艦これの世界で名探偵と英雄王に挟まれながら、艦娘っぽい娘達と頑張ってます。『完結』   作:サルスベリ

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 そろそろ、終わりのころですね。

 当初の予定だと後二話か三話で終わりとなります。

 ちなみにですが、私は最終話から書いていくスタイルでやっています。

 たぶんね。

 的な話で逝きたいと思いますです、はい。







ごく普通に最終戦争? いやいじめだな

 

 

 

 月日が流れるのは、速すぎて。僕は何時も取り残されて。

 

 ああ、無情。

 

 どうも田中・一郎です。

 

 懐かしい話になりますが、俺達の世界の敵が深海棲艦だけじゃないことが発覚しました。

 

 あの時から二か月が経過しています。

 

 もう遠い昔みたいな感じですね。あの頃が懐かしいと、ちょっとだけあの頃に戻りたい、とか考えないな。うん。

 

 今ですか?

 

 俺は今、大学生です。

 

 やったぜ、ビバ普通の生活。

 

「現実逃避は終わったか?」

 

「修一、もうちょっとだけ。後少しだけ」

 

 普通の大学生! 普通に大学生! ごく普通! 大学生!!

 

「・・・・・おい、コナン、おまえんところの『元帥』が何や言ってるぞ」

 

「なんで俺に振るんだよ?」

 

「だってお前が補佐だろ? 軍令部総長補佐」

 

「チ」

 

 舌打ちしてんなよ、コナン。解っているさ、そんなに睨むなよ、解っているって。俺が悪いんだよな、そうだよな。

 

 改めまして、どうも海軍軍令部総長、ではなく帝国軍統合軍令部総長の田中・一郎です。

 

 はははは、俺の普通の生活が迷子ですよ、誰か迷子センターに連絡してくれないかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの日、俺は選択を間違えた。戦うって選んだことでもなければ、高野総長に話を通したことでもないんだ。

 

 俺が間違えたのはただ一つ。あいつらに許可を出してしまったことだ。

 

「さあ! 撃ち放題ですよ!」

 

 ああ、大和が凄い笑顔で波動砲と超重力砲を撃っている。合間に魚雷とか、もう凄い花火だね。

 

「ふ、久し振りに腕が鳴るな」

 

 エンタープライズが輝いているなぁ。あれが光子魚雷かな、それともレーザーかな。うん、背後に後光が差しているようだよ。

 

「提督が見てくれている!」

 

「お姉ちゃん、頑張ろうね」

 

 土佐と信濃が凄い数の主砲を撃ちまくっているけど、あれって五十二センチ砲弾だよね。なんだか着弾地点が抉れてるけど、普通の砲弾だよね。

 

「珍しいこともある。督戦するなんて」

 

「フフフ、さすがの私も気分が高揚するな」

 

 イオナとコンゴウ、珍しく表情が変わっているね。え、俺が見ているってそんなに凄いこと。あ~~なんだろう、圧倒的な物量が海を蹂躙したり、山を消したりしているけど。

 

 これ、まだ第一艦隊だけなんだよね。

 

 ここにジャベリン達とか、イムヤ達とか入ってきたりしたら、もう蹂躙戦じゃないよね。いじめだよ、虐め。

 

 相手が深海棲艦でも怪獣でも、セイレーンでも、BETAであっても。残らず殲滅戦になっているんだぜ。

 

 それに、さ。もっと怖いものが俺の背後にいるんだよ。

 

 え? 吹雪? 大丈夫、吹雪は第一艦隊より前にいて背後からの攻撃も無視して突き進んでいるから。

 

 うん、あの子は後ろに目でもついているのかな? なんで波動砲とか超重力砲とかビームとかを回避できるのさ。いや回避できない時は斬っているけど、あれって斬れるものなの。

 

 吹雪じゃなければなんだって? いやいるじゃない、うちの鎮守府に『ある条件下では容赦ない』やつが。

 

「王の前に立つとは何たる不敬! 我がユニコーンの前を開けよ!!」

 

 はい、正解が来ました。黄金の船に乗って、玉座に座らせたユニコーンの前にたったギルが、黄金の波紋を無数に開いて武器を雨のように降らせている。

 

 もうね、あいつだけでいいんじゃね?

