魔導変移リリカルプラネット【更新停止】   作:共沈

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▼△▼△▼△Attention▼△▼△▼△

この回は主に私の自己満足による偏見と超解釈によってできています。意味がわからないよ!と言う方は飛ばしていただいても構いません。

あとがきも随分キチってます。ツッコミどころも多いですけどスルーするか一緒に考察してみる気概が有る方は一言お願いします。いや、ほんと何書いてんだろね。

二話仕立てですので後編はフェイトのお話になっております。こちらは癒し成分です。

ローカルデータをすっ飛ばしたせいで一回文章が全部飛びました。evernote使用してたのでなんとかクラウド鯖から引っ張ってくることが出来ましたが、もしかしたらどこかミスってるかもしれません。脱字誤字ありましたら報告お願いします。


(;・∀・)ありがたい話ですがしかし、TIPS更新しただけで50件登録増えたとかいったい何があった……。



Gossip_5

「おじゃましまーす」

「いらっしゃいなのはちゃん。こちらにどうぞ!」

 

 ある月の週末、なのはは月村家へ再びおじゃましていた。ジュエルシード事件解決も久しく既に2ヶ月経過している。大会までもうしばらく、といったあたりで大学やそれに連なる企業も行事のすり合わせや設営の準備にと大忙しであった。そのため事件後に数週ほど回って帰ってきたユーノやテスタロッサ一家も忙しなく働いており、勿論なのはも例外ではない。しかし何やら用事がある、との一言でなのははすずかによって連れだされていた。

 

「それじゃあ、いこうか」

「行くって、いつものテラスじゃないの?」

 

 月村家へ来たときは大抵の場合行動がパターン化している。メイドと猫に囲まれて優雅に紅茶を飲み、雑談を交わしてネタ切れしたら別室でゲーム。これが普段の行動なのだが、友人であるアリサはおらず今日はノエル達メイドの迎えもなかった。それだけで何か違うことをしようとしていることが察せられる。不思議がった時には考える間もなく、すずかが返答した。

 

「ううん、これから行くのは……そう、地下20階の秘密の部屋」

「…………ふぇ?」

 

 チーン、というサインの後に目前でゆっくりと広がる扉。二つに別れたその向こうには、とても地下とは思えぬ広大な容積を持つ機械的な部屋が存在する。

 

「ようこそ!月村グレートヴィレッジへ!!」

 

「ふ、ふぇぇぇぇ!?」

 

――月村グレートヴィレッジ。

 

 案内された場所はマッド化した姉妹たちの魔導最高峰の遊び場なのだ!

 

 

 

 いつの間にやら邸宅内に見たことのないエレベーターがあると思ったら乗せられて、ボタンを押したら尋常でない降下距離を経てアナログな到着音を鳴らしたその先は、

 

 摩訶不思議な銀色に輝く壁面の部屋の、もとい機械の森でした。

 

 驚愕で固まるなのはは何を言ったらいいのかわからなかった。とにかくわかるのは現在隣でニコニコ笑っている友人にとって、もはやこの光景は日常の一部と化すほどに慣れてしまった部屋であるということだけである。乱立するように様々な機器や工具が並び、そこら中に散在する素材たち。姉妹二人、メイド合わせて4人で使うにはあまりにも広すぎる部屋は一体何を行う場所なのか。いや、彼女があのスラスターを開発して持ちだした時から気がつくべきだったのだ。そんなものを作る場所はある程度邸内の構造を知っているなのはには思い当たらない。外部で制作した可能性もあるが、スラスターはお手製であるうえにすずか自身はあまり家から離れることはない。

 

 いや、だからといって気づけというのは無理があるけども。

 

 立ち直る間もなくあわあわ言いながら、先導するすずかについていく。天井は高く飛べば問題無いだろうが、地上でならば確実に迷子になる自信がある。そんな銀の森は常時何かが稼働しているのか、無機物でありながら生命のような胎動を感じさせる。まるで平静を望む地上の邸宅は正反対だ。だというのに居心地がいいのかすずかは鼻歌を口ずさみながらスイスイと移動しているし、自分はそれについていくことしか出来ない以上質問を挟む余地は無かった。

 

 そんなこんなで、少し開けた場所に到着する。そこには個人用の作業スペースがあり、中央の作業台は様々な機械が繋がれていて無骨なものものしさがある。何故か側面にマキシマム☆ベンチと英語で銘打たれているが、多分気にしたら負けだろう。なのはは見なかったことにした。ただの工具が武器になるのはゴメンである。

 

「さぁ、ついたよなのはちゃん」

「うん、それはわかるけど。ここで何するの?」

 

 ごく当たり前の質問にすずかはジャジャーンと言いながらスイッチを押した。プシューっと空気の抜ける音がして開いた厳重そうな大型ケースから、まるで羽を模したのではないかと思われる機械が出現する。

 

「どう!?これが新しいスラスター、レイジングライザーだよ!」

「わぁっ!すごいすごい、なんかかっこいいっていうか綺麗だね!……ところでわざわざここから出したのは?」

「様式美って大事だと思わない?」

 

 その返事にレイジングハートが『肯定です』と答えた。どうやら彼女も何か感じるものがあったらしく高揚している。

 

