これはある提督が体験した、少し変わった鎮守府の光景である。

それは夢なのか、それとも現実なのか--それを知るのは、体験した提督のみ。







(注)シリアスではありません。

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(注)1:作者は艦これをしたことがありません。
   2:キャラ崩壊、口調の違い、性格の違いがあるかもしれません。
   3:そんなに甘くありません。むしろ辛口です。

上記の注意点を踏まえて、よければお読みください。



艦けもも!

 鎮守府に新たな提督が着任しました、ニャン♪  

 

 

 

 

 諸君、私は現在非常に困っている。

 諸君、私は現在進行形で頭を抱えている。

 諸君、私は現在体を左右に揺すっている。

 諸君、私は今すぐにでも布団の中に潜り込んで、颯爽とこれは夢だ!と叫びたい。

 諸君、私は――部屋に入ってきた『艦娘』のあり得ない姿を目撃して、悶絶している。

 

 

 諸君、私の『艦娘』が――身長が二頭身サイズで、獣耳&尻尾を生やして、こんなに可愛いわけではない! いや、可愛いけど!

 

 

 

 

「提督? 何を悶えているのですか?」

 

 皆さん、おはようございます。

 私は提督の秘書艦を務める『航空母艦 加賀』です。

 現在、私は部屋にいるであろう愛する提督に報告書を手に愛に――ではなく、会いに来たのですが、私の顔を見るなり『T』顔のない筈の目玉を大きく見開いて、頭を抱え込んで左右に体を揺すりながら悶えている提督――どうしたのでしょうか?

 

「提督、私の顔に何かついているのですか?」

「ぬぐぅおぉ……ハッ、い、いや、ついていないぞ? いや付いているのか? よ、よし落ち着けっ、まだ慌てる時間じゃない! ……加賀さんの頭に獣耳が付いてるなんて、身長が二頭身になってるなんて、さっきから左右に振ってる尻尾なんて、あるわけがない。けど、物凄く可愛い……」

 

 最後は小声で全部聞き取れなかったですが、私の耳と尻尾に何か問題があったのでしょうか。

 報告書を左手で持ちながら、残った右手で耳と尻尾の感触を確かめます。

 いつも通りの毛並みですね――提督に一番に見てもらうために、毎朝欠かさず毛繕いをしています。

 勿論、いつでも何処でも提督に触ってもらってもいいように、です。

 ですが、提督は奥手なのか、未だに触ってもらったことがありません。――少し寂しいです。

 

「ごふっ!」

「提督っ!?」

 

 突然、提督が吐血しました。

 

 

『30Critical Hit』 HP:100/100→70/100

『提督、小破(提督:心の中の姿、上着が多少破ける)』

 

 

 私は何が起こったのか分からず、急いで提督の机の上に飛び移りました。

 机に突っ伏す提督の体が震えており、何やら言葉を紡いでいました。

 それを聞きとる為に私は耳を提督の顔の傍に近付いて――聞いてしまいました。

 

「……イヤイヤイヤイヤ、無理だあれは。ただでさえ二頭身サイズで愛らしい姿なのに、あの小さな掌で耳と尻尾を触る光景に耐えろという方が、無理がありすぎだ……」

 

 ――えっ

 

「普段の加賀さんとのギャップが激しすぎる……普段の加賀さんはクール系のカッコよさを漂わせていたけど、こっちの加賀さんはそれらを全部吹っ飛ばして、もうカッコ可愛いとしか言いようがない。まずい、加賀さんの耳と尻尾を思い切り触って、これでもかっと言うほど愛でたいぞこん畜生っ」

 

 ――て、提督、そんなことを思っていたのですか?

 私の耳と尻尾を触りたいと? 私を愛でたいと? 私を――可愛がってくださると?

 

「提督」

「ぬぅぉぉぉぉぉ……静まれ、静まれ、私の本能。私の理性よ、耐えるんだ……」

「提督」

「静まるどころか益々本能が滾ってくるのは何故だ!?」

「提督」

「触りたい、愛でたい、激しく愛でたいけど我慢するんだ――か、加賀さんの可愛さに絶対負けない!」

 

 負けてもいいのですが。むしろ、私は歓迎しますよ。

 とりあえず、呼びかけてもこちらに反応してくれませんので――仕方ありません。

 

「提督、いい加減にしないと――噛み千切りますよ」

「はい、すみませんでした!」

 

 惚れ惚れするくらいの土下座を椅子の上で実行した提督に、私は苦笑します。

 

「全く・・・・・・一休みすれば落ち着くと思うので、お茶を入れてきますね」

「あ、あぁ」

 

 提督の机から飛び降りて、ペコっと頭を下げて部屋から退出すると、私は給湯室に向かいました。

 さて、本日のお茶菓子は何にしましょう?

