Fate/Start Over 星譚運命再度カルデアス   作:ていえむ

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第10話 願わぬ再会

腕に嵌めらた手枷の感覚に不快感を示しながら、オルガマリーはマシュと共に薄暗い通路を歩いていた。

手枷は中央の穴にロープが通されており、その先を握る鎧姿の衛兵が二人を先導している。

同じ鎧姿の衛兵はもう一人おり、二人の後ろについて逃げ道を塞いでいた。

双方ともに大きな剣を下げており、何か不穏な動きをすれば立ちどころに鞘から鈍い光が迸るであろう。

彼女達が歩かされているのは、街の中央に建てられた元領主の館であった。

城と呼ぶにはやや小さいが、それでも大き目のスタジアムくらいの広さはあるだろうか。

通路に飾られた絵画や調度品などから元々の持ち主の品の良さというものが伺える。

だが、屋敷の奥に進むほどに明るさは陰りを見せ、陰鬱で不穏な気配が壁や床を染め上げる色となって表れてくる。

無残にも引き裂かれた絵画や砕かれた壷、無数の切り傷や杭で貫かれた跡が目立つ壁、焼け焦げた絨毯、砕けたままの窓、鼻につく異臭。

進む毎に異界の気配は広がっていき、二人の少女の理性に揺さぶりをかける。

 

『街は二人のサーヴァントによって支配されており、魔術で生み出された騎士が守りについています。正攻法での攻略は困難でしょう』

 

そう言ってゲオルギウスが提案してきたのが、わざと捕まったふりをして領主の館に潜り込むことであった。

何でも街を支配しているサーヴァントは定期的に女性を拉致しては屋敷に連れ込んでいるらしい。それを上手く利用すれば労することなく屋敷に潜り込むことができる。

囚われのランスロットを救い出すためにはどうしても領主の館に潜入しなければならず、戦闘を避ける事はできない。なので、相手が戦力を集中させるよりも早く本丸を落としてしてしまおうという考えであった。

そのため、陽動として街の外では立香達男性陣が待機しており、タイミングを見て騒ぎを起こすことになっている。

 

「ここだ。入れ」

 

扉の前に立った騎士が、くぐもった声で行き先を指差した。

そこは優雅な屋敷には不釣り合いな、石畳が敷き詰められた階段であった。

通路は蝋燭でほんのりと照らされているが、それでも薄暗くて奥の方まで見渡せない。

どこからか風が吹く度に蝋燭の炎がチラチラと揺れており、それが却って不気味さを醸し出している。

 

「我々は入らない。階段を下りれば領主様がお前達を迎え入れるだろう」

 

そう言って、騎士達は強引にこちらを階段に押し込んで扉を閉じてしまう。

お互いの顔色もよく分からない薄暗さと、足下から聞こえてくる唸り声のような音が不安を掻き立てた。

今更ながら、これは作戦としては致命的に下策だったのではないかと後悔する。

 

「行きましょう」

 

「は、はい」

 

意を決して、オルガマリー達は足を滑らせないように互いの手を握りながらゆっくりと階段を下りていく。

すると、地下全体に反響している音が少しずつ鮮明に聞こえてきた。

 

「所長……」

 

「……これって」

 

段々と大きくなっていく音に怯えながら、二人は階段を下り切って突き当りへと辿り着いた。

目の前に立ち塞がっているのは鍵もなにもない木でできた扉。音はその向こうから聞こえてきている。

この扉の向こうに、この街を支配しているサーヴァントがいる。そのはずだ。

だが、聞こえてくる音は一つだけではない。

腹の底から震えが起きるような悍ましさと嫌悪感。

開けてはならないという警告が頭の中で鳴り響く。

思わずオルガマリーは後退ろうとしたが、それよりもマシュが扉に手を伸ばす方が早かった。

直後、脳みそをハンマーで叩かれたかのような衝撃を伴って、幾重にも重なった悲鳴が鼓膜を引き裂いた。

 

「ひいぃっ!?」

 

