この妖怪の血を引く者に祝福を!   作:ゆっくり妹紅

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遅れて申し訳ございません!
ゼミの面接やらバイトやらでこんなに遅く…

とりあえず、本編どうぞ!


第7話

 

デュラハンが来てから特にこれといったことも無く一週間たったある日。

 

「多少キツくてでも、クエストを受けましょう!お金が欲しいの!」

 

アクアさんがそんなことを言い出した。

「「「ええ…」」」

 

特にお金に困っていない僕とカズマ、めぐみんは不満そうな声を出した。

 

「私は構わないが…私とアクアだけでは攻撃力に欠けるだろう」

 

ダクネスは乗り気だけど、肝心のアタッカー勢はそうではない。そんな状況下でアクアさんは泣き出し始めてしまった。

 

「お、お願いよーー!もうバイトは嫌なの!コロッケが売れ残ると店長が怒るの!頑張るから!今回は私、全力で頑張るからぁぁぁ!」

 

このアクアさんを見て女神様だと思える人はいるのだろうか?

僕ら3人は顔を見合わせ、一斉にため息を吐いた。流石に可哀想だと皆思ったのだろう。

 

「はぁ…しょうがねぇな。じゃあ、良さそうだと思うクエスト見つけてこいよ。良さそうなのあったらついてくから」

 

「ありがとう!」

 

カズマがそう言うと、アクアさんは掲示板の方へ向かっていった。そんなアクアさんを見て、めぐみんが不安そうに呟いた。

 

「あの…カズマ達も見てきてくれませんか?アクアだととんでもないものを持ってきそうで…」

 

「……だな。まあ、私は別に無茶なクエストでも文句は言わないが……」

 

「確かにめぐみんの言う通りだね…カズマ、僕らも見に行こう」

「ああ、そうだな」

 

「んん!無視とは…!」

 

勝手に悦んでるドMを放置してアクアさんのの近くへ行くと…

 

「んー…よし!」

 

「よし!じゃねえ!お前、何請けようとしてんだよ!?」

 

アクアさんが掲示板から剥がした依頼書をカズマが取り上げた。

どんなクエストを請けようとしたのか、気になって見てみると…

 

『マンティコアとグリフォンの討伐──マンティコアとグリフォンが縄張り争いをしている場所があります。放っておくと大変危険なので、2匹まとめて討伐してください。報酬は50万エリス』

 

「「アホか!(なんですか!)」」

 

僕とカズマは同時に叫び、カズマは依頼書を元の場所に貼り直した。

それに対し、アクアさんは不満そうな声を出した。

 

「何よもう、2匹まとまってるとこにめぐみんが爆裂魔法を食らわせれば一撃じゃないの。ったくしょうがないわねー……」

 

このバ…アクアさんはその2匹が最初からまとまってると考えたからこのクエストを請けようとしたんじゃないだろうか。

僕はこの人の知力がどうなっているのか疑いだしていると、アクアさんは別の依頼を持ってきた。

 

「ちょっと!これなら私にピッタリだわ!」

 

言われてどんな依頼なのか見てみる。

 

『──湖の浄化──街の水源の1つの、湖の水質が悪くなり、ブルータルアリゲーターが住み着き始めたので水の浄化を依頼したい。湖の浄化が出来ればモンスターは生息地を他に移すため、モンスターは討伐しなくてもいい。※要浄化魔法習得済みのプリースト。報酬は30万エリス。なお、討伐した場合は追加報酬あり』

 

「お前、水の浄化なんてできるのか?」

 

カズマの疑問にアクアさんはふっと鼻で笑った。

 

「バカね、私を誰だと思ってるの?というか、名前や外見のイメージで私が何を司る女神かぐらい分かるでしょう?」

 

「「宴会芸の神様」」

 

おっと、うっかり本音が。

 

「違うわよ!水よ!この美しい水色の瞳とこの髪が見えないのっ!?」

 

宴会芸スキルをやってるところをよく見るから間違えちゃうのは仕方ないかと。

でも、水の浄化だけで30万エリスとは確かに美味しい。

その後、浄化には水に直接触れる必要があるのと半日ぐらいかかる可能性がある、ということをアクアさんから聞いたカズマはある作戦を思いつきクエストを請けることになった。

 

 

*****

 

