いや、バイトやらレポートやら試験やらで中々書く時間が取れなかったんです、本当にすみません!
さて、今回の話で1章は終わりです。本編の方どうぞ!
「ホムラ!起きろ、ホムラ!」
「……ダクネス?」
「良かった、気がついたか…」
気がつくと、ダクネスの顔が目の前にあった。頭に柔らかい感触があるが状況的に膝枕をされているんだろう。
それはそうと、僕はどうしていたんだっけ…?
「確か、僕は…」
「アクアが放った魔法で周りが流されてる中、溺れかけていたお前を見つけてな。手遅れになってはまずいと思って、引っ張りあげたんだ。」
「そっか…あの時、僕の手を掴んでくれたのはダクネスだったんだ…」
彼女にでかい貸しを作ってしまった。最も、こんなこと言ったら仲間だからそんなこと言うなってダクネスは言いそうだから言わないけど。
って今はこんなこと話してる場合じゃなかった!
「それよりベルディアは!?」
「ああ、それならあっちを見てくれ」
勢いよく体を起こした僕はダクネスが指した方角を見ると…
「あ、ちょっ、やめ…!あいたぁ!?」
「さっきまで苦戦してたやつで遊ぶのはいいもんだぜ!」
「このサッカーとやら、中々面白いな!ほれ!」
「ナイスパース!ほらよっと!」
「ぬわぁぁぁぁ!?」
ベルディアの頭を蹴り飛ばして遊んでいる冒険者たち(カズマも含む)がいた。
なるほど、確かにこの状況ならこんなことしてる余裕はあるけど…
「何があってあんな状況に…?」
「ああ、ホムラが気を失っている間にな…」
なんでも、水を被って弱体化したベルディアにカズマが今度こそは、とスティールを放った結果、ベルディアの大剣ではなく頭を取ってしまいああなったらしい。
それにしても、武器じゃなくて敵の頭をスティールするなんてカズマの幸運値はどうなっているんだろうか…
それにしても、楽しそうにやってるなぁ…
****
「よし、アクアー!そろそろ頼むわ!」
ベルディアサッカーをし始めてからしばらくして、カズマがアクアさんにベルディアの浄化を頼んだ。
「まっかせなさーい!セイクリッドターンアンデッド!」
「ぐわああぁぁぁ!」
アクアさんが放った退魔の魔法を食らったベルディアは、段々とではあるが消え始めていったが完全に消えるには時間がまだかかりそうだ。
僕はベルディアに伝えようと思っていたことを伝えるために体に走る痛みを堪えながらベルディアの頭に近づく。
「……なんだ、これから消える俺に何か用か?」
「ええ、一つだけあなたに伝えたいことがあって言いに来ました」
しゃがんでベルディアの目を見ながら言葉を続ける。
「あなたの剣技、見事でした。カズマやダクネス、ほかの冒険者たちがいなかったら確実に僕は負けていました。もし、敵ではなく仲間として会えていたら、あなたから指南を受けたかったです」
「……ふっ、敵であるやつにそんなことを言うとは、おかしな奴だ」
ベルディアはそう言いつつも小さく、「まあ、悪くない気分だがな」と呟いた。
「…俺も久方ぶりに気持ちが高ぶる戦いをさせてもらった。その礼に一つだけ助言をしてやろう」
「──────」
「しかと伝えたぞ…精進しろよ…狐の剣士…」
意外にもベルディアはそう言うと、僕にしか聞こえない声である事を言うと、満足気に消えていった。
「ホムラ?どうした、なんか浮かない顔してるけど…」
「…いや、何でもないよカズマ」
心配して声をかけたカズマにそう答えながらも、僕の心は晴れなかった。
こうして、ベルディアは討伐されアクセルの街は守られた。
なお、これは余談であるがベルディアに倒されてしまった冒険者達にダクネスが日頃思っていたことを言いつつ祈っていたところを、アクアさんによって蘇生された彼らに聞かれてしまい、それをカズマと僕(僕は普段の鬱憤晴らし)に弄られたダクネスが顔を真っ赤にして「これは私が望む羞恥責めではない…」と声を震わせながら恥ずかしそうにしていた。
****
ベルディアを討伐した翌日、魔王軍幹部討伐の報奨金が貰えるとのことで僕とカズマはアクアさん達に遅れて冒険者ギルドに来ていた。
ギルド内はベルディア討伐の祝杯をあげているため、真昼間だというのに酒臭いしうるさい。だが、雰囲気が幻想郷で行われていた宴会みたいな感じでどこか懐かしく感じてしまう。
「あっ!ちょっとカズマとホムラ、遅かったじゃないの!もう既に、皆出来上がってるわよ!」
途中、既に来ていたアクアさんが上機嫌で笑いかけてくる。というより、アクアさんも既に出来上がっている。
とりあえず、僕らも報酬を受け取るため受付の方へ行く。
そこには、ダクネスとめぐみんの姿があった。報酬が入ってる筈の袋を持っていないあたりからして、律儀にも僕らを待っていたのだろう。