部屋の中は松明が焚かれているのか階段よりも明るく、それが却って凄惨な光景をハッキリと映し出している。

予想を遥かに上回る光景に、オルガマリーはその場で尻餅をついた。

音だ。

悲鳴が何重にも重なって聞くに堪えない不協和音を奏でている。

楽団員は領主の命で浚われてきたこの街の女性達。

そのどれもが体の至る個所を傷つけられており、全身から夥しい量の血を流して悶絶している。

ある者は白い部分が見当たらなくなるほどに鞭で打たれ、痛ましいミミズ腫れが肌を埋め尽くしていた。

ある者は刃物で丁寧に肌を削がれて事切れていた。

ある者は全ての指を切り落とされて痛みで顔を引きつらせていた。

ある者は腹を裂かれて内臓を綺麗に並べられていた。

ある者は全身に夥しい数の虫がたかり痛みでのた打ち回っていた。

ある者は衣類を剥がされて水浸しにされたまま放置されていた。

生きている者は言葉にならぬ悲鳴を上げ、死にゆく者は少しずつ声が掠れていく。

ここは死の生産工場。身の毛もよだつ屠殺場。

集められた女性達が拷問の果てに息絶え屍の山を築く終着駅。

あまりにも凄惨な光景に、オルガマリーは目に涙を浮かべ、マシュも目の前の理不尽から目を逸らす。

遠いカルデアから事の成り行きを見守っているロマニも言葉を失っていた。

それほどまでにここで起きている拷問の数々は常軌を逸しているのだ。

 

「あら、新しい娘が来たのね」

 

部屋の奥から鈴のような声が聞こえてくる。

酔ったように興奮を隠せない、可愛らしくも破廉恥な声だ。

それと共に液体が跳ねる音が聞こえ、影の中から一人の少女が姿を現した。

最初、オルガマリーは彼女が赤い装束を纏っているのだと思った。

だが、違った。彼女は何も身に着けていない。白く艶のある肌、くびれてはいるが起伏に乏しい胴、本来は下着で隠されているべき秘められた場所まで惜しげもなく晒している。

錯覚に気づけたのは肌を伝う滴りであった。幾つもの赤い雫が怪しく光りながら床の上に垂れているのだ。

それは先ほどの女性達をなぶり者にした上で搾り取った血液であった。

女性達の悲鳴で満たされた狂気の拷問部屋で、少女は優雅にも彼女達の血で入浴に耽っていたのである。

彼女の顔は見るに堪えないほど狂気に犯されていた。

瞳孔は開き、理性の色が溶けて消えてしまっている。

張り付いた笑顔は可愛らしくもあり、不気味でもあった。

まるで深夜の暗がりの中から照らされた人形のような恐ろしさであった。

 

「うん、良いじゃない。どっちも若いし良い声で鳴きそう」

 

狂気に彩られた視線で射抜かれ、オルガマリーが体を強張らせた。

これが血の伯爵夫人と呼ばれた英霊の真の姿なのだろうかと恐怖する。

エリザベート・バートリー。またはバートリ・エルジェーベトと呼ばれる彼女は、十六世紀に生きたハンガリーの貴族であり、600人以上もの娘をその手にかけた殺人鬼だ。

その目的は己の美貌を保つためという狂気に浸ったものであり、後年の研究では精神的な疾患を持った異常者であったのではとも言われている。

恐らく彼女はその性質が極めて強く発現する形で召喚されてしまったのだろう。

肉体に関してもその影響が強く出ているのか、本来では持ちえないはずの竜の角と尻尾を有している。

今の彼女は災厄を振りまくだけの殺人鬼にして悪しき竜。

この街を恐怖で支配する血の領主であった。

 

「所長」

 

油断なくエリザベートを見据えたまま、マシュが話しかけてくる。

緊張で強張った横顔ではあったが、座り込んでいないだけ彼女の方がまだ肝が据わっているようだ。

或いはこちらに不安を悟らせまいと気を張っているのかもしれない。

いずれにしても、彼女に気遣われていたのではマスター失格だ。

オルガマリーは覚悟を決め、彼女の手を取って立ち上がる。

相手がどれほどの狂気を抱いていようと、恐怖を振りまく存在であろうと自分達には関係がない。敵であるならば倒し、人理を修復する。

ましてや彼女はマリー・アントワネットに従う者。こちらが躊躇する理由などないのだ。

恐ろしさに気を飲まれるな。

あの勇ましいケルトの勇士のように、強い心を持てとオルガマリーは自らに語りかける。

直後、屋敷全体を震わせる程の大きな揺れが起きた。

 

「きゃっ、なに!?」

 

突然の事態にエリザベートは動揺し、手近にあった作業台にもたれかかる。

揺れは一度だけであったが、代わりに固い石畳すら貫くほど獰猛な叫び声が聞こえてくる。

街の外で待機していた陽動部隊が、街を守る騎士達に攻撃を開始したのだ。恐らくはジル・ド・レェ辺りが何かしらを召喚して街を襲わせているのだろうが、地下にいても分かるほどの激しい咆哮とは、いったいどれほどの怪物を呼び起こしたのだろうか?

