ダンジョンにキャロルが居るのは間違っているのだろうか? 作:ヴィヴィオ
さて、ロキ・ファミリアからの依頼を逆にスポンサーとなる事でオレが優勢に立つ。同時に深層を含めたダンジョンについての情報を全て教えてもらった。そこで是非とも手に入れたいアイテムが存在する事が判明した。そのため、オレは準備をロキ・ファミリアにお願いして合流先を決める。
合流場所はダンジョンの30階層だ。
ロキ・ファミリアの荷物とミアに頼んだ大量の料理を受け取ってから、先に単身でダンジョンへと潜る。
ダンジョンに入ったら軍用トライクを呼び出し、そこに乗り込んでロキ・ファミリアで見せてもらったダンジョンの地図を参考に一気に下がる。防御システムとして障壁を展開しておけばオレが襲われることもない。
軍用トライクを使い、高速でダンジョンを駆け抜ける。モンスターを無視して移動に徹底し、大きな穴まで到着したらバイクを収納して飛び降りる。
錬金術で風を操り、そのまま空を飛ぶ。着地したら軍用トライクを取り出してまた移動だ。このような進み方を繰り返し、目標の階層に到着した。
到着階層は25階層。ここから新世界と呼ばれるらしく。大瀑布『巨蒼の滝』が存在している。水の色は綺麗なエメラルドブルーで、飛び降りれば27階層まで一直線らしい。飛び降りたらほぼ確実に死ぬようだ。高さが数十メートルから数百メートルはあるのだから無理もない。また、空にハーピィやセイレーンが大量にいる。
だが、そいつらを相手にするつもりはない。
「一応、着替えるか」
赤いワンピースの水着に服を錬成してから飛び込む。落下の衝撃を鋼糸魔弦や風を操ることで軽減し、そのまま水の中に入ろうとすると、下から二つの頭を持つ数十メートルクラスの大きな竜が現れた。おそらくこいつは階層主の双頭竜アンフィス・バエナだろう。
オレの狙いは水中にあるので、こいつは邪魔だ。さっさと狩らせてもらう。まず落ちながら鋼糸魔弦を放ち、拘束した。続いて水の錬金術で水流を操る。奴も操れるようで防がれた。無理矢理操れるが、面倒だからな。だから、今度は水を対象にして錬金術を発動。氷へ返還させて沈んでいる身体の大半を動けなくする。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!」
「喋るな」
氷の上に降り立ち、解析を開始する。水とドラゴン。どちらもガリィの素材としては申し分ない。しっかりと解析していると、口からブレスを吐いてくる。それを避けながら口の中にナパームを錬成し、叩き込んでやる。粘着性の発火液だ。着火させて体内からしっかりと熱してやる。
水を司るドラゴンだけあって直に口から水を出して消火されたが、十分に呼吸器は傷つけられたようだ。どちらにせよ、しばらくは準備運動として踊ってやろう。
◇
一時間ほど遊んでやれば解析が終了した。アンフィス・バエナの鱗は鋼糸魔弦で抉り取り、即座に錬成して分解と再構築を行う。これによって消滅する事を防ぎ、亜空間に仕舞う事ができた。
また、その事を利用してアンフィス・バエナの身体を全て余すところなく抜き取ってドロップアイテムとしてやった。もっとも、錬成にはそれなりのフォニックゲインを使ったので雑魚モンスターには使えない。
「これで邪魔者は居なくなった。ご対面と行こうか」
錬金術式を準備してから、水を操って穴を開け、風を操って空気を送る。その状態で水中を移動していく。底に到着すれば風を切り替えて、周りの水を空気に錬成し、水を操って移動する。呼吸で発生するCO2は全て外に排出する。敵もくるが、鋼糸魔弦で斬り殺して亜空間にその周りの海水ごと収納する。
しばらく進んでいると洞窟が見えてくる。その洞窟を進むと行き止まりがあった。これこそがオレの狙いである巨大な生物の骨だ。
そう、こいつは……海の覇王リヴァイアサン。かつて、ゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアに倒され、そのドロップアイテムが海への道を塞いだらしい。その事から
そう、こいつは水属性にして聖遺物ともいえる物だ。そもそもリヴァイアサンとは、旧約聖書に登場する海中の怪物だ。悪魔と見られることもあるが、どちらにせよ水に関する生物だ。ねじれた、渦を巻いたという意味のヘブライ語が語源であり、原義から転じて、単に大きな怪物や生き物を意味する言葉でもある。
