水に憑いたのならば   作:猛烈に背中が痛い

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第参拾参話 二柱の支え

 深夜の京橋區に現れた異形。それを簡単に言い表すのならば、六本の骨の脚を持つ巨大な肉の大蜘蛛であった。

 

 その肉塊下部に埋め込まれるように存在する四つの風車……現代風に言い換えるならば吸気ファンのような器官が突如一斉に駆動を始める。すると周囲の空気が一斉に凶裏の元へと揺らめき始めた。そう、空気が肉塊内部へと吸い込まれ始めたのだ。

 

 つまりそれは、この巨大な肉塊は空気タンクであることの証拠。凶裏は鬼舞辻より与えられし血から供給された制御できなかった分の力を最大限まで転用して己の肉体の改造・増設を行い、肺に代わる新たな空気の貯蔵庫を作り上げたのだ。これで彼は、己の致命的な弱点を一つ克服したことになる。

 

 そして当の凶裏本人は、肉塊の頂点部で片手で顔を覆いながら肩を小さく上下させていた。今まで彼の事を見てきた者達にとっては、これがどんな反応なのかは態々説明する必要などないだろう。

 

『――――ク、クハッ、クヒャハハハハハハハハハ……! 馴染む! 実にッ、馴染むぞォッ!! ヒハハハハッ!! 今までの生の中でこれ程絶好調だったことがあっただろうかッ!?』

 

 皮の無い全身を震わせながら凶裏は歓喜に嗤う。善継という束縛から完全に解放され、更に鬼舞辻から大量の血液を授与され空腹とは無縁の完全完璧なコンディションを得たことで凶裏の喜びは留まる所を知らないまま昇りに昇ってゆく。

 

 文字通り今までとは桁の違う力を瞬間的に手に入れたことによる高揚感と全能感。今の彼は例え柱であろうが負ける気がしなかった。

 

『最高に『ハイ!』ってやつだァアアアアアアアア!! フヒャヒャヒャヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!』

 

 突き出した人差し指で側頭部を突き刺し、グリグリと抉る様は狂気以外の言葉は似合わない。

 

 十二鬼月? 上弦? そんな物はもう知ったことではない。自分の敵になどなるものか。己が力の源泉である鬼舞辻無惨以外の全てを上回ったという確信を以て、彼は高らかに叫び続ける。自分を止められる者はただ一人を除いて存在しない。であるのならば、自分が今から行うのは何だ?

 

 決まっている。

 

『血ィ! 臓物ゥ! 死体ィィィィイイイイッ!!! 括目するがいい鬼狩り共! 愚昧なる人間共!! 之より行うは殺戮ッ!! 明日、この町に生き物など残らないと知れェ!! フフハハハハハハハハハハッ!!』

 

 鬼の細胞深くに刻まれた殺戮と暴食の衝動。凶裏はそれを縛ることも抑えることもせず、ただ剥き出しにして暴虐の限りを尽くそうと心に決めた。その言に嘘は無く、彼を今すぐ止めなければ本当に夜が明けるころには京橋區からは人が――――いいや、街と呼べるものは消え去っているだろう。

 

 それができるほどの力が、今の凶裏には備わっているのだから。

 

 

「――――待ちなさい!!」

「かっ、カナエさん……!?」

 

 

 しかしそれに待ったをかける者が、ここに一人居た。

 

『……あァ?』

 

 凶裏が視線を下へと降ろせば、自身の真正面で道を阻むが如く立っている女子がいる。

 

 ――――女子は、胡蝶カナエは震えながらも凶裏の前へと立っていた。

 

 先程の血を与えられていない状態でも尚手に余るほどの存在だったというのに、最早つい数分前までとは比較にならないほど強大になった今の凶裏を相手にすることなど、カナエは「無理だ」とわかっている。わかってしまう。ただの子供であるアオイにすら無茶無謀だとわかるのだから、カナエにわからないはずがない。

 

(それでも、立たなきゃ……! 誰かが戦わなきゃっ……!!)

 

 だとしても彼女は刀を手に取り戦う選択をした。そうしなければきっと何千何万の人の命が今宵散る。例え自分がこの選択を選んでも結末が変わることが何一つ無かったとしても。

 

『馬鹿だ馬鹿だとは思っていたがなァ、此処まで極まった奴たァなァ…………今までの俺に叩きのめされてたテメェ如きがァ!! あの御方の血を授かった今の俺にィ!! 勝てるわきゃねェェェェエエエエだろォォォォォオオオオオオオオオッ!!!!』

 

 凶裏の嘲笑と共に肉塊の前面に取りつけられた四本の骨の触手が駆動を開始する。今まで無作為に蠢いているだけだった触手たちが一斉にその末端に取りつけられている骨の槍の穂先をカナエへと向け、さながら獲物に飛びかかる蛇の様な俊敏な動作で襲い掛かった。