 

 

 

「――よし、現状を改めて再確認しよう」

 

 加賀さんが部屋から出たのを確認すると、私は現在起こっている現象について考える。

 昨晩はこの部屋で遅くまで書類の処理をしていたのは覚えているが、途中から睡魔に襲われて、此処で一夜を明かした。

 それから、秘書艦である加賀さんが来るまで、隣の部屋の洗面所で顔を洗って服装を整えた。

 で、その後に本日の仕事で必要な書類と編成組の一覧をついさっきまで作成してたら――ちっこい加賀さんが部屋に入ってきた。

 

 あれ? 加賀さんの存在自体が摩訶不思議な現象――になってるな、これは?

 

 なんて事だ。全く原因が分からない。

 既に摘んでいるぞ、これは。

 

 加賀さんがお茶を持って来る前に、出来るだけ現状の原因と成り得る情報を集めたいが・・・・・・待てよ。

 あの二人に聞けばいいではないか! 同じ提督同士である彼等に!

 よし、早速彼等に連絡を――

 

 机に設置されている黒電話の受話器を手に取り、ダイヤルを回す。

 まずは彼に聞いてみよう。何か分かるかもしれない。

 

 受話器を耳に当て、十秒ほど待つと、彼が出てきた。

 

『はいよ~、こちら『マッスル』提督だ』

「やあ、マッスル。私だ、『T』だ」

『なぁんだ、Tか。こんな朝っぱらかどうしたんだ? お前さんにしては珍しいな、こっちに内線を掛けてくんなんて』

「少々緊急事態が発生してしまってね。それで君に聞きたいことがあるんだ。今から話す内容は冗談抜きで真面目なモノだから、そのつもりで聞いてくれ」

『へぇ~、そこまで緊張した声でいうって事はよっぽどのことなんだな? あいよっ、聞いてやんよ!』

「うむ、実は――」

 

 

 ――会話中――

 

 

「――という事なんだ。正直どうすればいいのか、全く分からないというのが今の現状だ」

『・・・・・・』

「マッスル?」

『・・・・・・なあ、T。お前さん、頭大丈夫か? 徹夜のせいで、オーバーヒートした脳の妄想が幻覚になったんか? もしくは視力が極端に落ちて、脳内が視神経をバックアップするために創った幻想を見る羽目になったんか?』

「失礼な! 私は至って正常だ!」

『いや、だってな・・・・・・艦娘が二頭身サイズになって、しかも獣耳と尻尾が生えてるって、何処の二次元世界だよって話だぞ』

「そう言うが、現実に私の目の前で二頭身の加賀さんがいたんだ。それにもしかすると、他の提督の所でも同じような現象が起きてるかもと思って――」

『で、俺の所にいる艦娘が二頭身なのかどうかを確認したかったと?』

「そうだ。で、どうなんだ?」

『どうなんだと言われてもなぁ・・・・・・俺んとこの秘書艦はまだ来てないから、分からんが、まずは有り得んと思うぞ?』

「むむっ」

『まあ、もうすぐ来る筈だから、そん時に確認して――おっ、噂をすれば何とやら。丁度来たわ』

「すまないが、早速確認してくれないか?」

『オッケー、ちょいと待っ――へ?』

「ん?」

『・・・・・・』

「どうした?」

『・・・・・・・・・・・・・わりぃ、また後で掛け直す。・・・・・・俺、疲れてんのか?』

「マッスル? おい、マッスル――切れたか」

 

 相手側が受話器を置いたのか、通話が切れた事に嫌な予感がする。

 まさか、マッスルの所でも? 今考えても分からないので、また後ほど電話を掛けてみよう。

 

 次は――彼に聞いてみるか。

 

 再びダイヤルを回してもう一人の提督に内線を掛ける。

 しばらくして待つと、

 

『はい、『ショタ』提督です』

「やあ、ショタくん。私だ、Tだ」

『T提督! こちらに内線を掛けてくるなんて、珍しいですね。どうされました?』

「いや、少々緊急事態が発生したものでね。それについて君に聞きたいことがある。これから話す内容は、決して私の頭がおかしくなった訳ではないので、心して聞いてくれ」

『わ、わかりました!』

「うむ、実は――」

 

