列車が止まり、舟に乗せられどんぶらこ。
9月になったばかりでまだまだ残暑が残る日々が続いているが、舟の上は心なしか肌寒かった。
一年生が舟に乗り込み一斉に湖の上を滑る様に動き始める。
前方に壮大な城が見え始めた頃には大半の生徒は圧倒され緊張し始めている。
一同、険しい顔で城を見据える様はまるで『まるで魔王城に向かう勇者一行』『上陸作戦』という思考が頭から離れずにジェーンは一人クスクスと笑っていた。
城に到着、ハグリッドが分厚い扉をノック
扉はすぐに開き、中には見るからに厳格(堅物)そうな黒髪の魔女が待機していた。
「ご苦労様、ハグリッド。ここからは私が預かりましょう」
マクゴナガル教授に案内されホール横の小さな小部屋へ。
「ホグワーツ入学おめでとう。新入生の歓迎会がまもなく始まりますが「教授!その前にお手洗いに行きたいのですが」」
「………………」
はい、私です。
途中で話をぶった切ってすまないと思う。
でも、精神衛生的にも気になり始めたら気が散ってしまうのですよね~
悪いとは思ってますよ?だからそんなに睨まないで!
「ホールに先程のハグリッドがまだ居ます。彼に案内してもらいなさい。」
「いぇす、まむ!」
敬礼した後に退室。マクゴナガル教授の眉間が凄い事になっているが気にしたら負け
手洗いを済ませて小部屋に戻ると入口近くにハーさんが待ち構えていた
「もう、ジェーンたら!いつも一人で行っちゃうんだもん。私に声をかけてくれたら一緒に付き合ったのに……ああ、でも分かるよ!その気持ち!試験前とかドキドキが止まらなくてソワソワしちゃうよね!?私も間違ったテスト範囲で試験勉強してないかとか何か見落としが無いかとか考えちゃうもん。酷い人はプレッシャーで体調崩したりする人もいるみたいだし試験前に一度リセットするのも良いみたいね。ところで寮の組分けの内容なんだけど、どんな試験をするのだろう?私、まだ人狼の特性や行動範囲まで目を通してなくて不安な所があるの。魔法の家系の子にテスト範囲聞いてみたのだけど皆知らないってしか答えてくれなくてね……ねぇ!ジェーンはどう思う?」
周りの生徒からも組分けに関する憶測や噂を話す声が辺りに蔓延していた。
入学前、しかもマグル……非魔法族出身の魔法使いも居る状況で魔法の実地試験や魔法界の一般常識の筆記試験は無いだろうと当たりをつけてのんびり構えてるのはジェーンくらいなものだろう。
「さぁ?方法は知らないけどあったとしても特性検査くらいじゃないかな?」
「ん~でも呪文とかのテストが「あったとしてもハーさんは十分テスト範囲クリアしてるから問題ないって!」え…ええ、そうね。」
扉が開き再びマクゴナガルが入室
それまでの喧騒が嘘のように静まった。
「さあ、行きますよ」
マクゴナガル教授の後に続いてホールへ
そこには何千もの蝋燭が空中に浮かんでおり、天井を見上げると星空が浮かんでいた。
「本当の空に見えるように魔法がかけられてるのよ。ホグワーツの歴史に書いてあるわ」
ハーさん解説ありがとう
帽子が歌い始める。
どうやら帽子を被れば寮を決めてくれる様だ。
歌を聞き終えた一年生の間には「騙された」と憤慨するものや試験ではないと分かり安堵の息を吐く者と反応は様々。
そんなこんなで最初の一人目の名前が呼ばれる
「アボット・ハンナ」
『ハッフルパフ!』
「ボーンズ・スーザン」
『ハッフルパフ』
私はWilsonなので最後の方
徐々に自分の名字へと近づい来るのはまるでカウントダウンされてるかの様で心臓に悪い。
「グレンジャー・ハーマイオーニー」
『グリフィンドール』
満面の笑みでグリフィンドール寮の席へ向かうハーさん
お目当ての寮に行けて良かったね~と拍手を贈る
「ポッター・ハリー」
ホールがざわついたがすぐに沈黙に変わる
其所に居る全ての人がハリーという人物の組分けに注目している。
ハリーが帽子を被り幾分かの時間が過ぎる
『グリフィンドール』
一斉に今日一番の割れんばかりの盛大な拍手が起こる、有名人は大変そうだ。
その後は緊張が切れたかのように組分けへの注目が閑散となった様に感じてしまう。
流石に注目を集めすぎるのは居心地が悪いので自分としてはありがたいのだが。
「ウィルソン・ジェーン」
私の番か……大丈夫、誰も私になんて注目していない。
ホールの中央の席におもむき帽子を被る。
(ふむ、心を開いてくれんかね?)