 

 四方向から多角的に迫りくる致死の攻撃群。カナエは当然回避を試みるがそうは問屋が卸さない。骨の触手たちの動きは直線では無く曲線。流石に直角を描くほど常識外れな動きでこそ無いが、カナエの軌道予測を狂わせるには十分すぎた。

 

「い、ッ――――!?」

 

 一本はどうにか刀で弾くことができた。だが残りの三本はカナエの肩、脇腹、左腿の肉を僅かずつ抉っていった。どれも致命傷でこそ無いが、決して無視できるものでもない。

 

 そして悲しいかな。――――攻撃はこんなもので終わってはいなかった。

 

『ハーッハハハハハハハハハハハハッ!!!』

 

 同じく肉塊前面に取りつけられた管の様な器官の口がカナエのいる方へと向きを変え、それと連動するように肉塊に内蔵された吸気扇が激しく唸る。そして始まる――――()()

 

 四つの管から肉塊内で圧縮された空気が砲弾として撃ち出された。前にカナエに放った連射型の威力とは訳が違う。連射型の空気弾の威力が拳銃弾程度だとすれば、こちらは大砲の砲弾。それが四発、一斉にカナエへと打ち込まれたのだ。

 

(まずっ――――!!)

 

 カナエは思考を脳内から抽出し終える前に身体を先に動かす。切り裂かれた腿から血が噴き出るのも構わず後方へと跳躍し、直撃していたのならば手足など簡単に千切れ飛んでいただろう攻撃を何とか回避することに成功した。

 

 そして彼女が立っていた地面へ空気弾が着弾し爆発。決して柔らかくないはずの地面が深々と抉られながら吹き飛び、発生した風圧で宙に居たカナエは全身を殴られたような錯覚と共に態勢を崩し、受け身も取れないまま地面を転がってしまう。

 

「か、は……ぅ、ぁ」

 

 傷から血が溢れて彼女の衣服が赤く染まっていく。恐らくは初めて体感するであろう肉を抉られる感覚と痛み。燃え盛るような激痛と三半規管の揺れる感覚にカナエは耐えきることができず、幾度が呻き声を零した末に気を保つための手綱を手放してしまった。

 

 気絶し、完全な無防備となったカナエを見下しながら嗜虐的な笑みを浮かべる凶裏。彼にとっては今まで散々自分を邪魔してくれた小蟲を捕まえ、さあ指で圧し潰そうという瞬間だ。実に、心躍る瞬間だろう。

 

「――――お兄ちゃん!!」

 

 下卑た笑みを漏らす凶裏の心に、不意にかけられる冷水。その声の主であるアオイは両手を広げながら泣きそうな表情でカナエの前に立っていた。手も足も震えている。まるで生まれたての小鹿のような有様で、少女は凶裏へ言葉を投げる。

 

「お、お願い、お兄ちゃん! もうっ、もうやめて! こんな事しちゃ駄目だよ!」

『………………………は?』

「お兄ちゃんはっ、お兄ちゃんは鬼なんかじゃない! 私のお兄ちゃんは優しくて、でもどこか抜けていて、いつも人の不幸に心を痛めて、料理がとても上手くてっ……! お願いだからっ、お兄ちゃんを返してよぉ!!」

 

 アオイの叫ぶ悲痛な訴え。第三者が聞けば心を振るわせられるくらい、その叫びには感情が乗せられていた。感動的とさえ言えるだろう。

 

 だが無意味だ。

 

『クハッ、クハハハッ、クハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!! こいつァ傑作だァ! 喜べよ善継、お前の妹はお前の事をこんなにも想ってくれているぜェ? ――――ま、聞こえちゃいねェだろうがなァ。だが、そろそろ、お前の声も耳障りだと思ってきた頃だ』

 

 あれだけの惨状を見ながら、未だに兄が帰ってくることを諦めきれていないアオイの姿に凶裏は愉快そうに腹を抱えて笑い飛ばした。ひとしきり笑った後は素面に戻ったのか、極めて冷徹で、無関心そうな声で凶裏は肉塊を支える六本の骨脚の内一本だけを振り上げる。

 

「あ…………」

『んじゃあ――――二人仲良く地面の染みにでもなってろやァァァアア!!!』

 

 情けも容赦もなく、二人の女子目がけて巨大な脚は振り下ろされた。

 

 轟く爆音。巻き上がる砂煙。どれだけ鍛えた人間だろうが、まともに喰らえば原形は留めないだろう質量攻撃。何もなければ女子二人は無情にも何者かもわからなくなった凄惨な屍をこの世に残すことになるのだろう。

 

 そう、何もなければ。

 

『…………ん?』

 

 真っ先に様子がおかしいことに気付いたのは攻撃を行った張本人である凶裏だった。

 

 何がおかしいのか? ……見えないのだ、『赤』が。血の色が。人間二人を一斉に潰し殺したにしては飛び散った血液の量が少ない――――いや、違う。無い。赤い血は全く飛び散っていない。

 

 あり得ない。圧殺されたのならば中身は四方八方へと飛び散る筈なのに――――!!

