艦これの世界で名探偵と英雄王に挟まれながら、艦娘っぽい娘達と頑張ってます。『完結』 作:サルスベリ
最近、艦これのゲーム動画を見直しました。スロットってあるのを忘れていました。
なので、こうなりました。
チート? バグ? いいえ、そんなものじゃないもっとエグイやり方をご覧ください。
的な話です。
どうも、田中・一郎です。
軍令部直轄になった我が鎮守府ですが、やっていることは前と変わりません。時々、他の鎮守府のお手伝いが増えたくらいなので。
あ、資材を貰える数が増えました。五万です、各五万も貰えます。
「改造ですね!」
「待て! 待ってお願いだからエル!」
「改良だね」
「ソープ!! おまえそれを持って何するつもりだ?!」
「ふむ、ここは我が! アインズ・ウール・ゴウンが歌うしかない!」
「アインズはどうして歌うことに拘っているかな?!」
はい、資材が増えてもうちの鎮守府の問題点は改善されずに、むしろ悪化している始末です。
誰か止めて。お願いだから、誰かストッパーを。
「ほら、マスター。いい胃薬だ」
「ありがとう、コナン。本当に効くの?」
「俺が愛用している」
あ、ごめん、すっごいね、それ。説得力が凄いよ、サーヴァントにも効く胃薬ってあるんだ。え、待って、コナンが胃薬を愛用しているって、何時から。待った、ちょっと待って、俺の気持ちの整理をつけてからにして。
「フ・・・・マスター、俺は頑張ったぜ」
「燃え尽きるなコナン! どうした?! 何があった?!」
「五万の資材だが、もう消えた。俺は止めた、頑張ったんだ」
「何があったのそれ?!」
「第一艦隊が全力で遊びに行った」
俺は察した。あの艦隊が遊びに行ったなんて、そんなことがあっていいはずないのに、コナンの死んだような顔で察してしまった。
行ったのか、あいつら。そうか、俺達も逝こうか。
まだ生きてる、俺はまだ生きているよ。
「はぁ、何だってあいつらの艤装はあんなに燃費が悪いんだ?」
「普通の主砲とか魚雷ってそんなに使わないの?」
「他の鎮守府の資料を貰ったけど、そんなに使ってないぜ」
ほらっと渡された資料に目を通すと、確かに。一万もあったら三艦隊とか動かせそうな資材の数だね。だったら、なんでうちの艦娘にあんなに燃費が悪いのかな?
「艤装を調べてみるか。そういや、艤装って調べたことなかったな」
「艤装かぁ」
なんだろ、嫌な予感がしてきた。調べてはダメだって思えてきた、だってさっきから机の上にいる妖精たちがすっごい勢いで土下座しているから。
ごめんなさいって旗を振っているから、何かやらかしたんだろうね。
「やるしかないか。行くぞ、マスター!」
「解った、コナン」
振り切るように叫んだコナンに従って、俺は艤装がある工廠に突撃していった。でも、止めておけばよかった。
通常の艦娘の艤装は、スロットと呼ばれるところに装備を入れる。これはうちの鎮守府の艦娘も同じだった。
ただし、スロットの『中身が違う』ものだった。
例えば大和、普通ならこうだ。
第一スロット、四十六センチ三連装砲。
第二スロット、十二.七センチ連装高角砲。
第三スロット、二十二号対水上電探。
一スロットにつき一種類って言うのが普通のことで、これは軍令部にある資料にも書いてあったし、他の艦娘達もそうなっている。
でも大和いないのに大和の資料があるって何でだろ?
まあいいか。それで、うちの大和の場合はこうなる。
第一スロット、『宇宙戦艦ヤマト』。
この時点でおかしい。武装じゃなくて、船が入っているんだぜ。なんで主砲じゃなくて艦艇ごと入っているのさ。
第二スロット、『超戦艦ヤマト』。
もうぶっちぎってどうなっているって叫びたくなった。また艦艇ですか、どうしてそこにあるのですかって叫びたくなった。
第三スロット、『装甲空母大和』。
なんで戦艦なのに空母が入っているのさ、それって意味があるのか、艦載機が放ち放題ってそういう意味か。
第四スロット、『ヤマト・ナデシコ』。
うん、なんでよき日本の女性が入っているかな? え、違う? これ宇宙戦艦でディストーション・フィールドって防壁と、グラビティ・ブラストって重力攻撃兵器を持っている?
え? 何それ?
第五スロット、『アーセナルシップ・ヤマト』
ミサイル満載、重力兵器満載、ミサイルの雨が撃てる意味が解ったよ! なんだこの一万発頑張れますって搭載数は?!
