ネイア・バラハの聖地巡礼!   作:セパさん

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・この話は後日談であり、蛇足です。ネイア・バラハの聖地巡礼!本編を前提とした話しとなっておりますので、ご了承下さい。

・IF設定が更に独自の進化を遂げた世界を舞台にお送りしております。

・キャラ崩壊注意です。

・原作でデミウルゴスがネイアちゃんを【駒】と発言したことについてですが、当二次創作では〝世界征服という盤上において、アインズ様御自らが駒を創り上げてくださった〟とナザリックが解釈していると独自設定しております。

 以上を踏まえた上でお読み下さい


【番外編】シズ先輩の熱血指導

 ローブル聖王国首都に居を置く魔導王陛下へ感謝を送る会(仮)総本部。その執務室で、シズは完全不可視化を施し、かわいいがかわいくない後輩ネイア・バラハの動向を見守っていた。

 

 顔にこそ出していないが、文官たちの難解な話を前に疲労困憊・七転八倒している後輩を見て無表情の中に強いやる気の感情を宿している。

 

 ネイア・バラハとはアインズ様御自らが創り上げし稀有なる【駒】であり、デミウルゴス様たちが目をかけているほど有能で、これだけ何度も接しているシズ自身も理解が及ばない不思議な人物だ。

 

 銃を突きつけるでも刃物を突き立てるでもなく、口を開き言葉を紡げば種族を問わず皆がアインズ様を讃えだし、敵意に燃えていた者達さえも別の熱狂に包み上げる。

 

 しかし肝心のネイアは自分の能力に対しての自覚が甘く、会っても弱音ばかり吐いている。いつもは甘やかしているが、それではダメだと考え、プレイアデスのお茶会で相談したところ、ユリ姉から〝殴ってでも分からせるべき〟と進言を貰い、今日は厳しくいこうと心に決めていたのだ。

 

 そして文官たちが執務室から立ち去ると、ネイアは机にぐったりと突っ伏しはじめた。

 

「ああ、今日もまた意味が分からぬまま鷹揚に頷いていただけでした。御赦しくださいアインズ様。いったいわたくしのどこが絶対指導者……。なんと滑稽で醜悪な……」

 

「…………喝」

 

「うひゃあ!!!」

 

 ネイアはバザーの鎧越しに――聖地巡礼後アインズ様より再び賜り【絶対指導者ネイア・バラハ】の際は必ず着用している――全身の骨に響き渡るほどの衝撃を受ける。

 

 呼吸も絶え絶えに振り返るとシズ先輩の手には木刀とは違う、剣を模した不思議な代物があった。

 

「あ、あの?シズ先輩?」

 

「…………最近甘やかしすぎていた。今日はビシビシいく。」

 

「え?あ、はいぃ?」

 

「…………最近のネイアは自信が無さすぎる。先輩として指導するべき。」

 

 シズ先輩の無表情には強いやる気が宿っており、強固な植物の皮を束ねて作られたであろう模造刀?を掲げている姿は可愛らしさが勝っているのだが、さりとて難度150のメイド悪魔が放つ一撃、手加減はあっただろうが、未だ全身に痺れが残っている。シズ先輩は加減を知らないところもある、正直言うと別の意味で怖い。

 

 それでも、確かに最近指導者としての自信に陰りが増えてきたことも確かだ。同時にシズ先輩の気持ちがうれしくもあった。

 

「ありがとうございますシズ先輩!確かに最近は管理仕事が忙しく、射手やレンジャーとしての能力を向上させる鍛錬を怠っておりました!常々同志に弱きは悪であると説いているわたくしにあってはならないことです!」

 

「…………喝」

 

「うひゃあ!!!」

 

 再びネイアに脳や全身の骨に響くような一撃が入る。

 

「…………そこが間違い。ネイアの最大の武器はこれ!」

 

 シズ先輩はそういってイチゴ色の舌をべーと出した。正直かわいいとしか思えないがネイアは黙っていることにした。

 

「…………ネイはもはして(出して)

 

「こ、こうへすか?っていたたたたたたたたたた。」

 

 シズ先輩はネイアの舌を掴み、満足そうに頷いた。

 

「…………これさえあれば大丈夫。うん。」

 

「……と?というと?」

 

「…………ネイアは弓も大事。野伏能力も大事。でもこれがあれば大丈夫。自信を持つ。わかった?」

 

「えっと……」

 

「…………喝」

 

「うひゃあああ!!!」

 

 三度の衝撃にネイアの身体は限界を迎えようとしている。

 

「…………はかうまへやう(わかるまでやる)。こへに自信を持つ。」

 

 シズ先輩は再びイチゴ色の舌を出してネイアに語り掛ける。

 

「じ、自信を持ちます!!」

 

 段々とシズ先輩のいいたいことがわかってきた。要するに自分は代表としてよく演説をしている。……というより(仮)の前身団体である<魔導王陛下救出部隊>から自分は弁舌の場に立ち同志を募ることが多かった。その事実に自信を持つべきと言っているのだろう。

 

 ただ自分は詭弁士ではない。ネイアからすればアインズ様の素晴らしさを語るという誰でもできる当たり前のことしかしていないという認識だ。自信を持てと言われても少し難しい。

 

「…………まだ解ってない。じゃあもう一回。」

 

「わかりましたシズ先輩!わたくしはアインズ様の無償の愛を語ることに際して自信を持ちます!」

 

 

 ●

 

 

「バラハ様相手は南部の神殿勢力数千です!武装兵やマジックアイテムも確認されております。どうか近衛に武装親衛隊を!」

 

「同志ベルトラン書記次長。わたしにはまだ舌はついておりますか。」

 

 ネイアはそういってややお道化たようにイチゴ色の舌を出した。ベルトランはただ無言で頷く。

 

「舌さえあれば十分です。皆は下がって、すべて私に任せてください。」

 

 何だか変に格好をつけてしまったネイアは内心赤面し奇声を上げて転がりまわりたい気分だが、昨日の今日だ。おそらくシズ先輩がみていると思うと、先輩の助言を無視も出来ない。

 

 ……その後、南部から進攻してきた数千の武装集団を弁舌のみで無血撤退させ、その半分を仲間に引き入れたネイアは【絶対指導者】の地位をさらに確立していった。

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