 

――会話中――

 

 

「――ということがあったのだが、そちらはどうだろうか?」

『・・・・・・俄かに信じられませんが、仮にその話が本当だとすると、僕の所にいる艦娘も同じような事が起きているかもしれない、ということですね?』

「そうだ。すまないが、確認をしてもらってもいいだろうか?」

『分かりました! もう少ししたら、秘書艦が来ると思うので、その時に――あっ、今来ました』

「丁度いい。では、早速確認を」

『ええ、少しお待ちを。――さん、おはようござ・・・・・・えっ?』

「ショタくん?」

『・・・・・・・・・・・・・・・申し訳ありません、また後ほどお電話をお掛けします。・・・・・・僕、疲れてるのかな?』

「ショタくん? ショタくん――切れた、か。・・・・・・まさか、ショタくんも?」

 

 受話器を戻して、私は考える。

 マッスルとショタくんの二人が私と同じ現状に陥っているのなら、どうするべきか。

 両腕を組んで思考を全力で回転させながら、これから先をどうすべきか、回答を求めて、私は考える。

 

 実に困った。

 けど、あの加賀さんは可愛かった。

 

 

 

 二人分のお茶とお茶菓子を載せたお盆を持って、部屋に戻ってきた私は腕を組んで考え事をしている提督の姿を視界に捉えました。

 

 また何か悩み事でしょうか?

『T』顔の眉間に皺を寄せて、唸りながら何かを考えている提督に、私は声を掛けるべきかどうか迷いましたが、気を取り直して、いつもの通り声を掛けました。

 

 折角のお茶が冷めてしまったら、勿体ないです。

 

「提督、お茶をお持ちしました」

 

 ぴょんと提督の机に飛び移って、用意したお茶とお茶菓子を提督の前に並べます。

 本日のお茶菓子は羊羹です。疲れた頭には糖分が必要と思い、給湯室に丁度二人分があったので持ってきました。

 

「か、加賀さん?」

「はい、貴方の加賀です。考え事もいいですが、お茶が冷めてしまいます。温かいうちに、どうぞお飲みください」

「あ、ありがとう。では、頂くよ」

 

 私とお揃いの湯呑を手に取って、口に運ぶと、提督の眉間に寄っていた皺が波を引いてなくなり、ほっこりとした表情をしました。

 眉間に皺を寄せるより、今の表情が実に好ましいです。――後で額を舐めましょう。

 

「はぁ、加賀さんの淹れたお茶は美味い」

「恐縮です。提督、羊羹もどうですか?」

「おっ、これも頂くよ」

「では、僭越ながら――」

 

 羊羹のひと切れを爪楊枝で指し、提督の口に運びます。が、何故か提督が固まりました。

 

「か、加賀さん? 何をしようと?」

「いつもの通りに、あ~ん、としようとした所ですが? 何かご不満でも?」

「ちょっと待ってくれ! いつも通り!? いやそれより、男の夢である『あ~ん』を実行しようとしたのか!?」

「そうですが?」

 

 はて? 何かおかしい所があったのでしょうか。

 こちらはいつもの通りに提督の口に食物を運ぼうとしたのですが、何故か提督は慌てていました。

 落ち度は無いはずですが――あ、なるほど。分かりました、提督。

 こうすればいいのですね? 少し恥ずかしいですが――提督の為なら、私は構いません。

 

「失礼しました。私の配慮が足りなかったですね。では、改めて――んっ」

「っ!?」

 

 爪楊枝に指していた羊羹の端を口に咥えて、俗に言う『ポッキーゲーム』風にしてみました。

 眼を瞑って顔を上げる姿は少々気恥ずかしいですが――頬が熱くなっているのがわかりますが――愛する提督の気持ちに応えたい。それが私の行動理由です。

 

「ん~」

 

 さあ、提督。心ゆくまで、味わってください。

 出来れば――優しくしてください。

 

 

 

 拝啓――父上、母上。

 現在、私は人生の中で最大の難関に立ち会っています。

 机の上に乗って、口に羊羹を咥えて頬を染めながらこちらを見上げる彼女の姿に、私は、私は・・・・・・どうすればいいのでしょうか。

 獣耳――よくみれば狼っぽい耳――の両耳がペタンと垂れて、臀部に生えている尻尾が何処か嬉しそうに左右に振る二頭身サイズの艦娘の姿に、私は必死に耐えている所存でございます。

敬具

 

 

「ん~(さあ、提督。どうぞ、存分に味わってください)」

 

 聞こえないはずのの加賀さんの心の声が聞こえる。

 これはその、つまり、このまま食べて下さい、という意味なのか? そうなのか?

