「ところで貴方、昨日の夜は何所で寝たの?寮の寝室には戻ってこなかったようだし・・・ハーマイオニーったら心配して部屋の中をグルグルしてたわ。」
「そうそう、お陰様で此方まで安眠できやしないし!」
ハーマイオニーと私、そして目の前の2人の計4人で一つの部屋を使用している。
「まるで犬みたいな・・・「間違いなく昨日の彼女は犬だったわよ。」」
「そうそう!同じところをグルグル回って、まるで捨てられた子犬みたいに声を上げるの!」
「私達も気になって・・・お陰様で私達も寝不足よ!」
あの後、寮の方では色々と大変だったみたいだ。
言葉では咎めるように質問してくる2人だが、端々にジェーンを気遣うような表情を浮かべているので不快感はない。
「ごめんなさい、迷惑を掛けて。」
「・・・で、実際の所何があったの?ハーマイオニーと喧嘩でもしたの?」
「確かに彼女、いつもピリピリしてる所があるけど登校初日に喧嘩するなんて中々よ?」
本題とばかりに身を乗り出して訪ねてくるラベンダー。隣のパーバティーも心なしか目が輝いているようにも感じる。
この二人は・・・何というか、簡単に言うならミーハーだ。占いの話や、寮生(上級生達)の恋愛事情、噂話を集めるのが好きで2人の興味のある方向だったならば情報屋としてもやっていけるんではないか?と思えるぐらい把握してる。
そんな二人には、友人と珍しく喧嘩した今の私の状況がとても興味深く感じるのかもしれない。・・・もっとも、ハーさんとは喧嘩はしてないのだけどね。
「彼女がとは喧嘩はしてない・・「じゃあ何があったの!?」」
「・・・・・車を盗み出すなんて退校処分になっても当たり前です。首を洗って待ってらっしゃい。承知しませんからね。」
突然(聞き覚えのある)女性の怒鳴り声がホールに反響し、パーバティーが食べていたトーストを詰まらせ咳こんだ。
「あれですよ・・。」
「あ~・・・・。」
音の発生源。赤い封筒を持って椅子の上で小さくなっているロンを顎で指して、「これ、以上巻き込まれるのは嫌なんです」と説明するとすんなりと納得してくれるのは、やはりハリーとロン、2人の日頃の行いの賜物なのだろう‥。
昨日、列車内や校内をハーさんジニー、私で探し回ってたのは周知の事実であり「ご苦労様」とばかりに同情の視線を向けてくるのだ。
「あの二人も悪気があってやってるわけではないんでしょうけどね。」
「それでも実際、巻き込まれた身としては堪ったものではないのは理解できるかな・・・でも、寮を離れる必要までは無かったんじゃない?」
「・・・と思うでしょう?最終的には巻き込まれるんですよ!手を貸さないといけない状況に陥るんですよ!それはもう、半径50メートル以内には近づきたくないって思うくらいには可能な限り距離を置きたい!」
助けを求めても真剣に受け止めてもらえないという背景もあった(主に教師陣)それでも、子供達だけで問題に立ち向かうには危険すぎる事を平気でやろうとする。
そして、一番残念なのは
結果、自分達で対処できると自身の力を過大評価してしまい如何なる困難にも立ち向かおうとしているようにも感じられる。・・・例えそれが勝ち目のない戦いでも。
これではまるで、
「・・・・一度挫折を味わうといいんだわ、心がへし折れるような。」
どう思う?とパーバティーが隣のラベンダーに問うが、即答で説得は無理ねとため息交じりに返事を返す。
「それでも、その時は手を貸すんでしょ?」
心配そうに尋ねるパーバティー。
目の前の二人を背にジェーンは席を立った。
「私は平和が好きなんですよ。今の何気ない日常に感謝してるんです。」
だから、私はきっとその時がくれば・・・・
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「夏季休暇の間に昨年詰め込んだ知識が抜け落ちていない事を願います。既にご存知の通り変身術は高度な学問の一つです。動物を物言わぬ椅子に変える事も出来れば、魂の無いテーブルを鳩に変化させ優雅に空を飛ばすこともできます。そして、変身術を極めれば・・・・」
目を離した一瞬でマクゴナガル先生の姿は消えて、代わりに先生の居た場所には猫が行儀よく座っていた。目の周りの毛並みだけが一部、他の場所とは異なっている為まるで猫が