「来たか。ほら、お前たちも報酬を受け取ってこい」
「待ってましたよ。ところで2人とも聞いてください。ダクネスが、私にはお酒は早いと、過保護な母親みたいなことを…」
「いや待て、過保護な母親みたいとはなんだ。と、とにかくだな…!」
言い合いを始めた2人をほっといて受付の人の前に行く。
そんな、受付の人(最近知ったが、名前はルナというらしい)は僕ら…正確にはカズマを見て何故か微妙な表情を浮かべた。
「あ、その…サトウカズマさんですね?お待ちしておりました」
とても、これから報酬を渡す人とは思えない雰囲気を感じ取る。カズマもそれが分かったのか少し難しい表情を浮かべている。
「あの……。まずは、そちらの御三方に報酬です」
ルナさんはダクネス、めぐみん、そして僕に小さな袋を渡してくれた。あ、それなりに入ってそうな重さだ。
「……実は、カズマさんのパーティには特別報酬が出てます」
……え
「え、なんで俺たちだけが?」
僕が思ったことをカズマが声に出す。最もその疑問はすぐに誰かが大きい声で答えてくれた。
「おいおいMVP!お前らがいなきゃ、魔王軍の幹部なんて倒せなかったんだからな!」
その声に周りの人達もそうだそうだー!と騒ぎ出した。
僕は唖然としているカズマの背中を軽く叩いた。
「ほら、パーティーの報酬はリーダーが受け取るものでしょ?早く貰ってきて」
「ホムラ…ああ、行ってくる」
ルナさんはコホンと1つ咳払いし、報酬を伝えた。
「えー。サトウカズマさんのパーティーには、魔王軍幹部ベルディアを見事討ち取った功績を称えて…ここに、金3億エリスを与えます」
「「「「「さっ!?」」」」」
僕達は思わず絶句した。余りにも考えられないほどの大金だ。
周りの冒険者たちも、その金額を聞いて静まり返るが、すぐにまた騒ぎ出した。
「おいおい!3億ってなんだ、奢れよカズマ!」
「うひょー!カズマ様、奢って奢ってー!」
冒険者の奢れコール。そんな中、カズマはハッとしたようにダクネスとめぐみんに何か言い始め、それを聞いた2人もまた何か言い始めたが…まあ、内容がなぁ…。軽くまとめると、カズマはこれからはのんびり安全に過ごしたいから冒険の数を減らすといい、これに2人が文句を言ってる感じだ。
そんな中、ルナさんが申し訳なさそうな表情を浮かべて、カズマに1枚の紙を手渡した。 横から覗き込むと、ゼロがたくさん書き並べてある。
もしかしてあれかな?外の世界で言う小切手ってやつだろうか?
そこに酔っ払って出来上がってるアクアさんもカズマの横にきて覗き込む。
「ええと、ですね。今回、カズマさん一行の……その、アクアさんが召喚士大量の水により、街の入口付近の家々が一部流され、損壊し、洪水被害が出ておりまして……まあ、魔王軍幹部を倒した功績もあるし、全額弁償とは言わないから、一部だけでも払ってくれ……と……」
ルナさんはそう告げると、目を逸らして奥に引っ込んでいく。
僕はそれを聞いてから改めて、その紙の0の数を見てため息を吐き、めぐみんとアクアさんは逃げようとしてカズマに襟首を掴まれている。
僕達の雰囲気で請求額を察した冒険者たちが、そっと目を逸らした。
そして、請求の額を見ていたダクネスが、カズマの肩にポンと手を置いて…
「報酬3億。…そして、弁償金額が3億4000万か。……カズマ。明日は、金になる相手のクエストに行こう」
そんなことを言いながら、心底嬉しそうにいい笑顔で笑った。
体を小刻みに震えさせるカズマをみて、僕は小さくため息を吐いた。
藍様、紫様、橙姉さんを初めとした幻想郷の皆さん、僕はこれからも元気に頑張っていくので、どうか応援してください…
解説コーナー
ベルディア:みんな大好き魔王軍幹部のベルディアさん。デュラハンで配下にはアンデッドナイトを従えたりと、序盤で出てくる敵ではない。ここまでの回では、ノリがいい部分もありながら基本的には騎士のような言動しているが…彼の本性というか、まだ出ていない所には原作を見るか、またはこの小説でいつか語られるまで待ってください。なお、個人的には魔王軍幹部の中では好きなキャラだったり。当小説では、最後にホムラに助言を残すという面を追加しました。
ルナ:原作では受付のお姉さんとしか、出ておらず名前が不明であったが外伝作品において名前が判明した。彼女もダクネス同様、とても厚い胸部装甲を装備しており、それはめぐm(ここから先は赤い物が付着していて読めない…)
とりあえず1章終わったから次は座談会的な話をやろうかと思います。なので、そんなに時間はかからないかと思いますのでお待ちしてくださると幸いです。では、また。