 加賀さんごと食べちゃってもいいと言うことか?

 

「か、加賀さん、別にそこまでしなくても普通に食べ――いえ、なんでもありませんゴメンナサイ!」

 

 無理だ。

 普通に爪楊枝を使って食べようと提案しようとしたら、薄らと涙目で悲しそうな表情で私を見るのだぞ。

 心なしか、尻尾も弱々しく垂れ下がっている。

 ど、どうすればいいんだ。このまま素直に食べたら、加賀さんの唇に私の唇が――その後に、本能の赴くまま加賀さんを愛でることになるかも。

 

 い、いかん! それだけは絶対に断固阻止しなければ!

 でないと、色々と歯止めが効かなくなってしまう。

 けど、このまま放置していたら加賀さんが――

 

(提督・・・・・・私の事が嫌いになったのですか?)

 

 ああ、そんな悲しそうな目で見ないでくれ! どうすればいいんだ!

 

 

『人の子よ、何も迷うことはありません』

 

 え、誰?

 突然、脳裏に純白の翼を生やす二頭身サイズの――獣耳っ娘が私に笑顔を魅せていました。

 

『私は『けもも神』です。悩める子を救うために、助言を与えに来ました』

 

 神様!?

 

『いいですか? よく聞くのです。彼女の行動に貴方はどうするべきか悩んでいるようですね。では、どうすればいいのか――簡単なことです。それは、愛で応えるのです!』

 

 あ、愛?

 

『そうです。愛情を以て、愛情のままに行動を起こせば、それを彼女は受け入れます。

 何故なら、彼女も愛を以て貴方に求愛しているのですから。

 それに応えたいのなら、貴方も愛の行動で示すのです! それが、貴方の取るべき行動です』

 

 ちょっと待った! それ、かなり難易度高くないですか!?

 

『さあ、お行きなさい、人の子よ。私はいつでも貴方たちを見守っていますよ』

 

 笑顔で脳裏から消え去った神様(?)の助言に私は――

 

 

 

 

 ああ、至福とはこの事を言うのですね。

 提督の膝の上に座って、頭を撫でてもらいながら、私は先程の事を思い出します。

 

 あの後、私が口に咥えた羊羹を提督は食べてくれました。

 ゆっくりと、またゆっくりと味わうように羊羹を食べて、段々と近付く提督の顔を見て、私の鼓動が早くなっているのが分かりました。

 大好きな提督の顔。このまま羊羹を食べ終える頃には私の唇を――と、思っていたのですが、ほんの僅か1cm程度の所で提督の顔が離れました。

 残念です。ですが、また次の機会のお楽しみということにしておきましょう。

 

「ん、ぅんっ・・・・・・提督、耳は敏感なので優しくしてください」

「す、すまん(なんて破壊力だ)」

 

 提督の指が私の耳の裏側を触るのと同時に、妙な快感が私を襲います。

 全く、提督の指捌きは女誑かしですね。ですが、私は好きですよ、提督の指は――

 

「あ、ぁ・・・・・・くぅん」

「――(耐えろ、耐えるんだ! 加賀さんの蕩けた顔と声に耐えるんだ、私よ!)」

 

 優しく、壊れ物を扱うかのように、頭を撫でて下さる提督に、私は尻尾を左右に揺らしながら蕩けていました。身も心も――

 

 愛する人の掌は、暖かな春の陽気のように、とても温かいです。

 独占欲があるのでしょうか。

 いつまでも提督と一緒に居たい。大好きな、愛する提督といつまでも、ずっと。

 

 なので、マーキングを付けておきましょ。

 

 私の頭を撫でている右手ではなく、私のお腹に添えられている提督の左手を持ち上げます。

 

「加賀さん?」

 

 提督が私の行動に不思議そうな顔をしていますが、それは今は無視して、私の口辺りまで持ち上げた左手に――

 

 

 かぷっ

 

 

 甘噛みしました。

 

「☆=×○□△!?!?!?」

 

 提督が意味不明な言葉を発声していましたが、そんな事には気にせずに噛み続けます。

 

 かぷっかぷっかぷっかぷっかぷっかぷっ

 

