魔導変移リリカルプラネット【更新停止】   作:共沈

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どういう内容にしようか、考えてたら風邪引いてダウン。おまたせしました。何はともあれやっと次に進めます。状況確認メインで内容的に進展無いので流し読み程度にどうぞ。


Gossip_4

 目の前にごっつい人がいる。

まるで獅子の鬣でもつけたかのような髪と髭。身長は190cmを越えガタイはアメフトをやっていたかのような精強ぶり。着てるスーツがピッチピチに張っている。そして鋭い眼光の威圧感ときたら。対面するだけでも空恐ろしいものがある。

 

――ユーノの目の前の人、三雲連次。日本の首相である。

 

 

 はじまりは何だったか、そう、確か高町家におじゃまして夕飯をいただいていた時のことだ。ピロリンと機械音がなり、携帯を一瞥した高町士郎がこう言った。

 

「ユーノ君、首相から招待が来てるんだけど行けるかい?」

「…………へ!?」

 

 驚くのも無理は無い。何せ一般家庭の男性からいきなり首相とのアポイントメントがとれているのである。咀嚼していた食べ物を吹き出しそうになるのを抑えられたでも上出来だ。何故いきなり、と聞いたら彼曰く、

 

「ああ!彼とはメル友だからね!」

 

 である。士郎の交友関係の幅広さにガチで頭を抱えそうになった。とにかく意味がわからない。

 まぁそれはそれとして、招待そのものを予想していたユーノとしては来るべき時が来たのか、と別の意味で諦観していたのだがこれが思いの外早かった。何をするのかされるのか、しっかりと考えておかねばならないだろう。ユーノは会合までに首相について情報を集めることにした。

 

 

 そんなこんなで、海鳴市にある高級ホテル。そのVIPルームにて会合が行われることとなった。周りには格式高い調度品が数多く並べられており、一般人としては少々落ち着かない綺羅びやかな雰囲気だ。座っているソファは非常に柔らかく沈み込みそうになる心地であるが、目の前に首相と、もう一人知らない誰かが座っているので緊張でリラックスすることは出来ない。

 

「初めまして、三雲連次だ。日本の首相をやっている。そして彼女が――」

「文部科学省魔法開発局魔法推進課課長の紫葉楓です。会えて光栄です、ユーノ君」

「あ、はい。ありがとうございます」

 

 互いに挨拶を交わし、握手を交わす。

 一人増えていた女性、紫葉楓はともかく。首相についてユーノが知った内容は目立つものが2つ。

 まずひとつに、日本人離れしたこの外見と違い、中身の方は随分と知的らしい。IT関係にムダに詳しく、士郎とメル友と呼び合うあたりそれなりに精通していると見ていい。こと最先端に関しては一歩遅れを取る(権益を貪っている間に置いて行かれる)日本にしては、魔法の推進が速かったのはひとえに彼のおかげであるという。国連においてある意味オープンソース的な立ち位置を示したマギテクスは技術拡大に余計な邪魔を挟むこと無く行われた。その影響もあり、老人共がマゴマゴしている間にいつの間にか予算の振り分けを済ませ、アメリカにつぐ魔導国家2位の座を確保している。その手際は予め用意されてあったかのごとく早業だったらしい。周りが文句を言おうにも、彼の外面に脅されては及び腰になるのだとかなんとか。

 その外面も、内外に対する牽制として有効に使っている。国内では意見をまとめるためのカリスマとして、国外に対しては特にマフィア等に対して。ここ十数年から数年、日本は中国系マフィアに悩まされており、その関係で御神の家系も相応の被害を受けた。彼らのような人物が必要となり、また危険視され標的にされるほど、事態は切迫していたのだ。そのため「強い日本」を表すために、彼を起用したらしい。

 

 と、ここまでがユーノが知った内容を簡潔にしたものだ。ソレ以外でも相応の結果を示しているため、珍しく日本首相としては席に座る期間が長い人物である。

 

 そんな挨拶を交わす傍らで、慰め程度のBGMとしてニュースが大型テレビに映し出されていた。内容は海鳴で起こった事件についてである。

 

『――と、そういうわけで。あの災害は魔法だったのではないか?というのがもっぱらの噂ですが、どうなんでしょう田中教授』

『不明、と言っておきます。魔法による魔力の物質化は研究されていますが、あれほど大きなものは非現実的だと捉えています』

 