 

 ビームと重力兵器と、空間兵器とか入り乱れる戦場。ああ、終末戦争ってこういうものか。石原・莞爾さんって偉大だったんだな。

 

 『いや、私の考えは違うから』。あれ、なんか電波を拾ったかな。

 

「さて真打ちの登場です!」

 

「行こうか!」

 

「待って! おまえら待って! なんでこの一方的な状況でそれを出すのさ?!」

 

 なんでこいつらが動いているの?! コナンはどうした?! 止めるって言ってくれたのに、どうなっているんだ?!

 

 あれ、俺の目の錯覚かな。コナンが何故か縛られて二人の間のイスに座っているけど、どうしてなんだろう。

 

「マスター、悪い。俺はもうここまでみたいだ。おまえと過ごした日々は、決して悪くなかったぜ」

 

「こ、コナン! なんでだよ?! どうしてだ?! 俺を残して逝くつもりか?!」

 

「悪いな、先に行くぜ」

 

「コナァァァァァァァン!!」

 

 なんでそんなかっこいいセリフ残して力抜いてんだよ! おまえ死んだわけじゃないよな?! サーヴァントは死んだら粒子になって消えるって、俺に教えたのおまえだよな!

 

「俺はもう関わりたくないんだよ」

 

「あ、うん、それは解る。解るけどさ」

 

 いや切実に解るんだけど、今のエルとソープを放っておくと、なんだか凄く嫌な予感しない?

 

「フフフフ、これぞ戦場の風よ! さあ! 変形! 鎮守府ザウラー!!」

 

「待って!! それ動かしたら十万の資材が飛ぶって言ったよね?! 変形しただけで十万だって言っていたよね?!」

 

 止めてぇぇぇぇ!

 

 必死に止める俺の目の前で、俺の鎮守府は巨大な恐竜になった。なんでこんなに大きくしたのか疑問だよ。なんだよこの巨大さ。確実に五十メートルはあるじゃない。しっぽまで合わせたら百メートルとかないよね、気の迷いからそう錯覚するだけだよね。

 

「あ、下半身が沈んでますね」

 

「地面が柔らかかったからね。構わずに吹き飛ばそう」

 

 吹き飛ばすなよ! おまえ近隣住民にどう言い訳する気だよ!

 

「あ、電、お願い」

 

「なのです!!」

 

 おう、すっごい綺麗。なんだか光の束が鎮守府ザウラーの足元に突き刺さって、海面と土砂が『蒸発』したけど、なんだろう、あれ。

 

 ゴジラの熱線と電の艤装が合わさると、蒸発するんだ。一つお利口になったな。

 

「動けますね。では次に行きましょう!」

 

「行くんだね、エル。楽しみだよ」

 

「はい! ではお願いします!」

 

『主動力炉正常稼働中』

 

『副動力炉正常稼働中』

 

『全ユニットへ変形開始です』

 

『各モーター全力稼働しました』

 

『装甲変形開始、続いて内部機能の移動開始』

 

 あ、妖精さん達が動かしているのか。へぇ~~~そっか、そっか。

 

「なんて納得するかぁぁぁぁ!! 何してんだよ! 何やってんだよ!! おまえらそれやったらどんだけの資材が飛ぶか解ってるのか?!」

 

 必死に叫ぶ俺に対して、エルとソープ含めて、妖精さん達も可愛く首をかしげたのでした。

 

「え、ロマンのためなら必要では?」

 

「あ、そうだね」

 

 は?! なんだか妙な説得力があったから、つい頷いてしまった。違う、そんなことない。あんなの許せるわけがない。

 

「変形! 鎮守府カイザー!!」

 

「ええ?」

 

 なんだろう、俺がちょっと眼を放した隙に、巨大ロボットが立っているだけど。全長百メートルは超えるくらいの、胸部にデスザウラーの顔つけたロボットが仁王立ちしているんだけど。

 

「今! 艦娘達の想いと力を受け継いで!!」

 

「いや皆いるから、何そのセリフ?」

 

「必殺の! 艦娘ブレード!」

 

「ただの船じゃん!? いや側面に刃ついているけど、それって何かの軍艦じゃないの?!」

 

「そして一撃必殺! 生者必滅! 貴様にくれてやる平穏はない!!」

 

「なんか色々と混ざっている気がするけど、それは止めろエル! なんだかすっごいエネルギーだから止めろ!!」

 

「艦これデッドエンドスラッシュ!!」

 

「技名が不吉過ぎるだろうが!!!」

 