「はぐはぐ・・・・・・これは癖になります」

 

 かぷっ

 

「ぐふっ!」

 

『60Critical Hit』 HP:70/100→10/100

『提督、中破(提督:心の中の姿、上下の服が限界寸前まで破ける)』

 

 ガクッ――

 

「ん~・・・・・・ぷはぁ。ん、提督?」

 

 提督の左手が私の噛み跡だらけになった所で、提督の様子がおかしい事に気付きました。

 後ろを振り返ると、提督が顔を俯かせて眠っていました。

 

「眠ってますね。もう少し起きて構って欲しかったのですが、仕方ありません」

 

 少し寂しいですが、徹夜明けの提督を休ませるためにそのまま眠らせておきましょう。

 その間、私はどうしましょう。ある程度、仕事を終えているので武装の整備でもしておきましょうか。

 それか――ん?

 

 ふと提督の襟に注目しました。

 そういえば、あそこはまだ『未突入』でしたね。

 

 では、折角の機会なので早速実行しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつもの加賀さんだ!」

 

 皆さん、おはようございます。

 提督の秘書艦を務める『航空母艦 加賀』です。

 現在、私は非常に困っています。何故か?と言うと、報告書を手に部屋にいるであろう私にとって一番大切な愛する提督に愛に――ではなく、会いに来たのですが、中に入ると提督が私の顔を見て呆けたと思ったら、いきなり大きな声で万歳していました。

 

「あれはやっぱり夢だったんだ。こっちが現実で、いつもの通りのクールかっこいい加賀さんが目の前にいる。よ、よかった・・・・・・いや、けどあの加賀さんも可愛いすぎて、お持ち帰りした程の破壊力を秘めて・・・・・・」

 

 徹夜明けのせいでしょうか。

 昨晩はこの部屋で書類の処理をしているのを見かけましたが、妙に士気が高いのが気になります。

 けど、そんな提督も素敵です。

 

「提督、お茶を入れてきましょうか? 徹夜明けの体を少し休ませた方がいいと思うのですが」

「勿論、そうする! お茶を頼む、加賀さん!」

「わかりました、すぐお持ちします」

 

 満面の笑顔の提督に私も笑顔で応えて、部屋を出ようと――ふと気になることがありました。

 

「提督、一つお聞きしてもいいでしょうか?」

「どうしたんだい、加賀さん?」

「いえ、その・・・・・・提督のお腹、膨らんでませんか?」

 

 そう、提督のお腹辺りが膨らんでいるのです。

 太っていても、私は提督の事を嫌いになりませんよ。どんな姿の提督でも私は受け入れます。

 

「――生温かい? いや、まさかっ」

 

 どうしたのでしょうか? 提督の『T』顔が段々と青白くなってきてます。

 心配になった私は提督の傍まで駆け寄ると――

 

 膨らんでいたお腹が胸辺りまで動きました。

 こう、もぞもぞ、と。

 

「て、提督?」

「――――」

 

 それは胸辺りまで行き、そして、提督の襟元からそれは顔を出しました。

 

 

「我、未体験突入せり――成功です」

 

 

 動物の耳を生やした、私の顔と似ている、ほっこりとした彼女が目の前に現れました。

 

 

「提督の中はとても暖かくて、気持ちいですね――くぅん♪」

 

 提督の首に顔を埋めて、頬全体で擦る姿は、甘える子犬そのものでした。

 なんて羨ましいことを――ではなく、私もしたいです。

 

 なので、

 

「そこは譲れません。なので、私もします!」

 

 

 私も提督の首に顔を埋めることにしました。

 

 

 

 

 

 その頃の提督はと言うと――

 

 

「・・・・・・・っ」

 

 

『1000Critical Hit』 HP:10/100→-990/100

『提督、大破&轟沈(提督:心の中の姿、褌一丁のみ&もうやめて! 提督のライフはもう0よ!)』

 

 

 見事に弁慶の立ち往生をしていた。

 

 

 

 

 

~おわり~

 




新年あけましておめでとうございます!

お久しぶりです、レヴィアと言います。

もう一つの作品、いんふぃにっと・けももを連載していましたが、モチベーションが上がらず、気付けば半年以上経っていました(汗

なので、今回は気持ちを切り替えて、新しい作品に挑んでみました。

今回は全く甘くないと思います・・・多分、うん、恐らく!


今回は短編で出しましたが、機会があればまた出したいと思います!

それでは、皆様、お体にお気を付けて!

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