 結論から言えば、あの災害の原因は秘匿されている。今まで地球に無かったロストロギアという常軌を逸した物質による反応。それを落とした宇宙人。これらの情報が露呈してしまえばあっという間に世間は大騒ぎになってしまう。それが拍車をかけてしまったのか、世間ではあれが魔法であったかすらどうかわからないまま議論が進んでいる。「あれは魔法ではないか?」というシンプルな疑問に始まり、今ではファンタジーとして万能性がある「空想魔法派」と、科学論理的に見てあの現象は起こり得ないとする科学者や理系が集った「論理魔法派」の対立で真っ二つになっているという。前者は特に「わからないものはとりあえず魔法のせいにしておけ」といった都合のいい押し付けと、魔法脅威論を声高に掲げる団体の温床になりかけている。

 

 とはいえ、あの災害を直接見たものは少ない。ビデオにも残っていないため破壊の跡でしか判断できず、結論が出ずに同じニュースが延々とループしている。いずれは芸能関係で薄まっていくのが丸わかりだった。

 

「対応が遅くなってすまなかったね。情報が上がってくるまでにどうやら問題があったようだ。やれやれ、高町君からのメールが無ければどうなっていたことか……」

「大丈夫……だったとはいえませんが、海鳴の皆さんが頑張ってくれました。おかげで被害はかなり抑えられたと思います」

 

 ユーノが落っこちてから一週間と少し。ジュエルシードは9個目の巨大樹に加え更に一つ、臨海公園で確保している。なんでも逃げまわる樹木で確保するのが大変だったとか。その際に海底に6個の反応もあったらしく、現在魔法の使える人員と海上自衛隊と共にサルベージをしている真っ最中である。なのはも何かがあった際の予備人員として空中で待機中だ。合計して16、そろそろ街の中での反応乏しく今後の捜査は人のいない部分がメインとなる。

 

 そう考えれば大凡の人的被害が起こる可能性は無くなった事になる。もしも自分だけで探していればどれだけかかっていたか、それを考えると異例のスピードだ。感謝してもしきれない、とユーノは考える。

 

「ありがたい。ではこれからの方針を話そうか。紫葉君、アレを」

「はい、少々お待ちを」

 

 そう言って彼女がテーブルの上に置いたのは、銀色に輝くアタッシュケース。中にはいくつかの小物と書類が入っている。

 

「さて、ユーノ君の今後の対応だ。秘密裏ではあるが、国は君を国賓として扱おうと考えている。事故によるものではあるが、今後地球に関わっていく中管理世界との交流も考えられる。その際君の処遇で問題を起こしたくはない。このあたりはいいね?」

「え、えぇ」

 

 おっかなびっくり返事をする。ただの漂流者がいきなり国賓扱いでは無理もない。

 

「ソレに伴い、このホテルを一室借りてある。それから記入してもらう関連書類に、しばらく生活するための現金、クレジットカードだ。ある程度は好きに使ってもらって構わない。ボディガードも2名ほどつけよう」

「……」

 

 さらにドン。倍率アップでいたせり尽くせり。日本からすれば、ユーノという存在はぜひ確保しておきたい人材であるため無理もない。多分に政治的事情を含んでいるが、ここで彼に対するイメージを良くしておけば後々役に立つことは間違い無いだろうという判断だ。

 

「今更ではあるが、ジュエルシード捜索の出来る限りのサポートを正式に保証しよう。いいかね?」

「は、はい。お願いします」

 

 投げかけるようなサポートの応酬はテレビの通販をみているような気分にさせられる。契約書類の文面を見れば、必要経費は管理世界との交流開始時に請求予定とさらっと書いてあった。何気に払う気が無いというか、強気な対応である。これが後々どのように影響するかわからないが、責任追及等に関しては特に躊躇する気がないようだ。契約内容を確認したユーノはサインを書いて書類を返す。

 

「では、次は私がお話させてもらってもよろしいでしょうか?」

「ああ、存分に聞きたい事を聞くが良い」

「……えっと、あなたは?」

 

 ユーノの問いに、そういえばそうでしたね。と役職の内容を話していない事を紫葉は思い出した。キリっとしているショートボブの女性は若く、張りのあるスーツがよく似合っている。