 

 それがないという事は、つまり。

 

 

 

「――――俺が気絶している間に……随分、好き勝手、してくれたな」

 

 

 

 

 

 

 未だに頭の中から鈍痛が絶え間なく湧いて出てくる。視界も朦朧としていて、自分でもどうやって立ち上がって、前にあるものを認識しているのかわからない。

 

 全身が惨いとしか言いようのないほどに傷だらけだ。骨は折れていないが肋骨数本と左腕、右足の骨に罅が入り、辛うじて血が止まっていた全身の銃創からは出血が再開されている。その上屋根を貫通して屋内に叩き付けられた際に頭を打ったのか、頭部から血が流れだしている。

 

 重傷だ。死に体だ。いつ死んでもおかしくはない。いやいっそ死んだ方が楽だろう。

 

 

 だとしても。

 

 

『な、ん……!?』

「はぁっ……はぁっ……!!」

 

 

 カナエとアオイ目がけて振り下ろされた巨大な骨脚を、俺は身体の隅々から力をかき集めて受け止めた。

 

 その際の全身にかかる負荷で出血が更に酷くなっている。この状態があと一分続けば、俺の身体からは生命維持に必要な最低限の血液さえ残るまい。

 

 それでも、そうしなければならなかった。二人の命を守るためならば。

 

「んんんんぬうぅぅぅうううああああああああああああああああッ!!!」

 

 俺の姿を見て一瞬動揺した凶裏の隙を突いて、俺はこちらを圧し潰そうとしている骨脚を全力で弾き飛ばした。それで体勢を崩したのか、あるいは俺の気迫に押されたのかわからないが、凶裏は酷く狼狽した様子でたじろぐ。

 

 これで少しばかり時間が出来た。早く、カナエたちの様子を確認しなければ。

 

 振り向くと傷から血を流して気絶しているカナエと、恐怖の限界に達したのか同じく気絶して倒れ伏したアオイが居るのが見える。

 

(無事ではなかったが、生きている。……よかった)

 

 だが状況的には全く喜べない。今すぐ二人をどこか安全な場所に避難させないといけないというのに、動ける人手は俺一人のみ。だが、今から俺は凶裏を足止めしなければならない。例え撤退するとしても、ヤツがそれをみすみす見逃してくれるとは思えない。きっと執念深く追いかけてくるに違いない。

 

 しかも俺の身体は今すぐ応急処置をしなければ助からないほど酷い有様だ。だが奴を目の前にしてそんな余裕なぞない。そんな俺が稼げる時間など何分、いや何十秒だ? いや、時間が稼げたとしても二人を運べなければ意味がない。最悪よりもマシ程度な最悪の状況に俺は内心で毒づく。

 

 更に、凶裏の最早原形すら残さない禍々しき変貌。経緯はわからないが、確実に鬼舞辻から血を与えられたせいだろう。それに伴うように、奴の纏う気配とも呼ぶべきものが劇的な変化をしたのを俺は感覚的に理解した。

 

 先程までの状態と比較して、今の凶裏は四倍……いや五倍以上の力を感じる。間違いなく上弦級の脅威。変化前ですら俺とカナエの二人掛りで辛勝だったというのに、消耗し切った俺では――――例え万全の状態であっても無理だろうが――――もうこんな物は手に負えない。

 

 そして、こいつを放って置けば最悪京橋區は壊滅する。確実に。それができる力が、今の凶裏にはある。

 

『…………ェんだよ』

 

 ズン、と巨大な骨脚が地面を大きく踏む。息を呑んで視線を凶裏の本体らしき皮無しの人型に向ければ、余程の怒りを抱いているのか全身の表面に血管を浮かばせ、血走った三つの眼をぎょろぎょろと気持ち悪く四方八方に蠢かせている。

 

 

『しつけェんだよこの肥溜に吐き出された痰滓如きがよォォオオオオオオオオオオオッ!!! いい加減死に晒せやァァァァァアアアアアアアアアッ!!!』

 

 

 その怒りの理由に大体察しがついた。大方俺のあまりのしぶとさ、しつこさに嫌気が差しているのだろう。確かに、我ながらゴキブリ並みのしぶとさだとは思う。

 

