ダンジョンにキャロルが居るのは間違っているのだろうか?   作:ヴィヴィオ

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ファミリアはダイスで決めたらヘスティアになりました。

1.ヘスティア
2.ミアハ
3.ロキ
4.ソーマ
5.ヘファイストス
6.オリジナル(Fateカーマ)


第1話

 

 

 

 

 エルフナインにシェム・ハを攻略する方法を伝え、別れを終えたオレはこのまま消える。思い出を、存在を焼却して黄金錬成のエネルギーに変えて神の攻撃を防いだのだから当然だ。本来なら、オレとエルフナインの二人で担当するはずだったが、エルフナインの記憶からオレ自身が消えることが嫌だった。だからこそ、オレの全てを燃やし尽くした。だというのに、なんだこれは? 

 気が付けば何時の間にか何処とも知れぬ煉瓦作りの家が建ち並ぶ場所に居た。周りを見渡せば目に入るのは無数の人々。それが問題だった。普通なら人間だけのはずだが、明らかに人ではない外見の奴が存在している。まず、犬耳が生えた奴や長い耳が生えた奴。身体が小さいずんぐりむっくりした奴など色々だ。

 それにどうやら、時代もおかしい。よもや、オレ達は敗退し、世界はシェム・ハによって神代の時代に巻き戻されたのだろうか? あり得るな。いくら神殺しのアイツでも敗北したのか。

 そうなると、この世界は巻き戻されたと考えるべきだ。バラルの呪詛がなければ相互理解はできるはずだ。これだけの種族が共存している理由も納得できる。だが、奴の目的は全人類を一つにして争うことのない存在へと作り変えることだったはずだ。この光景を見る限りでは巻き戻しはされたが、奴の目論見はかろうじて防げたとみていいだろう。オレが何故、助かったのか疑問だが、もしかしたら、エルフナインが何かしたのかもしれない。

 わからないが、どちらにせよオレがやる事は一つだ。神を殺す。だが、オレ一人で埒外物理学を突破するのは難しい。まず必要なのはガングニールに代わる神殺しの哲学兵装だ。いや、それ以前にオレの手持ちはどうなっている? 

 

「おい、退け」

「ああ、すまない」

 

 道の真ん中に居たら邪魔になる。裏路地に移動し、置いてあった木箱に座りながら、改めて手持ちを確認する。まず、オレの姿は何時もの赤いワンピースを着ているだけだ。問題は他の手段だ。まずは錬金術で作成した亜空間を調べる。手を入れ、ケルト神話に於けるダーナ神族の最高神、ダグザの振るいし金の竪琴の聖遺物、ダウルダブラを取り出す。

 試しに弾いてみるが、音も問題ない。ファウストローブも纏えるし、鋼糸魔弦は使えるみたいだ。とりえず、戦えるのでよしとしよう。問題はこれからどうするかだ。大まかな目標は決めたが、それに至る行程は多い。一人ではどうしようもないからな。

 故にオートスコアラー達を甦らせる。あいつらには世話になった。今度は廃棄などせず、共に進もう。そうと決まれば拠点が必要だ。拠点を得るにも施設を作るにもお金を集めないといけない。そもそも、今の時代に使われているお金なんてないからな。

 

「やれやれ……数百年前に逆戻りか」

 

 まあ、それはそれでいい。やり直せるのなら、今度こそ上手くやろう。まずは寝床の確保だ。

 

 

 寝床になりそうな場所を探して移動していると、廃棄された朽ちかけている教会が見付かった。

 

「ふむ」

 

 神を殺すオレが教会を拠点にするというのも皮肉が効いていていいな。それにステンドグラスやパイプオルガンは設置するつもりだ。チフォージュ・シャトーを作り直すのもいいかもしれないな。神を分解してしまえばオレ達の勝ちだ。

 そう思いながら朽ちた教会の扉を開け、中に入るとやはりボロボロだ。とりあえず、長椅子をかなりの数を使って錬成し、ベッドを作成する。崩れ落ちてきてもいいように天蓋付きのベッドだ。警戒の為にダウルダブラを取り、ファウストローブを着て鋼糸魔弦を使い、トラップを仕掛けておく。寝ているところを襲われたらかなわないからな。

 ベッドに入り、記憶を整理しながら考える。やはり、どう考えてもおかしい。何故オレは焼却されていないのか。

 

 

 