きっと知ればまた気が動転して我を失うことだろう。オルガマリーはそう結論付けて、傍らに立つマシュへと指示を飛ばす。

 

「マシュ! 今よ!」

 

エリザベートが動揺している今がチャンスである。

マシュは自らの手枷を力技で破壊し、得物である盾を取り出して竜の娘に飛びかかった。完全なる不意打ちだ。

こちらが囚われた哀れな生贄であると信じ込んでいた彼女にその一撃を避ける隙はなく、大上段から振り下ろされた巨大な質量は容赦なく小さな頭蓋を砕くだろう。

だが、敵もさるものひっかくもの。動揺し得物を逸している状態であるにも関わらず、マシュの動きを察知して自らの尾を振り抜いたのだ。

小さいとはいえ竜の尻尾だ。強靭な筋肉の塊が鉄よりも固い鱗で覆われており、まともに喰らえば人間の体などバラバラに砕けてしまうだろう。

しかし、ここにはオルガマリーがいる。正規のマスターではないとはいえ彼女も魔術師の端くれ。既に用意しておいた強化魔術は発動済みだ。

光と共にマシュの四肢へと隈なく流し込まれたオルガマリーの術式は、盾の騎士に羽毛のような身軽さと蒸気機関車の如き爆発力を与え、まるで空間そのものを蹴るかのように紙一重で尾の一撃を躱してエリザベートへと迫った。

振り下ろされる大盾。

振り返ったエリザベートの表情が悔しさで歪んでいく様が、まるでスローモーションのようにハッキリと見て取れる。

勝った、とオルガマリーは確信した。

次の瞬間、吹っ飛ばされていたのは竜の娘ではなく盾の騎士の方であった。突然の乱入者が振り下ろされた盾を受け止め、マシュの痩躯に強烈な一撃をお見舞いしたのだ。

 

『マシュ!?』

 

錐もみ回転しながら床へと叩きつけられたマシュの身を案じ、ロマニは叫ぶ。

一方、オルガマリーは動揺のあまり彼女を気遣うこともできなかった。

先ほどまで、欠片も気配を感じさせなかった人物がそこに立っていたからだ。

 

「ふん、お粗末だなエリザベート。狂乱に浸るのも程ほどにしておけと言ったはずだが」

 

マシュを吹き飛ばしたシルクハットの男が、心底から侮蔑するかのようにエリザベートへと吐き捨てる。

松明に照らされたその顔を、オルガマリーがよく知る人物のものであった。

見間違うはずもなかった。

自分は彼に憧れ、彼に殺されたのだから。

 

「あら、そのためのお目付け役ではなくて?」

 

「ふん……街の外縁部で清姫が小競り合いをしているが?」

 

「捨て置きましょう。あの娘なら大丈夫でしょう」

 

殺伐とした二人のやり取りが耳に入って来なかった。

気が動転してしまい、思考が回らないのだ。

ここにいるはずがない。

いてもおかしくはないが、自分の前に現れるはずがない。

意味も根拠もなくそう思い込んでいたが、現実がそれを否定する。

自分達は再びここで、邂逅してしまったのだ。

 

「レフ……どうして……」

 

レフ・ライノール。カルデアを爆破し多くの命を奪った大罪人。人理焼却を企てそれに加担する者が、エリザベートを守るように立ちこちらを睨みつけていた。

その目から読み取れる感情は哀れみではなく憤怒。蔑みすら通り越した憎悪がまっすぐ自分へと向けられている。

 

「久しいな、アニムスフィア。まったく、さっさと死んでおいた方が苦しむこともないだろうに」

 

「待って、レフ……」

 

こちらが言葉を発するよりも早く、レフの手が一閃する。

魔力を纏った強烈な平手打ち。魔術刻印が身の危険を感じて自己防衛の魔術を発動しなければ、間違いなく首が飛んでいたであろう。

だが、彼女の意識を刈り取るには十分威力であった。

 

「レ……フ……」

 

縋るように手を伸ばしながら、オルガマリーは固い石畳の上に倒れ込んだ。

薄れゆく意識が最後に捉えたものは、こちらになど目も暮れずにマシュのもとへと歩みを進め、優しく彼女の体を抱きかかえるかつての思い人の姿であった。

 

 

 

 

 

 

どれくらい意識を失っていただろうか。

オルガマリーが我に返ったのは、身を刺すほどの冷たい感覚を全身に浴びせられたからだ。

冷水をかけられたと気づくのに2秒。次に遠退いている自我を呼び起こし、現状を把握するのに3秒かかった。

目を見開くと、うすぼんやりとしていた視界も少しずつ鮮明を帯びてくる。

どうやら先ほどの拷問部屋の中央で縛り上げられているようだ。

見上げた天井には滑車が走っており、ロープの代わりに鎖で結ばれた手枷がそこを伝って柱へと固定されている。

身を捩ってみるが木製とはいえ手枷は分厚く人間の力ではビクともせず、ただ悪戯に手首の皮が剥けて痛みを刻み込むだけに終わってしまった。

しかも、足は地面に届いておらず全体重が手枷で支えられている状態であった。

水が浸み込んでしまったことで着ている服が非常に重く、水の冷たさと合わさって加速度的に体力を奪っていく。

 