「でも、実はまだこれだけじゃ動かないんだよね」

「え、どういうこと?」

 

 再びすずかは、その場に最初からいたらしいノエルからアタッシュケースを受け取るとパスワードを入力して解錠。ごついケースの中にはいくらでも数を入れられそうなほどの小さく透明な一粒の宝石。ソレを見たなのはは驚きの声を上げた。

 

「そ、それってもしかして!?」

「と、思うよね。でも違うモノ」

 

 一息分間を開けて彼女は言う。

 

「まだ名も無き種。なのはちゃんにはこれに魔力を注いでもらいます!」

 

 そういってすずかは慎重に宝石を目の前に掲げた。透明の宝石は見た目ジュエルシードそのままの形で鈍い光を放っていた。

 

 

「その前に、なのはちゃんにはこれの説明をしないとね」

 

 そう言うすずかの目も輝いている。ああ、きっとこれは説明しだしたら止まらなくなる科学者特有の病気だ。時折姉の忍もこんな目をしていたのだ。そう察するとなのはは黙って聞く体制を整えた。この手合いを相手するには余計な質問をせずイエスかノーで答えるのが一番楽な道だ。質問をすればするほどにドツボにはまり長くなっていく。さすがにそれはたまらない。

 

「まず、なのはちゃんは魔力素がどういうものか知ってるかな?」

「えっと、大気中に存在する魔力のもとになるエネルギー……だったかな?」

 

 コクリ、とすずかは肯定した。なのはは時折大学に遊びに来ているが専門分野に入り込むほど勉強をしたわけではない。彼女は扱う者であって基本的な部分まで知っていればそれで正解なのだ。

 

「でも、実は月にだって魔力素があるんだよ?ソレも膨大に」

「……え?それっておかしくないかな?」

 

 大気を媒体にしたエネルギーならば、月にあるのは矛盾する。実際宇宙には魔力素が殆ど無いと言われている。

 

「加えて、魔力精製するためのドライヴは部品消耗を考えなければ半永久的に動作する。つまりこれは実質魔力素も無限に近いことを示している。それがどれだけおかしいことかわかるかな?」

「んっと、ガソリンも石炭も電力も使えばなくなるのが普通、だよね。そう言われてみれば確かにおかしいかな」

 

 エネルギーは資源を用いて生み出すためにその総量が決まっている。化石燃料などはよくあとX年しか持たない、などと言われていて地球はエネルギー危機に直面しようとしていたが、それを真っ向から解決したのが魔力だった。

 

「元から非実体である魔力素は、資源枯渇という要素を持たないの。ううん、厳密には枯渇しないほどの総量があるとでも言えばいいのかな。でも、そしたら魔力素は一体どこから来ているのか気にならない?」

 

 それはまぁ、となのはは曖昧に頷いた。確かに宇宙には無く、しかし月と地球にはある。原因なくして過程無し、ともすれば魔力素は世界を司るルールの一つなのかもしれないが、この語りから見るにすずかには見当が付いているのだろう。とりあえず話の続きを促すためになのははひとつだけ質問を入れることにする。

 

「でも、そういう話なら管理世界の人たちが既に解き明かしてるんじゃない?」

 

 地球で扱う魔法は所詮管理世界のアレンジでしかない。次元航行技術や様々なものが足りない地球より、魔法に特化した管理世界にならその資料があっておかしくはない。

 

「まぁそう思うよね。でもアリシアさんに聞いたけど、どうもそのへんのデータって無くなってるらしいよ?」

「どういうこと?」

 

 アリシアから聞いたところによると、過去に次元世界群で起こった大規模な戦争のせいでいくつもの技術や資料が失伝しているという事らしい。大きいものはロストロギアに始まり、細かいものは魔力素の実体から古代ベルカ式のプログラム言語までありとあらゆるものが穴抜けになってしまったようだ。それでも基幹技術そのものは使えてしまってるわけだからそのまま使っていたらしく、研究を怠っていたせいで魔力素について聞いたときはアリシアですら「あれ?そういえばなんでだっけ?」と言っていた始末。発生原因不明のまま魔力素は「あるからある」のだと、科学者的にはありえない解釈のまま放置されていた。

 

「でも、これはある意味仕方がないみたい。魔法を科学で扱い始めてもう何百年経ったかもわからないせいで、元々魔法がどのように発達してきたかという記録も無くなってるみたいだし」

「はい、すずかちゃん!」

「なんでしょうなのはちゃん!」

 

「…………意味がさっぱりわからないの」

 

 だよねぇ、とすずかは苦笑した。

 

「まず、想像上の魔法って地球ではどのようなものだったかな?」

「えーっと、魔法陣や杖を使ったり、様々な材料を使って錬金したり?」

「なんか色々混じってる気がするけど……じゃぁその想像上のそれが実際にあったとしたら?」

「へ……?あったの?……地球に!?」

 

 多分ね、とだけ返答する。

 

「元々、次元世界の魔法も最初はオカルトの類だったと思うの。そのうちその有用性が認められて、誰でも使えるように機械を用いて翻訳されたのが現在の魔導技術なんじゃないかな。地球では魔女狩りとかあった頃に、その使い方もろとも駆逐されたのかもしれないね」