 紫葉楓、24歳。アメリカで行われたマギテクス若年層開発者育成プロジェクトによって講義を受けた若き天才。マギテクス発表後引き抜かれる形で就職したそうだ。本人の魔力ランクはAA、戦闘能力は無いが複雑なスクリプトの魔法を行使するのが得意らしい。というのが本人談だ。

 

「うちの課の仕事は名の通り、マギテクスの発展にあります。開発のための予算組から研究方針の調整、イベント関係まで様々です。聞いた話によると、ユーノ君は防御関係の魔法が得意だとか」

「あまり大したたものではありませんが」

「ご謙遜を。デバイスもなしに高度な演算を出来る人間なんてそうは……、あぁなのはちゃんは出来ましたっけ。まあとにかく、我が国としてはあなたが使うような魔法の需要が急務となっているのです」

 

 日本は攻撃関係の魔法開発は方針上推奨していない。エネルギー制御の関係上シンプルな扱いであるそれらはまず最初に学ぶ魔法なのだが、過剰な攻撃力を持つ事は非殺傷が常識(情報統制によって設定が解除出来る事を知らない人が大半である。とはいえデバイス側でほとんどがロックされている)とはいえ、国民性から好まれる事ではない。せいぜいがスポーツ目的に威力制限したものだ。開発のための隠れ蓑として利用されている感は否めないが。

 

 話を戻し、日本が現在最も必要としているのは魔法というものが身近に利用出来るものであり、人を選ばないということ。現在は防犯デバイスなどがあり一定の成果は出つつあるが個人向けであり、大型の、特に車そのものを防御する類は存在しない。要人向けにも必須と言えるものだ。そう言った意味では、理路整然とした組み立てを行え、かつデバイスなしで発動出来るユーノの開発力は魅力的だった。

 

「もし開発協力や技術提供のためにジュエルシード回収後も残っていただけるなら、日本国籍のご用意もあります。すぐとは言いませんが、少し考えていただけないでしょうか」

「……!」

 

 この問いに対し、ユーノは返事をしようとして一瞬戸惑った。スクライア一族として初めてリーダーを任され、発掘の任を受け持ったこと。これは彼にとってこれからの家業における第一歩を踏み出すものだった。今でこそトラブルで地球にいるが、帰ることが出来れば再び発掘の日々を送れるに違いない。

 しかし、それを迷ってしまうくらいには地球で得たものが多すぎた。大人たちから諭された精神性や、なのは含む同年代の友達、彼女から教わった協調性。そしてジュエルシードの捜索に関わってくれた人々に対する恩。大勢が様々な形で協力してくれて、それを無碍にして帰還する程ユーノは恩知らずではない。自分にも何かが出来る、それは実に魅力的な内容だった。だから彼は、こう返す。

 

「……一回帰って、無事を伝えたら。それからの事を考えたいと思います。ですが、必ず戻ってこようと思います」

「結構です。後の返事に期待していますよ」

 

 一見どうとでもとれる返事であるが、ユーノから真摯さが見て取れたのか楓は満足そうに頷いた。

 

「さて、これで一応の仕事の話は終わりだ。何か聞きたいことはあるかい?」

 

 来た。ユーノはコレを待っていた。普通は訪れない、ただの一般人では突っ込めることのできない領域を聞く機会。地球の不自然なまでの魔法の急成長、国連の動きからその元凶、聞きたいことは山ほどある。自己の欲求を散らせるためというのが多分にあるが、聞いておけば後々管理局と対する際に役に立つ可能性は大きい。ユーノは紫葉を一瞥すると、その視線に気づいたのか首相が告げた。

 

「紫葉君は退出してくれ。ちょっとここからは問題発言がバンバン飛び出してしまいそうだ」

「ソレは困りましたね。スキャンダルにならないように気をつけてください」

「ハハハ、留意しとくよ」

 

 それだけ言って、紫葉もあっさりと退出。どうやら分別のしっかり出来る女性らしい。

 

「さて、今ここにいるのは私達だけだが、まず何から聞きたいかね?いや、おおよそ当たりをつけようか。ジョニー・スリカエッティが地球人ではないかどうか?そうだろう?」

「は!?……ええと、あの、ちょっと何言ってるのかわからないんですけど」

 

