辺りが暗くなり始め、落ち着きが無くなっていく新入生達。
列車の窓から見える景色は漆黒。見渡したところで、街灯の明かりや民家の照明も見えない。雲の隙間から時折見える月明かりが通過していく木々達の黒いシルエットを写し出すだけだった。
列車は速度を緩め、やがて停止する。
「いっちねん生はこっちー!いっちねん生はこっちー!!!」
新入生が汽車を降りると、3mを越える大男が待ち構えているのだ。まさに土肝を抜かれる。大口を開けたまま停止した新入生は毎年恒例になるのかもしれない。(去年はネビル、シューマス、ゴイルがフリーズしていた。)
「組分けで所属する寮を決めるための試験があるらしいぞ。」
「どんな試験なの?」
「先輩達は教えてくれないんだ……」
筆記試験どうしよう。絶対、僕は
マグル産まれの生徒はもとより、純血の………魔法使いの家族に囲まれて育ったジニーも例外では無いようで、「グリフィンドール、グリフィンドール」と壊れた人形の様に呟いていた。
「大丈夫だ、ジニー。お前なら筆記試験も楽勝さ。」
「問1、ハリーの今日の朝食は?問2、ハリーの好きな教科は?問3、今日、着用しているハリーの下着の色は?」
「ほら、お前なら目を瞑っても満点さ!」
腹を抱えて笑う双子。
組分けに関するデマ情報を下級生に教え込むのも恒例と言えるだろう。
「シンシオ(黙れ)」
「ジニー、心配しなくても大丈夫よ。貴女に合った寮に振り分けられるから。」
「グリフィンドールじゃなきゃ駄目なの!ハリーと一緒の寮じゃなきゃ意味ないの……」
口がふさがりモゴモゴしている赤毛の双子。ジタバタと暴れまわってるのを『どこ吹く風』の様にスルーしてハーさんは優しく(小刻みに震える)ジニーにアドバイスを授けた。
「グリフィンドールか~……いい?ジニー。トロールは分厚い脂肪で守られているの。貴方一人の力では有効打を与えるのは難しいわ。」
「ど……どうしたの?ハーマイオニー?」
懐かしいな~去年のハロウィンでは山トロールがパーティーに参加したっけな~。4人で攪乱しながら袋叩きにしたっけな~。・・・ハーさんは気絶してたけどな!
近くに居た新入生たちがが『何いってるんだコイツ』みたいな顔をしているが構わず続ける。
できる限り、口角を上げないように……噴き出さないように真顔で話すハーさん・・・
「素早く動いて攪乱して。「ちょっと待って!本当に試験でトロールと戦うの!?」」
声色も極めて真剣に。聞き耳を立てていた周りの新入生も、今となってはジニー達を取り囲む様に近寄って来ている。まるで一言一句聞き逃さないという強い意志を感じた。
(これから起こりうる試験で、何も情報が無いのは怖いものね。)
フレット&ジョージのように日常的に悪戯や嘘を吐いてる者よりも、見るからに優等生のオーラが出ているハーさんの嘘は普段の行いの性もあり、説得力は甚大だ。
「私も、ハリーも、貴方のお兄さんのロンでさえトロールと戦ったのよ。ね、そうでしょう?ジェーン。」
「え・・・・・まぁ、戦ったのは確かね・・・・。」
確かに私も戦ったし、トロール以上に危険度の高い怪物とも対峙する事にもなったな~っとチラリとハグリットの方へ視線を送る。
視線に気づき、ビクリと肩を震わせる大男・・・
「色んな事がありましたね~お陰様で。」
トロール以上に危険な3頭犬の縄張りに侵入する事にもなったね。
冒険せざる負えない状況に追い込んだ元凶・・・・ハグリット。ハリー達は全て水に流したのだろうか?