目つきが鋭いせいか少し近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、少なくてもミセス・ノリスよりは毛並みが良く、可愛いなとジェーンは先生の姿を眺めながら考えていた。
「このように、自身の姿を人族以外の姿に変化させることも可能となります。この学問では呪文の正確な発音、正確な杖の振り方だけではなく変化させた対象が、どの様な姿なのか。どの様な色で、どの様な硬さで、どの様に動くのか。といった形で術を使用する者の記憶やイメージ力、内部構造の把握など様々な知識が必要となります。誤った術を使用してしまった場合、最悪元の姿に戻すのが困難になる可能性がありますので心して取り組むように。」
猫から人の姿に戻った教授が説明を続ける。
「さて、皆さんには手始めにコガネムシをボタンに変えていただきます。変化させる素体を各自、取りに来てください。」
といった形で、今季初となる変身術の授業は始まった。
昨年、ネズミを嗅ぎ煙草入れに変化させるのに比べたら確かに
先に取り掛かっているハリー達横目に呪文と杖の振り方、雑学をノートに書き込み、素体を取りに行く。
動物は動き回るから、小瓶から出した瞬間に金縛りの術で拘束する。
しっかりと狙いを定め、ボタンの形状を思い返しながら魔法を唱える。結果は・・・
「夏季休暇で久しぶりだったけど・・・まぁ、こんなものよね。」
派手な装飾もない何の変哲もないコートのボタン。
見回すとハーさんはいつも通り、難なくこなしている。ハリーのコガネムシは机の上で逃げ回り、ロンに至っては彼の席だけ煙に包まれ、時折パンパンと炸裂音が響いてくる。
「派手な登校をした時に杖を折っちゃったみたいよ。それより、ボタンに変えるコツを教えて。」
ロンの方を眺めているとラベンダーが親切に教えてくれた。いや、教えを請われたのか・・
「ボタンの素材はポリエステル樹脂です。回転する台に樹脂を流し、遠心力で均等に引き延ばします。完全に硬化する前にプレスでボタンの形状にくり抜くという制作方法をしています。「いや、その説明で分かる方がおかしいから!ハーマイオニーくらいしかその説明、理解できないから!!」」
確かに、魔法使いの家庭ならば便利な魔法が身近にある為、材料や構造など理解する必要がないのかもしれない。その点、マグル産まれの人の方が日頃から不便の中生活している為、物の構造や製造方法を理解しているのかもしれないと思い当たる。
「お手本なら貴女の服にもついてますよ。
「なるほど!」
そんなこんなで昼休みのチャイムが鳴り、生徒がぞろぞろと教室から出て行った。
ロンとハリー?勿論居残りで練習ですよ★
「待って!ジェーン!!もう、先に行っちゃうんだもん。やっぱり変身術は他の教科と比べて難しいわね。これ、私が変えたボタンなんだけどどうかしら?中々の出来だと思うのだけどマクゴナガル先生は加点をくれなかったのよね・・・確かに去年の年度末の試験に比べたら、コガネムシをボタンに変える事なんて
追いついてきたハーさんの頭をワシャワシャと撫でながら話を聞く。気持ちよさそうに目を細める辺りどう見ても犬にしか見えない!
「それで・・・やっぱり昔みたいにみんなで一緒に・・・ってわけにはいかないのよね。」
「うん・・・もう、振り回されるのに疲れちゃってね。ハーマイオニーも私と一緒に来る?」
「・・・・ごめんなさい。誰かがあの二人の面倒を見ないと。きっと取り返しのつかない事になると思うの。」
暫く黙り込んだ後、絞るような声で返事を返すハーさんをもう一度撫でる。
「貴女と喧嘩してるわけでもないし、今生の別れでもないのだからそんな顔しないでよ~。助けが必要になったら教えて。あの2人の目に入らない所で可能な限り協力するわ。ほらほら元気出して!次の授業は楽しみにしていた防衛術よ~~」
「ジェーンもすっかりロックハートのファンね。「ファンとはちょっと違うかな~でも彼の歩んできた道のりには興味があるよ。」」
雑談しながら食堂へと歩く。
私は平穏が好きだ。
マクゴナガル先生をモフモフしたい
ハーさんをモフモフしたい!
前回、何も言わず寮から家出したので心配している学友に説明会。
因みに寮以外の何所で生活しているかは後々!
見捨てると仄めかしてるけどもハーさんには弱いジェーンw
皆が居る日常が平穏だと思っているのでいざとなったら結局は自分から介入する事になりそうw
尚、ハグリットは除く
何だかんだで今年も僅か!
来年度もよろしくです!