久しぶりの宇髄さんです。地味に登場。
作者の原作突りたい欲がマッハしているので、いがいとすんなり倒すかも……。まあ所詮パワハラ被害者だから、しょうがない。
そろそろ次代の水柱を選ばなければ。
加賀見がそう思ったのは、柱同士の手合わせで雨柱――白津湯渦桃に負け越したからである。
幼少期から面倒を見て、次代水柱の積もりで育てようとしたところ、何故か新しい呼吸を生み出して雨柱となった弟子。もちろん柱となるに相応しい力を持つとはいえ、対人戦が滅法苦手である彼女に勝てなくなった事に加賀見は自身の衰えを感じていた。
加賀見は己が柱の中では高齢である事も含め、引退を考えていた。
そうなると次代の水柱を誰にするかという話になる。必ずしも柱が引退する時は次代の柱を指名しなければいけない、というわけでは無いのだが、現産屋敷家当主が若い以上、経験のある己が指名したほうが良いだろうという考えである。
ところが基準を満たす水の呼吸の隊士はいるものの、どれも白津湯に比べると今一つ劣る。水柱は鬼殺隊内でも炎と並んでいつの時代も存在していた。伝統を加賀見の代で止めてしまうのはあまりに忍びない。
さて、どうしようか?
そう悩みあぐねていた時に一門流と会ったのである。
最終選別にて藤襲山の鬼を宇髄天元と共に全滅させ、三月に行う予定だった最終選別を潰した少年。まだ若いが、一際目だった新人であることは確かである。お館様に調査を命じられた際に、彼ならばと思うのも当然といえよう。
とりあえず一年指導をし、見込み無しと感じたら指名せずに引退すればよい。そういうわけで加賀見は一門流を継子にしたのである。
血統は文句なし。中身が伴っているかが心配であったが、努力家な気質であったようで一門流は予想以上に力をつけていった。彼の育手は元水柱であったというから、修行にも似通ったところがあったのかも知れない。彼が理論派であったことも加賀見との稽古の相性が良かった要因であろう。
新しく生み出した『炎雷』も正直、水の呼吸と言っていいのかは不思議だが、強力であることに違いは無い。
今回の任務、一門が十二鬼月を討伐出来たのならば加賀見は次代水柱に彼を推し、後腐れなく引退する所存である。
だが、一つ疑問に思うとすれば……
「どうして伍ノ型までしか使えない彼が新しい型を生み出せたのでしょうか……?」
甚だ不思議である。
とりあえず初代水柱は凄かったので炎の呼吸も雷の呼吸も使えて、新しい型を作る事など造作もない人間だったのだろう。と加賀見は納得した。
実際、水の呼吸を作ったのはその初代であるのだから。
――――
「ンンーーーーフゴォ!!」
「うるさっ!!」
くしゃみが出てしまった。誰か俺の噂でもしてんのかな。
宇髄が嫌な顔をする。抑えようとしたけど無理だったんだ許して。
「風邪なんかひいてないだろうな?体調管理はしっかりしとけよ」
「大丈夫……」
下弦の弐討伐戦は宇髄との共同任務であった。安心。いや、最初はそう思っていたんだけど。
宇髄もこの一年で階級を『甲』まで上げており、俺とは違った方法で技の錬度を高めていたようだ。最終選別で『良い訓練になる』とか言う人間だ。実戦で学ぶのが得意なんだろう。
「いやまぁしかし、派手に二人きりだな!本隊の奴らがどっか行っちまった」
宇髄が不思議そうに周りを見回す。
なんと俺達は今、討伐隊の本隊から外れて二人きりになってしまったのだ――!!
「……」
俺は今、ひどく落ち込んでいる。
先輩『鬼は北西の滝に構えている!走って向かうぞ!』
宇髄『よっしゃ派手にいくぜ!』
俺『え、宇髄ちょっと待って一人にしないで!?』
宇髄はとても足が速い。俺は死にもの狂いでついていく。自然と俺達は先行する事になる。
そして目的の滝が見えて後ろを振り向くと、そこには誰もいなかったのだ。
要するに走るのが速すぎて俺しかついてきて無かったんですね!オワタ。
二人きりで十二鬼月と戦うの?マ?せめて待機して仲間がくるのを待とうぜ。
だが現実はそう甘くない。宇髄とうだうだ話している内に鬼が出てきてしまったのである。
「鬼殺隊か……一人残らず俺の血肉にしてやろう」
ゆったりと滝から出てきたおじさん眼球には『下弐』の文字。俺はこのおじさんを知ってる。無惨様にパワハラされて退場した鬼だ。
おじさんは俺の顔を見ると一際愉快そうに笑った。俺からしてみれば(察し)である。
「その顔と刀!貴様、一門の人間だな?覚えているとも!」
あーもう分かりました!予想できるし。どうせあれだろ?『記憶による云々』だろ?
「四代前の水柱が精神の混濁で自壊していく様は実に滑稽だった!先祖の記憶を継ぐなど、なんとも業の深い事よ!!」
「え……?」
大正コソコソ話
『炎雷』は端的に凪と霹靂一閃と煉獄を混ぜた技ですが、混ぜたぶん、全ての要素において劣化しています。
そこまでチートじゃないよ!(小声)
初見殺し的な要素強めです。