 そして、その日、深海棲艦と怪獣とセイレーンと、BETAが地上から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一大決戦だと海軍は大々的に宣伝した。後がないと、世間に説明して海軍の総力を結集して戦うって言ったらしい。

 

 陸軍もそれに同意を示して、ここに統合軍が完成したって話。なんだか、数年はかかるものが数日でトントン拍子になっていって、帝国軍統合軍令部が生まれたってわけ。

 

 で、主力が海軍だろうから、高野総長がそこのトップに入って、軍を再編成して備蓄を集めようとしてなくて怪訝な顔して。

 

 軍備を編成して艦娘だけじゃなく艦艇もかき集めて、さあやろうかってところへ俺はね、報告に行ったわけさ。

 

 解るか、皆。解ってくれ、皆。

 

 俺、全員が決死な覚悟している中へ、『終わりました』って報告持っていくしかなかったんだよ。

 

「御苦労、田中。それで今、おまえの艦隊は何処まで進んでいる?」

 

「は、え、あのその」

 

「そうか進めていないか」

 

「気落ちすんなよ。今まで時間を稼いでくれて、ありがとうな」

 

 高野総長とキンジの優しい言葉が、俺の心に突き刺さる。いや、胃かな。ジクジクとかシクシクじゃなく、ズキズキしているよ、俺の胃が。

 

 心臓じゃないだけいいのかな。胃って交換できたよね、誰か俺にいい先生を紹介してくれないか。

 

「で、具体的にどうなっている? 戦況を報告に来たのだろう?」

 

「は、はい」 

 

 どうしよう、どうやって答えよう。ヤバい、こんなことならコナン連れてくるんだった。資材の在庫確認と、周りへの謝罪を押しつけてきたけど、あっちのほうが気が楽だったかもしれない。

 

「正直に話してくれたら、後はこっちで何とかしてやるからな。大丈夫だ」

 

 キンジ、その優しさが俺には辛いんだよ。なんだよ、普段の憎まれ口はどうしたんだよ。なんで優しいんだよ。

 

「さあ、田中、話せ」

 

 うわぁ~~周りの視線が凄い殺気だっている。武者震いしている人だっている。こんな中で言わなくちゃいけないのか。

 

 俺はもう終わりかもしれない。すみません、征服王。俺はオケアヌスへ辿り着けなかった。

 

「はい、その」

 

「どうした?」

 

「終わりました」

 

 もうどうしょうもない。俺は意を決して、一気に話した。短く単純に、でも皆に聞こえるくらいにしっかりと。

 

「なんだって?」

 

 あ、高野総長が聞き返した。うん、顔色が凄い。もう呆けているでもなくて、怒っているでもない。なんだか、凍りついているような顔しているけど、仕方ないよね。

 

 後でバレるくらいなら、ここで言うしかない。だって、これだけの全軍が動いたら、資材がどうなるか。

 

 ただでさえ、俺の鎮守府が『根こそぎ』使った後だし。残せるものは残しておきたいじゃない。

 

「はい、ですから、終わりました」

 

「・・・・・・・」

 

「高野総長! しっかりしてください!」

 

「誰か軍医を呼べ! 誰でもいい走れ!」

 

「田中! おまえはそこにいろ! 報告書を提出しろ!!」

 

 うわぁ~~大混乱。なんだろう、普段は冷静で紳士然としている人たちが、阿波踊りしているように見えるよ。

 

「は! ここにあります!」

 

 用意しておいて良かった。これで俺は帰れるな。うん。

 

「待て、おまえ帰れるなんて考えてないよな?」

 

「え?」

 

「いい度胸だな、お前は。いいから残って手伝え」

 

 え、なんで、どうして? 何故か俺はキンジに襟首掴まれて、軍令部の中へ連行されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は今、軍令部で高野総長の代わりに仕事してます。胃潰瘍で入院されたっていうだけど、俺も相当に辛いんだけど。

 

「・・・・・・なあ、おまえって事務仕事してなかったんだよな?」

 

「知っているだろ、キンジ。俺はコナンに押し付けてたの。そりゃ、最近になって七草さんとか高野総長にみっちり仕込まれたけど」

 

「そっか、そっか。なあ、おまえそのままな」

 

「え?」

 

 なんだろ、凄いいい笑顔しているけど。あ、うちの鎮守府から応援貰うか。吹雪とイオナとエンタープライズにコナン、これだけ呼べば大丈夫。

 