 

 だからこそ純粋な魔法使いと違って魔力の使用用途が限定化されているのだ、とすずかは語った。いかな魔導師といえども、生み出された魔力の使用法は放出や凝固などエネルギーに形をもたらす単純なものばかりであり、転移、エネルギー変換、その他もろもろの解析不可能なレアスキルなどは科学寄りでなくむしろオカルト寄りなのだという。ミッド式はベースとなってその他の言語をある程度エミュレーションできるほど汎用性に優れた言語であるが、翻訳するということは言語化出来ないような神秘を使用するのは不可能ということになる。だからこそ原初の魔法、個人にのみ立脚したオリジナルの魔法は再現することが不可能なのだ。精々が同一部分は現実の事象を歪める、という固定されたルールくらいのものだろう。

 

 逆に地球は唐突に始まった魔法技術から、改めて過去に起こった不可解な事象や超能力を解釈するために魔法に当てはめていっているらしい。

 

「へぇー、でもそれって何か今からする話に関係あるの?さっぱり繋がりが読めないの」

「そうだね。若干話がオカルト寄りになるかなぁと、前振り程度に思って。そのほうが受け入れやすいから」

 

 それじゃあ本題に行くね、と再び語り始める。背後にはノエルが準備したホワイトボードがガラガラ音を立てて到着した。

 

「で、どこから魔力素が生まれているかって話なんだけど……」

 

 キュッキュッキューとホワイトボードに書き込まれる線。その形状は実にシンプル。

 

「……四角?」

 

 そう、四角である。すずかが描いたのは――正確ではないが――正四角形、正方形である。今までの話もわけがわからなかったのに何故に図形から魔力素が生まれるのか。

 

「細かく言えば、正多角形ならなんでもいいの。私たちの宇宙は元素や原子、電子といった小さな粒によって構成されている。それらのいくつもの繋がりが、こうして図形を必ず作り上げる。だから物質があるところには必ず魔力素がある。一つ一つの図形の生成量は微小だけど、沢山あればほとんど無限っていうのはなんとなくわかるよね」

「うーん、それはそうだけど」

 

 突拍子もない魔力素の正体に首をひねる。つまるところ、魔力素というものは物質がある場所には必ずあるもので、有限ではあるが枯渇はしないというものらしい。

 

「魔法陣とかにも、必ず四角や五角形等を書き込むよね。それは古来より図形に力があるってことの証明になってるの。もっと言えば、実は魔力素って東洋で言う『気』なんだよね」

「えぇー!?なんでそこにつながるの!?」

 

 なのはは話飛びすぎなのー!?と驚く。漫画的解釈をするなら魔力と気は別種のエネルギー、水と油みたいなものとしているものが多い。だからこそ日本人の感覚では超常的であることは同じでもそれらは決して相容れないものになっている。

 

「人間だって、無数の粒で構成されてるでしょ?だから人間も気を、魔力素を発することが出来るんだよ?勿論マンガみたいに突拍子もない事は出来ないけど、内気功で体調を調整したり、運動能力をかさ増ししたりするくらいはある程度可能なんだ」

「どうやってすずかちゃんはそれがわかったの?」

「解明したのは私じゃないよ?だれかは知らないんだけど、地球にはまだ残っていた神秘に対する土壌を魔法と繋げたオカルト学者がいたっていうことらしいけど。それはいいとして、これを見てくれるかな」

「んー?……わっ、かわいいー!」

 

 差し出されたのは2枚の写真。片方は笑顔を浮かべる赤ちゃんの写真、そしてもう一方はどこで撮影されたのか知らないが一見普通の暗い森だ。

 

「でもこの2枚は何の関係があるの?」

「ん、まずは赤ちゃんのほう。頭の上あたりに丸い泡みたいなのが写ってない?」

「あ、ほんとだ。そういわれてみれば森の写真にも一杯丸いのが写ってるね。……ホコリ?」

 

 クスクスと笑うすずか。どうやら違うらしい。写真には半透明の球状でそのどれもが真円を描いている何かが写っている。

 

「たまゆらって呼ばれる心霊現象でね、何故かデジタルカメラで撮影したら写り込むの。ホコリでないのは必ず真円を描くことと、また何故かフラッシュを焚いた写真には滅多に写らないってこと」

 

 そう言いもう一枚写真を出すすずか。そこに写っていたのは先程の森だが少し明るく、球体は存在しない。どうやらフラッシュを焚いたものらしいのは話の流れから想像がつく。

 

「そもそも気っていうのは、言葉の中では『殺気』や『怒気』、『気合』、あるいは『思念』と呼び変えてもいいけど。古来よりその概念は言語化して残っているのに誰も扱えてないのが不思議ではあったの。実際にそれらを扱えてる人はごく少数。いわゆる霊能力者とか、かな」

 

 実際海鳴には本物の霊能力者とかいるらしい。テレビの中の出来事じゃないんだ、となのはは驚いてばかりである。

 

「で、件の科学者は魔法の基礎理論を元に技術を遡って検討したら、そこにいきついたって話らしいんだけど……。魔力素はリンカーコアで魔力に抽出することで事象変化の特性に特化するんだけど、それの元になったのは魔力素の感情や思考が乗るっていう超常的な特性があったからこそらしいの。で、『気』も魔力素同様に感情が乗るっていうのがわかって、調べてみれば全く同一のものだったとか」