 だがそれもこれで最後だ。俺が死ぬまで、奴には根気よく付き合って貰おう。

 

 目の前で広がっていた威圧感がさらに強まる。奴の中にある鬼舞辻の血が高ぶっているのを本能的に感じる。

 

 凶裏が下半身を埋まらせた肉塊から管の様なものが二本が出現した。ゴムやプラスチックなどでは無く肉と骨で形作られた有機的な管は一瞬だけ悍ましくうねるとたちまち凶裏の両肘に突き刺さり一体化。更に凶裏の腕から肉が増殖していき、グチャグチャと気持ち悪い音が立てられながら変形していく。

 

 完成した凶裏の両腕は”砲”だった。骨の砲身と肉の内部機構を持つ異形の武装。それが出来上がった瞬間腕と繋がっている管が肉塊の方から急激に膨らみ始めた。

 

 まるで何かを凶裏の腕へと送り込むように。

 

(――――まさか、あの肉塊は……!!)

 

 瞬時に俺は理解した。奴の巨体の大部分を占めるその部位が、外付けされた空気タンクだという事に。そして内部に貯蔵できる空気の量は恐らく、肺などという小さな内臓などとは比べ物にもならない。

 

 ならばそこから放たれる術の威力は――――!!

 

 

【血鬼術 空砲・玉風息吹 多連弾】

 

 

 肉塊に取りつけられた骨の砲八門の内前面に取りつけられた四門と凶裏の両腕に形成された計六門の骨の砲から撃ち出される無数の空気弾。一発一発が、恐らく重機関銃の弾丸に比肩するだろうそれを、俺は避けようとしなかった。

 

 俺の背後にはカナエらがいる。避ければ二人が粉微塵に消え果てるのはわかり切った事実だ。

 

 ならば俺がするべきことはただ一つ。

 

 

 

 ()()

 

 

 

 

 全集中・水の呼吸 【拾壱ノ型 凪】

 

 

 

 刀を振るう。迫りくる莫大な数の風の弾丸を切り裂き、弾き、逸らし続ける。こちらに当たらないものや致命傷にならないものは取捨選択し、俺はただただ無心に怒涛の弾幕を処理し続けた。

 

「ッぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!」

 

 吹き荒れる風が全身を撫で切りにしていく。痛みが増える度に足が挫けそうになる。駄目だ、折れるな。俺が負ければ死ぬのは俺だけじゃない……!!

 

『キィイィィィイイェェエッ!!』

「っ!!」

 

 骨の砲と同じく肉塊の前面に生えた骨の触手四本が動き始める。それは獰猛な蛇の様に不規則な動きを見せるや否や、風の弾幕を泳ぐように掻い潜りながら俺へと襲い掛かってくる。 

 

 縦横無尽に曲線的な動きは今の俺では先の予測は不可能。だが()()()()()()()()()()()()。凶裏の視線で狙う個所を大まかに予想した俺は骨の触手に付いた槍が肌に触れる手前で【凪】によって紙一重で弾く。

 

 ここで突如握っている刀から異音が響いた。目を凝らせば、刀身の半ばから深々と罅が入っているではないか。

 

 【凪】の連続使用と、無数の攻撃を防ぎ続けていた弊害か。俺の技が未熟なばかりに、こんな姿にさせてしまって心の底から申し訳なくなる。

 

(……すまないな、鉄穴森さん。貴方に謝ることもできなさそうだ)

 

 弾いた触手たちが再度軌道を変えて迫る。同じ手順で攻撃してくる個所を予測し、もう一度弾き飛ばす。

 

 そしてついに、右手に握る刀の重さが軽くなった。砕け折れた刀身が何回転もしながら遠くの地面に突き刺さる。これで終わりか? ――――まだだ、まだ刃が全部無くなった訳じゃない。

 

 例え柄だけになろうが、俺は戦う。それが今俺ができる精一杯なのだから。

 

『くたばりやがれェェェェェエエエエエエエエエエッ!!!』

 

 三度目になる触手たちの猛攻。迫る触手四本の内二本を弾いた瞬間、手元から刀が甲高い音を立てながら弾き飛ばされた。もう、刀を握り続ける力も残っていなかったのか。

 

 最早防御の手段は何一つ残っていない。自身へ迫る骨の槍を見て、脳裏を流れる走馬灯。今までの出会いや経験が激流の様に早く、しかし清流のように静かに流れていく。はっきりと見えてくるのはやはり、今まで出会い親しくなってきた人達の顔。

 

 錆兎、真菰、鱗滝さん、しのぶ、カナエ、カナヲ、雫さん、真白さん……蔦子姉さんと、向日葵。

 

 ……姉さん、悲しむだろうな。

 

 

