この妖怪の血を引く者に祝福を!   作:ゆっくり妹紅

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レポートやら色々とやってたら前回から1週間という…中々筆がのってくれないこのごろです…

さて、今回はみんな大好きあの人がでます!
本編の方どうぞ!



第4話

正式にパーティに加入した次の日、冒険者ギルドに行くと既にみんな集まっていた。

 

「ごめん、僕が最後だった…って、カズマは装備を整えたんだね」

 

「ああ、流石にあの格好じゃ色々と示しがつかないからな」

 

まあ、確かにジャージじゃファンタジー感台無しだもんね。

ん?僕?僕は幻想郷の時の服装だからまだセーフ…のはず。

 

「それでさ、新しいスキルも覚えたことだしクエストに出たいんだけど…」

 

「それなら、ジャイアントトードが繁殖期に入っていて街の近場まで出没しているからそれを…」

 

「「カエルはやめよう!」」

 

カズマの意見にダクネスさんがジャイアントトード討伐の案を出しかけた時、強い口調でアクアさんとめぐみんが拒絶した。

 

「な、なんでこんなに嫌がってるの?もしかしてそれぐらい気持ち悪いの?」

 

「いや、こいつらは前にカエルに食われたからな…それがトラウマになってて…」

 

「あぁ…それなら仕方ないね…って、ダクネスさん?なんか顔赤いけどどうしたの?」

 

ふと、横にいるダクネスさんが顔が赤いのが気になって聞いた。体調崩してたら大変だからね。

 

「い、いや。別になんともないぞ…それにしても、カエルに丸呑み…ヌメヌメ…ん!」

 

ダクネスさんは顔を赤らめブルっと震えた。この反応、なんか幻想郷でも見た気が…

 

「ホムラ…実はなダクネスは救いようがないドMなんだ…変に突っ込まずスルーしとけ」

 

カズマにそう言われ納得する。そういや、人里の人達でこういう人いたな…幽香さんに罵られたり、やられる度に喜んでたっけ。

 

「とりあえず、ホムラが入って最初のクエストだし簡単なのを探すか」

 

「そうだね。連携とかの確認も必要だし僕は異論ないよ」

 

カズマの意見に僕とダクネス、めぐみん(爆裂魔法撃てればいい)の3人は賛成したけどアクアさんは難色を示した。

 

「あのね、このパーティは私を含めて4人も上級職いるのよ?高難易度のクエストをバンバン受けてお金を沢山稼いでレベルも上げてさっさと魔王をしばきましょうよ!」

 

うーん、凄い極端な話だなぁ…

 

「アクアさん、上級職と言えども僕らはまだレベルが低いですし互いにどれぐらい動けるかも分かりません。下手に難しいの受けて前衛が崩れて突破されたら一気に壊滅する恐れもあります。なので、ここは地道に簡単なのから受けていかないとみんなで仲良くお陀仏ですから我慢してください」

 

なるべく笑顔でそう説得する。なんでも、笑顔で少し圧をかけてやると成功しやすいと藍様が言っていた。事実、これで成功したこと結構多いからね。あと、ダクネスさんの鎧は前のキャベツのせいで修理に出してるしね。

 

「ひっ!?わ、分かったから!そんな笑顔で話さないでよ!怖いからぁ!」

 

人の笑顔が怖いだなんて、なんて失礼なことを言うんだ。

 

「わかってくれて良かったです。それじゃあ、探して…どうしたのみんな?」

 

「お前って…いや何でもない」

 

「別にあれぐらい、私にはどうってことはありません。ちょっと驚きましたが」

 

「ん…あんな感じで罵られたら……っ!」

 

3人とも違う反応が返ってきた。てか、ダクネスさんは僕が知っているドMの人よりドMってことはわかった。

 

*****

 

ところ変わって、僕らは今墓地にいる。

何故かと言うと、ゾンビメーカーというゾンビを生み出すアンデッドのモンスターを討伐するクエストを受けたからだ。

それで、今の時刻は夕方だけど、このモンスターは夜にしか出てこないため現在は共同墓地でバーベキューをして時間を潰している。

いや、墓地でバーベキューとか罰当たりもんだけどね?