「……マシュ? いないの、マシュ!?」

 

声を張り上げるが、返事はなかった。周囲を見渡してもマシュの姿は影も形もない。それどころか、地下室から人の気配が完全に消え去っていた。

いつの間にか拷問されていた他の少女達の姿も消えており、いくつかの拷問器具も片づけられていたのだ。

 

「ロマニ、聞こえる? ロマニ!? ねえ、聞こえないの!?」

 

カルデアならば現在の状況を把握しているのではと思って呼びかけるが、そちらも返事はなかった。

何度呼びかけても、重く冷たい沈黙が破られることはない。まるで世界に一人ぼっちで取り残されてしまったかのような孤独感であった。

 

「残念。フラウロスが隠ぺいの魔術を使ったから、カルデアとかいう場所と話すことはできないのよ」

 

こちらを小馬鹿にするような高飛車な声が暗い地下室に響き渡る。

先ほどと同じように闇の中から姿を現したのは、竜の角と尾を持つ少女であった。

エリザベート・バートリー。今度は全裸ではなく可愛らしい簡易ドレスのような衣装に身を包んでいる。

 

「マシュをどうしたの!?」

 

「フラウロスが連れて行ったわ。何をするつもりなのかは聞いていないし、興味もなかったからサッパリだけど」

 

つまり、まだ無事でいるということだ。もしも殺すつもりなのだとしたら、先ほどの奇襲の際にそうしていたはずだ。

とはいえ、楽観できる状況ではない。命は無事でも危害を加える方法はいくらでもあるし、デミサーヴァントという資質を考えればマシュ・キリエライトという存在は魔術的には非常に価値のある存在である。

こうしている間にも、想像もできないような魔の手が及んでいるかもしれない。

そして、マシュを助けに行こうにもこちらもエリザベートに拘束されておりこの場を脱することができない。

カルデアではこちらの異常は感知しているだろうが、外で戦っている藤丸達がここに駆け付けるには時間がかかるだろう。それ以前に敵の防衛網を突破できるかも分からない。

誰も助けに来てくれる者はいない。正に絶体絶命だ。

 

「あなた、どうしてマリー・アントワネットに加担しているの?」

 

「別に理由なんてないわ。ただ、好きにして良いって言われたから好きにやらせてもらっているの。私にとって美は最優先。だから、ここで女の子を拷問して血を集めているの」

 

それが結果的にマリー・アントワネットの目的に沿っているだけなのだと、エリザベートは締めくくる。

 

「あなたもその仲間に入れてあげる。光栄に思いなさい、私の美の糧になるのだから」

 

楽しそうに机の上の器具を物色しながら、エリザベートははしゃいでいる。

仕草だけは無垢な子どものように可愛らしいのに、やっていることは拷問危惧の選別だ。その光景を目にしているだけで気が遠退きそうになる。

これから彼女がやろうとしていることは、この部屋の惨状を見れば一目瞭然だ。

鞭を打ち、刃物で切り付け、散々に泣き喚かせた末に血を搾り取る。

生前の彼女が美貌を保つために行った妄執染みた犯罪を、この身に刻み付けんとするのだ。

良いだろう、上等だ。こちらも魔術師の端くれ、痛みには慣れている。

魔術刻印のおかげでこの肉体はそう簡単には死なないし、痛覚を遮断すれば意識を失うこともないだろう。

何よりこちらの魔術回路には何の干渉もされていないようで、励起から魔力の生成まで問題なく行使できる。

これならば残る一画の令呪でサーヴァントを呼ぶことも可能だ。

状況は最悪だが、まだ打てる手はある。エリザベートがこちらに危害を加えるよりも先に、今度こそ暗殺を成功させる。

そうやって己を奮起させ、タイミングを見計らっていたオルガマリーではあったが、次の瞬間、ソレを目にして大きく息を飲んだ。

 

「ええ、やっぱりあなたにはこれね」

 

それはゆらゆらと揺らめいていて、吸い込まれるような赤い輝きを放っていた。

時には寒さを凌ぐ為の暖となり、時には日々の糧を調理するための道具となり、時には暗闇を照らす灯となる。

包み込むような温かさを持ちながら、触れる事が叶わぬ魔性の光。人類が手に入れた最も古い叡智。

しかし、オルガマリーにとっては恐ろしい揺らめきでしかない。

揺れる輝きは、かつて自身が放り込まれたカルデアスの炎を髣髴とさせる。

そう、エリザベートが手にしていたのは、煌々と燃えている松明であったのだ。

 

「ふふっ、無駄に血が流れないし、みんな良い声で鳴いてくれるのよ」

 