 

 例えば誰かに見られている感覚を持ったり、相手の強い感情に威圧される経験は無いだろうか?これらは自身が持つ気に感情が乗り、大気中の気を伝って相手に届くのだ。つまり気なども波動等の科学的要素を持っているということだ。『気配』なんていうのもそうだろう。誰かがいる感覚を視認もしていないのになんとなしに分かるのはこれらは大体気による相手の感情の発露が伝わってくるためである。ただ現代地球人は進化適応の過程で霊的感覚をほとんど失ったために、飛び抜けた才覚を持っている人は非常に少ない。

 

「へぇ~、じゃぁこの写真に写る量の違いは?」

 

 なのはが指差す2枚の写真はたまゆら、赤ちゃんの笑顔による喜の感情によって発生した気の量と感情が全く乗らない森から発生した気の圧倒的量に違いがあった。

 

「うん、それは動の気と静の気の違いかな。魔力素は形から生まれるって言ったでしょ?ソレはつまり、静止している状態が最も好ましいってこと。赤ちゃんの方は感情をトリガーにした簡易精製だから瞬間的な量はあるけど質がそれほどでもなくって、森は長いこと人が踏み込まない場所で撮影された、形を固定した場所。だから森の方は崩れない形がゆっくりだけど、質のいい気を貯めこんだから写真に一杯うつってるって感じかな?」 

 

 いわゆる空気が違う、というやつらしい。森の中は草木の匂いのほかにどこか『濃い』感覚があると同時に清浄化された雰囲気がある。それは気が良質であるがために、わずかに残った人間の感覚が反応できているということだ。例えばわかり易い例で言えばパワースポットと呼ばれる場所がある。その場所は成長を止めた神木があったり、何か理想的な図形を描いた自然物、もしくは人工物が存在する場所だ。それらは静止し続けるがために良質な気を生み出している。それらの気は邪気払いなどに効果があり、人間の感情が乗った動の気を排除して心気を整える。「病は気から」などとも言うがそれは真実であり、病気の際には体のどこかに悪質な気が貯まる。これを自力で排除出来る場合、熱を下げたり痛みを和らげることが出来る。これが内気功の正体だ。余談だが胃痛や腹痛もこれによって緩和することが出来、『痛いの痛いのとんでけー』というセリフの根っこは邪気払いに通じている。また、この良質な気を人間が出せるとするならば、感情を消し集中した状態、いわゆる『明鏡止水』や『無我の境地』と呼ばれるレベルに達している状態と考えられる。

 

 反対に動の気は瞬間的な生成量に優れているため運動能力の強化などに使われる。これを意図してできる者もやはり滅多にいない。これはよく「火事場の馬鹿力」と呼ばれるものに相当する。時たま人間がありえない身体能力を発揮してしまうのは、限界を超えた感情の発露が動の気を大量に生み出すためだ。これは量の大小はあれど誰でもあることであり、怒りなどによって普段とはありえない腕力を発揮してしまったりするのは覚えがあるはずである。知らず知らずのうちに使っている場合があるので、案外士郎や恭也は意図せず使っている可能性はあるそうだ。注意すべきは瞬発力向上のみであるので、マンガのように『練』やら『気を開放』しっぱなしの状態を維持することはほぼ不可能。そうそうご都合通りにはいかない力である。

 

 さて、ここまで話してわかったことだろうが図形が、物質が気を、もとい魔力素を生み出すということは月もそれを生み出しているということである。人がほとんど足を踏み入れることが出来ない月、形状の静止した場所では非常に良質な魔力素が作られていること。かつて前史におけるスカリエッティが利用しようとした月の魔力の正体だ。

 

「で、実はここまで説明しておいて必要なのはちょっとだけなんだけど」

「え、えぇ~……」

「まぁまぁ、下地が無いとわかりにくい話だから」

 

 そう言って次にすずかが出したのはダイヤモンド。一体どこから持ってきたのか10カラット以上はある気がする。さすが豪邸ならばこのくらいいくらでもあるのだろうか。子供が持つようなものではない気がするが。

 

「魔力素生成は物質の持つ図形が安定した状態であるのが最も望ましい。だからダイヤモンド等の宝石は魔力素を作ったり魔力を貯めこんだりするのに適しているの。宝石魔術、っていうのが架空でもあるようにね。身近な例だと、ちょっと前までのサッカーボールとかいいかな。あれって五角形と六角形の組み合わせだから、構造が安定したフラーレンとほぼ同質で魔力素の生成量と質がほかと比べて桁違いなの。寝る時に枕元に転がしておいたりすると清浄化やリラックス効果をもたらすんだよ!」

「そ、それはすごいね……」

 

 科学にオカルトさらに遊具までごっちゃになって語られる事実に、一体どこまでが正しいことなのかなのはにはまったく判断がつかない。結局濁すしか無いのだがハイテンションなすずかは気づかない。

 

