艦これの世界で名探偵と英雄王に挟まれながら、艦娘っぽい娘達と頑張ってます。『完結』 作:サルスベリ
最終話となりました。
お付き合いいただきありがとうございます。
今までの話は、これをやりたかっただけです。
的な話で終わりとさせてください。
「まあ、お茶でも飲むかね?」
「はい、いただきます」
「お茶菓子もあるが、饅頭でいいかの?」
「ありがとうございます」
ほのぼの縁側でお茶を貰っています、どうも田中・一郎です。
突然ですが、俺は死にました。
いや~~~胃潰瘍ってさ、いきなり血を吐くんだね。血を吐いて痛かったから、鎮痛剤とかがぶ飲みして仕事していたら、いきなり目の前が暗くなってね。
まあ、ストレス溜まりましたね、って瞬間はあったから、自業自得かなぁって思っていますけど。
「・・・・お茶もらっておいてなんなんですけど、貴方は?」
「うむ、おまえさんから見たから神様じゃ」
「へぇ~~~~あ、修一のおかげで大変でした」
「そりゃ申し訳ない。わしとしてもあんな世界になるとは、思っていなかったのでな」
「噂に名高い、『神様ミスしました』って話ですか?」
なるほど、なるほど。だからあんなに滅茶苦茶な世界だったんですね。どうりで苦労するわけですよ。普通の生活って送れないんだから。
「何の話をしておる?」
「え?」
無茶苦茶、『なんだこいつ』って顔している神様って、結構レアじゃないかな。
具体的に話を聞かせてもらうと、神様ってミスしないんだって。運命が壊れるか、自然界が崩壊するか、そういったものも含めて『あるがまま』。ミスとか失敗も、必然として処理されるから、予定外なことはあり得ない。
「自然が失敗するかね?」
「いいえ」
「法則が間違えるかね?」
「そりゃないでしょう」
「神とはその上にある存在故に、そういったこととは無縁なものじゃ。人の寿命は決められるもの。そこで終わりならば、最初から終わるものでしかない」
あ、うん、なんだか哲学的なものになってきたけど、これってなんなの。俺って死んだんだよね、つまりは運命で決まっていたってことだよね。
あれ、俺ってなんで死んだんだっけ?
正直ストレスが溜まりまくって、鎮痛剤とか飲みまくったことは覚えているし、軍令部総長を他の誰かに譲ったことも覚えているんだけど、死因が覚えてないんだよな。
「ふむ、記憶の欠落はよくあることじゃが、知りたいかね?」
「いいえまったく」
誰が自分の死因を知りたいと思うのさ。思い出せないなら、自己防衛で思い出さないだけだから、知りたいなんて思わない。
「・・・・神は必然のものじゃが、感情があるのでな」
キラリとじい様の瞳が光った気がした。
え、言うの、言っちゃうの。まさかぁ、そんな暇じゃないでしょう。貴方は世界を回しているんじゃないの。
「最近はオートメイション化が進んでの。ボタン一つで完了じゃ」
「えらく近代的な超常現象だな、おい」
「神は超常現象ではない、自然界そのものである」
いや、どうでもいいよ、そんなこと。
「・・・・・・・久しぶりに戻った自宅での」
「止めろって!」
なんで語り出すかな、この爺さん! 俺は知りたくないって言っているじゃないか。
「爺さんではない。神じゃ」
「どっちでもいいよ、話すなよ。俺は知りたくないんだよ」
「言わなければいけないと、わしの何かが叫んでおる」
「おい、じじぃ」
クッソあくまで言う気だな、俺は死んでまでストレス抱えたくないんだよ。
「久しぶりに帰った自宅での」
「あ、もう解った、いいよ」
「ゆっくりと休んでいたらの」
「はいはい」
「見知らぬ女性が訪ねて来て」
「え?」
「『あなたの子供よ、認知して』と言われてぽっくりじゃ」
おう、シット。思い出したぜ、目の前が真っ暗になってここにいたんだ。うわぁ~~子供ができたが男にとって最高のストレスって、本当だったんだ。
結婚している男性は、このストレスに耐えているのか、凄いな。
「おまえさん、それは世間の夫婦に失礼じゃないかな?」
「いやいやいや、マジですよ。もう云われた瞬間に、心臓止まるって何で?」
あれ、神様がなんだかすごい哀れな顔しているんだけど、何か違ったのかな。
「おまえさんの心臓は元気だったぞ」
「え?」
「胃のほうが崩壊しただけじゃ。出血多量での死亡というわけだ」
「え?」
「しかも、その女性、部屋を間違えただけでの」
「はい?」
「うむ、おまえさんの死因は、相手の勘違いじゃ」
おーい、マジですか、神様。何それ。
「最大級の幸運を使い果たした者の末路など、そんなものじゃろうが」
「え、まあ、俺って幸運だったんだ」
「あれだけの艦娘や協力者を得て、一組織のトップに登りつめたのは、幸運といえんのか?」
納得しちゃったよ。そっか、俺ってあれで幸運を使い果たしていたのか。なるほどなるほど。
「それで、俺はどうなるんですか?」
「うむ、今度は転生させることにした」
「はぁ、それで。え、待って、『今度は』?」
「実はの、あの世界でおまえさんだけ転生者じゃないのじゃ」
「え、何で?」
「普通は死ねば魂は分解されて、新しく生み出される。しかし、あの世界は皆が転生者で、二度目以降の人生を歩んでいる。おまえさんだけが、初ということじゃな」
へぇ~~~~え? なのその最初から差がついていましたって話。
「では転生を行う。転生特典もつけてやろう」
「え、待って、何それ、どういうこと」
「転生特典は『手のひら鎮守府』じゃな。あの鎮守府の『すべてを召喚可能』とする」
「はい?」
こうして俺はめでたく、転生者の仲間入りしました。
嬉しくねぇ。
そいつは、存在が特殊だった。
英雄王と名探偵をの間にいて、普通とか叫びながらも普通じゃない戦力を従えて、艦娘っぽい子たちのいる鎮守府を片手に、世界を旅する。
「今日も俺の普通の生活が迷子です、誰か探してください」
そんな哀愁を漂わせる背中を見せながら、今日も何処かで世界の常識を破壊しているのでした。
完結!
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
ということで完結とさせていただきます。
見切り発車とか、投げやりとかではなく。
これできちんと完結というわけです。
的な話で終幕となりました。