瞳に怪しい輝きを携えながら、エリザベートは揺れる松明の炎をこちらに向ける。

まだ距離があるにも関わらず、熱い空気の流れが鼻先を掠めた気がした。

オルガマリーの脳裏に、無残にも生きたまま焼き尽くされた出来事がフラッシュバックする。

瞬く間に頭の中を埋め尽くしていく死という現実。

殺される。

このままでは松明を押し付けられ、彼女が飽きるまで全身を炙られた後に殺されてしまう。

嫌だ。

傷つくのは怖い。

死ぬのは怖い。

けれど、何よりもこの身を焼かれることには耐えられない。

魂まで焼き尽くされるあの苦しみに勝る辱めなど、この世には存在しない。

あの苦しみを再び味わうくらいならば、我が身などいくらでも差し出そう。這いつくばって隷属を誓ってもいい。

それほどまでにオルガマリーは炎を恐れていた。

 

「いや……止めて……」

 

「そうそう、その顔よ。さあ、悲鳴も聞かせてね」

 

「ひぃっ!! いやぁぁっ! 止めてぇぇっ!!」

 

徐々に近づいてくる松明の炎が視界を埋め尽くす。

嫌なはずなのに、目を縫い付けられたかのように逸らすことができない。

度を過ぎた恐怖は人間から思考を奪い取り、先刻までできていた冷静な判断が瞬く間に霧散していく。

魔術的な拘束は一切、されていない。身の防ぎようはいくらでもあるはずだ。

だというのに、オルガマリーは炎への恐怖の余り身を護ることを忘れ、ただ拒絶の言葉を泣き喚くばかりであった。

 

「お願い、何でもするから! 他の何をしても良いから! それだけは止めて! いやっ、止めて! いや、ああっ! あああああぁぁっ!!」

 

「そうよ、もっとよ! もっと鳴いて! もっと!」

 

「いやあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

エリザベートはオルガマリーの反応を見て子どものようにはしゃぎながら、松明の炎を少しずつ近づけていく。

額からにじみ出る玉のような汗。耳を裂かんとする悲鳴。オルガマリーは精一杯の抵抗とばかりに首を振るが、堅牢な拘束から逃れることはできず、炎の熱が頬を焼いていく。

後、ほんの数センチほど近づけられれば、張りのある瑞々しい肌に松明の炎が押し付けられてしまうだろう。

臨界点はとっくに振り切れていた。

手枷で擦れた手首の皮がめくれ、そこから滲み出た赤い滴りが枷の裏側を汚している。

神経を研磨されるほどの激痛でありながら、その痛みを上回る恐怖がオルガマリーの心を追い込んでいった。

その様子を面白がったエリザベートは、焦らすように松明を揺らして虚空に焔色の軌跡を描く。

体の線をなぞるかのようにゆっくりと松明を掲げた腕を振り、飛び散った火の粉が視界の端へと消えていった。

ほの暗い狂気の暗闇の中で、一人の少女の悲鳴と、竜の娘の狂った哄笑だけがいつまでも響き渡っていた。

 

 

 

 

 

 

時間は少し遡る。

カルデアを通じてオルガマリー達が街を支配するエリザベート・バートリーと対面したことを知らされた立香達は、陽動のために街を警邏する騎士達に攻撃を仕掛けていた。

彼らの役目は出来るだけ派手に暴れて敵の戦力を引き付け、敵サーヴァントの暗殺を試みるオルガマリー達を援護することである。

ジル・ド・レェの宝具によって兵の数だけは揃えられることもあり、異形の海魔の一大兵団を従えた立香達は街の見晴らし台を強襲し、迎撃に現れた騎士達を蹴散らしながら街の要所へと海魔の群れを送り込んでいった。

その先陣を切るのは全長3メートルはあろうかという大型海魔であり、邪魔な壁や家屋を踏み潰しつつ立ち塞がる騎士達を次々に捕食していく。その様はまるで出来の悪いモンスター映画であり、ロマニ曰く『どっちが悪役だか分からない』とのことであった。

無論、召喚した当の本人はそんなことなど気にする素振りもなく、いつものように神への冒涜を高らかに謳い上げながら海魔の行進に続いていく。

その勢いは正に破竹の如し。魔力で生み出された無尽蔵の兵力といえど、魔獣と同程度の強さしかない騎士達では相手にならない。

ならば、敵はどう出るか。無論、最大戦力の投入である。

 

「『転身火生三昧(てんしんかしょうざんまい)』」

 

それは何の前触れもなく、風のように駆け抜けていった。

さながら茂みを掻き分けて獲物に食らいつく毒蛇。しかし、その巨体は大木すらへし折ってしまうほど太く、力強い。

鎌首を持ち上げた姿は太古に絶滅した首長竜のようであり、大きく裂けた口から漏れ出ているのは炎の吐息だ。

全身が揺ら揺らと揺らめく蜃気楼のような炎で形作られていながら、禍々しいその姿は睨みつけれただけで委縮してしまうほどであった。

それは生命の頂点に君臨する幻想種。その一種である東洋の龍であった。

突如として現れた巨大な炎の龍が、海魔の群れを焼き払ったのだ。

 