「はい、報告書は纏めました。これで大丈夫ですよ」

 

「備蓄確認とそれに伴う物資輸送完了。計画書はこれ」

 

「よっし、これで各地の軍令部への命令書は大丈夫だ」

 

「各地の軍の再編成と武装の再編成完了だ。続いていくぞ、マスター」

 

「オッケー。俺のほうで全部最終確認するから、まとめて持ってきてくれ」

 

 というわけで、俺達で頑張っています。高野総長以下、軍令部のトップが体調不良で入院している中で、俺達は頑張って仕事を回しています。

 

 統合軍になって早々に大作戦とかしたから、各地の軍に不都合が出来ているから、それを調整して、どうにか間に合わせて。

 

 ついでに備蓄とか吹き飛んだ分をどっかから補てんしないと。あ、ジャベリン達が確保に動いているから、そっちで何とかなるか。

 

「提督、九州の鎮守府の数なんだが、少し削らないか?」

 

「多いかな?」

 

 エンタープライズに言われて確認すると、確かに多いな、もう十個ほど削っても大丈夫だろ。あっちから深海棲艦とかもう来ないし、必要なのは航路の安全と護衛だから。

 

「その鎮守府、北海道に配置して。最近、あちらで海賊が出るらしい」

 

「よっし、それで移動してみよう。再編成の書類はっと」

 

「こっちで作成済みです、提督」

 

「ついでに移送計画だ」

 

 素早いね、吹雪ににコナン。よっし、問題ないな。

 

「キンジ、これ」

 

「・・・・・・なあ、おまえさ、そこにずっといろ」

 

「はい?」

 

 何を言ってんの、こいつ。俺は一鎮守府の提督だよ、俺にそんな軍令部を回すだけの能力とかあるわけないじゃん。

 

「必要なもんは揃えてやるから、高野総長もおまえの仕事ぶりを見て、おまえを押すって。救国の英雄だからな、周りも納得だろ」

 

「え、でも俺はまだ大佐」

 

「昇進させてやるよ」

 

 凄いいい笑顔でキンジは、そんなことを言った。

 

 出来るわけないじゃん。俺は笑い飛ばしたんだけどね。

 

『田中・一郎。元帥への昇格とする』

 

『軍令部総長を命じる』

 

「・・・・・・・」

 

「マスター、思えば遠くに来たな。俺は誇らしいぜ」

 

「我の予想を超えるとは、さすがだマスター」

 

 俺は、コナンとギルに挟まれて、その事例を受け取ったまま、倒れた。

 

 あ、俺ってこんなことでストレスを感じるんだなぁって、そんなことを思いつつだったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで、俺は元帥で軍令部総長になったわけだ。

 

 もうね、叙勲式、任命式? なんていうか知らないけど、それを病院のベッドの上で貰ったのは、後にも先にも俺だけだって。

 

 『傷だらけの元帥』とか、『病床でも仕事した総長』とかって言われているけど、事実はまったく違うからね。 

 

「遠くに来たもんだな」

 

「そうだな」

 

 しみじみとコナンが書類を持ち上げながら言ってくる。

 

「最初に出会った時は、『雑種』と罵ったものだが。見事だ、道化」

 

 ギルがとても穏やかに笑っているから、身構えたくなってしまう。

 

 まあ、最近は何もしてこないからな。

 

「はぁ、俺は普通がいいのに」

 

 溜息一つついて、俺は胃薬を飲み込んだのでした。

 

 

 

 

 

 




 
 
 はい、というわけです。後エピローグを挟んで終わりになります。

 実は最終話は二つありまして。もう一つのほうはバッドエンドになっていましたが、私はハッピーエンド主義者なのでこっちになりました。

 バッドエンドの内容ですが、深海棲艦が怪獣やセイレーン、BETAを抑え込んでいて、人類がそれに接触して被害が出ないように、海から追い出していたって設定でした。

 で、艦娘はそんなセイレーンが外に出たくて人類に与えた力ってことで。そこに怪獣やBETAが介入して、因子が色々と変化した末に、なんとか深海棲艦が元に戻そうとして、轟沈して自分達の姿に戻るようにした、というような設定がありました。

 それで当然、深海棲艦の意義を人類が知って、提督たちが迫害されて、最後には田中君が殺害されて終わり、って流れです。

 うん、私にはバッドエンドは似合わない。というより、嫌だな。

 的な話です。

 次回、最終話です。

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