このファンやアークナイツばっかやってると、ついつい執筆を怠ってしまうので、時間を上手く活用して行けるようにしていこうと思います(猛省)
それでは、本編どうぞ。それと、今回はいつもより長いです。
ダストさんとの一件から数日後、カズマからの提案でダンジョンに行くことになった。
けど、ダンジョンの中に潜るのはカズマだけで、僕らは道中の護衛としてだ。
そうなった訳は、今回潜るのが〈キールのダンジョン〉という初心者向けの所であるのと、カズマが新しく覚えたスキルのお試しのためだ。
そして、現在。カズマのあとをついて行ったアクアさんを除いた僕らは、ダンジョンの近くのログハウスで待機することになっていたんだけど…
「えーと、本当にいいの?」
「ああ、大丈夫だ。むしろ望むところだ!」
模擬戦用の木剣を持った僕に向かって、頬を紅潮させてダクネスがそう言う。
どうしてこうなったのか?
それは、僕が外で技の制度の確認と、開発途中だった技の試験運用をしている最中に、それを見ていたダクネスが「実際に相手がいた方が、実践向きかどうかと、威力の確認ができるだろう?」と提案したのだ。
無論、僕は拒否したのだが余りにも食い下がるため、根負けしてしまった。
ただ、条件としてダクネスに対してのダメージが最小限で済むように木剣を使うこと、ミニ八卦銃を使ったものはやらない、というのでやっている。(ダクネスはそれを聞いた時、残念そうにしてたのは気のせいだと思いたい)
なお、めぐみんは近くで爆裂魔法の詠唱の練習をしている。
さて、ダクネスにはあの条件でやるといったけど、流石に気が引ける。
「どうしたものかなぁ…」
「どうした!?早くかかってこい!さあ、早く!!」
「本当にどうしたものかなぁ…(困惑)」
あっ、あの技ならダクネスに攻撃当てないか。
僕は、懐からある術式を組んだ札を取り出すと、それに霊力を込めて前に投げる。
すると、その札が発光し、それが収まるとそこには僕の分身があった。
ただし、その全身は虹色に光っているため目鼻口はないように見えるのだが。
『双幻夢』。それがこの技の名前だ。
「これは…分身なのか…?」
「うん、正解だよ。これは僕の動きに合わせて動く分身なんだ。…まあ、口で言うより目で見た方が分かるかな」
木剣を縦に振るうと、分身も同じように木剣を振るう。
「ほう…変わった技なのは分かったが、これは一体どう言う時に使うんだ?」
「これは元々、僕の剣の師匠が使ってた技を習得するための前段階として開発したものなんだ。だから、実戦に使うことは少なかったんだけど、使うとしたら多対一の時に使う感じかな」
ダクネスの疑問に答えつつ、双幻夢を繰り出したまま剣を数回振るう。うん、ラグもなさそうだし問題はないかな。
確認が終わったので、双幻夢を解こうとしたら、ダクネスがチラチラとこちらを見てくる。
「……言っとくけど、双幻夢はあくまで動作確認のためにやっただけで、威力の確認はしないからね?」
「くっ…、いや、こういう焦らしもまた……!」
ダクネスのドMっぷりに頭を抱えたくなるけど、そこは堪えて双幻夢を解除して、分身を札に戻す。
双幻夢は問題なかったので、次は師匠が使っていたあの技をやるために、さっき使ったのとは違う札を取り出して、札に霊力を流し込む。すると、後ろに双幻夢と同じような分身が現れる。
「?それはさっきのと何が違うんだ?」
「これは、『魂符「幽明の苦輪」』っていうもので、僕の動きに少しだけ遅れて動くように術式を組み替えたものなんだ。本来なら、双幻夢と違って、半透明になった僕の姿が分身として出てくるんだけど…」
「虹色に光ってるな……」
失敗である。念の為、剣を振ってみると結果は僕と同じタイミングに振っていた。ううん、術式か流す霊力の量を間違えたかもしれない。
頭の中で考えを巡らせながらも、技を解除して札の状態を確認する。…うーん、札に残ってる霊力量からして少なすぎたかな?
「な、なあホムラ。そろそろ、攻撃系統のものを私に…!」
「………」
どうしよう、ダクネスが物欲しそうな目でこっちを見てくる…。ダクネスの要望通りに、攻撃系のものをぶつけるのは、僕の良心が痛むし、かといってやらないのはなぁ…いや、あの型なら、大丈夫かな?