「むう、小癪な真似を……」

 

肉片すら残らず焼き尽くされ、腐った卵のような異臭だけが漂う様に激怒しながら、ジル・ド・レェは炎の龍を血走った目で睨みつける。

 

『霊基パターン解析。その龍はサーヴァントが変化したものだ。ワイバーンと同じ感覚でいくと危険だ!』

 

ロマニの忠告を耳にし、立香は身構える。

事前にゲオルギウスから聞いていた情報によると、この街に常駐しているサーヴァントは二騎。

一人は街の領主として君臨し、大勢の少女達をその手にかけているというエリザベート・バートリー。

彼女は今、街の中央の屋敷でオルガマリー達と対峙しているはずだ。

ならば、ここにいるのはもう一人。

故郷は日本に伝わる『清姫伝説』に登場するは一人の姫君。

その名は清姫。恋い慕う僧を求めるも嘘で欺かれてしまい、その恨みと尚も曇らぬ愛で竜の化身にまで成り果てた妄念の乙女だ。

 

「ここが誰の街か知っての狼藉なのでしょうね」

 

空に吸い込まれるように消失した炎の龍に代わって、優雅に着地した和装の少女が問いかけてくる。

彼女こそが清姫。この街の女性を支配するエリザベートに対してもう半分、この街の男性を支配する狂戦士のサーヴァントだ。

 

「マスター、僕の後ろに。巻き込まれると危ない」

 

油断なく清姫を睨みながら、サンソンは立香を庇うように前に出る。

彼女の能力は龍への化身。通りを埋め尽くす海魔の群れを一瞬で焼き払ったところを見るに、火力もかなりのものだ。

守りの要であるマシュを欠いた状態で、果たしてどこまで戦えるだろうかと、立香は不安に駆られた。

 

「マスター?」

 

「だ、大丈夫。何でもないよ……っ!?」

 

瞬間、頬に痛みが走った。

炎が爆ぜたのだと立香が認識するよりも早く、ファントムが疾駆して清姫に切りかかる。

振り下ろされたカギ爪には、仮面越しでも伝わってくるほどの強い怒りが込められていた。

 

「お前は、許されぬ業を為した」

 

「許されないのはそちらの方でしょう? 私の前で、嘘を口にするなどと!」

 

燃え上がった炎が足下から清姫を包み込み、ファントムは咄嗟に腕を引いて大きく後退する。

少しでもタイミングが遅れていれば、腕の一本か両方を失っていたことだろう。

 

『何だ、清姫の様子がおかしいぞ? 狂化の影響か?』

 

マリー・アントワネットに与しているサーヴァントは全員、狂化が施されていると聞いている。

だから、大英雄たるジークフリートですら悪事に加担してしまっているのだ。

だが、目の前に立つ少女の様子はそれとは少し違っているように見えた。

理性を失っているのではなく、思考の形態が著しく歪められている。

この狂い方はどちらかというと、ジル・ド・レェやファントムが持つ精神汚染に近い。

そして、自分達は知らず知らずの内に清姫の地雷を踏み抜いてしまったのだとすぐに知る事となった。

 

「狂化? 私、狂ってなどおりません。狂っているのは嘘を許容するこの世界であり、当たり前のように嘘を吐くあなた方の方です」

 

カっと目を見開き、両手で頬を掻きむしりながら清姫は言の葉を紡ぐ。それはまるで、この世の在り方に対する呪詛のようであった。

 

「あなたも、あなたも、あなたも、みんな嘘をついています。戦うのが怖い癖に怖くないと言う。慕っている人と戦いたくないのに戦うと言う。このフランスを蹂躙したくて堪らないのにこの地を守ると言う。どうしてそんな嘘を口にできるのでしょう? どうして嘘を認められるのでしょう? そんなものが何になるというのです? ただ誰かを傷つけるだけだというのに!」

 

「清姫、君は何を言っているんだ?」

 

「この世の真実です! 私は嘘はつきません。あの日、あのお方が嘘をお付きになられた時から、私は全ての嘘を憎んでおります。嘘などという悪しきものは、この世界にあってはならない! だというのに、あなた方は私の街に嘘を持ち込んだ。少しずつ嘘を焼いていって、やっとここまで綺麗にできたのに!」

 

『それは不可能だ! 人間が生きていく以上、時に本音を隠さなければならない時もある! 時に真実が人を傷つけることだって……』

 

「いいえ、嘘をつかれることに勝る痛みはありません!」

 