依頼にあった湖にて、アクアさんは捕獲したモンスターの運搬用に使われる檻の中に入って、湖に投入されていた。

別に業を煮やしたカズマがアクアさんを湖に不法投棄したわけではない。

緊急の際には、借りてきた馬に鎖でオリを引っ張らせて逃げる予定だ。

 

「おーいアクアー!浄化はどうだー?トイレ行きたくなったら言えよー!」

 

 

「浄化は順調よー!あと、アークプリーストはトイレなんて行かないから!」

 

いや、少なくとも人間のアークプリーストはトイレ行くと思うのですが、と言いたいところだが言うとダメな気がしたので黙っておく。

ってか、失礼だけどなんか遠くから見てるとダシを取ってるみたいだなー…

 

「閉じ込められてますけど、なんか大丈夫そうですね。ちなみに、紅魔族もトイレには行きません」

 

なんか、めぐみんも対抗してこんなこと言い出した。

あなただって人間でしょう…いや、紅魔族ってもしかしたら人間とは体の作りが違うのだろうか?

 

「わ、私もクルセイダーだから…と、トイレには……ううっ!」

 

ダクネスも同じことを言おうとするも途中から恥ずかしくなったのか、言葉を詰まらせた。

いや、あなたのドMぶり考えるとその程度全然恥ずかしくともなんともないからね?

 

「ダクネス、対抗しなくていい。こいつらは日帰りで終わらんクエストに連れてって、本当かどうか確かめてやる」

 

 

「さ、流石にそれはやめてあげなよ…」

 

「と、トイレには行きませんが謝るのでやめてください。しかし、ワニ来ませんね…このまま何事もなければ良いのですが……」

 

「ねえ、カズマ。これってフラグってやつじゃない?」

 

「やめろ、お前ら2人でフラグを建てんなよ…」

 

なんてこと言ったせいか、湖の方から声が聞こえてきた。

 

「嫌あぁぁぁ!なんかきた!なんか来たんですけど!!」

 

見ると、件のブルータルアリゲーター…長いからワニでいっか。ワニの群れがアクアさんが入った檻をとり囲もうとしていた。

ってことは僕の出番だね。

 

「それじゃ、行ってくるね。ダクネス、万が一ワニがそっち行ったら僕が来るまでカズマとめぐみんを守ってね」

 

「ああ、わかった。それと、もしそうなったら私の方は後回しでアクアの方を先に助けてくれ」

 

「相変わらずだね……」

 

僕は2枚の札を2挺のミニ八卦銃に変えると、霊力で身体能力を強化して湖の方へ向かった。

 

*****

 

ホムラはアクアをとり囲もうとしているワニに何匹がミニ八卦銃から霊力弾を放った。

しかし、ホムラが放った霊力弾はワニ達に当たりはしたもののホムラの予想よりも外皮は丈夫だったようで倒しきれてはいなかった。

 

(なるほど、普通の霊力弾1発だけじゃ倒しきれないか…なら!)

 

何を考えたのか、ホムラは足に力を込めてワニの群れの中に向かって、跳んだ。

 

「ちょ!?あいつ何やってんだ!?」

 

ホムラのとった行動が自殺行為同然に見えたカズマが慌てたように声を出した。

案の定、ホムラの存在に気がついたワニは落ちてくるホムラを食べようと口を大きく開け──霊力弾を撃ち込まれ絶命した。

ホムラは撃ち殺したワニの上に乗ると同時に、右手のミニ八卦銃を腰に着け、肩に背負ってる剣を目の前にいるワニの首あたりに魔力を纏わせて振り下ろし、首をふっ飛ばす。と、同時に左手に持っていたミニ八卦銃を後ろに向けて、先程まで溜めていた霊力を放つ。放たれた霊力弾は後ろからホムラを襲おうとしていたワニを貫通し、さらに後ろにいたワニをも貫いた。──外皮が硬いなら柔らかい内側を狙う、もしくはその外皮すら貫く威力でやればいい、というのがホムラの答えだ。

ホムラが戦っている一方、アクアはというと…

 

「『ピュリフィケーション』!『ピュリフィケーション』!『ピュリフィケーション』!」

 

早く終わって欲しいがために一心不乱に浄化魔法をかけていた。

そう思うのも無理はないだろう。ホムラがアクアを守ろうとさっきから多くのワニを討伐しているものの、カバーしきれない一部のワニはアクアが入ってる檻をガジガジと齧ったり、回したりとやっているからだ。

 