旧約聖書では神が天地創造の5日目に造りだし、同じく神に造られたベヒモスとジズを含めた三頭一対を成すとされている。それぞれレヴィアタンとも呼ばれるリヴァイアサンが海、ベヒモスが陸、ジズが空を意味する。
ベヒモスが最高の生物と記されるに対し、レヴィアタンは最強の生物と記され、その硬い鱗と巨大さから、いかなる武器も通用しないとされる。世界の終末には、ベヒモスおよびジズと共に、食べ物として供されることになっている。
『ヨブ記』によれば、レヴィアタンはその巨大さゆえ海を泳ぐときには波が逆巻くほどで、口から炎を、鼻から煙を吹く。口には鋭く巨大な歯が生えている。体には全体に強固な鎧をおもわせる鱗があり、この鱗であらゆる武器を跳ね返してしまう。その性質は凶暴そのもので冷酷無情。この海の怪物はぎらぎらと光る目で獲物を探しながら海面を泳いでいるらしい。
本来はつがいで存在していたが、あまりにも危険なために繁殖せぬよう、雄は殺されてしまい雌だけしかいない。その代わり、残った雌は不死身にされている。また、ベヒモスを雄とし、対に当たるレヴィアタンを雌とする考えもある。
つまり、水を司るガリィにとっては最高級の素材だろう。ギルドとロキ・ファミリアの話を聞いて是非とも手に入れたい素材だ。
リヴァイアサンのドロップアイテムに触れながら解析を行い、成分を調べるが……流石にすぐには終わらない。亜空間に収納してから術式を走らせ続けるとしよう。
収納すると、当然のように道が開ける。その辺に放置されていたでかすぎるリヴァイアサンなどのドロップアイテムを回収し、代わりに錬成してしっかりと蓋を閉じておく。ダンジョンが振動したが、ただ海水が流入しただけだろう。しっかりと封鎖し……いや、良い事を思い付いた。
海側に到着する部分を完全に封鎖する。これは変わらない。続いて作り出した新たな壁に錬成陣を刻んで亜空間を新たに作成。そこに開いて海水やドロップアイテムなどが入り込むようにする。水が常に亜空間へと流入し続けることになるが、これでいい。ガリィの武器にもできる上に素材としても十分に使えるからな。
さて、洞窟に戻り、洞窟その物を強固に錬成し、鋼糸魔弦を網目状に配置する
これで外に行こうとするモンスターは鋼糸魔弦で細切れにされる。その後、ドロップアイテムへと変換されて亜空間に収納されるので、そこをガリィに回収させる。いっそのこと、亜空間をガリィに搭載するか。その方が効率がいいだろう。亜空間の錬成にアンフィス・バエナのドロップを使ったがよしとする。
これらの作業を行うのにかなりの時間を使ってしまったが、合流するために30階層へと移動しよう。
「ふぅ」
海から出て、身体を震わせて少し休憩する。ポーションを飲んでから、タオルを取り出して身体を拭き、着替えていく。それから軍用トライクで30階へと向かう。
◇
30階。樹海が広がるジャングルだ。ブラッド・サウルスなど恐竜が生息する危険地帯らしいが、オレにとっては何の問題もない。ロキ・ファミリアの連中が来てもいいように先に掃除しておく。
まずは鋼糸魔弦で周りの木々を伐採し、亜空間に収納。階段の前に広大な広場を作りあげる。約10キロの広場を作り、続いて壁を錬成する。奥側の地面とジャングルを使い、その辺りを陥没させて堀もついでに作成する。作った堀には27階層から供給される海水を放りだし、たっぷりと水を張ることで侵入を防ぐ。同時に結界を展開し、モンスターが結界内で産まれる事も防ぐ。
また、自動迎撃用に大量のバリスタ型のゴーレムを作成し、横に矢を作成する錬成陣を配置しておく。これの材料はこちらの兵士としてゴーレム達が木々を伐採して持ってくるよう調整すればいい。対空迎撃も含めて防御陣地の構築はこれで完了。
続いて内部の構造を作成する。簡単に土で作った家々を作成し、簡易的な宿にする。もちろん、上下水道を完備させ、シャワーやトイレは水洗だ。キッチンも用意してあるし、料理も可能だ。
「うむ。これでいいな」
寄ってくるモンスターは勝手に殺され、ドロップなどはゴーレム達が回収してくれる。ゴーレムに関してもなんだったか、手慰みに響がエルフナインに見せていたラピュタにでてくる兵器を作ってみた。そいつらなら、おそらく倒せるだろう。む、一応ゴーレム共の生産ラインも作っておいてやるか。あいつらなら、空も飛べるし、人を運ぶ事もできるだろう。