「分かったから、そんな目で僕を見ないで…ご要望通りにするから……ね?」
「おお!ホムラは話がわかるな!!さあさあ!いつでも私はいいぞっ!!!」
これが、いわゆるバッチコーイってやつなんだろうか?
それはともかく、僕はもう1本の木剣をダクネスに渡した。
「ん?私はお前の攻撃を受けるのだから、木剣は必要ないぞ?」
「いや、必要だよ。なんたって、これからやるのは相手が攻撃してこないと上手くできないものだから」
僕がとった手段。それは、相手の攻撃を防いで放つ型、剣道などで言う返し技をやること。
これなら、まだ稽古っぽく見えるから僕の罪悪感は減る。それに…
「…ホ、ホムラ。私の攻撃が当たらないことを知ってる上で言ってるのか…?」
「うん、そうだよ」
ダクネスの言葉に即答する。そう、ダクネスの命中率なら、そもそも僕に当たることがそうそう無いので攻撃することはなくなる。……まあ、鍛錬の時間は減るけどこれは必要な犠牲ってことで気にしない方針で。
「さあ、いつでもいいよ?最も、当たるかはわからないけどね」
「くっ…こうバカにされるのもいいものだ…!しかもそれを普段は温厚なホムラがやってると思うと……!」
「いいから早く打ち込んできてよ!?めぐみんからの視線が痛いんだからさ!?」
******
「んで、結果としてこうなった訳と」
「はい、そういう事です」
目の前の惨状の経緯をめぐみんから聞いたカズマはため息を吐いて、改めてその惨状を確認する。
「ハア…ハア……新、感覚だ……!」
「僕は、なにを……」
「うっ、うわあああああ!!カズマがあ!アンデッド、よりに、よってリッチーを見習えって言ったああぁぁぁぁ!!」
頬を赤らめて息を荒くしながらぶっ倒れてるダクネス、目のハイライトが消えてる状態で体育座りをしているホムラ、泣きじゃくるアクア。
「…俺の幸運値って高いんだっけ……」
カズマは考えることをやめた。
****
「……この屋敷か」
「悪くないわね!この私が住むの相応しいんじゃないかしら!」
ここに来たわけは、一言で言えば屋敷に住んだ悪霊退治だ。経緯としては、カズマがリッチーであるウィズさんにスキルを教わりに行ったまでは良かったらしいけど、アクアさんがウィズさんを退治を試みるという事態が発生。一応、カズマがウィズさんが退治する前に止めたものの、ウィズさんに不動産屋の人がこの屋敷の悪霊退治を頼みに来たのだが、肝心のウィズさんは満身創痍という訳なので、責任としてアクアさんが請け負った、というのが流れだ。
そして、今回の依頼はここの屋敷は現在では幽霊屋敷という悪評が定着してしまったため、除霊が終わったら報酬として、悪評が消えるまで無料で住めるという、僕らからしたら有難い依頼とも言える。
それにしても……
「すごく…大きいです…」
今めくみんが言ったように、大きい。いや、屋敷なのだから大きいのは当たり前だと思うけれど、大きい。流石、貴族の元別荘と言ったところかな。
その後、アクアさんが霊視という能力でこの屋敷にはある少女の幽霊が住み着いていて、その子は悪霊ではないこととその子の生涯を僕らに語っていたが、僕以外の皆はそれをスルーして屋敷の中に入っていき、昼間は荷解きや掃除などで時間が過ぎていった。
***
その夜、僕はアクアさんとは別行動で幽霊退治をしていた。
当初、僕も幽霊退治をする節を皆に伝えた時はアクアさんを除いた皆から疑問の視線を向けられたが、幽霊はあくまで物理的な攻撃を通さないだけであって、霊力や魔力を纏わせれば充分通じる。
それに、一時期だけとはいえ博麗の修行もやっていたから除霊の心得もある──最も、博麗の術は齧る程度の物しか身につかなかったけど。
そんなことを考えながら、1階にまだ潜んでいる幽霊を探していると、目の前から幼そうな少女とそれを追いかける覆面を被った幽霊──何故かパンツしか履いてない──達の姿が目に入った。
「はぁ……バカは死んでも治らないって聞くけど、本当なんだね」
ため息を吐きながら、除霊の術を剣にかけて、少女を除いた変態幽霊共を一閃。
霊が除霊され消えたのを確認して、ふと近くを見るとキョトンと少女がこちらを見ていた。
恐らく、除霊されてないことに驚いているのだろう。僕らは剣を鞘にしまいながらその子に話しかける。