 聞きたいことがあちらから飛び出してきたせいで、逆に戸惑ってしまった。むしろそれを理解した上で地球が魔法を研究しているのならば、かなり多くの問題に答えが付いてしまうことになる。首相は管理世界というものがほんとうにあるのか?という疑問を提示せずに話を進めていた。それを思い返した事により少し落ち着きを得る。

 

「……失礼しました。では順番に聞いていきます。ジョニーは地球人でなく……管理世界人だと知ってるんですね?」

「勿論、あのような突拍子もない技術が、何の土台も無しで飛び出してくるわけがないだろう?むしろ私は、あれらの技術をデバイスや様々な機器と共に見せられた時に納得したね。彼は明らかに地球の人間でないと。まぁ、見てくれから確信していた部分はあるがね。紫の髪に金の目、そんな人間、この星にはおらんさ」

 

 ぶっちゃけ管理世界でもいないです、そんな珍しい人。そう言いたいのを我慢して次の質問をする。

 

「では、その彼から色々と話を聞いているはずです。管理世界のことも、管理局のことも。……魔法は、管理局法では文化、技術的に未成熟である管理外世界でその技術を開示するのを禁じられています。それに関するリスクも……これほどの大事に、管理局がどのように対応するか……あなた方も考えなかったわけではないでしょう!?」

 

 つい口調が荒くなってしまった。この件は恐らく、ジョニーを管理局が逮捕したとて解決することが出来ない問題である。既に魔法というものが地球全体で認知された以上、それを排除するのは到底不可能な問題だ。この場合、地球がどういう道筋を歩むことになるのだろうか。管理局側として問題がないのは、管理世界群の管轄に入ることだろう。彼らから見れば管理外から管理内へとランクアップする程度の認識だ。しかし地球側にとってはどうか?地球内で構成された組織やシステムの頭上に、いきなり管理局法が湧いてくる。そうなると出てくる大きな問題は、質量兵器の排除だろう。国防力が根こそぎ排除されるということは、治安の悪化が避けられなくなるということだ。勿論政府は盛大に反発するに違いない。

 反発した場合や、管理外からの昇格を果たさず管理世界側が極論を採った場合も勿論まずいことになる。反抗の意思アリとみなされ、報復行動を取られる可能性も無いわけではないのだ。その場合は管理世界側の世論が問題視するだろうが、管理局という存在はあちらにとって正義の代名詞である。ならば、根拠のないでっち上げにより問題提起されてしまえば国民は信じてしまうかもしれない。管理世界入りが「魔法が使える技術力を持った世界」である以上、これらは避けられない問題である。

 

「無論、それは知っているよ。しかしだねユーノ君?知っているから、知ってしまったからこそ対応しなければいけない問題もあるということだよ。管理世界側だけがこちらを知り、いつでも監視出来る状況。何をされるかもわからないあちら側の一方的なアドバンテージに、我々が恐怖しないと思うかね?」

「それは……」

「考えてみるといい。我々が魔法の存在を知らず、君が今回のジュエルシードの件に一人で立ち向かうことになった場合。対処が間に合わず、無闇に被害が拡大し、多くの人命を失う可能性があった事態を。人的被害、物損に対してどのように補填したらいいのか。わけがわからない私たちは、きっと右往左往するのだろうね。そして管理局と名乗る謎の組織が不法入国し、勝手に事を片付けて置いてけぼりにされるのさ。この件は最初から、ひとつの市で起こった怪奇現象では済ませられないことなんだよ」

 

 内容に絶句する。確かにそのとおりだ。たとえ高町なのはという鬼札を得たとしても、魔法の秘匿の中で揺れる二足のわらじを履いた小学生。もしも彼女と自分だけであったのなら、ソレ以上は考えたくない事柄になる。

 

「わかったかね?我々に魔法は必須だったのだよ。聞けば、ジョニーはこの地球の技術ランクをBだと言っていた。つまり君たちの世界がAとするならば、地球はもうあと一歩で踏み入っていたことになる。事前情報が無ければ、我々はただ蹂躙されるしか無い。今回の件は知るのが早かったか遅かったか、それだけだ。早かったことそのものはかなり僥倖であったがね」

「それは僕も、そう思います」

 

 そうだろう?と首相はにこやかな笑みを浮かべた。

 

