艦これの世界で名探偵と英雄王に挟まれながら、艦娘っぽい娘達と頑張ってます。『完結』   作:サルスベリ

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 暴走中だったのに、どうしても入れたい話。

 別の作品でも書いたのですが、皆さまは『小さな女の子が巨大な武装を扱う』ってどう思いますか?

 私は大艦巨砲主義なので大好物です。

 的な話でございます。







ごく普通の妖精さんだったらいいのにな

 

 

 

 最近、めっきり寒くなりましたが、いかがお過ごしですか?

 

 田中・一郎でございます。

 

 いやぁ~~~もう怒られた怒られた。あのユニコーンの一件で、軍令部からの命令書に『出撃できません』って真顔で返したら、『ちょっと来いや馬鹿』ってキンジから呼び出しくらって。

 

「どういうことだ?」

 

 さすがの高野総長も、すっごい顔で見てくるから、そっと写真を取り出したわけよ。

 

「・・・・・・」

 

「総長!! 誰か軍医を呼べ!」

 

「何が・・・グハァ!」

 

「う?!」

 

「グギャ!」

 

 もうね、見事にね、来る人来る人、血の海に沈んでいく沈んでいく。軍令部の廊下が真っ赤に染まった、海軍の珍事件がここに出来たわけ。

 

 よっしゃぁ、逃げられたって思った俺の頭をキンジが鷲掴みしてきたのは意外だったなぁ。

 

「俺には効かねぇんだよ、馬鹿野郎」

 

「なんだと!? さては貴様!」

 

「ホモじゃないからな。ロリに興味ないんだよ」

 

「ク、くっそぉぉぉぉぉ!!」

 

 逃げきれないのか、俺は?!

 

 では二枚目! これならばどうだ?!

 

「シャレで撮ったソープとエルとユニコーンとエンタープライズによるミニスカメイド写真!」

 

「・・・・・・・」

 

「え、そこまで?」

 

 キンジ、俺を離して血の涙を流しながら立ち尽くす。

 

 そんなこんなで軍令部を大混乱にさせたので、色々とお説教プラス始末書の提出を命じられたのが、今日の出来事でした。

 

 おしまい、おしまい、っと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んなわけあるか、バーロ」

 

「そうだよね」

 

 ちょっと逃避したかっただけなんだよ。だってそうだろ、なんで俺は今も執務室で書類に向き合っていなくちゃいけないんだよ。

 

「それはな、おまえがやらかしたから、俺を使うなって命令が出たからだよ」

 

「え、なんで? いやだってコナンがやっても今まで問題なかっただろ?」

 

「今回ばかりは俺じゃダメなんだよ」

 

 どういうことだ? と、これが書類ね。えっと、何々?

 

「鎮守府運営における提督としての心構え? え、今更?」

 

「マスターが色々やったから、軍令部で提督して大丈夫かって話にでもなったんじゃねぇのか?」

 

 やり過ぎたかな。仕方ない、今回ばかりは頑張りますか。

 

『提督、改造してもいいですか?』

 

「妖精さん、なんで今ここでそんなこと聞くのかな?」

 

『駆逐艦達の練度が上がったのです』

 

 え、もう? さすが軍令部直轄、ちょこちょこ任務が来ては艦娘達が頑張っていくから、前よりも出撃の回数が増えて練度が急上昇。全員が改となっていて、一部の艦娘は改二までもう少しってところまで来てるんだよな。

 

 で、最初の一人が到達した、と?

 

「え、誰?」

 

『電と大和です』

 

 あの二人。あの二人かぁ~~・・・・・・・え、待って。

 

「聞き間違えかな? 妖精さん、まさかそんなことないよね?」

 

『電と大和です』

 

「え、待って、ちょっと待って。なんでその二人? 吹雪のほうが出撃回数多いよね? 第一艦隊の他の面々は?」

 

 そう、実は吹雪が断トツで出撃回数が多い。もう二十四時間、働けますかって感じで動いてることが発覚したのが、数日前の話。

 

 もう笑っちゃうくらいに笑い話にならない。あの子って戦闘面とか料理とか家事関係じゃなく、書類もできるからさ。偽造を疑うレベルで、巧妙に書類の隙間をついてくる。

 

 コナンでさえ見落とすように、小さな違いを織り交ぜて、人の錯覚を誘って連日連夜の出撃をしてくれたわけよ。

 