 ちなみに元素や魔力は不確定性原理によってその物理量にばらつきを持たす事が出来ないため、自ずと正多角形の結合が出来上がる。魔力素を生み出すには最高の形をとれるということであり、これを長期的に維持できる安定した構造を持ったモノ、つまりダイヤやフラーレンなどは供給量に非常に優れていると見ることが出来る。

 

「そして!それにあやかって純魔力を78高次フラーレン構造を取って魔力結合を積み重ねてクラスター化させて色々やった結果!この魔力結晶が出来たってわけ!!」

「うん、どこから突っ込んでいいかわかんないよすずかちゃん」

 

 そもそもどうやってそれを成したのか、純魔力精製とかどうしたのとか、何で結晶化してるのとかさっぱりわからないことだらけである。ふとすずかの背後を見るとこの巨大な部屋の一部を埋めるやたらでっかい装置があるのに気がついてしまった。よし、スルーしよう。きっとあれは開けてはならないパンドラの箱なのだ。

 

「これもジュエルシードを研究したのとアリシアさんのおかげかな。私達がなにしてるのかは秘密にしてたけど。で、本題に戻るけど、このジュエルシードみたいな宝石はまだ励起させてないから、なのはちゃんの魔力を使って動かしてあげる必要があるの。それによって爆発的に動の気に近い魔力素を生成して魔力に変換し続けるようになる。MGドライヴとは違って構造が安定化してるから、内部にほぼいくらでも貯蔵できるのがメリットかな」

「もしかしてこれ一杯作れば世界中のエネルギーがまかなえるんじゃ……」

「やだなぁ、そんなことしたらこれをいっぱい載せた金色の何かみたいなのが出てくるかもしれないよ?」

「金色って何!?」

「私も終末戦争フラグは立てたくないし。あとは作ってもフェイトちゃんの分が出来たら終わり。………………それにすごいお金かかったし」

「え、今なんて?」

「ううん、なんでも♪」

 

 ニッコリ笑顔のすずかちゃんが邪悪すぎる件について。私の親友は果てしなく遠い何かになってしまいました。おおよそ自分もチートであることを他所になのはは汗びっしょりである。

 

「さ、早く魔力を込めてみて」

「う、うん」

 

 そっと指先を宝石に添えて魔力を流す。すると宝石はみるみるうちになのはの魔力光と同じ桜色に染まった。

 

「はい、完成。さすがに出力はジュエルシードの20%もないと思うけど、個人で使うには十分かな。あとはこれをバックパックにはめ込んでっと」

 

 空いていた穴にかちりとはめ込んで導通検査を行う。スラスターが無事に魔力を噴出し始めたのに満足して回路をカットした。

 

「あ、そういえば宝石に名前つけてなかったよね。なんてつけようか……そうだ!イデ」

「ままま、待ってー!!それは言っちゃダメって私の中の何かが告げているの!」

「何かって何!?」

 

 主にクロノにフラグが立ったりするアレであろうか。名前一つ決めるのにもキャーキャー言い合って、結局最終的には「レイジングシード」に決まった。無難、実に無難である。それからは疲れるまで遊んでなのはは帰路についた。

 

 そうして以後、レイジングライザーはなのはの羽の象徴であり、戦いのサポートとして力強く羽ばたくことになる。4枚羽からなるそのスラスターを見て、なのはをこう呼ぶ人もいた。まるで、天使のようだと。

 

 

 

 

 フェイト・テスタロッサは考える。

 私がなのはに負けた理由とはなんだろう、と。少なくとも家族が作ってくれた相棒バルディッシュはみんなが自慢する最高傑作である。ならばバルディッシュに非はないはずだ。戦略はどうだっただろう?数多の形態をとれるだけあってその手段、バリエーションは非常に豊富である。適宜切替を行えば相手をトリックプレーに引きこむことだって不可能ではない。だが、実はそれは欠点だったのではなかろうか?斧、鎌、大剣、様々な武器あれど自分がそれぞれ特訓に費やした量は平均的である。武器が変われば動きが変わる。それぞれにリソースを割けば手段は豊富でもここぞという特化した技を持てないのは当然だ。実際なのはが使っていた技はさほど多くない。自身の能力をベースにした組立を行うことで、最も得意な技がそのまま必殺技と化している。ようは一点特化と多芸多才、どちらが強いかと言われれば言葉のみで捉えるには難しいことだが、わずか数年程度の特訓で扱う量ではないことだけはわかった。ここはまず間違いなく改善点だろう。加えてまだ封印されたフォームまであるらしい。果たしてどの程度ものに出来るか、相応の時間がかかるに違いない。

 

 だが、一番の違いは魔法を扱う基盤となる技術力、もとい身体能力の差だろう。魔法というのは結局のところ武器であり道具でしか無い。もしも魔法を扱わない素手での戦いになったら、確実になのはに負けるイメージが有る。それほど彼女の身体能力は隔絶していると言っていい。ミッドチルダの流儀に従うなら、魔法で攻撃されない距離から撃ちまくって落とすアメリカナイズな戦術構想をするのが一般的だ。それ故クロスレンジに非常に弱く、格闘戦ともなれば総崩れになるだろう。いかに非破壊非殺傷とて、共倒れ覚悟のフレンドリーファイアをするような人間はいやしない。

 

 ならば、私はこれを手に入れねばならない。なのはに勝つために、私が強くあるために。自分に自信が持てる何かを手にするためには泥にまみれても敵にすがってでも請うべきだろう。そう!全ては高揚するたたか……いや家族のために!

