鏡の中のアリス   作:ブルーな雛菊

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ちょっと書き方を忘れてしまった…というか今書いてる別の小説に引きずられてしまった感じの雰囲気になってしまってますw

秘密の部屋からはまた明るい感じで書けたらいいね!知らんけど!!


一年の終わり

「失礼します。」

「・・・ハリー・ポッターの面会ですか?」

 

ジェーンはグリフィンドール生と見るや否や渋顔をするマダム・ポンフリーに対して自然と笑みが零れた。

 

「まだ意識は戻っていないというのに物好きな方の多い事、多い事。」

「あはは・・・先生もお疲れ様です。」

 

例の件から既に3日が経った朝。

多くの生徒が英雄、ハリーポッターの顔を見ようと病室に訪れた。

勿論、マダム・ポンフリーにとっては招かざる客であるフレッドとジョージの姿があったのは言うまでもない。

一向に退出しようとしない生徒を追い出し、意識のない患者に落書きをしようとする不届き者に出禁を言い渡し、休憩時間の度に代わる代わる訪れる生徒の波を捌く()()に心底うんざりしてた様子にジェーンはねぎらいの言葉をかけた。

 

「貴方みたいに行儀のよい子なら負担にはならないのですが」

 

「そうでない方が過半数?」

 

「ええ、残念ながら。これで終わりならまだ我慢できるのですが、私の勘では・・・」

 

「後6年間・・・ありますものね・・・今度、紅茶でも差し入れますよ。」

 

それは見事な『苦虫を噛み潰した様な顔』をする教員に、声を上げて笑いだしそうになるのを必死に抑えるジェーン。

いっそ笑ってしまう?そんなことしたらハリーのハの字を言う前に病室から追い出されてしまいますよ。

顔面の筋肉を総動員して必死に無表情を作るジェーン。その努力を知るものは居ない(※悟られたら追い出されます)

 

一番奥の窓際。

(ああ、入り口にハリーが居たら渋滞して病室が閉鎖されますものね)と一人納得するジェーン。

3日目、そして授業(闇に対する防衛術(自習))を抜け出したせいか病室には生徒の姿はない。

 

「おや、今は授業中だと思うがの。」

「後回しにしてきた結果、今があります。」

 

「ならば、学業よりも()()()()()と言えるの」

「感謝します。」

 

※「授業をなにさぼっとんねんワレ!?」「サボらなかった結果ここまでお見舞いに来る時間が出来なかったんだよ!察しろ!」「仕方ないな、儂から今回のサボりの件は口添えしてやるよ」「おう、分かればいいんだよ。分かれば」などという会話を狸爺と卒なくこなし、爺の隣の席に腰を掛けるジェーン。

 

「マダムは何も言いませんでしたがあれは・・」

「おそらく列をなして毎日面会に来るものだから時間の感覚が無くなっているのじゃろう。」

「それは難儀な・・」

 

静かにマダムへ黙祷をささげた。

 

ピクリとも動かないハリーを眺めながらジェーンは問う。

 

「ハリーが闇の帝王の眷属を退け賢者の石を守った。皆が知っているのはここまでですね。どこまで話されるおつもりですか?」

「この件は秘密でな。秘密というのはつまり、学校中が知っている事じゃ。儂は努力した者には相応の評価を与えるべきだと考える。それが実を結ぶか否かはさておいての。」

「そうですか。」

 

ジェーンは瞳を閉じ静かに考える。

 

「可能なら私の事は口外しないでください」

「はて?一番の功労者が功績を辞退するのかね?」

「悪を倒した。魔の手から退けた・・・といえば聞こえはいいですね。ですが・・・」

 

両手をまじまじと見つめる少女にダンブルドアは掛ける言葉を見失っていた。

 

「ねぇ、先生。来年からは平穏が訪れると思います?」

「儂等教員は生徒たちの安全を第一に考えておる。」

 

「そうですか。私は興の乗らない音楽で踊ることは出来ませんので。」

「それは重々承知しておる。」

 

頷きもう話すことはないと立ち上がるジェーン。

最後に振り返りこの学校の最高責任者に問う。

 

「それは・・・女子トイレの便座ですか?」

「・・・・・ああ・・・・便座じゃの・・・・女子トイレの・・・」

 

こうして2人の会談は終わった。

ハリーが目を覚まし、便座の上に真顔で座るダンブルドアを目撃するのは15分後のことであった。

 

 

その夜の学年度末パーティー。広間に入り目にするものは緑とシルバーのスリザリンカラー。蛇を描いた巨大な横断幕。そして自身の席にふんぞり返るどや顔のスリザリン生だった。

 

(・・・・・面白くない)

 