 

「あれ、カズマ。野菜食わないの?」

 

「いや、なんかキャベツ狩りしてから急に野菜が跳ねるんじゃないかって怖くてさ」

 

「ああ…気持ちはわかるけどさ、野菜も食べないとバランス悪いし、そもそも調理済みだから大丈夫だって」

 

「…そういうお前は野菜ばっかだな」

 

「なんかこの世界の野菜結構美味しくてさ。つい、ね」

 

なんて会話をカズマとする。とてもこれからモンスターを討伐するとは思えないほどの雰囲気だ。

食後、カズマはコップにコーヒーの粉を入れて、【クリエイトウォーター】という水を生成する初級魔法で水を入れ、今度は【ティンダー】という火を出す初級魔法を使ってコーヒーを作っていた。

初級魔法は全て殺傷能力は無く、こうして生活面で活用する感じが多い。そのため、魔法使いの多くは初級魔法は取らずにいきなり中級魔法をとることが多いらしい。

事実、僕も先に中級魔法を取ったんだけど…カズマの使ってるのを見てると初級魔法取ればよかったと思ってくる。

余談であるが、ちょっとしたことでアクアさんがカズマをからかった結果、【クリエイトアース】と【ウィンドブレス】による目潰しコンボを喰らって騒いでいた。なるほど、物は使いようってやつだね。

 

*****

 

夜になり、今はゾンビメーカーが現れるのを待っているのだけれど…なんか、嫌な感じがする。

 

「皆、カズマが最初に言った、イレギュラーなことが起こったらすぐに撤退するは守って。あと殿は僕が務める」

 

「まて、ホムラ。殿なら私の方が向いているだろう。それに、強敵に一方的にやられると思うと…っ!」

 

幻想郷の人達より欲望に忠実だなぁ…1回、親御さんの顔を見てみたい。

 

「確かに皆が撤退するまでの時間稼ぎならダクネスさんが適任かもしれないけど、最後に離脱する時のことを考えると僕の方が素早さは勝ってるし、手数も沢山あるから僕がやるよ。それに、女性をなるべく危険な目に遭わせるなって育ての親にはきつく言われてるしね」

 

「いや、だがな…」

 

ううん、やっぱり粘るよね…アクアさんにやった説得方法やるか…?いや、むしろダメな気がしてきた。

「2人とも、敵感知に本能があった。数は1…2…3…4?いや、もっといる…!?」

 

どう説得すればいいか悩んでいる僕に、先頭にいたカズマから想定外な言葉が出てきた。ゾンビメイカーは通常であれば取り巻きのアンデッドは2、3体なのに対して今回はそれを上回っている。

明らかにゾンビメイカーではない何かがいるのは確かだ。

そして、僕らの目には青い光を放つ大きな円形の魔法陣の近くに人影が入ってきた。ゆらゆらと蠢く人影が数体見えるが…

「あれは…ゾンビメイカーではないと思いますが…」

 

めぐみんが自信なさそうに言うが、おそらくその通りだろう。

 

「カズマ、撤退しよう。一応僕は敵の特徴とかを確かめて」

 

「ああー!リッチーがノコノコこんなとこに現れるとは不届きなっ!成敗してやる!!」

 

ミニ八卦銃を構えて、カズマに撤退を促そうとした時、アクアさんが叫んで人影に突っ込んでいった。

そして、アクアさんが言っていたリッチー。

この存在は僕も紅魔館の図書館で読んだことがあるので知っている。

生前は魔法を極めた魔法使いであり、その魔法使いがある魔法を用いて人の体を捨て、強大な力を手に入れたアンデッドのことを指す。その強さは吸血鬼にも匹敵するらしく、ノーライフノーキングとも言われている。

どっちにせよ、かなり規格外な存在なのは確かだ。言うまでもなく、冒険者の駆け出しの街であるここにいるのはおかしい相手で、僕は少しだけは持ち堪えられるかもしれないけど、カズマたちは瞬殺されてもおかしくない。

そんな強敵なのだが…

 

「や、やめやめ、やめてえええええ!誰なの!?いきなり現れて、なぜ私の魔方陣を壊そうとするの!?やめて!やめてください!!」

 