「すまない。起きてくれ」

 

 何時の間にか眠っていたようで、声が聞こえて目を開けると目の前にこちらを見詰める黒髪をツインテールにし、両側をそれぞれ白いリボンで結っている女が居た。服装は胸元が開いたホルターネックの白いワンピースに、左二の腕から胸の下を通して体を巻き付けるように青いリボンを結んでいる。そいつは鋼糸魔弦によって宙吊りになっており、その大きな胸が揺れている。

 

「なんだお前は……」

「それはこっちの台詞だよ! ここはボクの家なんだからね!」

「なに? それは本当か?」

「そうだよ! ボクはここを神友から譲り受け、ここで生活しているんだから!」

 

 こんな廃墟の教会で生活しているとは思わなかった。これはオレの落ち度だな。ダウルダブラを鳴らし、鋼糸魔弦を解除してやる。すると、相手は床に落ちるので、手で掴んでベッドの上に落としてやる。

 

「すまなかった。こんな廃墟に誰かが住んでいるとは思わなかったので、オレの拠点にしようかと思っていた」

「うん、普通は住んでいるとは思わないよね」

「荒れ放題だからな。せめて瓦礫が片付けられていたら人が管理していると思ったのだが……」

「あ~ボクも来たばかりで、神友に確認してみたら、管理だけしていたみたいで、生活に使う地下室だけはちゃんと整えてくれたんだ」

「地下室があったのか。本格的な探索は起きてからしようと思っていたから、見逃していたな」

 

 ベッドから出て、ダウルダブラを持ちながら扉へと向かう。

 

「そのベッドは宿代として売るなり好きにしてくれ」

「どこに行くんだい? こんなところに泊まるんだ。行く当てはあるのかな?」

「ない。だが、どうにかしてみせる」

「それなら、ボクの眷属になってみないかい?」

「なに?」

 

 眷属だと? コイツ、まさか……

 

「ま、待って! なんでそんな怖い顔をしているんだ! ボクは君に害を与えたりしないよ! 子供達は慈しむ存在だからね!」

「子供だと? オレはこう見えて百は超えている!」

「嘘、本当だと!? もしかして、その神の力を感じる金の竪琴はケルト神話のダーナ神族、ダグザの物だろう。つまり、君はダグザか!」

「いや、違うが」

「え、神様じゃないの?」

「断じて違う! あんな奴と一緒にするな!」

「そうなんだ……じゃあ、君の名前は?」

「オレの名前はキャロル・マールス・ディーンハイムだ。そういうお前は誰だ」

「キャロル。ボクの名前はヘスティアさ! 窯の女神、ヘスティア!」

「ヘスティアだと……やはり神か」

 

 ヘスティア。ギリシャ神話に登場する女神の一柱で、炉や竈を司る慈母神であり、処女にして子守と家内安全の神といわれる特殊な存在だったはずだ。こいつが神の名を語る偽物でなければ本人だろう。また、シェム・ハのような事例から、異なる場所からやってきた連中の事を神として捉え、奴等が名乗った名前がそのまま神の名となったことも十分に考えられる。

 

「君は神に敵意や嫌悪感があるみたいだけど、ボクは誓って君達を害するつもりは一切ないよ。眷属に誘ったのだって、ボクの眷属になればここで一緒に住めるからさ。まだ誰一人としてボクの眷属はいないからね。ファミリアだって登録すらできていない。つまり、君が団長になるんだよ!」

「団長? どういうことだ?」

「あれ、もしかして全然知らない?」

「ああ、オレは気付いたらここから少し離れた大通りに居た。死んだはずなのだがな」

「死んだだって! もしかして、君はエインヘリヤルか!」

「エインヘリヤル?」

「神の力で蘇ったとか……」

「わからん。だが、詳しく嘘偽りなく話せ。さもないと斬り刻む」

「お、おおう……わかった。えっと、まずファミリアについて……」

 

 ファミリアとは、神の眷族とのことだ。下界に降りた神が恩恵と引き替えに、人々を集めて組織するもの。ヘスティアの場合はヘスティアファミリアとなる。ファミリアの主である神は主神と呼ばれ、主神の名を冠して呼ばれるというわけだ。

 ファミリアには探索(ダンジョン)系、商業系、製作系、医療系、果ては国家系なども存在するそうだ。規模や功績により、ギルドからIからSまで等級付けされ、等級が高くなるほど、ギルドからの月間徴税額も上がり、探索系の場合はD等級以上には遠征の強制任務(ミッション)が課せられるとのこと。