「『ピュリフィケーション』!わああぁぁぁ!今鳴っちゃいけない音が鳴ったー!ホムラさん!ホムラさあああん!」

 

「炎降刃!」

 

檻を齧っていたワニ達のうち、1匹を頭の上から炎をまとわせた剣で突き刺し、口を開けて檻を齧ろうとしたワニ達の口の中に霊力弾を放つ。

「っ!」

 

そして後ろからホムラを食わんと口を大きく開けたワニを振り向きざまに斬り裂いた。

ホムラの無双っぷりを見ていたカズマは思わず呟いた。

 

「なんか無双ゲーム見てる気分になってきた」

 

「無双げーむ?何を言ってるんですか…でも、ホムラが中々やるのは認めます。最も、爆裂魔法を操る私には及びませんが」

 

「ホムラに1回謝ってこい」

 

「……ワニ、来ないな」

 

「お前ってやつは…」

 

無双するホムラを見ながらカズマは相変わらずな仲間2名に対して頭を悩ませた。

 

*****

 

「せやあ!」

 

ホムラは気合いとともに目の前にいたワニを斬り捨てると、同時にそのワニの体の上に飛び乗り周りをざっと見渡す。数は結構減っており、あと数匹程しか残っていない。しかし、ワニ達は逃げる素振りは全く見せておらず寧ろ敵意は強まってるようにホムラは感じた。

 

(逃げる気ないなら倒すしかないけど…まとめて倒してアクアさんの負担を無くそう)

 

ホムラはそう考えると、ミニ八卦銃をしまい剣を両手で持ち、霊力をさらに流し巨大な光の刀身を生成した。

彼の剣の師である半人半霊の少女から教わり、ホムラが使う技の中でも攻撃範囲が広く、威力も高い技。

 

「断命剣『冥想斬』!」

 

振り下ろされた光輝く剣は残りのワニ達を纏めて真っ二つにした。

 

「ふー…アクアさん、ワニは全部片付けたので、安心していいですよ」

 

残りのワニがいないことを確認したホムラは剣を鞘に収め、そう言いながら、アクアの様子を見るため檻に近づく。

 

 

「アクアさん?大丈夫ですか?」

 

反応がないアクアを心配して、ホムラが中を確認すると…

 

「うええぇ…こわがったよぉぉぉ……ありがとね…!ありがとうね…!ホムラぁ…!!」

 

ガチ泣きしながらホムラに礼を言うアクアの姿があった。

 

「はいはい…よく頑張りましたね…。怖いのはもう居ませんから、ゆっくり落ち着いてやりましょう?ね?」

 

「ふえぇぇぇ…」

 

****

 

「ホムラって凄いわね!あなたの強さに免じて、死んだ後、私の直属の子ににしてあげてもいいわよ!」

 

 

「結構です(即答)」

 

 

クエストからの帰り道。

使った檻と倒したワニの何体かを乗せた馬車を引きながら僕らは街の中を歩いていた。

湖の浄化はアクアさんが言った通り半日で終わり、ついでにワニも全部僕が倒したのでこのクエストは完璧に達成した。

なお、報酬の割り振りに関しては、湖の浄化分はアクアさんが、追加報酬は僕が貰うというふうに収まった。本当は、僕の分を皆に分けて配ろうと思ったんだけど、1人で頑張ったのに貰うのは気が引けると言われてしまい、渋々下がった。

「後は、ギルドに報告して報酬を貰って今日は終わり…なんか、本当に無事に終わったね」

 

「おい、そんなフラグめいたことを…いや、街の中だから大丈夫か」

 

なんてことを話していたせいか、急に男がアクアさんに話しかけてきた。

 

「女神様!?女神様じゃないですか!」

 

早く馬小屋で眠らせてください…

 




長すぎてしまうため、みんな大好き(?)あの人は次回に先送りです。
では、本日の解説コーナーです

炎降刃:初出はロックマンX8。炎を纏った剣で地上の敵を突き刺す対地技。それより前のロックマンX5では断地炎というのがあり、こちらは地上に剣が着いた瞬間に小さい爆発が起こる(ダメージは入らないが)

断命剣『冥想斬』:東方Projectの魂魄妖夢が使うスペルカード。初出は東方萃夢想。元ネタでは、妖力を剣に流して巨大な光の刀として相手を斬るというシンプルなもの。なお、ホムラが使うと霊力の圧縮具合がまだまだなため、妖夢のと比べると弱いという設定。
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