念の為、防壁の上にロキ・ファミリアの旗(預かっているテント)とヘスティア・ファミリアの旗を立てておいた。これですくなくとも冒険者が作ったものだとわかるだろう。
作り終えたオレは椅子に座り、机の上にリヴァイアサンの素材を使ったガリィの制作に入る。三大クエストと呼ばれるモンスターの素材だ。圧縮して基礎にすればそれだけで強くなるだろう。問題は動力炉だ。リヴァイアサンクラスの魔石が欲しいが、流石にそれはなかった。神を錬成して素材にするのもありだな。
◇
ガリィの設計図を改造していると、防壁の外が騒がしくなってきた。仕方ないので防壁の上に乗ると、複数の冒険者が悲鳴を上げていた。そいつらはゴーレムに囲まれ、後ろからブラッド・ザウルスの群れに接近されていたのだ。
「焼き払え」
オレの指示にゴーレム達は瞳を光らせると、複数の光線を放ちブラッド・ザウルスの群れを瞬殺していく。動力炉にヘスティアの炉を使っているんだが、火力が過剰だな。エネルギー……そうか、魔石でなくてもいいじゃないか。核や反物質炉。その辺りを使ってもいい。人類の英知を利用するのも構わないな。
「お、おい! 助けてくれ!」
「お願いします!」
「運んでやれ」
ゴーレム達が彼等を掌に乗せて空を飛び、こちらにやってくる。連中は心底驚いていたが、旗をみて安心していた。そんな奴等を迎え入れ、ポーションを渡してから、オレは椅子に座り、リヴァイアサンの解析と設計図の作成を続ける。
「あ、あの、この建物は……」
「見てわからないのか。作った」
「いやいや、ついこないだまでこんなのなかったから!」
「当たり前だ。二日程度だからな」
「えっえええ……」
「まあ、いい。それで他に人は……」
「まだ来ていない。後数時間から数日で到着するだろう。それまで休憩するか、帰るかは好きにしろ。建物は使うなら金を取る。中にはトイレやシャワーなどを完備している。宿と同じ扱いだ。値段はお前達の持っているドロップアイテムや魔石でいい」
「わ、わかった。頼む」
女性も居るので、喜んでいた。物を受け取ってから鍵を渡し、確認させるとすぐに追加で何室か借りていった。そこでふと思ったが、食事の問題がある。堀から釣りをすれば海の生物が取れるので、それでいいか。
問題は解決したな。ガリィの設計を続けよう。
◇
「君、なにしてるのかな?」
外でテーブルに向かいながら作業をしていると声をかけられた。振り返ると、唖然としたロキ・ファミリアの連中が居た。この数日間で何組かのファミリアがやってきたり、戻ってきたりしているが、彼等は驚いた後に施設の使用許可を求めてきた。
「フィンか。見ての通り、拠点を作っておいた。お前達の情報ではここから先は補給が難しいのだろう?」
「ああ、そうだが……」
「なら、ここでしっかりと休憩すればいいだろう」
「まあ、確かにね。じゃあ、ボク達も休ませてもらっていいかな?」
「幹部は残せ。他のファミリアの連中が要望をだしてきている。それとまともな旗を渡してくれ」
オレが指さすと納得してくれた。
「今は一応、キャロルの依頼で動いている扱いだから二つの旗か」
「ロキ・ファミリアの方が名声は高いからな」
「了解した。アイズ、ティオナ、ティオネ! 全員に休息と食事の準備をするように伝えてくれ! ガレスとリヴェリアはボクと来てくれ」
「「「了解」」」
「アイズ、これが鍵だ。配っておけ」
「ん、わかった」
さて、オレは荷物を片付けてから中心部に鐘と円卓を錬成し、鐘を鳴らす。当然、全員が驚いてでてくる。
「ロキ・ファミリアが到着した。これより各代表において会議を開催する。代表者は集まるように。来ない奴の意見は知らん。3分で支度しろ」
「うゎぁ」
フィンたちに引かれるが気にしない。どちらにせよ、円卓に座っている連中に飲み物を出してゆっくりと待つ。すぐに建物から飛び出してきた連中が席につく。中にはかなり服の乱れている女性や男性もいる。
「さて、会議を始める。議題はここの管理だ。まず、作ったのはヘスティア・ファミリアの団長であるオレ、キャロル・マールス・ディーンハイムだ。よって、ここの利権は全てオレにある。が、管理するつもりはない。だから、ここに居るファミリアに権利を売ってやる」
「協議制による分割統治という感じかな?」
「そうだ。まず、設備としては体験した通りだ。防衛に関してもゴーレム達が勝手にやってくれる。だが、運用する為には魔石と素材が必要だ。撃っているバリスタの関係もある」
「それを共同で出す事が最低条件というわけだね」