「家主をいきなり除霊させるなんて、礼儀知らずなことはしないよ。それに、君は悪い幽霊に見えないから」
*****
「…私の事、知ってるの?」
あの場では、誰に見聞きされてるか分からないため僕らはこの屋敷の屋根の部分に腰掛けて話していた。
「うーんと、僕の仲間に幽霊関連の専門家みたいな人がいてね。その人が霊視した時に得たことしか分からないよ」
彼女は、僕の答えに「そう」と短く答えると視線を前に移す。
「ねえ、あなたはどうして私のことが見えたの?」
それから互いに黙って、しばらくその状態が続いてから彼女はまた、質問を僕になげかけた。
「どういうことかな?」
「だって、今まで誰も、私のこと見えてた人いなかったから…」
彼女の話からすると、恐らくこちらの世界でも霊的なものを見ることが出来る人は中々いないのだろう。考えてみれば、この屋敷にいた悪霊たちも物に入り込んでからこちらに襲ってくるものが多かった。
それにダクネスに会った時、彼女は後ろに男の霊がいたのに気がついてなさそうだったし。(勿論、その霊はすぐに退治した)
話を戻すと、僕が彼女を見ることできる理由は簡単だ。
「さっきの質問に答えると、僕は普通の人間じゃないからだよ」
詳しい理由は僕も知らないけど、妖怪は霊的なものを見ることが出来る。そのため、人間と妖怪のクォーターである僕でもそれが可能っていう説明をした。
「そう、ヨウカイ?というのはよく分からないけど、何で私が見えるかは分かったわ」
「ごめんね、本当は僕の故郷のこととか話さないとよく分からない話なんだ」
「あら?ならその話から先にしてほしかったなー」
彼女はそう言うと、口を尖らせてしまった。うーん、これは僕の故郷についても話さないとダメなパターンかな?
「ああ、そうだ。少し長くなるけど僕の故郷の話をしてもいいかな?」
こういう時は、あくまで自分からその話をしたいということを告げるのが大事だ。こういうのは、紅魔館のあの子のおかげでよく分かってるからね。
「ふふ、仕方ないわね。それに、時間はたっぷりあるからゆっくり話してくれて構わないわよ?」
あまりにも、上手くいったことに口角が緩みかけたが、それがバレたらまた面倒なことになるので必死にこらえて、口を動かす。
忘れられたもの達が集う楽園、『幻想郷』の話を。
*****
「はぁ…全くあの馬鹿は……」
カズマはそう呟きながら、屋敷の庭の隅にあるお墓の周りに生えている雑草を引っこ抜いていた。
カズマが何故、草むしりをしているのかはこの屋敷に住む条件の二つのうち一つにお墓の手入れがあるからだ。
何故、依頼の報酬で屋敷に住めるはずなのに条件があるのか?というのも、アクアがウィズの代わりに成仏するのを引き受けたまでは良かったものの、すぐに面倒くさくなって墓地に神聖属性の結界を貼り、霊の行き場を無くしていたせいで、その霊達が空き家を行き場にしていたというのが真相だったからだ。
カズマとアクアはそれを不動産屋の人に正直に話し、謝罪をして屋敷を返還する旨を伝えたが、屋敷の悪評が消えるまでというのと、先程の条件を守ることで屋敷に住めるというのが今回の顛末である。
「あ、カズマ。お墓の手入れやってくれてたんだね」
草むしりを終え、墓石に水をかけ雑巾で拭いているカズマに、外出していたホムラが声をかけた。
「おー、ホムラか。どこに行って…何で酒を持ってんだ?」
「まあ、お供え物としてね。あ、僕も手伝うよ」
「お、助かるわ。早くしないとアクアに朝飯取られるからな」
2人で墓石を綺麗に洗い、泥などを落とす。
そして、その様子を屋根の上から一人の少女が少し嬉しそうに見ていた。
解説コーナー
双幻夢:初出はロックマンX5でゼロのラーニング技。同じ動きをする分身を前方に出す技。ホムラの場合だと、霊力札を分身体として出している。
魂符「幽明の苦輪」:初出は東方萃夢想で、魂魄妖夢のスペルカード。ゲームでは、いつも自分の周囲に漂わせている半霊を半人の姿に変化させ、 打撃攻撃の回数を倍にできるもの。ホムラは、半霊の代わりに霊力札を使っている。
覆面を被った幽霊:罪袋このすばver
さて、アンケートなのですが…結果として、構わん、やれが1番多かったので、この章の座談会の次に掲載というふうにします。