私は彼が清算したとは思えない・・・ハリーを見捨てた時点で管理人として、人としての信用は地の底へ沈み込んでいる。
最も・・・・長年、動物と触れ合ってきた感があるのか友好的ではない動物(私)には、決して近づこうとはしないのだが・・・
「試験内容は詳しくは話せないけど、貴方達なら上手くやり遂げれると信じてるわ。」
ハグリットに連れられトボトボと湖の方へ誘導されていく新入生。
吸い込まれそうになる程黒い湖面は、月や星々の光を反射してまるで鏡の様に映し出している。
進むにつれてやがて鮮明に見えてくる巨大な城。
松明と蝋燭の炎の明かりで照らし出された城は雄大で、きっと記憶に残り続ける様な幻想的な仕上がりになっているだろう。
(周りの景色を眺める余裕のある生徒が何人居るでしょうか?)
自身達が新入生だった去年の事。ボートの中ではハーさんが呪文の復習で念仏の様に唱えていたし、城の前ではロンが「凄く痛いってフレットが言ってた・・・もしかしてトロールと戦うのかも?」と言ったせいで周りの生徒は恐慌状態。・・・・今年の子達は楽しむ余裕があればいいけどな・・・。願うばかりである。
「ねぇ、ハーさん。なんであんな事吹き込んだの?」
「そうねー。きっと今頃、不安でいっぱいだと思うの。だから、あらかじめトロールと戦うくらいの心構えだと実際に組み分け帽子を見た時に
~こうして先輩達が後輩にデマを広める伝統が出来上がるのであった~
新入生は湖。そのほかの学生は
「去年の年度末にもこの馬車に乗ったけど、どんな魔法が掛けられてるのだろう?不思議よね。」
物凄い速度で疾走する馬車。
揺れは無いとはお世辞にも言えないけども魔法の力か、それとも高性能サスペンションが内蔵されてるのか・・・速度の割には不快と思えるほど乗り心地ではない。
在校生は陸路で迂回するにもかかわらず、水路直線ルートの新入生よりも到着が早いのはこの馬車のスペックが高いからと言える。
力強く疾走する骨と皮だけの黒い肢体と、まるでミイラの馬にドラゴンの翼を取り付けたヘンテコな姿な生物。
「ボートみたいに魔法で引っ張ってるのかしら?」
「案外、馬が馬車を引いてるのかもしれませんよ?」
そんなことはあり得ないと笑うハーマイオニー。
他の人には
ハーマイオニーだけではない、他の人に見えないものが見える私・・・・この事実をいったいどの様に受け止めれば良いのだろう?この事実にどれ程の意味があるのだろうかと・・・。
ーーーーーー
「マクゴナガル教授、イッチ年生の皆さんです」
「ご苦労様、ハグリッド。ここからは私が預かりましょう。」
マクゴナガル先生が扉を大きく開けて新入生達をホールに招き入れる。
在校生が寮の席に着き、準備が整うまでホール脇の小さな小部屋で待機・・・これらは例年の流れ。
やがてマクゴナガル先生を先頭に新入生が一列になって大広間に入ってくる。組み分け帽子が歌を歌い、組み分けの儀式が始まる。
帽子を見たジニー(話を聞いて居た新入生含む)が物凄い勢いでグリフィンドールのテーブルを見回し、隣に座るハーマイオニーを涙目で睨みつけている。
「それで・・・・彼女がグリフィンドールになったら間近で苦情言われる事になるし、他の寮に決まったら廊下ですれ違った時に後ろから呪いを掛けられるんじゃないかしら?」
「そうね、気を付けないとね。
私を巻き添えにした挙句、更に追い打ちの様に殊勝な笑顔で新入生に手を振っている・・・・やめなさい、本当に刺されるぞ!?
・・・・勿論、帽子を被って1秒も満たない時間で「グリフィンドール」と組み分けされたジニーが私の横に座り、私を挟んでハーさんとジニーが無言で笑いあってたのはとても愉快で、その後に食べた食事の味が全くしなくなったとさ!チクショーめ!!
帽子を被るジニー
(グリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドール)
(……君には勇敢であろうとする精神が宿っている。だが、手段を選ばない狡猾さも持ち合わせているようだ)
(あ"?トロールのパンツに縫い合わされたい様だな?)
『グリフィンドール!』
この間およそ1秒未満
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ハッフルパフが落ちこぼれって言われること多いですが
自分としては一番《まともで》良識のある寮としか見えなくなっているw