「は、はははは」
「コナン戻って来い! 戻ってくるんだ!」
「止めろぉ! 俺はもう向こうに行くんだ! 俺を止めるなぁぁぁ!!」
「おまえがいなくなったら俺が死ぬんだぞ!」
「離せぇぇぇ!!」
クッソ、完全に錯乱してやがる! 誰か・・・・って?!
「フ、マスター」
「ぎ、ギル」
よりによってお前が来るなんて。あれ、なんでそんなに慈愛に満ちた眼差しを向けてくるんだ?
「今回ばかりは我もおまえの味方だ」
そっと、彼は資料を俺に渡した。
あ、ああ、そっか、そうだよな。おまえだって苦しい時もあるものな。解った、一緒に乗り越えよう。
「乗り越えられるか! 電のこの『コロニーレーザー』と『サテライト・キャノン』ってなんだよ!? 『バスター・ランチャー』ってあの空間を歪ませる奴だろ!」
「まだまだ甘いぞマスター! このエンタープライズを見ろ! 『スタートレック』と書いてあるぞ!」
「ちょっと待ておまえら! それは艦艇じゃなくて『作品名』だろうが! あのSF兵器軍が全部入って言って言うのかよ!?」
「コナンその話もっと詳しく! じゃ二番目の『海域強襲艦エンタープライズ』ってなんだよ?!」
「俺が知るか! ジャベリンの『太陽神ルー』とか『ゼウス』ってのもおかしいだろうが!」
「二人とも落ち着くがいい。土佐や信濃は普通だぞ。コンゴウとイオナは怖くて触れたくないが」
そ、そうだな、怖い? え、何それ?
「いやいや、コンゴウとイオナの『霧の超戦艦』、『霧の海域制圧艦』、『霧の潜水艦』『アルス・ノヴァ』ってなんだよ?!」
「俺に振るなよ! だったらこの土佐と信濃の『超兵器お得パック』ってなんだよ!? 色々入ってお得って買い物じゃねぇんだぞ!」
「待て! 吹雪のこれはなんだ?! 『絶対切断』とはどういった扱いだ?! 『従属艦艇』とはなんだ?! 『直視の魔眼』だとぉ?!」
「そっちは解らないけど! ユニコーンのこれはどういう意味?!『無限格納庫』って何さ?! 『艦載機なら何でもOK』って艦艇ですらない!」
は、ははははは、もう本当になんでこんな艦娘が揃っているかな。
こんな異常な中だと、愛宕の『デンドロビウム』とか『ミーティア』とか。エターナルの『ストライク・フリーダム』と『∞・ジャスティス』って機体名が可愛く見えてくる。
榛名の『イデオン』のみってのも可愛いな。
如月の『使徒』とか『ATフィールド』ってのも意味が解らない。天津風って『ミノフスキードライブ』と『ヴォワチュール・リュミエール』と『ウーレンベック・カタパルト』ってなんだろう。
睦月にいたっては『ハデス』、『タナトス』、『デスサイズ・ヘル』ってよく解らないもの搭載しているし。
うん、イムヤの『日本武尊』、『羅豪』は可愛いな。ゴーヤの『須佐之男』、『電光』も可愛い。
「・・・・・俺は見なかったことにする!」
よっしそれでいいや。何があっても俺の艦娘達だ。反乱なんてないから、安心して任せられる。
「お、おう、そうだな。さすが俺のマスターだ」
「ふむ、我としたことが狼狽し過ぎたか。マスターの言うとおりだな」
ふふふふ、忘れよう。こんな話はなかった、俺達は普通に業務をしていただけだ。
さて、忘れようとして、五万もの資材が消えたのはどう言い訳しよう。
案の定、高野総長に怒れました。資材の消費じゃないよ、直轄なんだからきちんと話を通せって怒られました。
だって、勝手に出撃するのは前々からあったから。
きちんと管理しろっとさらにお説教を貰いました。
「というわけで、今後は艤装の装着は俺の許可が必要になったから」
食堂にいる時に全員に言ってみた。
ガシャンと食器が砕けました。え、なんで、どうしてみんな、この世の終わりみたいな顔しているわけ?
「提督、私を信じてくれ。忠義を尽くすから」
「エンタープライズ、ありがとう。本当にうれしいよ、だから徐々に近寄らないでもらえるかな? なんで服のボタンに手をかけるのさ? 脱がなくていいから」
「色仕掛けは常とう手段ではないのか?」
誰がそんなことを・・・・・・は?!
