中村優斗の軌跡(現在修正中)   作:犬大好き

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前回のあらすじ
USJにてヴィランが襲来
数人の重傷者は出たが、誰一人欠けることなくヴィランを退けた


第九十一話(僕のヒーローアカデミアに来た『第五話』より)

「たとえこの足を捨てても(脚とは言ってない)」

 

 二日後・教室

 

飯田「皆ー!!朝のHRが始まる、席につけー!!」

瀬呂「ついてるよ、ついてねーのおめーだけだ」

 

 飯田も席に着くと、教室の扉が開いた

 そこには、ミイラのように包帯ぐるぐる巻きの相澤先生がいた

 

相澤「お早う」

皆「相澤先生復帰早えええ!!!!」

 

 相澤先生は一昨日の襲撃で全身の骨を折っていたりしていたんだが・・・

 

飯田「先生無事だったのですね!!」

麗日「無事言うんかなぁアレ・・・」

相澤「俺の安否はどうでもいい、何よりまだ戦いは終わってねぇ」

爆豪「戦い?」

出久「まさか・・・」

峰田「まta

ヴィランがー!!?」

 

 全員が怖がる中、相澤先生は一呼吸置き、こう叫ぶように言った

 

相澤「雄英体育祭が迫ってる!」

皆「クソ学校っぽいの来たあああ!!」

 

 先ほどの沈黙とは打って変わり、教室中に歓声が沸き上がった

 

芦戸「待って待って!ヴィランに侵入されたばっかなのに大丈夫なんですか!?」

相澤「逆に開催することで、雄英の危機管理体制が盤石だと示す・・って考えらしい。警備は例年の五倍に強化するそうだ。何より雄英の体育祭は、最大のチャンス。ヴィランごときで中止していい催しじゃねぇ」

峰田「いや、そこは中止しよう?」

出久「峰田君・・・雄英体育祭見たことないの!?」

峰田「あるに決まってんだろ。そういう事じゃなくて」

相澤「ウチの体育祭は日本のビッグイベントの一つ!!かつてはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ全国が熱狂した。今は知っての通り規模も人口も縮小し形骸化した・・・そして日本に於いて今「かつてのオリンピック」に代わるのが雄英体育祭だ!!」

百「当然全国のトップヒーローもみますのよ。スカウト目的でね!」

上鳴「資格習得後はプロ事務所にサイドキック入りが定石だもんな」

耳郎「そっから独立しそびれて万年サイドキックも多いんだよね。上鳴、あんたそーなりそう。アホだし」

上鳴「くっ!!」

相澤「当然名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる。時間は有限プロに見込まれればその場で将来が拓けるのだ。年に一回・・・計三回だけのチャンス、ヒーロー志すなら絶対に外せないイベントだ!」

 

 昼休みのみんなのテンションはマックスだった

 もちろんあの会話もあった

 

オールマイト「ごはん・・・一緒に食べよ?」

麗日「乙女や!!!」

 

 ちゃんと見た後、優斗と一緒に校舎裏へ

 優菜の足取りは、フラフラと千鳥足のようになっていた

 

優斗「一人で歩けるまでは復活したが・・・まだ走れたりは出来そうにないな」

優菜「体育祭までにはリハビリは済ませてみせる」

優斗「なら、さっさと走れるようないならないとな」

優菜「・・・リハビリを手伝ったりは・・・?」

優斗「・・・そんな目で見るな。手伝ってやるから」

 

 優斗が手を取り、歩く練習をした

 

優菜「でも、こんなことになるなんて夢にも思わなかったな」

優斗「考えなしに大猿になるからだ。もっとなんかあったんじゃないのか?」

優菜「・・・」

優斗「嫌なとこ突かれたら黙るよなお前」

優菜「それより、俺のしっぽさ。また生えたりすんのかな?」

優斗「知るか。ヘルに聞け」

 

 すると二人の間にヘルが現れた

 