 約束、守れなかったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鮮血が舞う。大きな塊が”四つ”夜空を舞い、数回転した後に地面へと()()()()()()

 

 

『――――――――は?』

 

 今しがた刎ねられたのは、義勇の頸ではなかった。ソレは骨の穂先……そう、凶裏の操る触手のモノだったのだ。

 

 その光景に茫然する義勇と凶裏を尻目に、忽然と佇む人影が動く。”彼女”は被っていた白い頭巾を勢いよく脱ぎ捨て、その中に秘められていた白く美しい髪を夜風に棚引かせた。

 

「……心配だったから、帰り道に様子見に寄るだけのつもりだったんだけど、ね。まさか十二鬼月が出て……こんなことになっていたなんて、思わなかったよ」

「な、んで」

『何を……しやがったァ!! (あま)ァ!!』

 

 瞼を開けば、奥から赤い宝石のように煌びやかに輝く眼。静寂と冷徹さに満ちた殺意の視線が今、凶裏へと向けられる。

 

『女風情がァッ……! 俺をォ!! そんな舐めた目でェ!! 見てんじゃねェェェエエエエエエ!!!』

 

 再生を終えてその先に凶器を携えた四本の触手が白髪の女性へと飛翔する。曲線的かつ不規則、そして速度も十分すぎるほど早い。並の剣士では影を捉えることすら不可能だろう。

 

 ――――ただ、”彼女”は並の剣士では無かった。

 

 

「全集中・雪の呼吸――――【壱ノ型 雪花】」

 

 

 迫る触手の穂先を眺めながら”彼女”はゆっくりと腰に佩いだ刀の柄を撫で――――手元が揺らぐ。それと同時に”彼女”を貫かんとした触手四本が一斉に斬り飛ばされた。

 

『ばっ、馬鹿な――――!?』

 

 目の前の光景が受け入れられず硬直していた凶裏だったが、その隙を見逃すほど()()は甘くない。

 

 何か巨大なものが振り回されるような風音がした。凶裏がそれに気づいたのは既に対処が困難になってきた頃。風音に気付いた彼は反射的に振り返り、その光景を目にする。

 

 自身の目と鼻の先まで迫っていた巨大な棘付き鉄球の姿を。

 

 

「南無阿弥陀仏」

 

 

 その言葉と共に、凶裏の右半身が粉々に砕け散った。更に追撃として放たれる手斧の投擲。石突から繋がっている長い鎖によって大きく振るわれたために、鉞に籠められた力は凶裏の頸どころか上半身を丸ごと吹き飛ばすには十分な破壊力が込められている。

 

『がぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁああああああッ!!?!』

 

 それに対して凶裏は咄嗟に迫ってくる手斧の横っ腹を殴りつけることで軌道を強引に逸らし回避した。代償として左腕が吹き飛んだが、鬼にとっては軽過ぎる傷だろう。

 

「……仕留め損ねたか」

 

 瓦が幾枚も割れる音と共に、その影は鎖を引き寄せて鉄球と手斧を回収しながら近くにあった家屋の屋根に降り立つ。

 

 同じ日本人とは思えないほどの巨体と筋骨隆々の肉体。人の顔より一回り以上大きい、常人では持つ事すら困難だろう鎖付きの棘付き鉄球と鉞。真っ黒の隊服の上に被せられた、『南無阿弥陀仏』という文字の刻まれた緑色の羽織。

 

 間違いなくその姿は、鬼殺隊が柱が一柱――――岩柱・悲鳴嶼 行冥……!

 

 そして俺の目の前に立つ、鬼殺隊の純黒の隊服の上に真っ白な着物を羽織った白髪の女性の姿も知っている。彼女もまた柱の一人……雪柱・明雪 真白。

 

 鬼殺隊の保有する最高戦力九名の内二名がこの場に現れた。この上ない、最高の援軍が。

 

「い、岩柱様に、真白さん……!? な、何故……?」

「うん。私は任務の帰り道に、貴方の様子を見に来ようとしてね。するとびっくり、まさか十二鬼月が現れて、貴方と交戦しているって烏が叫んでいるものだから、急いで駆けつけたの」

「すぐ近くが私の担当区域故、鎹烏の要請を聞き全速で参戦しに来た次第だ。……よく、持ち堪えた。後は我々に任せるといい」

 

 思わず涙が込み上げてきた。

 

 無駄では無かった。文字通り肉を削り骨を砕きながら耐え続けたのは、彼らが駆けつけるまでの時間を稼ぐことができた。これでカナエやアオイも助けることができる。

 

 本当に、本当に……助かった……!!

