種類にもよるが泳ぎは得意、木登りも出来る個体も存在する。
走る速度も人間より早く丸腰で出会った時点で(熊に闘争の意志があるなら)詰んでいる
「さぁ、ついにやって参りました!因縁のグリフィンドール対スリザリン戦!肌を刺す様な凍てつく寒さですが選手だけではなく、各寮の観客達からも熱い闘志が伺えます!実況は例年の如く私、リー・ジョーダン!」
自己紹介と共にグリフィンドール寮から爆発しそうな歓声が上がる。対するスリザリンはブーイングの嵐。
皆、試合前の熱狂に包まれピリピリしていた。
「昨年度はスリザリンの小賢しい妨害を受けて惜しくも優勝を逃したグリフィンドールですが今年は一味違います!」
「ジョーダン!」
ジョーダンのスリザリンへの罵倒をマクゴナガルがすかさず注意するのも毎年恒例となりつつある。
「そう……今年のグリフィンドールは違うのです!
シーカー不在で出場が危ぶまれていたグリフィンドールを救ったのはなんと!偉大なるあの英雄!
史上最年少!グリフィンドールの秘密兵器!さぁ!選手達の入場です!」
一斉に上がる歓声
毎年スリザリンに寮杯を取られて影を歩いていたスリザリンを除く寮からは、文字通り希望の光だった。
競技場に集まるすべての観客からの視線を集めながらハリー達は入場を行う。
「今年の注目はなんと言っても『生き残った少年』ハリーポッターと言っても過言ではないでしょう!どんな素晴らしいプレーを行うのか期待が集まります!」
大声援と大ブーイングを受ける中、ハリーの心境はとても穏やかだった。
共に練習し、手に馴染んだニンバス2000という相棒。
スリザリンからのブーイングをかき消す程の声援、実況者からの激励の言葉、そしてボロボロになったシーツに『ポッター大統領』とデカでかと書き込み旗にして振っている親友の姿が目に入ったからだ。
(温かくて心強い)
きっとこの試合は素晴らしいものになるとハリーは確信していた
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「今!試合開始のホイッスルが鳴り響き、選手達が空へ舞い上がりました!」
距離がかなり離れているにも関わらずに遠くで響く実況や歓声が図書館まで響いてくる。
知らない者は居ないと断言出来るほど魔法界でメジャーなスポーツ……クディッチ!
世界大会となれば各国から遥々大勢の魔法使いが会場に押し掛ける。
大きな大会でなくても学園で開かれれば校内には誰一人として居なくなるという事もある程の人気っぷりだ。
「本当、クディッチ様々よね…」
おかげさまで誰一人として居ない図書室で堂々と閲覧禁止の本棚を物色出来るというわけだ。
「………まぁ…流石に観戦の誘いを断ったのは気の毒に思ったけど…」
ため息と共に一人言が口から漏れる。
仕方ないよ…誘いを断った瞬間に捨てられた子犬の様な眼差しで3人とも見つめてくるんだもの……
しかし、背に腹はかえられぬ!
私が読み放題というチャンスを見逃す訳がない!
「ワー」とか「キャー」とか歓声を楽しそうだなーと聞き流しながら一人黙々と本棚を漁る………
「全く……何で勉強をこんなこそこそしないといけないんでしょうね~」
元はと言えばきちんとした闇に対する防衛術の授業が行われていればこんな事をする必要などなかった……いや、どちらかと言うと教育として魔法省が推奨する内容と言うべきか……
例えば、吸血鬼から身を守るためにはどうすればいいか?と言う問いがあったとする。
その問いに対する模範解答はこうだ
『魔法省の闇祓いによる活躍で吸血鬼の個体数は低下の一方である、最後に目撃されたのはフランス。その地方に訪れなければ遭遇する事も無いだろう。また、ニンニクや銀を嫌う傾向があるため日常的にニンニクの入った料理をとり銀のナイフを携行する事で驚異度は低下する。夜に活動が活発になるため夜間外出は控えること。』
では、人狼の場合は?
『一見人間の様に見えるため人間社会に溶け込む事が可能、その為見分けるのは困難を極める。特長としては犬歯が通常の人間よりも発達している。通常は縄張り意識があるため自らが定めた区域で行動する。特に満月の日には人間性が欠落する為注意が必要、銀の武器で付けられた傷は回復が遅い。』
お分かりになっただろうか?
確かに最初から行動範囲に入らなければ危険に脅かされない。確実な防衛手段と言える。だが、もしも運悪く遭遇してしまった場合は?
現時点での闇に対する防衛術の授業では対処法が綺麗さっぱりと抜け落ちているのだ。
「もしも丸腰で腹を空かせた野生の熊に出合ってしまったらどうするのでしょうね?」
いつ遭遇するかは襲撃する側しか分からないし明確な悪意のあるものに話し合いなど不可能
その状況で必要な物は無駄な雑学ではなく相手を殺傷し無力化させる武力なのに……
「まぁ、その心境も分からないわけでもないのだけどね」
近年、『例のあの人』と呼ばれる闇の魔法使いを筆頭に大きな『戦争』があった反動だと思って間違いないだろう。使い方を誤れば人を傷つけてしまう強力な魔法や呪いを次の世代に教えるのを拒み、その他の方法で解決させようと強要している。
マグルが行っている銃刀を規制して犯罪率を減少させる取り組みに似ている……だけど
「こちらの……魔法界では無駄な努力でしょうに…」
銃は明確な形として存在する為それを没収、所持していた者を取り締まれば良い。
では魔法は?
魔法は知識、簡単に伝えられた上に実際に使われる迄に取り締まる事など不可能。
強力な呪いを残すことを自重する一般に対して闇に傾倒する魔法使い達は揃って子供達に伝授させるだろう。
結果、罰する側の力が弱くなりパワーバランスが崩れる
そして再び戦争が起きる……
「下らない方針に従って自らの骨を埋めるのは御免だわ」
もしも安全が保証させていたのならこんな事をするつもりはなかった。しかし、頼みの綱の教師達は無能と迄はいかないが頼りになりそうもない状況。最低限自身の身くらいは守れるようにならなければとトロールの一件で実感した。
表紙がおそらく人の皮で作られているであろう本を棚に戻す。
目当ての本は、呪った相手が恐ろしい死に方をする様な呪文でも死者を蘇らせて下僕にするものでもない。
効率の良く実戦的で応用のきく攻撃魔法……
「あっ……これ良いかも……」
何気なく手に取った表紙が金糸で刺繍された豪華な本
自身の周囲を吹き飛ばす攻撃魔法…これなら狙いを付けずに発動出来る。
「おっと……ポッター選手!箒のコントロールを誤ったか?…………おい……大丈夫か?あれ……どお見てもおかしいぞ!?」
一際大きく響く悲鳴の様な歓声
「……あっちは楽しそうだな~」
競技場ではハリーの箒が大変な事になっているが、そんなことは図書館に居るジェーンが知る筈もなかった……
補足:ジェーンの思う平和とは
各勢力の力が拮抗した状態
その状況で戦争した場合、利益と損失の身合わないと判断出来る期間
次の戦争の為の準備期間