 

―――だから、私はっ!!!

 

「私に御神流を、教えてください!!!」

 

 恥を忍んででも虎穴に飛び込むのだ!!

 

 

 

 

 ゴチンという音が響いたと思ったら、何故か床には金髪を垂らして土下座する少女。気のせいか三つ指もついて色々と日本文化をごっちゃにした感がある。そんな翠屋の午後、お客さんがいればまず間違いなくとんでもない誤解を抱いてしまう場面である。たまたま現在は空いていたから良かったが……。

 

 そして、士郎の目の前で土下座していた少女は頭を打った衝撃で「……痛い」と呻きながらプルプル震えていた。なんだろう、この子鹿並の少女は。なのはとはまた違ったベクトルのかわいさがある。

 

 加えて、その少女を連れてきたなのはも背後で口を開けて固まっていた。まさかこれほど突拍子もない行動に出るとは思わなかったのだろう。つい持っていた皿を落としそうになった自身も同様である。桃子ですら固まっているのだ……店内の空気は完全に死んでいる。ああ、ならば仕方ない、ここは家長として、翠屋のマスターとして復元に努めねばならないだろう。でなければ私の威厳に関わる。勇気を持って彼女に接することにした。

 

「えーっと、フェイトちゃん……とりあえず、席に座ったらどうだい?」

「……はっ!うん、そうそう!シュークリームでも食べながらね!ね!フェイトちゃん!」

 

「あ、はい……」

 

 ようやっとあげた額にはじんわりと鈍い赤。ついでに目元が潤んでいる。その姿がどう見てもハムスターかうさぎにしか見えない。声につられてなのはもフォローに入った。最近は各方面で暴走する人が増えたのか、地味になのはの対応力が上がっている。主に開発関係の人間の技術力が向上したせいだが、最近は聖祥に転入したユーノ君も日本の歴史に触れて軽く暴走している気配がある。どうしてああも日本の文化というものは外国人の琴線に触れてしまうのだろうか。

 

(おっと、そんなことより注文を取らなくては……)

 

「じゃぁフェイトちゃん、飲み物は何がいいかな?」

「あ、それじゃあ……ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノで」

「っえ!?」

「え!なにか違った!?」

 

 凄まじい呪文で注文をされたが、残念ながら翠屋でそれは扱っていない。あまりのシュールさに美由希が腹を抱えて笑っている。

 

「フェイトちゃん、何でそんな注文の仕方を……?」

「えっと、その、姉さんが格式ある喫茶店ではコーヒーを注文する時はこう言えばすごいのが出てくるって……」

「騙されてるよソレ!?しかもチェーン店のネタだよ!」

 

 美由希は笑いすぎて床に伏していた。ああ、もうあれは仕事にならないと目配せして桃子に連れて行かせる。あと一発でも爆弾が放り込まれればきっと死んでしまう。笑死、幸せそうだが非常に不名誉な死になるなこれは。フェイトはフェイトで何処かにいる姉に向かって叫んでいた。カオスだ。

 

「……とりあえず、アイスカプチーノでいいかい?」

「はい……お願いします」

 

 真っ赤になっているフェイトを背景に茶器の擦れる音が響く。ソレ以外に何も音が無い静かな状態が、これから起こる嵐を士郎に予感させた。否、既に賽は投げられてしまっている。あとはそれを自身がどう咀嚼するかだろう。

 

 御神流を学びたい。

 

 なるほど、強くなるためにコレ以上に確かな手段はない。技の一つ一つが秘剣とも呼べるそれはすべての基本が精密な体動作に準じている。恐らく彼女は以前の試合で技量不足と捉えたのだろう。それは外野で見ていた士郎も同様の意見である。が、しかし御神流の剣技は門外不出である。暗殺剣を用いなければならない時代から既に変わったのだから別にいいのではないかとも思うが、時代が変わったからこそ伝えてはならないこともある。何より、御神流は剣術であって剣道ではない。すべての技が相手の生命を切り落とす一撃必殺に近いために、今の世では認められることがないからだ。

 

 同時に、困ったことに魔導師の戦いに魔法以外の明確なルールが存在しない。魔法を使えていればほとんど何をしてもいいという有様。実際、先日のデモンストレーションにおいて剣道部員が何人か駆り出されていたようだが、それでも恭也には敵わなかった。粛々と凝り固まった剣筋の隙を突くように動き、剣劇を演じること無く潰していくという無双ぶり。正道を持ってして今の彼に敵うのは最早高校時代の旧友くらいのものではないだろうか。

 

 士郎は淹れたてのカプチーノとシュークリームを音も立てずにフェイトの眼の前に置いていく。そして対面に面接官のように座り込んだ。

 

「何故、御神流を学びたいんだい?」

「はい、それは――」

 

 結論から言えば、フェイトの考えは士郎の予想とほぼ一致した。加えてなのはと一緒に特訓したいという思いもにじみ出ているが、まぁ無理もないだろう。人生初めての友達なのだから、色々と共有していきたいというのは間違いではない。体力づくりの一貫としてランニングは時々一緒にやっていたが……。