 

『クソッ!! クソクソクソクソクソがァァッ!!! 舐めた真似してくれやがってェッ……!! 今更柱が出てきたからって何だってんだァ! そこの小僧共々、纏めて縊り殺してやらァァァァァアアア!!!』

「できるものなら。――――往くぞ、明雪!!」

「はい!」

 

 凶裏は欠けた肉体を再生し終えるや否や、触手や風の砲撃で地面や周囲の建物を無差別に破壊しながら獰猛さを剥き出しにしていく。

 

 相手は柱二人。もう俺の様な格下を相手にした時の様な油断は見せない。

 

 その威風を受けた悲鳴嶼さんと真白さんは自らの得物を握る力を一際強めながら、一歩を踏み出した。

 

 恐らくもう俺に攻撃は飛んでこない。余波が来たとしても柱たちが守ってくれると信じ、俺は悲鳴を上げ続ける肉体から力を絞り出して気絶した二人を引き摺って少し離れた場所の路地裏に隠れる。

 

「はっ、はぁっ……ぐ、ぅっ……!」

 

 一先ずの安全を確保できたと確信で着た瞬間、身体から全ての力が抜ける。足腰を立たせるための力すら靄の様に掻き消え、身体が痛むのも構わず俺はその場で倒れるように尻もちをついて壁に背を預ける。

 

 痛い、痛い。とにかく全身が痛い。身体は傷の無い個所が無いほど無惨な有様だ。

 

 俺は泥の中にいるような抵抗感に抗い、酷く鈍くなった手つきでカナエの懐から応急処置のための包帯やら薬やらを拝借し、彼女の傷の手当てをしていく。といっても、出来るのは血を拭いて塗り薬を塗り、包帯を巻くだけだが。

 

 措置が済んだら余ったもので自分の傷の手当てもしていく。止血剤と増血剤を身体に打ち込んでいき、更に針と糸も使って大きな傷も縫っておく。薬の副作用や激痛のせいで手当ての最中に不快感に襲われ何度か吐きそうになったが、我慢してやり遂げた。

 

「……はっ! わっ、私、気絶して――――アオイちゃんはっ!」

「無事だ。此処にいる」

「――――っ、義勇君!!」

 

 丁度手当てが終わった頃にカナエが目を覚ました。戦いの最中に気を失ったせいで起きた瞬間は酷く焦り気味であったが、眠っているアオイや俺の姿を見て落ちつきを取り戻し――――ちょっと待て。何で抱き付いて、

 

「いだだだだだだだだだだだだだだっ!!」

「あ、ごっ、ごめんなさいっ! 喜びのあまり、つい……」

「勘弁してくれ……」

 

 不安から解放されて喜ぶ気持ちはわかるが、今の俺が重体だという事は忘れないでほしい。やっと閉じてくれた傷がまた開いたかと思ったではないか。

 

「あの、それで、鬼は一体どうなったの……?」

「岩柱と雪柱が駆けつけてくれた。もう、大丈夫だ」

「悲鳴嶼さんが!? はぁぁぁ……よかったぁ……」

 

 やはり柱、しかも自身の恩人が駆けつけてくれたという事もあってカナエは心の底から安堵の表情を浮かべた。かくいう俺も似たようなものだろう。

 

 一般の隊員の中では柱を神聖視する者たちも少なくないというが、確かに絶体絶命の状況から華麗に救い出されてはその気持ちが深く理解出来てしまう。

 

 あれが、柱。鬼殺隊を支える九柱。

 

(…………戦況は、どうなっているのだろうか)

 

 未だに鳴り続ける戦闘音。流石に数分で決着がつくとは思わないが、一応彼らの様子を確認しておくことにする。確かに柱は強い。だが不死身で無敵のヒーローという訳ではないのだ。

 

 万が一の場合もある。注意しておくに越したことはないし……何より彼らの戦いから学べることも多いはず。

 

 そう思いながら俺は路地裏から顔だけ出して彼らの戦いを観る。

 

 それは――――正しく異次元の戦いであった。

 

 

『クソがァァァッ!! なんでだッ! なんで当たらねェッ!!』

「ふっ――――!!」

「はぁぁっ!」

 

 

 凶裏は形振り構わず全方位を滅茶苦茶に攻撃している。空気弾による砲撃、空からの圧縮空気の爆撃、凶裏本体の両腕を変形させた巨大な剣から放たれる特大鎌鼬に肉塊から生えた八本の触手による乱雑で複雑な連続攻撃。

 

 悲鳴嶼さんと真白さんは、その全てを掻い潜り、凌ぎながら凶裏と渡り合っていた。地面を、壁を、屋根の上を駆けまわりながら鉄球と手斧を振りまわし、抜刀術で斬り落とし、俺であれば三十秒持つかどうかも怪しい猛攻に二人は汗一つ流さず涼しい顔で耐えきっている。当然、無傷で。

 