清姫の悲痛な叫びと共に、清らかさを表すかのような白色の着物が、見る見るうちに黒く染まっていく。

同時に彼女の周囲に幾つもの人魂が浮かび上がり、耳を覆いたくなるような苦悶の声がどこからともなく聞こえてきた。

それは言葉にすらならない生への嘆き。

生きたままその身を焼かれ、死後も魂を燃やされ続けている亡者達の怨嗟の声であった。

 

「これは……」

 

『生命反応増大! なんてことだ!? 信じられないが清姫の周りにとんでもない数の生命反応が溢れ返っている! なのに、映像で確認できるのは彼女一人だけだ!』

 

「いや、いる……確かに、ここに……」

 

恐ろしい光景を目の当たりにして、立香は背筋が凍り付いたかと錯覚するほどの寒気を覚えた。

何故なら、清姫の周囲には顔の判別が困難となるまで全身を焼き尽くされた黒い人間の体で溢れ返っていたからだ。

しかも、黒い炭にしか見えないそれらは僅かでは呼吸をしており、救いを求めるかのように地面を這って清姫に縋り付いている。

途切れ途切れに聞こえてくるノイズ交じりの悲嘆は全て、清姫によって焼かれた男達の叫びであった。

ゲオルギウス曰く、清姫は街の住民に嘘を口にすることを禁じ、破った者を火炙りにしているらしい。

この場合の嘘とは、悪意ある嘘だけでなく見栄やハッタリ、善意からの隠し事、根拠のない希望的観測も含まれる。

自分の実力を誇張してはならない。

知らない事を知っていると言ってはならない。

死の病に苦しむ者を気遣い、余命を誤魔化してはならない。

お世辞を口にしてはならない。

そうして悪意なき偽証、他愛のない嘘すら彼女は否定し、禁を破った者を骨の髄まで焼き尽くすのである。

だが、彼女の所業の残忍さはそこではない。

真に恐ろしいのは、彼女の手にかかった哀れな犠牲者の魂は消え去ることなく、今も炎に焼かれ続けているということにある。

そう、厳密な意味で彼らはまだ死んでいない。

肉体を焼かれ、器となる入れ物を失ってもなお魂は逃れられず永劫とも言える業火に晒され続けている。

カルデアが感知した無数の生命反応とは、清姫の周囲に蠢く犠牲者達の魂のことなのだ。

 

「ああ、安珍様。もう放しません。その身焼かれても全ては私のもの。もうあなたは嘘など口にできない。誤魔化すことも偽ることもできない。だから、永遠に一緒にいましょう。この世界が終わる最後まで…………それを邪魔するというのなら…………」 

 

周囲の亡者達も巻き込んで、再び清姫の姿が炎の龍へと変化していく。

それは生前の思い人を今も追い求めた果てに辿り着いた、一人の少女の悲しい宿業。

狂化によってそうなったのか、元来の精神性がそうだったのかは分からないが、今の彼女は常軌を逸した嘘への憎悪によって突き動かされている。

この世の全ての嘘を焼き払い、物言わぬ魂だけを侍らせて偽りの楽園を築かんとする少女の妄念だ。

 

「さあ、あなたも安珍様になりなさい! カルデアのマスター!!」

 

咆哮を上げ、炎の龍が灼熱のブレスを吐き散らす。

咄嗟にサンソンは立香を担いで後方へ跳び、再度ジル・ド・レェが呼び出した大型海魔がファントムの援護を受けて清姫へと立ち向かった。

紛い物の幻想種と、傍流とはいえ外宇宙の流れを汲んだ異形の生物がぶつかり合い、忽ちの内に周囲は汚染された毒の炎で満たされていった。

 

 

 

 

 

 

同時刻。

暗闇の中でぼんやりと意識を覚醒させたマシュは、節々に感じる痛みに顔を顰めながら、ゆっくりと体を起こした。

目覚めてすぐに行ったのは、自身の名前を思い浮かべる事。次いで意識を失う前の記憶を辿り、記憶に連続性があることを確認する。

そうして初めて、彼女は自分が生きていることを実感できる。それは毎朝、目覚める度に行っている日課のようなものであった。

今回も異常は見られない。

きちんと自分が誰なのかを自覚でき、痛みが残った体も目立ったケガはしていない。

特に拘束もされていないようだったが、目の前には堅牢そうな鉄格子がはめ込まれていた。

デミサーヴァント化したといってもマシュの筋力はそこまで高い方ではない。煉瓦を割るくらいなら造作もないが、鉄を曲げるとなると難しいであろう。

かといって、他の三方は窓もなく叩けば鈍い音が反響する石の壁となっているため、どうしたものかとマシュは思案する。

すると、いつからそこにいたのか、背後から人の息遣いが聞こえてマシュはハッと後ろを振り返った。

 

「やあ、目覚めたようだね、マシュ」

 

