艦これの世界で名探偵と英雄王に挟まれながら、艦娘っぽい娘達と頑張ってます。『完結』 作:サルスベリ
鎮守府良し、周辺よし、国家よし、そろそろ本格的に締め付けていきたいと考えていたら、もっと違う形でのストレスとかあってもいいかなって。
というわけで環境から攻めましょう。
的な考えです。
やあ、皆、田中・一郎です。
そうそう、あの移動変形する変態鎮守府のさ。ははは、もう笑ってくれ、笑ってくれていいさ。もうね、一般市民からの苦情が凄くてすごくて。
『またか、お前』
『いい加減にしろ、馬鹿』
とか、もうね直接に言ってくるから、海軍の方からお小言がざっくざっくって感じですよ。
助けて。
けどさ、苦情だけじゃないのが、不思議なんだよね。
『てめぇ、かっこいいぞ、この野郎』
『どうやって妖精たちを説得したんですか?』
『設計図を回せ』
日本の海軍って、それでいいのだろうか。嘆願書の束の内容が、ほとんどこれっていいのか、海軍。軍人ならもっと紳士的かつ冷静にならないといけないのではないか。
「マスター、何してんだよ?」
「いやコナン、この嘆願書の束を読んでいてさ。俺って、海軍では普通だなって思ってな」
「いや、普通ってお前さ」
頼むからそう思わせてくれ。なんだか最近、俺が一番、普通から遠いって思っているんだからさ。
「無言で胃薬に手を伸ばすなよ」
「は?! 俺は何時の間に?!」
「お~い」
ま、まさか無意識に胃薬を飲もうとするほど、追い込まれているなんて。クッソ、まだ医者に行ってないんだぞ、持つのか俺?
「こりゃ、まじいな。ところでマスター、イオナかコンゴウに『船体』使わせたのか?」
「はい? いやなんだよそれ? 船体なんて持っていたのか?」
「知らなかったのか? なら違うな、じゃこいつらは?」
え、何それ。待って、イオナとコンゴウって船体があるの? え、何時から使っていたの?
「ふむふむ、なんでしょうね、これ?」
エル、頼むからテーブルの上に寝っ転がって読むなよ、ただでさえおまえは見た目は美少女なんだからさ。
「う~~ん、見た目は完全に軍艦から逸脱しているけど?」
そうなんだよな、ソープが言ったとおり見た目は完全に軍艦じゃないから、今まで発見されなかったのが不思議なんだよな。
あ、深海棲艦がいたからか。
「新しい的か? 我が少し遊んで来てやろう」
「待った、ギル。おまえは動くな、なんで右手に『エア』抜いてんだよ?」
「・・・・我の中のユニコーン・センサーが叫んでいる。あれは彼女の敵だと」
「おまえ本当、ユニコーン関係だと最初から殲滅戦に行くよな」
どうしたんだろう、こいつ。まあ、何時も通りになってきた気がするから、放っておこう。
「軍令部から正式に話が来たぞ、調査のために第一艦隊派遣だ」
「了解、コナン。念のため、吹雪と電、ジャベリンも出しておこう。愛宕とフロンティア、それに」
後ユニコーン入れたいんだけど、ダメだろうな。俺はギルを見た後に諦めた。だって凄いいい笑顔で『まさか、死ぬつもりか、良かろう』って目が語っているんだもの。
はぁ、まったくさ。愉悦のために動いていたギルが懐かしい、と思ってしまう俺ってもうすでに精神的に不味いところまで来てるのかな。
「第一艦隊出撃せよ、この未確認の勢力を調べてこい」
「解った、提督、私たちに任せてくれ」
呼べばすぐに来てくれるから、この子たちって案外に素直だよな。どっかの誰かさんとは大違いだ。
「エンタープライズ、旗艦を任せる。最善を尽くしてくれ」
「任せておけ、提督。では、第一艦隊出撃する」
颯爽と去っていくエンタープライズ達第一艦隊。その後をついて、第二艦隊の出撃なんだけど。
「念のためにで二つの艦隊出したけど、これって資材が大丈夫かな?」
「大丈夫だろ。今回の一件、軍令部も危惧していたから、資材はあっち持ちだからな」
「とはいってもだ、コナン。この連中、何処からわいた?」
「おいおい、まさか英雄王にも解らないのか?」
え、まさか、そんなわけあるか。また何時もの、『愉悦』じゃないのか。
「我も知らぬことはある」
ウソだろ、マジか。まさか、ギルが解らないことが、世の中にあるなんてな。
「うん、僕もそうだからね」
ソープは知らないことありそうだけどな。知っていても笑って流すこともありそうだけど。
「あ、でもね、一つだけ言っておくことがある」
「なんだよ? まさか、また資材をって話じゃないよな?」
「違うよ。あのね」
微笑みながら近づくソープは、何故か俺の耳元で囁いた。
「宇宙から降ってくるから、気をつけて」
「は?」
何が降ってくるって。
意味が解らないから、ソープに再確認しようとしたんだけど、あいつは笑ったまま部屋から出て行った。
「なんだったんだ?」
「宇宙から降ってくるって、何が降ってくるんだよ」
「いや、コナン、俺に聞かれてもな。そっちはよろしくだ、名探偵」
「この状況でどうしろっていうんだよ、マスター。いくら探偵でも情報がなければ推理なんてできないぞ」
「情報ね」
ソープが知らせたってことは、かなり重要なこと、なのか?
