この妖怪の血を引く者に祝福を!   作:ゆっくり妹紅

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今度こそ早めに投稿を…!と意気込んでいたのにこの始末(白目)
本当に申し訳ないと思っています…
話は変わりますが、チョコボの不思議なダンジョンがSwitchで出ましたね。結構やりこんでたから懐かしいなぁ…

では、本編どうぞ。


第6話

 

「この街で爆裂魔法を撃てる奴って言ったら…」

 

デュラハンが言った、爆裂魔法を撃てる人を冒険者の皆が見る。そして、僕もそれに該当する人…めぐみんを見る。

その視線を受けて、めぐみんは隣にいた女の子の魔法使いの方を向いた。当然、皆もそっちを見る。

 

「ええっ!?あ、あたしっ!?何であたしが見られてんのっ!?爆裂魔法なんて使えないよ!!」

 

濡れ衣を着せられた女の子が慌てて否定する中、そっとめぐみんとカズマの方を見ると、2人とも汗をダラダラと流していた。なるほど、この2人が原因か。納得したくないけど納得した。

 

「ふぅ…」

 

めぐみんは嫌そうな顔でため息を吐くと前へ出る。冒険者達も自然と道をあける。

そのめぐみんに僕、カズマ、ダクネス、アクアもついていく。

前に出てきためぐみんを見ると、デュラハンは今度は体全体が震えだした。

 

「お、お前が…!お前が毎日毎日俺の城に爆裂魔法を撃ち込んでくる大馬鹿者か!俺が魔王軍幹部と知っていて喧嘩を売っているなら、堂々と城へ攻めて来るがいい!そうでないなら、街の中で震えていればいい!!何故こんな陰湿な嫌がらせをする!?どうせ雑魚しかいない街だと放置しておれば、調子に乗って毎日欠かさずポンポンポンポン!頭おかしいんじゃないのか貴様!」

 

 

毎日毎日ポンポン撃ちにいくことに関しては僕も頭おかしいと思う。

それに対し、流石にめぐみんは気圧され若干怯むも、肩のマントをバサッとひるがえして…

 

「我が名はめぐみん。アークウィザードにして、爆裂魔法を操るもの……!」

 

「……めぐみんって何だ。バカにしてんのか?」

 

「ちっ、違わい!」

 

話に聞く紅魔族流の名乗りをデュラハンに突っ込まれるも、めぐみんは直ぐに気を取り直すと。

 

「我は紅魔族の者にして、この街随一の魔法使い。我が爆裂魔法を放ち続けていたのは魔王軍幹部のあなたをおびきだすための作戦……!こうしてまんまとこの街に、1人で出てきたのが運の尽きです!」

 

ノリノリでデュラハンに杖を突きつけるめぐみんを後ろで見守りながら僕らは小声で話した。

 

「ねえ、これって作戦だったの?」

 

「いや、俺も初めて聞いたぞ。毎日爆裂魔法撃たなきゃ死ぬとか駄々こねるから、仕方なくあの城の近くまで連れていっただけなのに」

 

「……うむ、しかもさらっと、この街随一の魔法使いとか言い張っているな」

 

「しーっ!そこは黙ったおいてあげなさいよ!今日はまだ爆裂魔法使ってないし、後ろにたくさんの冒険者が控えてるから強気なのよ。今いいところなんだから、このまま見守るのよ!」

 

そんな僕達の会話が聞こえていたのか、めぐみんの顔がほんのりと赤くなる。

うん、アクアさんが言ってたこと図星だったんだね。

デュラハンの方は、何故か勝手に納得しているような感じを出していた。

 

「……ほう、紅魔族の者か。なるほどなるほど。そのいかれた名前は、別に俺をバカにしていたわけではなかったのだな。」

 

「おい、両親から貰った私の名に文句があるなら聞こうじゃないか」

 

あ、名前の方に納得してたのか。

デュラハンの言葉にめぐみんは、ヒートアップしているが当の相手は全く相手にしていない。

そもそもそれ以前に、街中の冒険者の大群を見ても、全く気にしてすらいない。

先程言っていたように、あのデュラハンにとってはここの街の冒険者は取るに足らない相手なのだろう。

 

「……フン、まあいい。俺はお前ら雑魚にちょっかいをかけにこの地に来た訳では無い。この地にはある調査に来たのだ。しばらくはあの城に滞在することになるだろうが、これからは爆裂魔法を使うな。いいな?」

 

「それは、私に死ねと言っているも同然なのですが。紅魔族は日に1度、爆裂魔法を撃たないと死ぬんです」

 

「お、おい、聞いた事ないぞそんな事!適当な嘘をつくな!」

 

なんか、漫才を見てる気分になってきた。

カズマは手を出す雰囲気はなく、アクアさんはめぐみんがデュラハンに噛み付いてるのをワクワクしながら眺めてるし…ダクネスは真剣にデュラハンの方見てるけど。

デュラハンは右手の上に首を乗せ、そのまま器用にやれやれと肩を竦めた。

 

