだぞ。性行為だって愛情表現の一種でもあるだろ」

 キャー!と叫ぶ女子グループと涙を滝のように流す変態三人組。

「おま、おま!涼!お前マジか!?一度に五人も抱くってマジか!」

「なんだよ、お前だってアーシアとかリアス・グレモリーとか居るだろ……え、何、お前まだ童貞のままなのか」

「そうだよ!俺なんて部長のおっぱいを触っただけだよ!」

 あんなにスキンシップしてるからもうしてるかの思ってた、違うのかよ。悪魔は寿命が長いからその辺が遅いのかな。でもアーシア・アルジェントは人間から悪魔になったって言ってたしな。

「ドンマイ、あれだな。お前からも何か行動起こすべきじゃね。好きだとか、服を褒めたりするべきだ。女の子はそういう所に気を使うし」

「そういう所が大切なのか!」

 叫ぶ一誠、と俺の話を聞いていたのかセレナたちは顔を赤くして女子グループに問い詰められていた。

 あれに俺が入り込む余地は無いので眺めておくことにしよう。

 

 

@ @ @

 

 

 英語の授業なのに粘土をこねるという意味わからない授業の中でなぜか一誠の作ったリアス・グレモリーの裸体の銅像みたいなものを巡ったオークションが開催されて、授業は無事に終わり。教室に居ても休めないので人があまり通らない廊下で休んでいると男子数人が体育館に走っていく。

 何かあるのかと聞いてみると、体育館で魔女っ娘の撮影があると急いでいた。

 暇なので行ってみると本当に壇上の上でミニスカの魔女っ娘がポーズを取って男子たちが携帯で写真を撮っていた。

 授業参観にコスプレイヤーというアンマッチ。あれは身内だったら恥ずかしくて学校に来れなくなるな。

「涼も来てたのか」

 出入口近くで眺めていると一誠たちオカルト部一同がやってきた。

「ああ、暇だったしな。にしても授業参観にコスプレイヤーとは此処は何とも変な学校だ」

 一誠たちの続いて体育館にやってきたのは生徒会の一人でありソーナ・シトリーの眷属の匙だ。撮影をしていた男子たちを帰らせて魔女っ娘にそんな服装で来ないで欲しいと注意していると。

「何しているんですか、匙!」

 匙に叱咤を浴びせながら体育館に入ってきたソーナの方に全員の視線が行くと。驚くことに魔女っ娘はソーナの名前を呼んだ。

「あ!ソーナたん☆」

「お姉様!?」

 魔女っ娘の身内がまさかソーナだったとはご苦労なこって。

「どうしたの、折角のお姉様との再会なのだからもっと喜んでくれてもいいと思うの!」

 普通、姉が魔女っ娘のコスプレの姿で自分の前に現れてら喜ぶ前に正気を疑うのが先だろう。これ以上、此処にいると面倒に巻き込まれそうだから一足先に帰らせてもらうか。にしてもあれが四大魔王の一人セラフォルー・レヴィアタンか、正直あれがトップかと思うとドン引きだ。

 

 

 

 

 全ての授業が終わり、帰ろうとしていると近寄ってきた男性。それが普通の人間なら気にしないが髪が紅色ならば話は別だ。

「やあ、君が神無月涼くんだね」

「リアス・グレモリーの身内で強い奴って言ったら魔王のサーゼクス・ルシファーだな」

「やっぱり知っていたか」

「当たり前だ。賞金稼ぎは情報が重要なんだ」

 そうかい、と納得した様子で頷いている。

「それでやっぱり会談に参加してほしいって話か」

「ああ、アザゼルから話を聞いているらしいけど一応、声を掛けておくのが礼儀だと思ってね」

「そりゃどうも」

 その礼儀を少しでも他の種族、陣営に回さないと悪魔は戦争に真っ逆さまだってのに呑気なもんだ。強くても自分たちを客観的に見れないっていうのはどうかと思うけどね。まあ、神殺しとして好き勝手やっている俺が言えた義理じゃないか。

 

「コカビエルの一件では本当に助かったよ」

「別にいいよ。俺は自分の為に戦っただけで助けようとしたわけじゃない、勝手に助かっただけだろ。にしても、あんたただの悪魔じゃないな。リアス・グレモリーやソーナ・シトリーたちは勿論、レヴィアタンに比べても気配が強すぎる」

 カンピオーネが直感的にまつろわぬ神を見つけるのと同じように、相手が強いか弱いかも直感で理解できる。サーゼクス・ルシファーは気配を抑えているが強い部類だ。でもカンピオーネやまつろわぬ神相手じゃ良くても遊び相手ってところか。

「まさか気づかれるとはね」

「別に言いふらすこともしないから気にしなくていいよ、それよりあんたの身内が待ってるぞ」

 俺とサーゼクス・ルシファーの会話をずっと見守っているリアスと一誠たちに視線を向ける。

「そのようだね、会談の日時が決まったら連絡を入れるよ」

「あぁ、頼む」

 リーアたん!とリアスの元へ歩いていくサーゼクスを見送り、小さく独り言を呟いた。

「魔王の中でも恐らく一番強くてあのレベルか。本気だしたら世界滅ぼせちゃうよな。奥の手の『破壊の投擲(ワールド・カタストロフィ)』なんて使ったら本当に世界が終わるぞ」

 改めてカンピオーネの持つ権能の強さに驚きながら、黒歌の待つ家へと帰る。




そういえば、皆さん的に作品のラストは三大勢力と仲良くか、一部の勢力滅ぼして終わるのか、分かりやすく全面戦争どれがお好みですか?

作者は全面戦争?(というなの主人公の戯れ)になるんじゃね?と書きながら思っています

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