「それに、何も管理世界に対する策を持っていないわけではない。それほどのリスクを知っていてなにもしないというのはあり得ないからな。君が心配することではないさ。コレ以上は機密だから言えないがね」

「そ、そうですか……」

 

 軽く言い切る彼の様子は油断しているわけでないようだ。きっと何かしら、それこそジョニーという人物が関わるだけに秘策でも持っているのかもしれない。

 

 さて、結局のところひとつの質問で聞きたいことは大体聞けてしまった。内容自体は魔法とジョニーに端を発するものなので、そこさえ理解できればあとは芋づる式に結論が出てしまうことばかりである。後は他愛無い質問と雑談を広げて時間いっぱいまで話し、お茶を濁す事となった。そして帰り際、ユーノは最後に一つだけ質問をすることにする。

 

「その、海鳴署にいる新庄甚吾という人物について知っていますか?」

 

 どういう意図の質問か、首相はゆっくりと考えてこう言った。

 

「あぁ、よく知っているよ。彼は我々の味方だからね」

「そう、ですか。わかりました、今日はありがとうございました」

「何、こちらこそ。また会える日を願っているよ」

 

 パタリ、と境界を分けるドアの音が響いた。

 

 

 

 

「良かったのですか?」

「何がだね?」

「新庄甚吾について、正確に教えなくて?です」

 

 念のため、護衛の意味も含め紫葉楓はサーチャーを一機見えない位置に配していた。つまり今までの会話は丸わかりだったということである。彼女は引き抜きと言っていたが、実は各国共同の国際プロジェクトであり、今後の事態に対処するためのプロフェッショナルを育成するためにあらかじめ国から派遣されていた人間である。そのプロジェクトの講師はジョニー本人が行なっていた。つまり、紫葉楓は何もかもを周知の上で知らないふりをしていただけ。その彼女が他人の素性を言わなくていいのか、という姿は首相の目には少しだけ滑稽に映った。

 

「何のことか私にはわからんな」

「ご冗談を。我々の味方、とは言いましたが、彼の味方とは一言も言ってませんでしょう?」

「気づいていたのかね」

「気づかないと思いですか?」

 

 強面でニヤニヤする首相に、無いわーと大げさにアクションを返す紫葉。彼女はまさしく彼の懐刀であり、舐めきった態度であろうと首相は寛容だった。

 

 新庄甚吾=リーゼロッテ。付随する情報は彼女が仮想敵とされる「管理局」の人間であること。ただし彼女が正しく組織に利になる行動をとっているかと言えば全く別であり、現在その情報事態にあまり意味は無い。強いて言うなら彼女は己が利益のために動いているだけであり、その行動が地球の得になっているだけという話だ。やたら「我々」と連呼していたのはそういうことである。

 

「だからまぁ、別にわざわざ言う話ではないでしょ。それこそ知れば逆に彼との不和を招くかもしれないじゃない?彼が知ったところで、今更どうこうなる事でもないからねえ。落ちてきた彼を利用するのは悪いとは思っているが、今回の件は我々にとっても試金石だからね。迂闊に行動されるよりは適度に安心させておいたほうがいいでしょ」

「……そうかもしれませんね。ところで、私は重大なミスを犯していました」

「む?一体何を……?」

 

 

「ユーノ君のあまりのかわいさに抱きしめ忘れてました」

 

 今、間違いなく場が凍ったと首相は感じた。

 

「ええ、とっても可愛かったんです。クリームのような髪に綺麗な瞳、まるでお人形のようでした……!まさか私がそれに魅入られて抱き締めることすら出来なかったとは……、実に、実に嘆かわしい事実!首相!ぜひ、是非彼は確保セねばならない人材です!主に私のために!」

 

「敢えて言うけど、ミスを犯すのは間違い無くそっちだねぇ」

 

 紫葉楓24歳、独身。見た目の怜悧さに秘められた犯罪臭漂うギャップ持ちである。ユーノが日本に残った暁には確実に標的になること違いない。呆れる首相、三雲連次には実にどうでもいい話だった。

 




祝デモンベイン×スパロボ。実はこのSSのタイトルはデモンベイン風というどうでもいいぶっちゃけ。タイトルだけ見てデモベ×なのはクロスか!?(スワッと思った人はいないはず……いないよね?さぁ、次回は念願の金髪だ!

余談:このモブ達の次の登場予定はあるのか無いのか。
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