「どうあっても、爆裂魔法を撃つのを止める気は無いと?俺は魔に身を落とした者ではあるが、元は騎士だ。弱者を刈り取る趣味はない。だが、これ以上白の近辺であの迷惑行為をするのなら、こちらにも考えがあるぞ?」

 

剣呑な雰囲気を漂わせてきたデュラハンに、めぐみんはビクリと下がるも、不敵な笑みを浮かべた。

 

「迷惑なのは私達の方です!あなたがあの城に居座っているせいで、私たちは仕事もろくに出来ないんですよ!……フッ、余裕ぶっていられるのも今の内です。こちらには、対アンデッドのスペシャリストがいるのですから!先生、お願いします!」

 

盛大な啖呵をきったあと、アクアさんに丸投げした。

ここにきて丸投げとは、ある意味凄いな…

 

「しょうがないわねー!魔王の幹部だか知らないけれど、この私がいる時に来るとは運が悪かったわね。アンデッドのくせに、力が弱まるこんな明るい内に外に出てきちゃうなんて、浄化してくださいって言ってるようなものだわ!あんたのせいでまともなクエストが請けられないのよ!さあ、覚悟はいいかしら!?」

 

このように、先生呼ばわりされたアクアさんはノリノリだけどね。まあ、バイト生活の鬱憤も溜まってるのもあるだろうけど。

固唾を飲んで成り行きを見守る冒険者たちの視線を浴びながら、アクアがデュラハンに片手を突き出す。

それを見たデュラハンは、興味深そうに自分の首を前に出した。

これがデュラハンなりの相手をよく見る行為なのだろうか?

 

「ほう、これはこれは。プリーストではなくアークプリーストか?この俺ばかりにも魔王軍の幹部の1人。こんな街にいる低レベルのアークプリーストに浄化されるほど落ちぶれてはいないし、アークプリースト対策はできているのだが……。そうだな、ここは1つ、紅魔の娘を苦しませてやろうか!」

 

デュラハンは、アクアさんが魔法を唱えようとするよりも早く、左手の人差し指をめぐみんへと突き出したと同時に、僕はめぐみんの襟首を掴んだ。

 

「ちょっと手荒だけどごめん!」

 

「汝に死の宣告を!お前は一週間後に死ぬだろう!」

 

めぐみんを自分の後ろに隠すと同時に、デュラハンの人差し指から放たれた禍々しいやつを、霊力を纏わせたバスターソードで切り落とそうとした瞬間、ダクネスが僕の前に出た。

 

 

「「だ、ダクネス!?」」

 

僕とめぐみんが叫ぶ中、ダクネスの体がほんのりと、一瞬だけ黒く光る。

 

「ダクネス、大丈夫か!?何か、変な感じとかはしないか?」

 

カズマが慌てて聞くも、ダクネスは自分の両手を確認するかのようにワキワキと何度か手を握り。

 

「……ふむ、なんとも無いのだが」

 

いたって平気そうな言ってのけた。

けど、あのデュラハンは確かに一週間後に死ぬと言った。

もしかしたら、その時になったら急に発動するタイプの可能性もある。

アクアさんがダクネスさんをぺたぺたと触って確認してる中、デュラハンは勝ち誇ったように宣言する。

 

「その呪いは今はなんともない。若干予定が狂ったが、仲間同士の結束が硬い貴様ら冒険者には、むしろこちらの方が答えそうだな。……よいか、紅魔族の娘よ。このままではそのクルセイダーは一週間後に死ぬ。ククッ、お前の大切な仲間は、それまで死の恐怖に怯え、苦しみ事となるのだ……そう、貴様の行いのせいでな!これより1週間、仲間の苦しむ様を見て、自らの行いを悔いるがいい。クハハハッ、素直に俺の言うことを聞いておけばよかったのだ!」

 

「クソ、こいつ…!」

 

僕が自分を抑えきれず、飛び出そうと剣に手を添えて飛び出そうとした時、ダクネスが戦き叫んだ。

 

「な、なんて事だ!つまり貴様は、この私に死の呪いをかけ、呪いを解いて欲しくば俺の言うことを聞けと!つまりはそういう事なのか!」

 

「「え」」

 

何たる偶然か、ダクネスが何を言ったのか理解出来ず、僕とデュラハンは思わずそう返してしまった。

いや、僕の場合は理解出来てはいる…けど、頭が理解するのを拒んでいる。

 

「くっ……!呪いぐらいでこの私は屈しない……!屈しはしないが……っ!ど、どうしようカズマとホムラ!見るがいい、あのデュラハンの兜の下のいやらしい目を!あれは私をこのまま城へと連れて帰り、呪いを解いて欲しくば黙って言うことを聞けと、凄まじいハードコア変態プレイを要求する変質者の目だっ!」

 

大衆の前で、突然変質者呼ぼわりされたデュラハンはポツリと言った。

 

「……えっ」

 

可哀想に、呪いをかけた相手手が底なしのドMだったせいであらぬ疑いを……なんか本当に可哀想に思えてきた。

 

