・IF設定が更に独自の進化を遂げた世界を舞台にお送りしております。
・キャラ崩壊注意です。
以上を踏まえた上でお読み下さい。
「…………悪魔メイドのシズ。傾聴。今回のテーマは刃物。銃器が登場するまで。斬りつけ突き刺すための武器が多く使われて居た。槍・刀剣・弓など。鋭くて先の尖った物。弓矢に射貫かれたくなければしっかりと聴くべき。」
「…………刃物武器の登場は紀元前8000年より前。1万年以上ある。凄い。」
「は~い!シズ先輩ストップです!銃器ってアレですよね?先輩が持ってる白色の魔銃ですか。多分通じないのでカットしていいかと。あとキゲンゼン?っていうのもよくわからないです。」
「…………む。そっか。」
『魔導王陛下へ感謝を送る会(仮)』総本部。ネイア・バラハはシズ先輩の頼みで、〝らじお放送〟なるものの練習に付き合っていた。何でも聖地アインズ・ウール・ゴウン魔導国では、〝らじお〟という国土全域への一斉伝達を行うマジック・アイテムが普及しており、シズ先輩も〝放送者〟として選ばれたらしい。
喋るのが得意じゃないからと、断っていたらしいのだが、真なる王城で見た他の姉妹は全員その〝らじお〟の放送台に立ち、末の妹だというもう1人以外全員が放送者となり、自分もやってみようと決心したのだとか。
しかし弁が立つか不安が残ったので、〝大勢の前で喋るのがとても上手い友人〟にアドバイスを貰いたいと、ネイアのところにやってきたという。ネイア自身、アインズ様の素晴らしさをただ飾らずに話しているだけなので、自分に弁が立つなど思っていないが、他ならぬシズ先輩の頼み。出来る限り協力をすることにした。
「でも、武器が題材ってシズ先輩らしいですよね。」
「…………ふふん。ミリタリーはロマン。博士が言っていた。」
シズ先輩は誇らしげに胸を張った。台本として用意されている束ねた羊皮紙は、恐らく30分だという放送内では収まらないだろう分厚い代物となっている。ネイアとしても【弓の歴史と種類・特徴。戦局における有用性の考察】はとても参考になり、親衛隊の強化のため写本を譲って欲しいほどだ。
「…………でも、上手く伝えられるか不安。ユリやルプーみたいにいかない。ネイアみたいにもいかない。」
「大丈夫です!シズ先輩の話し方は……味があります!」
「…………む。」
お株を取られたような気分になったシズは〝む〟っとする。ネイアは何処かしてやったようなニヤニヤ顔だ。
「…………そもそもミリタリーのロマンを30分で纏めるのが不可能。最低6時間は欲しい。」
「解ります!わたしもアインズ様の素晴らしさを、時間の都合で15分ほどしか語れない時があるので、凄くモヤモヤするときがあるんですよ!」
シズとネイアはお互いを見つめ合いどちらとも無く固い握手を結んだ。
「…………じゃあ練習を再開する。最古の武器は投擲槍とされており--」
ネイアはその日一日中シズ先輩から放送練習の合間に〝みりたりー〟のロマンを語られ、キラキラと目を光らせるシズ先輩に笑顔で頷いていた。