「レフ・ライノール……」

 

牢の向こうに立つ男の姿を目にして、マシュは息を飲んだ。

古風なシルクハット姿の魔術師。人理を焼き尽くし、多くのカルデア職員の命を奪ったその男は、かつてそうしていた時と同じように目を細めたまま優雅に笑っていた。

 

「まったく、君なんかを酷使するなんて、本当にカルデアは人でなしだ」

 

「……あなたが、それを言いますか。多くの職員に、マスター候補達。Aチームのみんなの命を奪っておいて……」

 

「凍結保存されている彼らは、まだ死んでいないはずではないかね?」

 

「同じことです、レフ・ライノール!」

 

恐怖に呑まれそうになりながらも、マシュはハッキリとレフが仕出かした罪科を突き付ける。

カルデアを爆破して多くの職員の命を奪い、Aチームを始めとするマスター候補達を瀕死へと追いやった。

そして、人理焼却を企てた一派の者として、今もまた自分達と敵対する関係にある。

 

「何故、こんなことをするのですか!? 人類史を燃やし尽くして、いったい何をしようとしているのですか!?」

 

世界を滅ぼす理由が、マシュにはまるで理解できなかった。

この世界には多くの生命が住んでいる。人間だけでなく、獣や魚、鳥達だって生きている。

美しい自然の花々や広大な海の豊かさまでもを彼は焼き尽くした。

この世界に住まう全ての生命から命と住むべき場所を奪い去った。

そこまでしなければならない理由が、マシュにはとても思い浮かばなかった。

 

「レフ・ライノール、あなたには生命への感謝がない! でなければ、全てを焼き尽くすなんて真似ができるはずがありません!」

 

「ふん、死を前提にして考えること自体が間違っているのだよ、マシュ・キリエライト。そも君はこの世界が本当に素晴らしいもの。感謝すべき奇跡であると思っているのかね?」

 

「それは……」

 

痛いところを突かれ、マシュは口ごもる。

言えよう筈もなかった。自分には知識はあっても実感はなく、先ほどの言葉も何かの本の受け売りだ。

生命とは尊ばれるものであると、自分に知識を与えてくれたロマニから教わっただけに過ぎない。

生命の何が尊重されるべきなのか、生きることの何が素晴らしいことなのか。それを自分はうまく言葉にすることができない。

ただ漠然と()()()()()()()()()()()()()と思っている今の自分では、それ以上に言い返せる言葉がない。

 

「マシュ、こんな世界に何の意味がある? 矛盾に満ちた世界に何の意味がある? どんなに素晴らしい成果を為そうと何れは死に至る生命に何の価値がある? 国を愛していた王妃ですら全てを憎んで命を奪わんとする。それすらもまた死によって狂わされた人生だ。無価値だと思わないか? 無意味だと嘆かないか? 死ぬ事などなければ憎悪に狂うこともなかろうに」

 

「…………」

 

マシュは答えることができなかった。

レフの真意が読めないということもあるが、この短い旅路で垣間見た人類史の矛盾が彼女に小さな引っかかりを覚えさせたのだ。

国を愛し愛されていた王妃が、運命に絶望し復讐を企てる。

かつて慕った女性を殺されておきながら、憎しみを堪えて裏切り者達が住まう地を守らんとする。

慕っている女性を、再び処刑することに苦悩する。

好ましいから守り、憎らしいから排除する。そんな単純な出来事で安易に分けることはできないことに、マシュは気が付いていた。

 

「君にその気があるのなら、私は君からも死の恐怖を取り除こう。まだ悩むというのなら……それもまた仕方がない。諦めないというのなら、最後まで抗って見せるがいい、カルデアのデミサーヴァント」

 

レフが手元で何かしらの操作を行うと、鍵が独りでに外れて牢の扉がゆっくりと開いていった。

 

「牢の鍵を? どうして?」

 

「その目で世界の矛盾を目にしてくるといい。いずれまた、答えを聞きに来よう」

 

レフが指を鳴らすと、まるで最初からそこにいなかったかのように、彼の姿が消えていた。

後に残されたのは鍵が開いた牢の扉と、その中で呆然と座り込んでいるマシュ自身。他に見張りもなく、抜け出すならば今しかない。

レフの目論見はさっぱり分からないが、今はそれについて考えている時間はないだろう。急いでオルガマリーと合流し、次の対策について話し合わなければならない。

どうか無事であって欲しい。

そう胸の内で願いながら、マシュはまだ強張ったままの体を酷使して階段を駆け上がった。

悲鳴が聞こえたのは、正にその時であった。




執筆時間がなかなか取れず、今回は時間がかかってしまいました。
しばらくはペースが落ちることになると思います。

エリちゃんはCCC初登場みたいな状態、清姫も敵側ということで狂化が悪い方向に働いています。
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