「この私の体を好きにできても、心までは自由にできるとは思うなよ!城に囚われ、魔王の手先に理不尽な要求をされる女騎士とかっ!ああ、どうしよう、どうしようホムラとカズマっ!!予想外に萌えるシチュエーションだ!行きたくはない、行きたくはないが仕方がない!ギリギリまで抵抗してみるから邪魔はしないでくれ!では、行ってくりゅぅ!」

「ええっ!?」

 

「止めろ、行くな!デュラハンの人が困ってるだろ!」

 

「カズマの言う通りだよ!いくら敵といえど、あんな冤罪ふっけかた上に行くなんてデュラハンが可哀想だよ!」

 

歓喜の声を上げながら敵について行こうとするダクネスをカズマと僕は必死で引き止めると、デュラハンはほっとしていた。

てか、アンデッドすら引くドMぶりって……

 

「と、とにかく!これに懲りたら俺の城に爆裂魔法を放つのは止めろ!そして、紅魔族の娘よ!そこのクルセイダーの呪いを解いて欲しくば、俺の城に来るがいい!城の最上階の俺の部屋まで来ることが出来たなら、その呪いを解いてやろう!……だが、城には俺の配下のアンデッドナイト達がいる。ひよっこ冒険者のお前達に俺のところまでたどり着くことが出来るかな?クククククッ、クハハハハッ!」

 

デュラハンはそう宣言すると、哄笑しながら街の外に停めていた首の無い馬に乗り、そのまま城へと去っていった……。

 

 

****

 

(色んな意味で)突然な展開に、ほかの冒険者たちは呆然と立ちつくしていた。

カズマも同じように立ち尽くしているが、めぐみんは青い顔で震えながらも杖を握り直し、1人街の外に出ていこうとした。

 

「おい、どこ行く気だ。何しようってんだよ」

 

カズマがめぐみんのマントを引っ張ると、彼女は振り向きもせずに覚悟を決めたような雰囲気を出しながら言った。

 

「今回のことは私の責任です。ちょっと城まで行って、あのデュラハンに直接爆裂魔法ぶち込んで、ダクネス呪いを解かせてきます」

 

めぐみん1人では、あのデュラハンの所まで行くのは難しいのに…

でも、それはよくわかっている上で言っているのだろう…全くこの子は…

 

「それを言うなら、俺も行くに決まってるだろうが。お前一人じゃ、雑魚相手に魔法使ってそれで終わっちゃうだろ。そもそも、俺も毎回一緒に行きながら、幹部の城だって気づかなかったから同罪だ」

 

「僕らはパーティなんだろ?1人で背負い込まずにパーティメンバーにも頼りなって」

 

カズマと僕の言葉にしばらく渋い表情を浮かべていためぐみんは、やがて諦めたように肩を落とした。

 

「……じゃあ、一緒に行きますか。でも、相手がアンデットナイトとなると武器は聞きにくいですね。私とホムラの魔法なら有効です。……高威力広範囲の分野なら私の方が適任でしょうから、私の力を使ってください」

 

めぐみんはそうかすかに笑みを浮かべて言った。

めぐみんが言っているとおり、中級魔法には高威力広範囲の魔法はない。霊術や妖術なら、あることはあるが隙が大きいし、あのデュラハンを消し飛ばせるかと言われると無理だ。

それなら、めぐみんの爆裂魔法の方がまだ可能性はある。

 

「なら、俺に考えがある。俺の敵感知スキルで城内のモンスターを索敵しながら、潜伏スキルで隠れつつ、こそこそ行こう。もしくは、一週間という期限を使って、毎日城に通って一階から順に爆裂魔法で敵を倒して帰還。これを毎日地道にやって敵を削っていくってのも一つの手だ」

 

後者の作戦なら、配下のアンデッドナイト達をこちらの損害を少なく確実に倒すことが出来る。

問題ははあのデュラハンなのだが…未完成だけど【黒化】とめぐみんの爆裂魔法を上手く使えば倒せる可能性は十分にある。

作戦がある程度決まり僕らはダクネスの方を振り返った。

 

「ダクネス!呪いは絶対になんとかするから!だから安心……」

 

「『セイクリッド・ブレイクスペル』!」

 

ダクネスを元気つけようと、僕が声掛ける最中にそれを遮る形でアクアさんが唱えた魔法を受けて、ダクネスの体が淡く光った。

そして、どことなく残念そうにしょんぼりして転がっている小石を蹴るダクネス。対照的に嬉々とした様子のアクアさん。そして、アクアさんはドヤ顔で言った。

 

「この私にかかれば、デュラハンの呪いの解除なんてちょちょいのちょいよ!どう、どう?私だってたまにはプリーストっぽいでしょう?」

 

「「「……えっ」」」

 

すっかり忘れていたが、アクアさんは女神なので呪いの解除なんて朝飯前なのだろう。

けど、盛り上がっていた僕らのやる気返して欲しいなぁ……

 

てか、普段はプリーストっぽくないの自覚してたんだ…




デュラハンさんの解説は彼がまた出てきた時にします。今だと色々ネタバレになってしまいますので…
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