今一、あいつの性格を把握できてないんだよな。今まで馬鹿騒ぎしかしてなかったから、こう真面目なソープってみたことないって言うか。
「第一艦隊、戻ったぞ」
「速?!」
なんだかんだで、そんな速攻に行って即行で終わらせた第一艦隊と第二艦隊の帰還でした。
あれ、第一艦隊だけしかいないけど。
「ああ・・・・・そうだな」
何故か、遠い眼をするエンタープライズがいた。なんだろう、これ以上は俺は聞いていけない気がする。止まれって俺の第六感が叫んでいるんだけど、提督としては聞かないといけない。
だって俺の配下の艦娘が戻らないんだぞ、報告は正確に知らないと次の行動で取り返しのつかない失敗をしそうで怖い。
「第二艦隊はどうした?」
おい、マジでどうしたんだよ。なんでそんな遠い目を全員がしているんだ? マジで何があった、いいから教えろ。
「エンタープライズ、報告は正確に迅速にだ。何があった?」
「ああ、そうだな。提督。私は艦娘でよかったと思ったよ」
「はぁ?」
ますます、意味が解らない。
何があったんだろう?
第二艦隊は第一艦隊に送れること、二時間で戻ってきた。
「戻りました、提督」
ビシッと敬礼する吹雪は、とてもいい笑顔をしていた。していたんだけど、なぁ。
どうしてかな、俺は今の吹雪がよく見れない。幻のように霞んでいるように見えるのは、どうしてなのだろうか。
「マスター、現実逃避している場合じゃない」
「コナン、すまない。もう少しでいいんだ。もう少しだけ待ってくれ」
「待てるかよ、悪いけど直視してくれ」
ああ、そうか、そうだよな。俺は提督で、彼女は艦娘だ。この鎮守府に所属している以上は、彼女が『してしまったこと』に対して責任が俺にはあるからな。
「解った。では吹雪」
「はい!」
「なんで君は真赤なのかな?」
そう、吹雪は全身を赤く染めていた。傷はないから、それはすべて返り血ってことになるんだけど、何があったのさ、いったい。
第二艦隊は全員が戻ったことを確認したから、吹雪が仲間を斬ったって可能性はない。なら赤い塗料って気がするけど、それもない。妖精さん達から『血ですね』と報告を受けているから。
「はい! 怪獣って赤い血を流すんですよ」
「はいぃ?」
え、今、なんて言ったの? 怪獣? 怪獣っていいましたかか、吹雪さん。怪獣ってあの怪獣のことで会っていますでしょうか。え、待って、怪獣って何処から出てきたのさ。
「調査のために海域を進んでいたら、なんだか三つ首の金色の怪獣に遭遇しました。それを撃退していたら、次々に怪獣が出てきましたので、それらもすべて『分割』していたら、こんな格好になってしまって」
「あ、そう」
ええ、何それ。怪獣っていたの、そもそも、今までどうして発見されなかったの。なんでどうして、そうなったの。
「マスター、続報だ」
「待ったコナン、それって何の続報? 何処からの情報ですか?」
「軍令部からだ。あの船体の組織は、『セイレーン』って言うらしい」
「え?」
へぇ、そっか。『セイレーン』って言うのか。なるほどなるほど、でもさ、今はこっちのほうが先じゃない。
吹雪が真っ赤になっているほうが先でしょうが! なんだよ、怪獣って! そんな存在が今まで確認されたことってなかったでしょうが、普通の世界だって思っていたのに怪獣がいるってどうしてだよ!?
まさか転生者?! まさかまた転生者が何かしたとか、転生者が関わっているとかってことじゃないよね?!
