東方心壊キ録   作:ベネト

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とある方の登場


出会いと秘密

side白楽

 

「...げほ!」

 

神社から離れ現在は月が照らす暗い森の中...

 

少し歩いただけだが...やはり傷口が開いてきている...やはり...出歩くのは早計だった...

 

「はぁ...どうする?...大人しく...神社で休むべきだったか?...だが...」

 

あの子を殺しかねない...命の恩人に手をかける程、我々は外道ではないが抑えられないのも事実だ...だが...人間に対する蓄積された怒りは....もう止めることはできない...

 

ですが...仕方ありません...とりあえず身を休める場所へ向かいましょうか?力は失えど、それくらいは出来ますよね?

 

 

 

 

 

 

「...仕方ないか」

 

贅沢は言ってられないな...ごねた所でどうすることもできないだろう...なけなしの霊力を使うとしよう...

 

ワタシは札を投げて術を発動させる...

 

「開け...陰陽キ壊寺門...」

 

何もない空間から戸が現れる...何とか成功というべきか...

 

「霊力が足りてよかった...」

 

ワタシは戸を開けて中へと入る...

 

そして目に映るは...一件の寺...あまり大きい物ではないが、休むには好都合だ...

 

...この空間ならば外部からの干渉を受けない...あのスキマ何たらにも見つかる心配がないということだ...

 

「とりあえず久しぶりの帰宅だな...」

 

ワタシは寺に入り自室を目指す...流石にも久しぶりの帰宅だけあり空気が淀んでいるが今は傷を治すことが先決だ...

 

自室に到着したワタシは着ている物を脱ぎ捨て敷いてある布団の中へと入る...

 

正直傷だらけの体で布団に入りたくはないが、体力を回復させるすべがない以上仕方があるまい...残りは体力をどこまで回復するかが今後の鍵だ...

 

「...体力の温存だな...とりあえず今後に備えるか...霊力も回復させなければ...」

 

目を閉じると眠気がやってくる...

 

封印開けで正直疲れていたこともあった故か...このまま...何もなければいいのだがな?

 

 

 

 

 

 

そして同時刻...白楽がいる空間にとある者が入り込んでくる...

 

桃色の髪にシニョンを2つ付け...赤い導師服の前掛けをつけた少女...右腕には包帯が巻かれており、何とも痛々しい姿をしている...

 

彼女の名は茨木華扇...彼女は寺に侵入して白楽の眠っている部屋へと入る...

 

「...」

 

「すぅ...」

 

眠っている白楽の傍に座り彼女はそっと彼女の体を抱きしめる...

 

「やっと...見つけた!」

 

そのまま華扇は白楽の体を抱きかかえると、白楽が目を覚ます...

 

 

「ん?...な...何だ?」

 

「貴女達!起きたのね!!良かった...う...うああああん!!!!」

 

白楽が目を覚ました事に安堵したのか、華扇は泣き始め、白楽の方はその光景を見て驚きの表情を浮かべる...

 

「か...華扇様!?え...何でこの空間に?...ここは我々の空間だというのに...」

 

「貴女達の事はずっと探してたの!!生きてて良かった...」

 

「その...お久しぶりです?」

 

「何で疑問形なのよ!」

 

華扇はぐずりながら、懐から一升枡を取り出し中へ酒を注ぐ...

 

「...そ...それは...」

 

「私の道具...茨木の百薬枡...これを飲んだら怪我が治るの...」

 

枡に並々注がれた酒を見て、白楽は眉間を顰め顔を青くする...

 

「...あの?ワタシが酒を飲めないのは知っているはずですが?」

 

「...飲んでよぉ!う...うわあああん!!!」

 

白楽が拒否すると華扇が泣き、白楽は更に顔を青くする...

 

彼女は一滴も酒を飲むことが出来ない下戸...そんな彼女に向け華扇は無理難題を言っているのだから...

 

「いや...時間さえ貰えれば...」

 

「...飲んで」

 

「いや...嫌です...」

 

「飲んでったらー!!」

 

しびれを切らした華扇が酒を無理やり彼女の口へと注ぐ...並々と注がれた酒は拒否反応を示す白楽の意志に背き体内へと強制的を送られる...

 

「ごぼぼぼ!!?...無理!!助け...かふ...」

 

そのまま彼女は白目を剥いて昏倒する...

 

「...ぐす...これで怪我は治るかも...でも...一回様子を見ないと...」

 

華扇は昏倒した白楽を担いでその場を後にする...このまま彼女がどうなるのか誰にも分からない...

 

 

 

 




短いですが...

ここまでです

ではこれにて
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