ご都合主義の展開もあり、原作崩壊している部分もあります。
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<春樹Side>
二人の少女を連れて珠世さんの隠れ屋敷に向かっていた。勝手なことをして怒られるからな? 一応珠世さんに文を送ったんだが・・・
前みたいなことにならなければ良いが・・・
数か月前に似たようなことがあり、苦労した時のことを思いだしていた。
ある村に赴き、家族を鬼に殺され孤児になっていた錆兎という少年と真菰という少女が鬼に襲われていたのを助けだし、連れて帰った時もめちゃくちゃ怒られたからなー。
「春樹さん! 貴方の正体を子供たちが知ったらどうするんですか!? それに私たちは子供たちの大事な存在を奪った鬼という存在なのですよ?
命を助けるならまだ分かります。ですが引き取って面倒を見るという場合は違います。ただでさえ貴方は鬼舞辻から狙われている存在です。子供
たちの身に危険がせまりますよ? そんなことさせないから大丈夫だ? 貴方が身近なものを傷つけさせないように護りきるのは分かってます。
ただその度に貴方は無茶をするではありませんか! 貴方の心配する身にもなってください!」
と怒られて珠世さんを泣かせてしまった。
錆兎からは「男なら女の人を泣かせてはだめだ!」
真菰からは「ああ、泣かせちゃった。春樹さんは悪い人だ。ほら、謝らないと」
愈史郎からは「おい、バカ兄貴! 珠世様をよくも泣かせたな! 二度と帰ってくるんじゃない!
三人から集中攻撃をくらった。いや、錆兎に真菰さん? 貴方たちを面倒見ることについて怒られてるんですよ? そこ分かってます?
それに、愈史郎は珠世さんのことが絡むと容赦ないですよね!? 言葉の棘がグサグサと刺さっていますよ?
みんなから攻められたら泣きますよ・・・
俺はすぐに謝り、友人の鱗滝左近次という鬼狩りの柱に錆兎と真菰を預けにいった。鱗滝さんは、俺の状態を知っている数少ない人物だ。
鼻が利くらしく、俺を一目で鬼と見破った。襲われるかと身構えたが、彼は襲ってこなかった。
「お前は鬼だが、とても優しい匂いがする。その体の大きさから人を喰ったことも無いだろう。害のない鬼を殺す必要はない」
と言われ、天狗のお面をかぶっている変な人じゃなくて良かったと思い、彼には私の今までのどういう生活をおくってきたか話した。すると、
珠世さんと同様に怒られてしまった。解せぬ・・・・
そこから仲良くなり今でも交流が続いている。錆兎と真菰を面倒見てもらっているだけでは悪いので、彼が引き取った孤児たちの面倒をみたり、
修業を一緒につけている。本来、そだて?と呼ばれる人物が修業して剣術を伝承していくらしいので鱗滝さんが教えるだけで充分のはずなんだが、
俺の剣術も参考になるらしく子供たちと稽古をしている。縁壱に死にかけながらも習ったぐらいで、後はほとんど独学ってか襲ってくる鬼や人間達と
自主鍛錬して身につけただけなんだけどな。
鱗滝さんは『水の呼吸』という剣術の使い手だ。聞いた時は俺の知っている『日の呼吸』と違っていて驚いた。時代がたつにつれて呼吸法も進化していった
ということだろうか。
出会って間もなくの頃、今ある呼吸法について尋ねたところ、炎・水・風・岩・雷の五系統が存在しており、ここから派生している他の流派もあると言われた。日の呼吸については
親方様なら何か分かるかもしれないが、私は知らないと言われた。どうやら彼が所属している鬼狩りの組織には日の呼吸法を扱う者はいないみたいだ。炭吉くん
と奈枝ちゃんの子孫はいないみたいだ。どこにいるのだろうか? 生きてさえいればその内会えるよな! 前向きにいこう!
彼の所属している組織についても教えてもらった。『鬼殺隊』と呼ばれ、なんか凄い素材で作られた日輪刀と呼ばれる刀で人を襲う鬼を殺す組織で何百年も前から続いているそうだ。
親方様と呼ばれる人物がトップで、その下に柱と呼ばれる強者が何人もおり、その下に階級を分けて数百人の隊員がいるらしい。日輪刀でのみ鬼を殺すことができるそうだ。
縁壱からもらった刀も日論刀だったみたいだ。全然知らなかったんですけど・・・・。ん、、待てよ?