「ふむ。宿の使用は鍵を貸す時にしていいとして、食料の問題も色々とあるな」
管理せずに放棄する事も話し合うが、基本的に勿体ないということになった。やはり、安全な休憩場所といのは必要という事だ。
結果。各ファミリアが持ち回りで担当して、常に1パーティーが存在し、魔石を供給し続ける事になった。オレは食料やドロップアイテムの購買を行い、定期的にここまで運んでくることが決まった。転移装置を設置すれば容易いし、資金力があるのはオレだけなので引き受けた。
なお、この契約に参加するファミリアは義務を負う代わりにここを無料で使用できる。遠征のタイミングのついでにここで補給と魔石を補充してやればいい感じになるとのことだ。出た利益は基本的に参加者に分配されるので、収入にもなる。
「では、話し合いは終わりだ。順番は決めた通りに。ボク達ロキ・ファミリアはこれから深層に向かうから、後にしてもらうが……」
「オレが補充しておいてやるから安心しろ」
「そうだね。それじゃあ、ボク達は休むよ」
オレはオレ専用のベッドで眠る。
◇
「キャロル。いいかい。世界を解き明かすんだ。そして、できれば……」
◇
「パパっ!?」
がばっと身体を起こし、頭に手をやる。久しぶりに父さんが燃やされる夢を見た。オレはまだパパからの命題を解き明かせていないというのか? いや、違う。世界が書き換えられたんだ。だったら法則が変わっている。またやり直しだというのも理解できる。
「どちらにせよ、やることは変わらない……」
起き上がり、服を着替える。何時もの服に着替え、朝食としてミアに作ってもらった料理を適当に出して食べる。
食事をしていると、匂いに釣られたのか金髪娘がやってきた。
「じゃが丸君、欲しい」
「これか」
「ん、ありがとう」
「あ、私も。私はパンで!」
「わかった」
ロキ・ファミリアの連中に朝食を配り、戦闘準備を整えていく。
「キャロルはレベルいくつ?」
「秘密だ。だが、お前達に遅れを取るつもりもない」
「キャロルって本当に強いからねえ」
「当然だ。オレは世界だって敵に回せるからな」
「あははは」
「強く、なりたい。どうすればいい?」
「そうだな。まず手っ取り早いのは改造手術だ」
「駄目だよ!」
「改造……」
改造案を伝えると、全部却下された。特に途中から入ってきたレフィーヤとかいうエルフに邪魔をされた。まあ、それでもアイズの身体を調べさせてもらった。すると少し面白い情報が手に入ったが、これは秘匿した方がいいだろう。
「そろそろ出発する!」
「「「は~い!」」」
さて、冒険を始めようか。
◇
数日かけて50階層に到着した。ここは
51階層から新種のモンスターが現れたらしい。今回、オレは護衛される側なので基本的に守られている。しかし、流石にロキ・ファミリアの武器が溶かされるとそうも言っていられない。
「ウルガがっ、ウルガがぁぁぁっ!」
芋虫の敵を殺した道具は奴の体液に浴びて溶かされていく。オレにとってもこの力は使えるので数匹を拘束して調べていく。調べ終わったらウルガとやらを錬成して渡してやる。
「やったぁぁっ! ありがとうキャロル!」
「本物よりは弱いが、使い捨てが可能だ。サービスしてやる」
土のアリストテレスを使い、串刺しにいく。盛大に血液を噴き出してくれるので、解析できる。ついでに周りの地面を使って使い捨ての武器を作ってやれば壊されるのも気にせずに戦える。
そのままロキ・ファミリアの戦いに参加しているが、少ししたらレフィーヤが魔法を撃って終わらせた。それなりには使えるようだが、雪音クリスにはかなわないな。
変異した魔石ももらい、それを解析するが、情報が足りない。どちらにせよ、オレにとってはどうでもいい事だ。今回の目的はあくまでもガリィを作る素材集めだからな。
やばい素材をゲット。こんなの、キャロルが知ったら手に入れないはずがない。
ベートは銀髪犬耳尻尾ロリアイズから戻れるかどうか
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ツンデレ銀髪犬耳尻尾ロリアイズは正義
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ベート君が可哀想なので正規の方法で戻す
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キャロルちゃんの気まぐれで直す