ヘル「呼ばれた気がしたんだけど」

優斗「呼んではない。でも用はある」

ヘル「じゃあ用って何よ」

優菜「しっぽ切っちゃたじゃんか。また生えたりすんのか?」

ヘル「生えない事も無いわよ。ただ、今すぐって事なら難しいわね」

優菜「どういうこと?」

ヘル「まず、尻尾を切られた描写は複数あるわ。まず、ピラフ城で悟空のしっぽはヤムチャに切られたのが最初。次に生えたのは天下一武道会の最中よ。でも、その後すぐに孫悟飯・・・おじいちゃんの方ね。その悟飯によって千切られてしまうの。で、次の天下一武道会までにいつの間にか再生。で、ピッコロ第魔王戦後に神様によって切られてからもう生えていないわね。まあGTは含めてないけど」

優菜「・・・お前がドラゴンボールのファンって事はよく分かったよ」

優斗「今すぐなら難しいってのは、生えるまで待たないといけないってことか?」

ヘル「GTでは、凄い大きいペンチで尻尾の先を掴んで引きずり出すことで生えさせたわ」

優菜「なる・・・ほど」

優斗「それするか?」

優菜「・・・やめとく」

優斗「なら一歩でも二歩でも多く歩け」

優菜「・・・ふぐぅ」

 

 それから一日百回腕立て伏せ、腹筋、スクワット、ランニング10KM+瞑想しまくった

 優斗も一緒にやっていたが・・・あくまで補助としてやっていたせいか。あまり強くなるためのトレーニングとはいかなかった

 そして体育祭当日の朝

 

優菜「さて、行こうか」

優斗「正直、ほぼ元の状態まで調子を戻せるとは思わなかったぞ」

優菜「でもまだ違和感あるんだよな」

優斗「せいぜい頑張る事だな。俺は今日は手伝わんからな」

 

 体育祭控室

 

飯田「皆、準備は出来てるか!?もうじき入場だ!!」

障子「コスチューム着たかったなー」

尾白「公平を期す為、着用不可なんだよ」

轟「緑谷」

出久「轟くん・・・何?」

轟「客観的に見ても、実力は俺の方が上だと思う」

出久「え!?うっ、うん・・・」

轟「お前オールマイトに目ぇかけられてるよな。別にそこ詮索するつもりはねえが・・・お前には勝つぞ」

上鳴「おお!?クラス最強が宣戦布告!!?」

切島「急にケンカ腰でどうした!?直前にやめろって・・」

轟「仲良しごっこじゃねえんだ。何だって良いだろ」

出久「轟くんが何を思って僕に勝つって言ってるのか・・・は分かんないけど。そりゃ君の方が上だよ・・・・実力なんて大半の人に敵わないと思う・・・。客観的に見ても・・・」

切島「緑谷も、そーゆーネガティブな事言わねえほうが・・・」

出久「でも・・・!!みんな・・・他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ。僕だって、遅れを取るわけにはいかないんだ。僕も本気で、獲りに行く!」

轟「・・・おお」

優菜「皆、入場だよ。ちゃんと並んで」

 

 二列に並び、体育祭の舞台へ

 

マスコミ「一年ステージ、生徒の入場だ!!」

 

 会場のスピーカーから、耳がキーンとなるぐらいの音量で司会の声が聞こえた

 

プレゼントマイク「雄英体育祭!!ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!どうせてめーらアレだろこいつらだろ!!?ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!ヒーロー科!!一年!!!A組だろぉぉ!!?」

出久「わあああ・・・人がすんごい・・・」

飯田「大人数に見られる中で最大のパフォーマンスを発揮できるか・・・!これもまたヒーローとしての素養を身につける一環なんだな」

切島「めっちゃ持ち上げられてんな・・・なんか緊張すんな・・・!なァ爆豪」

爆豪「しねえよ、ただただアガるわ」

プレゼントマイク「B組に続いて普通科C・D・E組・・!!サポート科F・G・H組もきたぞー!!そして経営科・・・」

 

 という風に次々とクラスが入場し、全クラスが並んだ

 

ミッドナイト「選手宣誓!!」

 

 観客席にいるヒーローの声が聞こえてくる

 

ヒーロー1「おお!今年の1年主審は18禁ヒーロー「ミッドナイト」か!」

ヒーロー2「校長は?」

ヒーロー3「校長は例年3年ステージだよ」

常闇「18禁なのに高校にいてもいいものか」

峰田「いい」

 

 峰田よ、真顔で言うのはやめろ

 