「修一のところへ映像を回そう! あいつならその手の知識があるから!」
「あ、ああ、そうだな。ところでギルはどうした?」
あいつか。あいつはなぁ。
俺は無言で外を指差した。
コナンも釣られて外を見た瞬間、全速力で戻ってきた。
「何してんだよあいつは?!」
「知らないって! 俺に聞くなよ! 第一艦隊が出てからすぐにああだよ!」
「犯罪じゃないのか?!」
「当人が嫌がってないから何も言えないんだよ!」
もう知らない、何があってもギルにかかわるもんか。今のあいつは幻か、それか洗脳されているに違いない。
「よいぞ! 良いぞ! 素晴らしいではないか!」
うわぁ、絶好調なギルの声がする。
さっきから凄い勢いでカメラを使っているギルの正面には、ドレス姿のユニコーンが、ちょっと恥ずかしそうに笑っていた。
あれ、犯罪だよな、ドレスが凄い結婚式で使うようなドレスに見えるんだけど、俺の気のせいだよな。
「あいつ、どんどん劣化してないか?」
「俺もそう思うよ」
その後、俺とコナンは英雄王のあまりのポンコツ化により、忘れてしまっていた。吹雪が血まみれだったことと、彼女は凄いいい笑顔をしていたことなんて。
修一から電話がかかってきました。
『なあ、特撮でもしてるのか?』
「全部、吹雪達がとってきた、嘘偽りない記録だよ」
『マジかぁ。転生者がこれだけいるから、覚悟していたんだけどな』
なんだか凄いため息が聞こえる。修一がここまで落ち込むって、珍しいことなんだけど、そんなにも。
『とりあえず、セイレーンは当たりだな。本当にアズレンのセイレーンだ』
そうなんだ。アズレンってのが何か解らないけど、敵ってことでいいんだよな。
『で、次がゴジラ映画に出てた怪獣が、人の大きさで出たってわけだな。でも怪しい奴がいくつかいたから、ひょっとしたら特撮系の怪獣が全部かもしれない』
特撮系ってなんだろう、特殊技術での撮影かな? 修一ってこっちが解っているつもりで話をするから、付いていけないことがあるんだよね。
『で、問題は最後のほうに映っている奴だけど』
「ああ、あれ」
『間違いなく、『BETA』だ。何でこいつらがいる。こいつら完全に人類に敵対して根絶やしにしに来るぞ』
「うわ、危ない連中なんだ」
『危ないなんてもんじゃない。あいつらは俺達人間を普通の生物として見てない、そこら辺の石ころ程度にしか認識してないんじゃないか?』
お~~い、そんな生物が地球にいるんですか。よく今まで他の国家とかで被害が出なかったな。
『けど、こんな連中がいて、今まで何もなかったっておかしくないか。今まで深海棲艦だけだったよな?』
「まあ、人類への被害は深海棲艦だけだったね」
『これは俺達鎮守府だけじゃダメだな。日本か、もしくは世界レベルで対応する話だ』
そこまでの話になるか。なら、俺達がやるべきことは深海棲艦を倒しつつ、こいつらの対応をしてってことかな。
『悪いけど、俺の鎮守府じゃ対応でいない。もしできる奴らがいるとしたら、お前ん所だけだろうな』
「そっか、解った。俺は高野総長に許可を貰ってきて、そいつらへの対応に入るよ」
『気をつけろよ、どいつもこいつも一筋縄じゃいかない奴らばかりだ。油断していると、こっちの被害が甚大になるぞ』
「解ったよ、ありがと」
修一との通信を終えた俺は、そのまま軍令部へ通信をつなげた。
高野総長からは、『積極的に賛成はできないが、致し方ない場合は対処して良し』の許可を貰った。
よっし、これで無断で動いたって叱られないな。
「エル、ソープ、資材を使っていいから艤装を強くしてくれ」
「解りました」
「了解」
「コナン、ちょっと戦術相談に乗ってくれ」
「ああ、俺達の常識が何処まで通じるか解らないけどな」
確かにそうだが、無策で向かっていい相手じゃない。
「みんな、頼むぞ」
全員を見回して俺はそう告げた。
「マスター、いいのかよ?」
「無害ならいいじゃないかって俺は思えてきたよ」
コナンが呆れた顔で指差す先、眠っているユニコーンを膝の上に乗せて満足そうに笑っている馬鹿がいた。
俺達の敵が深海棲艦だけじゃなくなったその日、俺達は過酷な運命に突入していくことになった。
思い返すと、あの時が転換期だったのかもしれない。
歴史の転換期なんて、普通の人生だったら絶対に遭遇しなかったのにさ。
俺は何時から、普通の生活から遠い場所に来ることになったのか。
「もう本当に」
『提督、我らも頑張りました』
『鎮守府を強化するです』
『縮退砲をつけるです』
『グランゾン作るです』
『マジンカイザーが必要なのです』
おい、おまえら止めろ。なんでそっちに行くんだよ。
「さあ! 許可は貰ったから頑張るよ! バスター・ランチャーを並べてみようか!」
「僕はベクターキャノンの威力向上を目指します!」
「ふむ、ならばこのアインズ・ウール・ゴウン! 歌わせてもらおう!」
ふふふふ、俺は早まったのかな。
「マスター、いいぞ、その顔だ。我が求めた愉悦はそこにあったのだな」
「おい、マスター、大丈夫か?」
ギルてめぇ、覚えてろよ。コナン、いいから話し合おう。もうあっちは見ないようにして。
「いいんだ、コナン」
悟ってしまえばいい、俺はもう悟りを開いた。
ああ、そうか、俺のオケアヌスはまだ先か。そうか。
あれ、なんだろう、お腹のあたりが凄い痛いや。
というわけです。味方の武装が増えるなら、敵も増えるのが世の中の必定だって、とある軍人さんが言っていたので。
こっちだけ強くなっても面白くないでしょう。
相手も強くなってこその戦争でしょう。
イタチごっこのように何処まで行っても終わりがない。
さあ、彼の胃は持つのか!?
的な話をお送りしたつもりです?