「うっさい、黙りなさいアンデッド!どうせこの妖しげな魔法陣でロクでもないことを企んでるんでしょ、何よ、こんな物!こんな物!!」

 

リッチーと思わしき人物が魔方陣を壊そうとするアクアさんの腰に泣きながらしがみつき、必死に止めようとしていた。

取り巻きのアンデッドはただ立っているだけで何か行動を起こす気配は見えない。

そして今気がついたけど、この魔方陣から感じるものは神聖なものは感じられないものの、邪悪なものも感じられない。感じるものは暖かく、安心するようなもの。博麗の巫女の術などを教わってきた僕だからこの魔法陣の効果が分かる。これは、魂…特に未練があるものを鎮め天に還すものだ。

…ってか、あのリッチーの人を見てると、とてもあの吸血鬼と同格に恐れられる大物アンデッドには思えないな…

まあ、それは置いといて。

 

「アクアさん、この魔方陣は恐らく未練を残した者たちを成仏させるものだと思います」

 

「なんですってー!?リッチーのくせにそんなことをするなんて生意気よ!そういう善業はアークプリーストの私がやるから、リッチーは引っ込んでなさい!丁度いいわ、あんたもまとめて浄化してあげるわ!」

 

「ええっ!?ちょ、やめて!?」

 

「アクアさん!ちょっと待って!!まずは話を聞きましょう!」

慌てるリッチーを尻目に僕は急いでアクアさんを羽交い締めして止めにかかった。

 

 

*****

 

「納得いかないわ!」

墓場からの帰り道の途中、アクアさんはまだ怒っていた。

時刻としては既に空に白みがかかってくる時間帯…つまり、夜明けの時刻だ。

 

「しょうがないだろ。つか、あんなに良い人を討伐する気になれないだろうに」

 

カズマがアクアさんにそう言って宥める。

この言葉から察せるとおり、僕らはあのリッチー…ウィズという人を見逃した。

理由として、彼女は共同墓地の天に還ることが出来ず、さ迷っている魂達を定期的に天に送っていただけだったからだ。それに、人も今まで殺してないことも言ってたからね。

話を戻して本来ならば、この仕事は別にウィズさんがやらずにこの街のプリースト達に任せておけばいいのだが…現実として、ここのプリーストは金儲け優先の人がほとんどで、お金が無いために共同墓地に埋葬されている所には寄り付きもしないというのがあった。

そして、アンデッドが出てしまうのはウィズさんのリッチーの気配にまだ肉体が残ってる魂が起きて来てしまうかららしい。

話し合いの結果、アクアさんが定期的に浄化しに来るということに収まり、僕らは犠牲を出さずに帰路につくことが出来た。

 

「にしても…リッチーがこの街でお店開いてるなんてね……」

 

僕はカズマが手に持っている名刺を見てそう呟いた。なんでも、ウィズさんはこの街で魔法道具店を開いているらしく、良かったら来てくださいとも言っていた。あの人、なんでリッチーやってんだろう?もしかして、長生きしすぎて性格が…

 

「……!?」

「ん?どうしたホムラ?急に震えて」

 

「な、何でもないから大丈夫だよダクネスさん」

 

急に寒気が感じたけど…気のせいだろうか?

 

「…カズマ、その名刺貸しなさい。あいつの所に乗り込んで浄化してやるわ!」

 

「「それはやめてやれよ(ください)」」

 

僕とカズマの意見が重なった。ウィズさん浄化させるのは流石に可哀想だし……

 

 

「ところで、クエストはどうなるんだ?」

 

「「「「あ」」」」」

 

こうして、僕が入ってからの最初のクエストは失敗に終わったのだった。

 




文字数今までで最多の4384文字…どんぐらいの文章量が丁度いいのか分からないや…

解説コーナー
・ウィズ:原作キャラ。見た目は若い美人な女性でスタイルも抜群。(永遠の)20歳。実はリッチーというアンデッドであり、めちゃくちゃ強い。どんぐらい強いかというと、1人で魔王城にカチコミしてその強さから魔王にスカウトを誘われるぐらい。現在はアクセルの街で、お店を開いているが…お店の実態はこの先で明らかになるので今回は見送り。
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