キャラクターについて議論されるのは見ていて楽しいですね。
流、初戦にしては強すぎる鬼戦が始まるよ~。
鬼が人を喰っているところを初めて見た。
ソレは、地中に埋めて泥だらけになっていた死体を掘り出すと、丁寧に泥を払う。死体には首が無く、あたり一体に腐臭が漂った。
あまりの刺激臭に俺は吐き気をこらえて、刀を握りしめた。汗が滲むのを感じる。呼吸が乱れている。落ち着け、俺。
これはひどい。ひどすぎる。
家族を鬼に殺された人間が鬼に怯えて生きるのではなく、鬼狩りになる理由が分かった気がする。恐怖を越える怒りが人を突き動かすのだろう。
呼吸を整えろ。藤襲山を思い出せ。鬼を殺すのは初めてではない。
一歩踏み込む。土を蹴って跳躍。刀を抜いて構えた。
――水の呼吸、肆ノ型・打ち潮。
鬼の頸を狙って放った刀はしかし狙いを外す。鬼の姿が霧の様に掻き消えたからだ。
「血鬼術!?」
俺は直ぐ様その場から飛び退いて周囲を見渡した。鬼は消えた。気配は少しも残っていない。
殺気を感じ本能的に刀を振るう。見えない手に弾き飛ばされるようにして俺は地面に転がった。
どうやって倒せばいい!?
何も見えない、頸の場所が分からない。攻撃には対応出来てもジリ貧だ。逃げられても気付けない。何度も殴られ、切り付けられる。かろうじて致命傷は躱しているがこのペースでいけば数分の内に動けなくなりそうだ。そうしたら死ぬ。
何か対策はないのか。姿が見えなくても、反撃する方法は。
――――
村雲は足を引きずりながら山の中を走っていた。体のあらゆる場所が裂け、血が流れている。鬼の爪でつけられた。
村雲は焦っていた。相手の血鬼術が予想以上に厄介であったからだ。
それは『姿を消す』というもの。ただ見えなくするだけでない、存在そのものが認識出来なくなる。
例え家族一つを喰ったとしても、周りには気づかれず、鬼狩りに見つかっても簡単に逃げる事ができる。村雲の能力をもってしても死角からの攻撃は対応し難く、不覚をとった。
唯一隙があるとすれば、攻撃直前の殺気など、強い気配は僅かに感じとれるところか。
村雲は自らの能力でもって風を掴み、相手を斬る事ができたが鬼の攻撃が止んだのを見るに、逃がしたのだろう。
回復の為に人間を喰うかもしれない。だが、どこにいるか分からない。
先ほどまで使っていた方法は既に使えなくなってしまった。手がかりの布を戦闘中に落としてなくしてしまったからだ。
村雲は歯噛みする。
このまま山の中を探し続けるか、町に降りて鬼を待つか。
町は空気が淀んでいるため、鬼を探しにくいが――誰かが喰われるかもしれないという時にそんな事は言ってられない。
「鬼ハ北東二イル、馬鹿女」
「誰だッ!!」
村雲は視線を巡らせる。そこにいたのは一羽の鴉だった。
「オレハオ前ノ鎹鴉ダ。アマリニ動キ回ルモノダカラ探スノニ苦労シタゾ」
「私は断った筈だが……」
「先ホドノ問題行動ニヨリ取リ消サレタ」
鴉は呆れた様に羽を伸ばした。
「俺タチ鎹鴉ハ特殊ナ訓練ヲツンデイル。故二鬼ノ場所モワカル……早ク動ケ、北東ダ」
鴉は静かに言うと飛び立った。
村雲は黙って鴉の言った通りの方向に走り出した。
大正コソコソ話
村雲宗治の問題行動は鴉によって報告されました。緊急柱合裁判、召集!手が空いている柱は集まって下さい。
流もとりあえず裁判に行きます。