「待った! ここ食堂! なんで全員が脱ぎだそうとするの!?」
「色仕掛けは、『そういうこと』ですから」
大和、そういうことって何の話?!
「そういうことをするなら、全員参加が最低条件」
イオナ、何その淡々とした言葉と裏腹な赤い顔。
「そうだな、淑女同盟は護られるべきだ」
コンゴウ、なんでそんなに誇らしげな顔しているのさ。
「つまり直球で言うとですね! 『やらないか』です!」
「お姉ちゃん」
うん、土佐もなんでそんなに素直に言うかな。って言うか、信濃も止めなさい、そんな期待のこもった眼でチラチラ見られても頷かないからな。
く、第一艦隊がそんなことになっているから、全艦娘の目線が危ない。もう獲物を前にした猛獣って顔している。
ここは逃げるべきだ。さっさと逃げて。
「ぱんぱかぱーん!」
「愛宕ぉぉぉ! なんで扉を閉めて鍵かけた?!」
「封鎖完了しました!」
「こちらも閉じたのです!」
「ジャベリン! 電!」
クッソ、あの真面目な二人が染まっている。退路は何処だ、こんな食堂で襲われたなんて、末代までの恥!
俺は必至に周りを見回して、食堂の見取り図を頭の中で思い出す。
出口は二つ、食堂の入口と外に面した出入り口のみ。片方は愛宕が、もう片方はジャベリンと電が塞いでしまった。
退路がない、そんなことはない。何処かに逃亡ルートがあるはずだ。諦めるな、田中・一郎。何が何でも、逃げ出すんだ。こんなところで艦娘と『した』なんて話が広まったら。
殺される。今度こそ、高野総長に殺される。
『自由恋愛、おおいに結構』。
高野総長! 何をそんなに清々しい笑顔で言っているんですか?! 落ち着け俺! 幻覚を見ている場合じゃない。
じりじりと迫る艦娘達の目が怪しく輝いている。クッソ、このままでは包囲網が完成してしまう。
こんなことが知れたら、七草さんに何を言われるか。
『そう、人間も味わってみない?』。
俺のアホ! どんな想像している!? あの七草さんが俺を相手にするわけがない、反脱ぎの軍服が色っぽいとか、生足最高ですってそういうことじゃない、確かに反論の余地がなく艶っぽいけどな!
落ち着け、田中・一郎。落ち着いて状況を観察するんだ、ここから逃げるためには艦娘達の包囲網を崩す必要がある。ならば、どうする。
「く・・・・そうか! 全員、俺が提督だ! 命令を下してやる!」
「拒否します!」
「少しは躊躇くらいしてくれよ!」
すっげぇ、まったくためらうことなく言ってきやがった。クッソ、提督命令は使えないか。となると、俺が使える手段は。
「これは使いたくなかった」
俺は自分の右手を見つめ、苦渋の決断を下す。
「こんなところで俺は終われないんだ! だから! 令呪を持って命ずる! こいギルガメッシュ!」
魔力が弾ける感触がして、俺の前にギルが出現した。黄金の鎧を纏って、右手にエアを持った完全装備だ!
勝った、良かった、これで!
「マスター」
「ギル・・・・・何でおれを縛るんだよ!?」
「フ、マスター、時に状況というのは好転することもあるだろう、しかし大抵の場合が悪化するものだ。マスター、さあ、階段を昇るがいい」
「ギル、ギルガメッシュ! おまえ何を懐柔された?!」
「ふ・・・・・ふはははははは! 今日の我はストレスを感じてしまったのでな、愉悦に浸って解消したいだけだ」
「キメ顔でそんなこと言ってんなよ、馬鹿王!」
「ふははははは!」
ちっくしょう!!
俺は、俺はまだ。
そして俺は一対二十の夜戦に突入した。昼間なのにな。
平凡な生活がしたいんだよ、俺は。もっと平和に恋をして彼女作って、結婚して、普通の生活をな。
「田中、艤装についての話は解った。無断出撃も今回は見逃してやる」
高野総長とキンジを前にして、俺は敬礼する。
「・・・その、何だ。栄養ドリンクを持って帰れ。軍令部で山のように買ってやる」
「俺が車を出してやるから、帰りはゆっくり帰ろうな」
「は、ありがとうございます」
二人から優しさが、今の俺には妙に身に染みる。
うううう、女性恐怖症になったら、どうしよう。
だ、大部分は艤装の話。後半で持っていかれた気がするけど、艤装の話だからタイトル詐欺にならないはず。
はず!
的な話です。