ミッドナイト「静かにしなさい!!選手代表!!1-A爆豪勝己!!」

出久「え~~~、かっちゃんなの!?」

瀬呂「あれ?あいつは入試2位じゃなかったか?」

B組女子「ヒーロー科の入試な」

優菜「私は目立つの嫌だから降りたの」

出久「そうだったんだ・・・」

 

 爆豪が台に立ち、だるそうにこう言った

 

爆豪「せんせー・・・」

 

 皆が不安そうに見守る中、爆豪が言った言葉は・・・

 

爆豪「俺が一位になる」

皆「絶対やると思った!!」

 

B組男子「調子乗んなよA組オラァ!!」

飯田「何故品位を貶める様な事をするんだ!!」

B組女子「ヘドロヤロー!!」

爆豪「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」

 

 爆豪は首を切るジェスチャーをしながら台から降りていった

 

優菜「・・・」

優斗「お前がした方が良かったんじゃ?」

優菜「もう俺知らん」

 

 ざわつく中、ミッドナイトが目次を進め始めた

 

ミッドナイト「さーて、それじゃあ早速第一種目行きましょう!!」

麗日「雄英って何でも早速だね」

ミッドナイト「いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ!!さて運命の第一種目!!今年は・・・コレ!!」

 

 モニターに映し出されたのは「障害物競走」という文字だった

 

出久「障害物競走・・・!」

ミッドナイト「計11クラスでの総当たりレースよ!コースはこのスタジアムの外周約4KM!我が校は自由さが売り文句!ウフフフ・・・コースさえ守れば何をしたって構わないわ!さあさあ位置につきまくりなさい・・・」

優菜「さあさあ来るぞー」

 

 狭い入口の上にあるレースシグナルがすべて点いた瞬間、ミッドナイトが叫んだ

 

ミッドナイト「スターーーーート!!」

 

 いざ走ろうとすると、轟が足元を凍らせて動けなかった

 

優菜「おいおいマジかよ」

 

 抜け出したのはA組の皆や、B組の上位に当たる人たちだった

 優斗も、避けていた

 

優菜「ああ!!」

優斗「先に行かせてもらうぞ」

 

 優斗は今朝言った通り、助けることなく先へ進んでいった

 

優菜「やらかした・・・」

 

 狭い入口で凍らせるなんて・・・何て合理的で面倒な!!

 しかも、密度が高すぎて氷を割ろうにもかがめない!!

 

優菜「・・・いっそのこと、捥ぐか」

 

 しかし、体育祭でそんなことしていいのだろうか。学校のイベントで足が無くなるってヤバくないか?他に方法は・・・

 

優菜「・・・そうだ、脱げばいいんだ」

 

 靴を脱ぎ、上空に飛んでから集団を抜けた

 靴の代わりに波紋の呼吸をして、砂利などが足の裏に刺さらないようにした

 すると、道にあるスピーカーからプレゼントマイクの声が聞こえた

 

プレゼントマイク「さぁいきなり障害物だ!!まずは手始め・・・第一関門ロボ・インフェルノ!!」

 

 皆に分かりやすく言おう。0ポイントヴィランがいっぱいだった

 飛んで行こうと思ったけど、邪魔してくるからちょっとイラっと来た

 一体殴り倒してから先に進んだ

 他のやつは轟が凍らせたり上から行ったり(俺行けなかったのに・・・)して通って行ってしまっている

 するとまたスピーカーから声が聞こえた

 

プレゼントマイク「オイオイ第一関門チョロいってよ!!んじゃ第二はどうさ!?落ちればアウト!!それが嫌なら這いずりな!!ザ・フォール!!」

 

 切り立った足場を丸い柱の道で繋いだステージを、皆は掴まって這って進んで営った

 

優菜「うわー飛べなかったらしんどかったな」

 

 これも飛んで回避し、次へ

 

プレゼントマイク「戦闘が一足抜けて下は団子状態!上位何名が通過するかは公表してねえから安心せずに突き進め!!そして早くも最終関門!!かくしてその実態は・・・一面地雷原!!!怒りのアフガンだ!!地雷の位置はよく見りゃ分かる仕様になってんぞ!!目と脚酷使しろ!!ちなみに地雷!威力は大したことねえが、音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!」

 

 いや・・・・これ全部飛ぶだけでいいやん

 でも、それは人としてどうなんだろう。あまりにもズル過ぎるのではないだろうか

 

優菜「・・・最後ぐらい、歩くか」

 