耳からではなく頭の中に直接響く声
心を開く?座禅でも組んで悟りを開かなきゃいけない?
(違う違う、そうじゃない!)
(………では、何処の寮にいきたいかね?)
それを決めるのが帽子の役目でしょ?
(そうなんだが……希望を言ってくれ)
こいつ放棄しやがった!
しいて言うならグリフィンドールかな、友達いるし
『グリフィンドール』
こんなに大雑把な組分けで大丈夫なのだろうか?
首を傾げながらグリフィンドールの席へ向かった。
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ハリー視点
歓声と拍手に包まれながらハリーはグリフィンドール寮の席へ向かった。
「ポッターを取った!ポッターを取った!」
ウィーズリー兄弟は雄叫びの様な歓声を上げ、監督生のパーシー・ウィーズリーはハリーと力強い握手を交わす。
上座の来賓席に座るハグリッドはハリーに親指を上げて「よかった」と合図を送った。
ハリーの組分けの熱は冷めず、後続の生徒の組分け時にもハリーを讃える話し声は消えなかった。
静粛な式を行う事を諦めたマクゴナガル教授が生徒の名前を読み上げる
「ウィルソン・ジェーン」
名を呼ばれ、小柄な少女がホールに躍り出る。
緊張してガチガチになるわけでも、逆に堂々と胸を張って歩くわけでもない。
まるで近くのコンビニに赴くかの様な軽やかな足取りで帽子の前へたどり着いた少女。
周囲の関心が未だに組分けに戻っていない中、ハリーはその少女に注目していた。
毛先にいくにつれて徐々にウェーブのかかった銀髪
透き通る様な鮮やかな銀色の瞳
黙っていれば人形と間違えてしまうような端正な顔立ち
一度まじまじと見たら早々忘れることの出来ない印象を残す少女…
(ジェーン…確か、ハーマイオーニーが紹介しようとしていた子だっけ?)
名前に聞き覚えがあるのは当然か…
ならば、姿に見覚えがあるのはどうしてだろう?
記憶を探すハリーだが友人のロンに呼ばれた為、思考を中断した。
(本人に直接聞けばいいだけか……)
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ジェーン視点
……組分け後の話ですか?
校長の意味不明な挨拶の後、ご馳走です!
「早く始まればいいのに。勉強することがいっぱいあるんですもの。」とか「初めは小さい物から試すんだよ。マッチ棒を針に変えるとか…」等々ハーさんと監督生が話しておりますが、私はその話題はノーセンキューです。
今から嫌と言うほど学問を頭に積み込むことは分かっているので
今くらいはのんびり美味しい料理を味わいたいじゃ無いですか!
こんな豪勢な料理は久しぶり……いや、初めてです!
ローストビーフにチキン、ラムチョップにソーセージ、ベーコン、ステーキ……肉…多くない?
胃もたれしないように気を付けないと……
その後は注意事項を先生方が説明
森は危険生物が一杯です、四階右側の廊下には立ち入り禁止っと……
当然生徒が間違って入り込まないように立て札とかフェンスくらい置いてるよね??
ダンブルドアが指揮をしながら決まったメロディーの無い、校歌とは呼べないような校歌を歌って解散。
本当に大丈夫か?魔法界!
色々と大雑把じゃありません?