 

「一応言っておくが、あれは秘伝でね。血族以外には伝えないようにしているんだ」

「そんな……」

 

 当然、士郎は断りを入れる。本来ならなのはにすら教える気はなかった剣技だ。だが周囲の状況に迫られてというのもあったが、士郎自身は家族間のコミュニケーションのために教えた面もある。そのため絶対に駄目だとは強く言えない。

 

「で、でもユーノには教えてるって」

「うぐっ!?」

 

 しかし、士郎はここでひとつのミスをしていた。

 そう、高町家の居候と化し、そのまま扱いが家族同然となったユーノには御神流を教えていたのである。両親がおらず、部族での家族愛があっても親の愛を知らないユーノの事情を知った士郎たちは彼を完全に高町家の一員とみなしたのだ。魔法においては守るためのものしか手段が無いことへのユーノなりの努力なのだろう。出来る事はどんどん取り入れていく、それは彼の知識欲の現れでもあり、今までのふがいない自分との決別でもあった。それ故士郎はユーノの修練を許可したのである。

 

 彼の論理からすればユーノはまごうことなき例外。そして一つ認めてしまえばなし崩しになるのは当たり前。その程度には士郎は甘かった。

 彼の悩む姿を見て、なのははもうひと押しかな?と考える。なのは自身がフェイトに教えるという事も出来たのだが、この辺りの区別にメリハリがついているなのははあえてそれをしなかった。感情からすれば一緒に訓練したいのは顔に現れているが、彼女は現在も黙ったまま。

 

「お願いします!」

「……む、しかし……」

 

 渋る士郎。このままでは話は進むまい。が、この窮地を救ったのは意外な人物だった。

 

「いいんじゃないかしら、あなた」

「っな、桃子!?」

 

 戻ってきた桃子である。妻のまさかの裏切りに動揺する。

 

「直接教えなくても、どうにかする手段くらいあなたなら思いつくでしょう?」

「それはそうかもしれないが……」

「それに、プレシアさんからも娘をよろしくって言われてるし」

「……既に外堀は埋められていたか」

 

 奥様たちによる連合は強力だった。さすがにここまで言われてしまえば士郎とて引くことは出来ない。男の沽券に関わる部分を的確に突かれていた。

 

「やれやれ、仕方ない。直接教えることはできないが、模擬戦の中で盗んでみるといい。幸い、君にはそれくらいの才覚があるはずだ。それでいいかい?」

 

「は、はい!よろしくお願いします!」

「あぁ!ただし俺は厳しいからな!ビシビシ行くぞ!」

「望むところです!」

 

 ここに熱血師弟が生まれた。もくもくと事をこなすなのはと違った新感覚。やはりこの少女二人は互いに違う部分を持ったいい友情を築いていると実感した士郎。

 

「やったねフェイトちゃん!」

「ありがとうなのは!一緒に頑張るよ!」

 

 以降高町家の朝の訓練に加わるフェイト。そこには元気に木刀を振る3人の少年少女たちの姿があった。彼らは互いに切磋琢磨していずれはいい腕を持った剣士として成長するだろう。ちなみに余談であるが、フェイトとなのはの二人をさして「トゥーソード・ガールズ」とユニットみたいに呼ばれるようになるのはちょっとした後の未来の話である。

 




魔力素=気
超☆解☆釈
そもそも非実体半永久エネルギーならオカルト解釈しかありえないのでは?ということでこうしてみました。このTIPSが一体何の役に立つの?と言われれば多分無いとは思うけども。ちなみに気やたまゆらといった部分はやや実体験込みです……と言うと非常にうさんくさくなりますが、調べれば出てくるとは思います。数値で実証できないから科学的考察に入れないんだけど、何故かこの図形から気って部分にちょっとした知り合いの数学学者がハマってるんですよねえ。その内気功学とか設立されんかな。たまゆらとかも簡単に写りますよ。人のあまり入らない草原や、生命溢れる畑などでフラッシュ炊かずにシャッター切ってみましょう。白い玉がいくつか写り込むはずです。まぁなんでそんなのがデジカメに写るのかは自分にもさっぱりなんですけど。色々ごっちゃにして関連付けて見ましたけど、実際それらが本当にそうであるかは全く確証がないので話半分程度に流してください。まじめに考えた自分が言うのもあれですが。

ちなみに私はオカルトは非科学的だから存在しない!などというのはお門違いだと思ってます。証明できないだけで未知のものなんて世の中にたくさんあるのに、ただオカルトってだけで排斥するのは逆に科学者としてどうなの?と。むしろ科学者ならオカルトを科学の領域に落としこんでみせろ!と応援したいくらいです。

以下特性まとめ

粒子結合や化合等によって生まれる格子から生じるエネルギー。
状態の変化と停止によって性質が異なる。
動=感情等による爆発力を利用したもの。生産量高、質低。
静=物体が長い間停止することによって発生する。生産量低、質高。
感情による制御=思念操作がわずかであるが可能。
この特性のみを抽出、精製し、思念操作によって現実を歪めて現象を起こす魔力にする。