 続いて冒険者について。神の恩恵を得て戦う者たちの総称らしい。おおむね、この街、オラリオで迷宮に挑む者たちを指すそうだ。

 レベル1の冒険者は下級冒険者、Lv.2以上は上級冒険者と呼ばれ、上級冒険者はLv.5以上が第一級冒険者、Lv.3と4が第二級冒険者、Lv.2が第三級冒険者と呼ばれる。レベルが1つ上がる毎に、ステイタスの基礎値の向上や発展アビリティを発現するなど、戦闘力に格段の差ができるらしい。

 

「つまり、オレを眷属にしたいと」

「うん。君は行く当てがないと言った。それなら、どこのファミリアにも所属していないのだろうと思った。もちろん、キャロル君が眷属にならなくてもここに居てくれていい。君の年齢はともかくとして、子供の姿なんだから、手を差し出すのは当たり前だ。ましてや、ボク達神にとって君も例外なく子供の一人だ」

「そうか」

 

 こいつの言っている事が何処まで本当かはわからない。だが、それが神代の法則だというのなら、ありえないことはない。埒外物理学の世界になったというだけのことだ。問題はオレが眷属になるかどうかだ。確かに眷属になればメリットが多い。ダンジョンについても教えてもらったが、そこでならオレが欲しい素材も手に入る可能性が高い。

 神の眷属になるなど、業腹だが……レイア、ファラ、ガリィ、ミカの素材を集めるためには必要だ。彼女達は命を賭けてマスターであるオレに尽くし、エルフナインも助けてくれた。なら、次に答えるべきなのはオレだろう。その為に神の眷属となり、利用すればいい。戦力が整えば殺してもいいし、神を解析して分解してもいい。どちらにしろ、錬金術師としては興味深い素材ではある。

 

「わかった。眷属になろう。ただし、条件がある」

「な、なんだい?」

「一つ。この場所の改造を好きにさせてもらうこと」

「それぐらいなら構わないよ。生活スペースだけはちゃんと確保してね」

「わかっている。二つ。オレが望むどのようなものにもファルナを刻み込んでくれ」

「わかった。でも、犯罪者とかは駄目だからね?」

「ああ、了解した。次に団長としての仕事だが、基本的にオレはこのファミリアに金はいれない。設備投資などに使わせてもらう。だから、自分の食い扶持は自分で稼ぐようにしろ」

「うっ……わかった」

「最後にオレの事を詮索しないことだ。これらを守ってくれるのなら、他に好きなように眷属を増やそうが、オレは関与しないし、そいつらの装備だって作ってやる」

「そんなことができると、普通は思わないけれど嘘じゃないんだよね……ああ、自堕落な生活が……」

「働け。言っておくが、オレは優しくないからな」

「うぅ、わかったよぅ……でも、このベッドは使わせてもらっていい?」

「構わない。どうせ移動させるつもりだしな」

「よ~し、じゃあ、ファルナを刻もうか。服を脱いでうつ伏せで寝てくれ」

「わかった」

 

 言われた通りに服を脱ぎ、肌を曝して寝そべる。上にヘスティアが乗ってきて背中に文字を書いていく。背中が熱くなっていき、身体に変な物が入ってくる感覚がするが……これが神の力か。肉体を改変し、才能を引き出して強化する力。使えるな。

 

「嘘、なにこれ……スキルも魔法も発現してるし……」

「見せてくれ」

「わ、わかった……」

 

 紙に映してもらったステータスを見るが、文字が読めない。地球上に存在するあらゆる言語を習得したが、知らないものだな。

 

「読めない。代わりに教えてくれ」

「わかったよ」

 

 

 

 

 





 レベル  1
 力 I 0
 耐久 I 0
 器用 I 0
 敏捷 I 0
 魔力 I 0

 スキル
 世界の真理を解き明かした者
 鋼糸魔弦

 魔法
 錬金術(EX)
 ファウストローブ・ダウルダブラ:変身魔法




ベートは銀髪犬耳尻尾ロリアイズから戻れるかどうか

  • ツンデレ銀髪犬耳尻尾ロリアイズは正義
  • ベート君が可哀想なので正規の方法で戻す
  • キャロルちゃんの気まぐれで直す
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