 だってそうだろ? 例えば21日の18時に出撃して戻ってきて、22日の3時に出撃してって。横に並べば気づくけど、これが間に一枚の紙を挟んだりされると別の日に出撃とか、一日に一回だけかなって感じる。

 

 もう上手いね、あの子。ニコニコ笑顔で温和って印象を与えてくるのに、こういったことは狡猾だよ。

 

 だから最近、吹雪の書類はコナンが名探偵みたいな推理力で、隅の隅まで読んでから俺に回してくる。

 

「・・・・・・俺は探偵だ」

 

「あ、うん、そうだね」

 

 訂正、コナンは名探偵。俺も最近はこいつは事務屋じゃないかなって思っていたのは、内緒の話にしておいてやろう。

 

「マスター」

 

 睨まれたぁ~~。

 

「マスター!」

 

「悪かったって。それにしても、吹雪を抜かして電と大和かぁ。二人を改二にしたらどうなるんだろう?」

 

 楽しみだな、本当に楽しみだよ。具体的には出撃時の資材の消費量とか。改になった時の量を見て、俺とコナンは心臓が止まるかと思ったし。

 

 高野総長は胃潰瘍で入院したって話だけど。

 

 もうね、一隻で各一万とかあり得ないでしょう。なんなの、どうしてそうなるわけ。砲弾とか魚雷とか、何がどうなってそんなに消費するのか意味が解らない。

 

 大和なんてこの間、『波動砲と超重力砲の回数制限を外してください』なんて言ってくるもんだから、『怪獣と戦うの』って聞いちゃったよ。

 

「マスター、俺は胃薬を飲んでくるから、報告を受け取っておいてくれ」

 

「冗談はよせよ、名探偵。そんなのが通ると思うか?」

 

「思ってるのさ。いいだろう?」

 

「思わせるなよ、ダメだろう?」

 

 俺はコナンとにやりと笑い合い、どちらともなく立ち上がって走り出した。

 

「俺が先だ! おまえは書類を見てればいいだろうが!」

 

「何言ってんだ?! 俺はマスターだぞ! 先に飲ませろ!」

 

「ふっざけんな! おまえなんて書類見ているだけだろうが!」

 

「おまえこそふざけんな! 最後の責任は俺に取らせるつもりだろうが!」

 

「いや、おまえな、それが提督じゃないのか?」

 

 え、何いってんの、まさかそんなわけないじゃん。

 

「・・・・・やっぱおまえ、提督の学校、出たのはうそだろ?」

 

「いや、卒業したよ、きちんと」

 

 たぶん、きっと、メイビーって言えばいいのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「改造、終わりました」

 

「なのです!」

 

 お、お~~~二人が工廠から出てきたけど、特に変わった様子はないな。

 

「マスター」

 

「なんだよ、コナン。俺は二人と話をしているんだからさ、邪魔すんな」

 

「いや、ダメだろ。現実を見ろよ、マスター」

 

 現実? 俺は何時だって夢を見ているのさ、覚めない夢を永遠に見ている気持で執務をやっているんだ、邪魔するなよ。

 

「・・・・・・・」

 

 ダメだ、思いこめない。大和はいい、大和はその、何だ。別に普通って思いこめる。

 

 艤装を出してないけど、制服のままだけど。あの耳飾り、ドリルじゃないかななんて思わない。腰に剣を装備しているなんて、気のせいだろう。

 

「マスター、我の見立てが間違っていることを祈ろう。あれはかの騎士王の」

 

「はい! ギルガメッシュ! 落ち着こう! 落ち着くんだ! 全然、繋がりないから!」

 

「お、おう、そうだな。我も随分と耄碌したようだ」

 

 あるはずがないだろ。あの修一曰く、『最強聖剣でビーム砲』っていう騎士王の聖剣を、大和が持っているわけがない。しかも鞘付き! だってあの鞘のほうが重要だって話だろ!?

 

 違う、目の錯覚か、あるいは見間違えだ!

 

「よっし、マスター、じゃあっちも見間違えでいいか?」

 

「・・・・・いいわけあるか、馬鹿野郎!」

 

「だったらきちんと見ろよ! もう本当にどうなってるんだよ!」

 

「妖精さんに聞いてくれ! どういった繋がりなんだよ!?」

 

 もう混乱だ! 混乱でしかない! 電が、あの小さくて可愛い電が、鎖を持っているなんて。鎖の先に首輪があって、巨大な黒い物体の首にはまっているけど! 見えないようにしていたのにどうしても見えてしまうから、逃げることができないじゃないか!