さて、何故このような解釈をしたかというと、そもそもデバイスが無い時代の魔法はどうやって使っていたのか?と考えていた時。つまり魔導師ではFateのような魔術師だった頃の時代があったのではないか?という想定で行いました。あれには人間には理解不能な神秘が存在します。つまり、どうやっても科学的解釈で当てはめることが出来ない場合はオカルト解釈に当てはめるしかないのではないか、という考えです。リンカーコアは非実体だし、コアに使った魔法が記録されるとか、まぁその辺のヒントっぽいものは転がってたのでやってみたんですが。実際原作内でもロストロギアや旧来のプログラム、レアスキルなど、現代では解析不可能なものが山盛りてんこもりであり、もしかしたらデバイスで行える魔法はかなり幅が狭い(解析しきれない)のではないかと。

具体的に分類するなら、なんとか解析できたために再現できるオカルト寄りの魔法、全くわからないオカルト魔法、解析できた科学寄りの魔法の三種類。とりあえず二分するなら

科学寄り
放出、攻撃、防御など

オカルト寄り
転移、召喚、変身、使い魔、レアスキル

とまぁこんな感じだろうか。純粋に魔力をエネルギーとして使うものと現実干渉するものとの違い、と考えれば。

あとはあれです。テイルズオブファンタジアとかFateExtraとかでもありましたけど、魔力枯渇ってホントにすんの?って疑問がありました。非実体エネルギーであるのだから、これはむしろ運動エネルギーとかのように総量は決まっている類のものではないか。エネルギー保存則とかあったりするんでは?と。その観点から、というには随分ツッコミどころ満載な結論に成りましたけど。

まぁなんでここまでやるかというと、改めてユーノの変身魔法に疑問を抱いてしまったためでその解釈に必要な仮定をするためです。体は変わって明らかに変身魔法を使い続けているように見えるのに、ユーノ自身は消耗せず、それを魔力回復に当てている?これはどういうこっちゃい、と気になりまして考察してみたのです。

以下原作から読み取れたこと。
・変身すると回復が早い。
・というよりむしろ、肉体が常時魔力を消費しているために消耗の少ない動物形態になった。(恒常的なフィジカルブーストがかかっている?)
・動物と人間状態で魔法使用には違いがない。(肉体サイズとリンカーコアサイズ、出力は比例しない)
・変身魔法はスクライアの秘技である。(公式で確実にそうだったかは自信がないが)
・ユーノはデバイスなしで複雑な魔法行使が可能である。
・リンカーコアには魔法が記録される。つまり実際は誰にでもデバイス無しでも複雑な魔法が使える事が立証されている。

必要なところはこんなところだろうか。

ここまででまとめてみる。
リンカーコアは肉体に依存しないならば一体どこにあるのか?シャマルさんにぶち抜かれた時は胸から出ていたが、非実体であることを考えるならあれは「魂」に格納されている、と見てもいいのではないだろうか。つまり魔法行使そのものは肉体ではなく魂で行なっている。そのせいでカートリッジ等を大量に用いると魂がダメージを受け、直結している肉体に影響が出るのではないだろうか。

そして、ユーノはユーノという人格、思考能力はそのままに動物になっている。脳等が小さくなっているというのに、彼の思考力や魔法行使、つまりマルチタスクの減少は見られない。ということは、ユーノは魂に起点を置いて肉体を取り替えているのではないか?肉体から乖離した魂は次元的に上位的存在であり、起点をそちらに置いているのであれば彼の能力や人格は肉体に依存しなくていいことになる。そうすればマルチタスクも脳依存ではなく魂依存、そのため物理的な上限から開放されて多くの思考分割の部屋が作れる、と解釈してみる。イメージ的にはCPUとメモリが合体した感じだろうか?こうすればユーノはデバイス無しでも複雑な魔法が使えることがうなずける。使い魔も人口魂?を入れていてデバイスなしで魔法が使えるわけだし。

攻撃魔法がてんで使えないのもFate的に言えば起源に囚われているせいで一点特化している、と見るべきか。魔力の性質もあるのだろうけど。

しかし変身魔法が秘技であるあたり、スクライア一族全員が使えたわけでもないのだろう。むしろ使えるのはごく少数で、それこそユーノみたく魂と肉体をしっかり分けて考えられるからこそ解読できたと私は思いたい。

ということでユーノの変身魔法は突き抜けたオカルト魔法なのだと推測する。多分魔法無効化バインドで縛っても人間に戻らないと思うんだわユーノ君。リーゼ姉妹のは薄皮貼りつけただけ、むしろあれはオプティックハイドに近いものじゃないかなあ。

そういえばマルチタスクの数ですけど、ズェピアやシオン・エルトナムクラスだったりするのかなユーノ君。そうだとしたら彼、違った意味でチートなんだけども……。あ、こう考えてくるとデバイスコアとかむしろ錬金術寄りな気がしないでもない。世の中に魔術師がいて、彼らの魔術を再現する方法を錬金術師が確立してしまった!そして彼らはアルハザードへと至る未来へと踏み出すのだった……。

うん、すまん。言ってることがわけわかんないね。

はい、気を取り直して次回からは新章です。プロットはまだ練ってないけどね!!
まぁキッチリねり終わったら書き始めるんでソレまでお待ちください。ではまた。


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