鬼舞辻という鬼をこの刀で首を撥ねたが死ななかったことを伝えると、彼のお面がずれ落ちて顔が見えた。あら、意外と可愛らしく優しい表情してるのね。
どうでも良いことを考えていたら、服を掴まれて更に怒られた・・・・何でだよ・・・・。
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とまあ、彼と出会ったばかりの頃のやり取りはこんな感じだったな。彼には色々と恩があるので、頼みごとを聞いた訳だ。錆兎と真菰の元気な姿が見れるから俺としては嬉しいんだけどな。
それで、錆兎と真菰に土産でも買おうと特産品がある村を訪れて宿で休んでいたら鬼の気配がしたので、刀も持たず身一つで急いで向かうとその場所には家があった。ドアを蹴飛ばして中に入ると成人の男性と女性が
鬼に喰われており子供の姉妹が喰われそうになっていた。
「何じゃお主は? ぎゃぼっ」
呑気に声をかけてきたので一瞬で距離を詰め、鬼を蹴飛ばし力を込めて顔面をぶん殴った。鬼は家の壁に穴をあけながら吹っ飛んでいき姉妹と鬼の距離を離すことに成功し、泣いている彼女達を安心させる為、頭を
撫でて笑顔で話かけた。
「助けに来るのが遅くなってしまい申し訳ない。君たちの両親を助けることが出来ずすまない。俺を恨んでくれてもかまわない。だが、鬼を倒すまでは俺の側から離れないようにしてくれ」
「「ぐすっ・・・お父さんとお母さんが」」
「すまない・・・。俺がいる限り君たちのことは絶対に護るから安心してくれ。血鬼術『護り刀』」
姉妹を落ち着かせていると先ほどの鬼が戻ってきた。彼女たちは鬼が生きていることに恐怖し震えていた。
「貴様! よくもやってくれたな! お前を殺した後でそこの人間どもも喰ってやる」
「「ひっ!?」」
彼女達を抱きしめ、顔を俺の体で隠し鬼を見えないようにして鬼に話しかけた。
「それはできねえよ。お前はもう人を喰えない」
「!? なぜ、俺の頭が落ちている? 貴様の周りに浮いてある刀で何をした!? それに再生できないだと!?」
「血鬼術の効果だ。この刀は鬼狩りが持つ刀と同等の効果がある。この刀でお前の首を撥ねたんだよ。
お前はこの子たちの大事なものを壊した。その代償を払うことになっただけだ。死んで悔い改めろ」
「おのれえええええええええええええ!」
鬼は消滅した。
「次に生まれるときは幸せになれるようにだけは願ってやる。鬼は倒したからもう大丈夫だ」
鬼を倒し消滅したのを確認して少女達に話しかけた瞬間、背後から殺気を感じ振り向くと大きな鉄球が俺めがけて向かってきた。
少女たちを抱え、攻撃が当たらない範囲まで移動した。
「今のを避けるか・・・・おお哀れな子供達よ、今鬼から救いだしてやる。私が来たことを後悔するのだな・・・南無阿弥陀仏」
危ないな、おい! 下手したら子供たちが怪我してたぞ!
とにかくこの子達に被害がいかないようにしないとまずいな。
声がした方を睨み、少女達に被害がいかないように庇うように前に出て
「おいおい、ずいぶんなご挨拶だな。そんな鉄球を喰らったら間違いなく死ぬと思うんだが? 挨拶も無しに襲ってくるとは今までの柱に比べ容赦がないな、鬼狩りさんよ。ここで戦うことはこの姉妹を巻き込むことになると思うんだが、この姉妹を最悪殺しても良いってことか? もしそうなら、いくら人間だとしても容赦しねえぞ」
俺は、攻撃してきた『南無阿弥陀仏』の文字が染め抜かれた羽織を着て鉄球を持っている巨漢に殺気を向けて対峙するのだった。