水曜日、授業が終了して食事を済ませた午後9時。
今朝届いたラブレターの指定された場所で、私は手紙を送ってくれた素晴らしい方の到着を待っています。
城の地下牢。
少し肌寒いと感じてしまう気温ですがそんな事など気にもならないくらい私は今……ドキドキしています。
カツカツと足音が廊下に反響してもうすぐ彼が此処にたどり着くのが実感できる…
扉を開く音
「どおした、ウィルソン?顔色が悪いぞ」
愛しい彼の声が私の心の中に染み渡る。
彼の為なら私は何だってやってしまうかもしれない…
「何故君を呼んだか分かるかね?」
「先日はご迷惑をおかけしました!深く反省しております。」
90°……深々と頭を下げての謝罪
「ふむ…よろしい。しかし、しっかりと罰則は受けて貰う」
彼の為なら何だってやってしまうかもしれない……
それが罰則だから……
罰則の内容はネズミの心臓を生きたまま取り出して劣化防止の魔法のかかった小瓶に入れる事でした!
本来なら授業で解剖し摘出してそのまま使用するらしいのだが、過去に取り逃がしたネズミが室内を暴走して薬品をなぎ倒す事故があったらしい。
それからは要注意人物には予め部材の準備をしたものを使用させる様になったらしい。
逃げようとする鼠を金縛り呪文で拘束して解剖する……
鼠は暴れないし声も出さないが目だけは助けを求めるように此方を見つめるし、生きてるので心臓を取り出せば当然血が飛び散る。
なかなか精神的にくるものがある……
しかし慣れというものは怖いもので
1時間後には手や顔に飛び散った血も気にならなくなり
2時間後には鼻歌を歌いながら解体出来るほど成長しました!
おかげさまで至近距離ならまともに魔法を当てれる様にはなったし、次に魔法薬で鼠の解剖があった時には目を瞑っても摘出出来る自信もあるよ!
実りある罰則…ほくほくしながらお礼を言って寮に戻る時に、何故か申し訳無さそうな表情で教授に謝罪されたのは何故だろう?
遅くなったけどシャワーを浴びて就寝するとしよう。
今日は何だか疲れた……明日は楽しみにしていた飛行訓練……早く寝ないと
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「……て……おきてジェーン!」
ハーさんの声が聞こえる……
「おはよう…ハーさん。どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないでしょ!貴女、シャワー室で倒れてたのよ!昨日何があったの!?」
昨日……授業を受けて食事をした後……何があったんだっけ?
記憶に霞がかかってるように思い出せない。
「まさか…スネイプに口で言うのもおぞましい事をされたんじゃ……」
うん……違うと思う。
見回すとここは保健室、見知った寮の仲間達が心配そうに顔を覗き込んでいた。
ハーさんのおぞましい事の下りで一同の眼光が鋭くなり今にも殴り込みに行きそうな雰囲気だったので慌てて待ったをかけた。
「それにしてもどおしたんで?こんな大勢で…」
クラスメイトの半数が医務室に駆け込んで来るなんて異常だ。
「今日は木曜日、飛行訓練の日よ」
どうやら飛行訓練の授業は受け損ねた様だ。
「……負傷者?」
「此処に大勢いるのはネビルが落下してそのお見舞もかねてね…」
死者が出なかったのは幸いか、魔法界は回復魔法や回復薬があるので危険なスポーツや野蛮な悪戯をする傾向がある。
特に若いうちは加減がわかっていないので取り返しのつかない事故にならなくて良かったと思う。
「ハリーは?」
「マクゴナガルに連れていかれた…もしかすると退学になるかも」
クラスの中心であるハリーの姿が見えないと思い訪ねると、ロンがくらい顔で返答した。
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結論からいうとハリーは退学を免れた。
今は内密にしているようだがクィディッチというスポーツの選手に選ばれたという噂もある。
情報源はハーさん
その日、就寝する前に酷く怒った表情で愚痴をいいに来たのだ。
「もう、本当に信じられない!彼、絶対自分が有名だからって何をしても許されると思ってるのよ!1日に2回!信じられる?退学か大量の点数を引かれそうな規律違反を2回も立て続けにやったのよ!大体、今時決闘なんて馬鹿げてる!私が親切にやめるように説得しても聞く耳持たないし、フィルチに追われて挙げ句の果てには『禁じられた廊下』で三頭犬に頭から丸かじりされるところだったわ!」
「止めに行くのが何で貴女まで冒険してんの…」
「わ……私は別についていきたくて行ったんじゃなくて、たまたま肖像画の貴婦人が外出してて寮から締め出されただけであって…」
完璧かつポンコツハーさん…
「はいはい…大変でしたね~早く眠って嫌なこと忘れよう」
「…うん」
私の知らない所で大冒険をしていたハーさんを少し羨ましく思ったのは本人の前では言わないでおこう。
次の日
ハーさんは愚痴を言えた為かご機嫌
だけどハリー達を見ると途端に気分が急降下。
特にロンがいただけない
前々からいちいちハーさんの神経を逆撫でする言葉を連発する…
ハーさんをフォローする此方の身にもなって欲しい。
最近では流石に面倒になって2人が言い争っている中、ハーさんの手を取って強制離脱をしたこともあるくらいだ。
勿論、ハーさんの方にも問題があるのは重々理解しているが、端からみてもハリー達の行動は日に日に悪化していっている様に感じられるのでそちらの肩を持つことは出来ない。
「何かあったら自己責任。一度煮え湯を飲んまないと彼等は分からないよ!」
「…そうね、ジェーンのいう通りだわ。」
と言うことで口出ししないと決めたのだが……
朝食後、ハリーの姿を見つけて背後から接近するハーさんの後ろ姿を見つけながら深いため息をついた。
「だって本当だもの。もしマルフォイがネビルの玉を掠めていなかったら、僕はチームに入れていなかったし」
「それじゃ、校則を破ってご褒美を貰ったって思ってるのね」
……また始まった
「僕達と口をきかないんじゃなかったの?」とハリー
「今更かえないでよ。そっちがありがたいんだから」とロン
ツンとそっぽ向いて立ち去るハーを見て再度ため息
「君もハーマイオーニーの味方なんだろう」
『シッシッ』と犬を追い払う様なロンの仕草に少しイラッとしたが相手にするのも馬鹿らしいと思い止まった。
その調子じゃ遅かれ早かれ破滅するのは目に見えてる。