 地面に降り立つと、足元がカチッといった

 

優菜「・・・あ(察し)」

 

 足元にあった地雷がドオオオオオオオオオオンと爆発した

 まあ、せいぜい2m浮いたぐらいだ

 

優菜「そういえば轟たちは・・・?」

 

 吹っ飛びながら前線を見ると、轟と爆轟が競っていた

 

優菜「あそこか」

 

 あとは出久だが・・・出久の個性では、張り合うのは厳しいだろう。ならあの二人を越えることを考えよう

 そんなことを考えていると、後ろから大きな爆発音が聞こえた

 

プレゼントマイク「後方で大爆発!!?なんだあの威力!?偶然か故意かーーーー!!A組緑谷爆風で猛追ーー!!?つーか!!!抜いたあああああー!!!」

 

 出久が先ほどの0ポイントヴィランの装甲に乗って前線へ飛んで行った

 

優菜「まさか俺が壊した奴の!?」

 

 しかし、爆豪たちが速度を上げて抜かせないようにした

 だが、出久は二人の肩に乗り地面に装甲を叩きつけ、地雷を爆発

 轟たちの邪魔をしながらも、自分は爆発で前へ

 

優菜「すっげぇ・・・よくできんなあんな事」

 

 そう言いながらも、隅から全力で走って地雷を発動させながら通り抜けた

 

プレゼントマイク「緑谷間髪入れず後続妨害!!なんと地雷原則クリア!!イレイザーヘッドお前のクラスすげえな!!どういう教育してんだ!」

 

 全力で追いかければ余裕で抜けるが・・・まあ、別に2位でもいいので出久の5Mほど後ろを走った

 

プレゼントマイク「さァさァ序盤の展開から誰が予想できた!?今一番にスタジアムへ帰って来た、その男ー・・・緑谷出久の存在を!!」

 

 うおおおお!!と歓声が湧きたち、俺も二位か~みたいな顔して入った

 

優菜「やったじゃんかデク!」

出久「あ、ありがとうございます・・・」

 

 それから次々とゴールしてきたが・・・常闇と優斗がいなかった

 というか、入り口以外で優斗を見た覚えがない

 

優菜「お、来たか」

 

 優斗がゴールしたのは43人目だった

 そして予選通過は・・・42人まで

 

優菜「お前、何してたんだよ。俺より先に行ってたくせに」

優斗「最初の0ポイントヴィランに潰されてた」

優菜「バカらしい・・・」

 

 優菜がほくそ笑んでいると、優斗が怒って掛かってきたので攻撃を受け流したりして十分後

 

ミッドナイト「予選通過は上位42名!!!残念ながら落ちちゃった人も安心しなさい!まだ見せ場は用意されてるわ!!そして次からいよいよ本選よ!!ここからは取材陣も白熱してくるよ!キバりなさい!!!さーて第二種目よ!!私はもう知ってるけど~~~・・・何かしら!!?言ってるそばからコレよ!!!!」

 

 次にモニターに映し出されてのは「騎馬戦」だった

 

上鳴「騎馬戦・・・!」

峰田「騎馬戦・・・!」

優菜『峰田は別の想像したな』

蛙吹「個人競技じゃないけど、どうやるのかしら」

ミッドナイト「参加者は2~4人のチームを自由に組んで騎馬を作ってもらうわ!基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど、一つ違うのが・・・先ほどの結果に従い、各自にポイントが振り当てられる事!」

砂籐「入試みてぇなポイント稼ぎ方式か。わかりやすいぜ」

葉隠「つまり組み合わせによって騎馬のポイントが違ってくると!」

ミッドナイト「あんたら私がしゃべってんのにすぐ言うね!!!ええそうよ!!そしてポイントは下から5ずつ!42位が5ポイント41位が10ポイント・・といった具合よ。そして・・・1位に与えられるポイントは1000万!!!」

出久「・・・1000万?」

優菜「そうはならんやろ」

優斗「なっとるやろがい」

ミッドナイト「上位の奴ほど狙われちゃう・・・下剋上サバイバルよ!!!」




次回予告
二位のポイントはいくらなんだ?
そもそも、1000万というのはどうなんだ
とにかく、二位なら優菜も狙われる
ここは誰と組むのかよく考えなくては・・・

次回「適任すぎる」

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