それがジェーンの正直な感想。

もともと寮杯には興味は無かった。だからこそ3人がやらかして盛大に減点された時に責めることはしなかった。

ただ、この場の空気が嫌いだった。そしてこれから起こるであろう展開も。

 

ハリーの診察が終わり遅れて入場。それまで談笑してた生徒達が一斉に黙り静寂が生まれる。

グリフィンドールの席から

「おーい!ハリー!便座の座り心地はどうだった?」

という声を皮切りに再び広間に話し声が溢れかえる。

 

「ハリーお帰りなさい。」

「久しぶり、ジェーン。」

 

会話といえばこの程度、ハリーは最後の部屋での出来事は最後まで見てはいない。

彼の中ではクィレルと戦い意識を失った直後に駆けつけたダンブルドアによって一命を繋ぎとめたとなっている。

この事は校長とジェーン、2()()()()()()()()()()()()()

 

「また一年が過ぎた。」

「私お花積んでくる。」

「えっ!?もう発表が始まるよ!?」

「結果は見なくても分かるわ・・・・」

 

広間から聞こえる歓声を背に、お手洗いへと目指す。

 

「駆け込みの点数をいくつか与えよう。えーと、まずはロナルド・ウィーズリー君」

 

この空気が嫌だ。

数日前まで彼らを厄介者として笑ってたくせに

 

「この何年間か、ホグワーツで見ることの出来なかった様な最高のチェスゲームを見せてくれた事を称え、グリフィンドールに50点与える。」

 

広間に木霊するような大歓声が離れた場所でも伝わってくる。

 

それがどうだ?

「次にハーマイオニー。グレンジャー嬢に・・・火に囲まれながら冷静な論理を用いて対処したことを称え、グリフィンドールに50点与える。」

 

まるで掌を返したように英雄扱い。情報に踊らされ真実を知ろうともしないで人を嘲笑う。誤解と分かれば笑顔で歩み寄り「悪かった水に流そう」などと口にする。

 

「三番目はハリーポッター君」

お前の様な奴らに()()は殺された。

 

 

「儂等教員は生徒の安全を第一に考えておる。」

その言葉が本当ならこの事件も調整された舞台だったのでしょうか?

 

「私は興の乗らない音楽で、踊ることは出来ませんので。」

これから先も死ぬか否かのギリギリのラインで踊らされるというのでしょうか?

 

「その完璧な精神力と、並外れた勇気を称え、グリフィンドールに60点与える。」

 

大歓声。計算が確かなら今、スリザリンと同点の筈だ。

 

「いい事だけでなく悪いことも清算しないとじゃの。」

「病人の見舞い品には過激すぎる物を送り付けた生徒がいる、微笑ましい悪戯ではあるが校内の便座を根こそぎ破壊されては叶わんからの・・・グリフィンドール50点減点。」

 

悲鳴に似た叫び。それを打ち消すように校長の話は続く。

 

「勇気にもいろいろある」

 

「可能ならば私の事は口外しないでください。」

 

「敵に立ち向かっていくのにも大いなる勇気がいる。」

 

洗いすぎて真っ赤になった手をそのままに水を払う。

蛇口を捻り水を止める。

「儂からもお主に質問じゃ、そこの鏡で何が見えた?」

 

「鏡は鏡でしかない・・・そうでしょ?ダンブルドア。」

嫌悪感を滲ませる言葉とは裏腹に、鏡に映る顔はまるで風のない水面の様に凪いでいた。

少女の唇から言葉が漏れる。

 

「しかし、味方の友人に立ち向かうのにも同じくらい勇気が必要だ。そこでネビル・ロングボトムに60点を与えたい」

 

「闇の眷属を殺害したことを称えジェーン・ウィルソンに50点って所でしょうか?そんな称賛は私は望んでいない。」

もがき苦しむ最期の姿、徐々に呼吸が浅くなり…消えていく。

どう取り繕っても私は人殺し。

裁かれる事がないからこそ黒い鎖が自身の心を蝕んでいくように感じられて震えが止まらなくなる。

 

「タスケテ…」

「ゴメンナサイ……」

 

ーーーー

キングズ・クロス駅

プラットホームに降りて別れを惜しむ生徒、家族の再会に喜ぶ者達。

 

「それじゃ私はこれで…」

「大丈夫?学期末からなんだか変よ?」

 

「色々な事があったからね~」

「そ・・・そうよね!来年はきっと素敵な年になるわよ!」

 

「ふふふ。良い休日を。ハーマイオニー」

「貴方も。良い休日を。ジェーン。」

 

迎える家族の居ない少女は誰にも気づかれることの無いまま駅から姿を消した。

 

 

 

 

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