 

「あ、あの提督さん、こちら電の新しい『スロット』その一の『ゴジラ』さんです」

 

「あ、はい」

 

 フ、電は優しいな、こちらのことを察して紹介してくれるなんて。

 

「あれ、その一?」

 

「なのです。電は改二になってスロットが二つ増えました。もう一つは」

 

「もう一つは?」

 

 あ、これダメなやつだ。聞いちゃいけないやつだ。聞いてしまったら、俺はまた戻れない場所に行ってしまう。二度と戻れない平穏な毎日に、今度こそ別れを告げないといけない。

 

 ダメだ、聞いちゃダメだ。でも、聞かないと俺は後悔してしまうだろう。

 

「はい、『アンチ艤装システム』だそうです」

 

「・・・・・・・はい?」

 

 なにそのとんでも技術? アンチって『対抗』って意味じゃなかったっけ? え、どういうこと?

 

「妖精さんの説明だと、『プラズマ技術』の応用でいーえむぴーを発生させて、磁場を増加させて、それを砲弾として放つことによって敵や味方の艤装システムを強制停止させるそうです」

 

「あ、そうなんだ」

 

「はい! 敵も救いたいって願いを妖精さん達が叶えてくれました!」

 

 そっかそっか。嬉しそうに笑う電に、俺はそれ以上は何も言えなかった。

 

 艤装が停止すれば、戦えないからね。うん、いいね、いいアイディアだよ。でもさ、それ『どこから引っ張ってきた』のかな?

 

『星の本棚、最高です』

 

『いくらでも知識がわいてくる』

 

『僕らに怖いものはないんだ』

 

『多次元世界万歳です』

 

『次、スパロボいきたい』

 

『イーネイーネ!』

 

 元凶がいた。もう確実にこいつらのせいだって言えるのが、目の前にいやがったよ。

 

「フ、ふはははははは! マスターどうだ! 我が監修した改造は?! いいだろう、いいだろう?」

 

「やっぱてめぇかギルガメッシュ! なんでそう事態をややこしくしないと気が済まないんだよ!」

 

「ふ、我が愉悦のためだ。良い、特別に許すぞ、道化。存分に踊るがいい!」

 

「てめぇぇぇぇ!」

 

 俺は拳を握ってギルを殴ろうとした。っと! 危なねぇ?!

 

「喧嘩は駄目なのです」

 

「あ、うん、解ったよ、電。でもさ、なんでゴジラに攻撃させたの?」

 

「?」

 

 きょとんと可愛く首をかしげて、本当に電はおちゃめさんだね。なんて微笑ましく言って終わるわけがないだろうが。 

 

 え? 嘘、マジで解らないの? じゃゴジラって独立しているわけ? え、電の気持ちを察して攻撃して相手を沈黙させるの。何その生物兵器。

 

『は?! 生物兵器といえば?!』

 

『BETA!』

 

『ヴァジュラ!』

 

『ゾアノイド!』

 

『次の改造って誰かな?』

 

「おい、待て妖精ども。なんだそのラインナップは? 俺が知らないのをいいことに、何処から持ってくる気だ?」

 

『きゃぁ~~~~』

 

「逃げんなよ!」

 

 うわ、マジですか。いつの間にか妖精さん達が、『妖精さん』じゃなくなっている。なんだ、どうした、こいつらは何時からこんな『楽しいことなら全力で世界を壊そう』になったのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、俺は不思議な夢を見た。

 

 なんだかピンク色の髪の女の子に、『うちの妖精さん達が紛れ込んでしまったので、お願いします』って言われた。

 

 あれ、紛れ込んだ? いや感染してませんかねと言ってみたら、女の子は『テヘ』とかやったんだけど。

 

『・・・・・・『人類は衰退しました』かぁ』

 

「え、修一、知っているの?」

 

 意味が解らない時は知っている人に聞け、ということで修一に電話したところ、そんなことを言われて電話を切られました。

 

 なんだろ、意味が解らないよ。

 

 

 

 

 

 




 
 妖精さん達まで普通じゃなくなりました、今後は徐々に田中君の胃が締め付けられてくる予定です。

 あ、最初から普通じゃなかった妖精さん達だから、あんな艤装になったのか。

 的な話です。



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