 何と言う実力か。己と隔絶しているその差に、震えるしかできない。一体どれほどの時間を費やして、その腕と技を磨き上げたのか、俺では想像もつかない。

 

 

 全集中・岩の呼吸 【壱ノ型 蛇紋岩(じゃもんがん)双極(そうきょく)

 

 全集中・雪の呼吸 【伍ノ型 天花(てんげ)雲雀殺(ひばりごろし)

 

 

 悲鳴嶼さんが手斧と鉄球をきりもみ回転させながら同時に投擲。肉塊を支える六本脚の内三本を破壊して態勢を大きく崩し、その瞬間真白さんが凶裏の真上へと跳躍。鞘に秘められた刃を一瞬で解放し、真下へ向かって広範囲かつ複数の斬撃を浴びせる。

 

『ぎぃぃやぁぁぁぁああぁぁぁああああああああッ!!?!?』

 

 頸は断たれなかった。が、真白さんの攻撃に寄って八本の触手全てと風の砲の半数、そして凶裏本人の両腕が根元から両断されたことで、凶裏は苦悶の表情で悲鳴を上げる。

 

「今です、悲鳴嶼さん!」

「承知――――!!」

 

 真白さんの合図で悲鳴嶼さんが鉄球を投擲。しかしそれは凶裏の頭上というあらぬ方向を通り過ぎてしまう。手元が狂ったのか? と思ったのも束の間、彼が投擲した鉄球に繋がった鎖を力いっぱいに踏みつけ、鉄球を真下へと落下させたことでそれが大きな勘違いだったことを思い知る。

 

 

 全集中・岩の呼吸 【弐ノ型 天面砕(てんめんくだ)き】

 

 

 空から降る鉄球の一撃で、凶裏は苦悶の声すら発せられずに全身を粉微塵に砕かれた。頸なんて最早欠片すら残っておるまい。

 

 それに合わせて肉塊から力が抜け、辛うじてその巨体を保たせていた骨脚が脱力。巨大な肉塊が轟音を立てながら墜落し、地面を大きく揺らした。

 

(…………やった、のか)

 

 何と言う迅速さ。戦闘を始めてからまだ四、五分程しか経っていなかったというのに。

 

「――――悲鳴嶼さん!」

 

 いつの間にか俺と同じように彼らの戦いぶりを見ていたカナエが戦闘が終わったことを覚ってか路地裏から飛び出した。そしてその大きな胸に全力で飛び込みギュッと抱きつく。

 

 その様は……まるで親子だな。

 

「……来るのが遅くなってすまなかった、カナエ」

「ううん、そんな事ありません! むしろまた危ない所を助けてくれて、何と言ったらいいのか……」

「礼は不要。成すべきことを成したまでだ」

 

 俺も肩に溜まり切っていた力を抜きながら、倒れているアオイの身体を背負って三人の元へと歩む。傍まで寄ると不意に「ぽん」と優しく悲鳴嶼さんの手が乗せられる。

 

「冨岡、と言ったな。……奮闘、見事だった。そして感謝する、彼女を守り通してくれたことに」

「いえ、俺は……」

 

 守り切れてなどいない。結局、俺が出来たのは時間稼ぎだけだった。そして不始末の尻拭いは柱の二人に任せじまい。善継の事も、この手で楽にしてやると宣った癖に、結局できずに終わった。

 

 全くもって酷い体たらくとしか言いようがない。

 

「そう落ち込まないで」

「真白さん……」

「確かに貴方は私たちより弱い。けれど、貴方は自分ができることを全力でした。そしてちゃんと結果も残した。十分満足できる結果だと、私は思うよ?」

「……はい」

 

 犠牲者は多数出たが、一般人へ本格的に戦火が及ぶ前に決着はつけられた。自分も死なず、カナエやアオイも守り切れた。結果だけ見れば、決して悪くはない。それは俺も認めるし、心の底から喜んでいる。

 

 だが、心にこびり付いた無力感というのは、中々拭えないものだった。

 

「では、我々は早々に退散するほうが良いだろう。後始末は隠達に任せ、冨岡とカナエはこのまま病院まで――――」

 

 悲鳴嶼さんがこれからの事を語り始める。最初は俺もそれに耳を傾けていたが…………ふと、強烈な違和感を感じる。

 

 おかしい。何かが、()()()()()()ような。

 

 違和感に衝動を付き動かせられるまま、俺は視線を右往左往させる。なんだ、一体何が――――

 

 

 

 ちょっと、待て。

 

「なんで……」

「冨岡?」

「冨岡君? どうか、したの?」

 

 巨体ゆえか? 体積が大きいからそう錯覚しているだけか? 違う、違う違う違う。全くない。()()()()()()()()()!! コイツ、やはり――――!!

 

「悲鳴嶼さん真白さん構えろッ! ()()()()()()()()()()()!!!

「え――――?」

「冨岡よ、一体何を言って――――」

 

 ――――完璧に対処するには、気づくのが一秒遅かった。

 

 肉塊に取りつけられた風の砲門が瞬時に照準をこちらに向き、轟音を吹かせた。ギリギリでその不意打ちを察知できた俺は咄嗟に一番近くにいた真白さんを押しのけながら彼女目掛けてアオイを投げつけ、予想される被害範囲内から強引に弾き出す。

 

 そして両腕を顔と胸を守るように構えた直後――――爆発。

 

 圧縮された大量の空気が一気に膨張する衝撃と、それによって生じた石の礫に全身を打たれながら吹き飛ぶ。

 

(畜生。何で気づかなかった。それだけ浮かれていたというのか……!? よりにもよって基本中の基本――――鬼が死した際に発生するはずの()()()()()()()()()()()()事を見逃してしまうなんて……!!

 

 吹き飛んだ身体が地面をのたうち回る。だが傷は深くない。俺は痺れる肢体に強引に力を込めて、震えながらもどうにか立ち上がった。

 

 そして見たものは、頭を鈍器で殴られた方がまだマシな光景であった。

 

「ひ、悲鳴嶼、さん……ああ、そんなっ……!!」

「っ……油断、したか……」

 

 退避が間に合わなかったのだろう、爆心地に近い場所にカナエと悲鳴嶼さんが蹲っていた。ただカナエは咄嗟に庇われたためか傷はなく、代わりに悲鳴嶼さんは羽織と隊服を大きく引き裂かれ、露になった背部から夥しい量の血を流している。

 

 それだけなら、まだ良かった。軽くはないが柱かつ体格にも恵まれている彼がこの程度で戦闘不能になってしまうなんて思うほど俺も馬鹿ではない。……だが一つだけ、決して無視できない傷があった。

 

 ()()()()()()、血が出ていた。

 

 ……最悪だ。

 

 

『フッフッフッフフフフフフフッ……フハハハハハッ!! アーッヒャヒャッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハハハッ!!!』

 

 

 勝利に湧いていた先程から一転して愕然とする俺たちを他所に、聞きたくも無い嘲笑が高らかに木霊する。

 

 全身が潰され砕かれたはずの凶裏が、再び肉塊の頂点から生えてきた。何を馬鹿な、と叫びたくなる。頸どころか全身を砕かれたんだぞ。それともなんだ、まさかあの人型は、本体じゃないとでもいうのか? それともこの土壇場で頸という弱点を克服したとでも?

 

『そうか、そうか、ようやくわかったよォ!! 自分の体の作りすら把握できていなかったなんて、俺は何て間抜けだったんだァ!!』

「―――――【参ノ型】」

 

 狂喜に顔を歪める凶裏の背後から、いつの間にかアオイを地面に寝かせて裏に回り込んだ真白さんが現れる。凶裏も遅れて気づき背後を振り返るが、笑みは消えない。

 

「【細雪(ささめゆき)六辺香(ろくへんこう)】――――!!」

 

 超速の六連撃が頸ごと凶裏の全身をバラバラにする。しかし今度は凶裏の動きは止まらず、骨の触手八本全てが真白さん目がけて襲い掛かった。それらを跳躍、刀による迎撃で華麗に回避しながら、真白さんは俺たちの元に着地する。

 

 その視線の先には凶裏の肉体。……やはり灰とならず、逆再生するようにその体は生え代わった。

 

『効かねェェんだよこの間抜け共がァァァァアアアア!! ヒャァァァッハハハハハハハハハハハハハハハ!!!』

「嘘……」

 

 彼女の言葉が、この場にいる者全ての代弁だった。

 

 

 

 

 

 

 




《独自技解説》

 全集中・雪の呼吸 【伍ノ型 天花(てんげ)雲雀殺(ひばりごろし)
 極限まで刀に力を溜め、上空に跳躍してから下方広範囲を滅多斬りにする範囲攻撃技。



この男は止血剤と増血剤をポーションか何かとでも思っているのだろうか。なんで応急手当しただけで瀕死の状態から当然のように再起動してんの……?

補足しておくと、柱二人が凶裏が死んでいないことに気づけなかった理由は、真白さんは単純に後ろを向いていて灰化していないことが見えていない上に頸ごと全身粉々とかどう考えても死んでるだろうと思っていたから。悲鳴嶼さんは自分の手で確実に叩き潰した確信と手ごたえがあったせいで態々確認する必要がないと思ってしまったからです。

二人とも柱になってまだ一年足らずの新米なため、単に頸を切っても死なないような鬼がいることを想定できなかったんですね。
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