ウルトラマンタイガが終わりましたねぇ、次回は総集編だけれど、次からはどうするのかな?
ちなみにこの番外編は本編からそれなりに時間が経過しています。
クリスマスを楽しんでください。
クリスマス。
比企谷小町は家で寛いでいた。
季節はクリスマスなのだが、両親は仕事で不在。
兄は最近、多発している怪事件の為にペガッサ星人のペガを連れて奔放中。
家には小町一人だけだったのである。
「さて、何の料理を作ろうかなぁ?」
夜ご飯をどうするか考えていた小町、兄からの連絡があって一人だけになってしまうのでダラダラと手抜き料理でもしようかと考えている。
テレビをつけるとアイドルの印南ミコが歌って踊っている姿があった。
他にチャンネルを変えてみる。
ウルトラ●やら、マイティ●ャック、特番の一つにリモコンを持つ手を止めた。
特集は少し前に現れたウルトラセブン達の戦いの記録。
地球を丸ごと飲み込もうとする怪獣から地球を守ったウルトラセブン。
批判なども投げられたウルトラセブンは人類の友、英雄としてみられていた。
「ウルトラセブンかぁ、そういえば、お兄ちゃんの中にいるんだよね?」
最初に話を聞いた時は兄がおかしくなったと疑ってしまったものだ。
実際にペガをみて、いくつかの怪事件に遭遇したことで小町は理解したのである。
ピーンポーン。
ぼんやりし始めたところで鳴り響くドアホン。
小町はうとうとしていたタイミングだったことで急な音で意識が覚醒してしまう。
「荷物かな?」
立ち上がった小町は玄関へ向かう。
「はーい、どなた、です」
「ほっほっほっ、メリークリスマス」
ドアの向こうにいたのは赤い服に白い髭を生やした老人。
肩から腰に向かって白い袋を下げている。
サンタクロースがそこにいた。
「え、あの、家間違えていません?うち、サンタクロースは呼んでいませんけど?」
「いいや、間違ってはいないよ?比企谷小町さん」
「えぇ?」
何か怪しい気がしてドアを閉めようかと考えた小町。
老人が手を顔で隠す。
「私はこういうものだよ」
手をどけてあったのは人の顔ではない。
少し前に地球へ現れた【ウルトラマン】と似たような顔。
違いあるとすれば髭があり、左右の側面に大きな角『ウルトラホーン』があることだろう。
「はじめまして、新たなる息子の妹よ。私はウルトラマンケン、別の地球ではウルトラの父と呼ばれている」
そういってウルトラの父は手を差し出す。
「よろしく」
「……ウソォ」
いつもの笑顔は驚きで固まっていた。
「粗茶、ですが」
ウルトラの父をリビングへ上げる小町。
中に入ったところでウルトラマンの姿から人間の姿になっていた。
「ありがとう」
受け取ったお茶を飲む。
「うん、とてもおいしいよ」
笑顔になり、小町へ感謝を告げる。
「えっと、さっきの姿が本当の姿なんですよね?どうして、人の姿に?」
「私達の姿はこの世界の地球人の前で晒すと余計な混乱を招く可能性があるのでね。キミ達の生活を荒らすつもりはないよ」
「えっと、ありがとうございます」
小町はペコリと頭を下げる。
「それで、えっと、さっき、お兄ちゃんのことを息子って」
「あぁ、すまない。私と妻は彼と雪ノ下雪乃、由比ヶ浜結衣達を息子、娘と大事に思っていてね」
「じゃあ、小町にとってもお父さんってわけですね!おぉ!社畜のお父さんの他にもう一人お父さんができたよ!」
「迷惑だったかな?」
「とんでもありません、お兄ちゃんのことをちゃんとみてくれる人がいて嬉しいです!あ、両親がちゃんとみていないっていうわけじゃないですよ?家族以外に、あぁ、いや、ちょっと違うかなぁ?まぁ、理解者がいて小町は嬉しいのです!」
小町の言葉にウルトラの父は笑みを浮かべる。
「キミは兄のことが大好きなんだね」
「当然です!小町達は兄妹ですから!あ、できれば、義姉ができることが嬉しいですね!今のところ、候補は二人なんですけれど、どっちも素敵で」
兄の義姉候補のことを話す小町は信じられないくらいのマシンガントークになっていた。
「ほっほっほっ、素直な子だ」
少し考えて小町は尋ねることにした。
「あのぉ、教えてほしいことがあるんですけど」
「何かな?」
「その、兄が体験した話は聞いているんですけれど、ウルトラマンっていうんですか?その人たちはどうして地球のことを守るのかなって」
「……はじまりは事故だったのだよ」
「事故?」
「私の息子、あぁ、息子といっても血のつながりはないんだ。だが、同じ、いや、それ以上に大事に思っているんだ。その一人、ウルトラマンが逃走した怪獣を追いかけて地球へやってきた時にその星の人間を殺してしまった。その命を救うためにウルトラマンは地球人と一心同体となり、星を守るために戦い続けた。長男のゾフィーが迎えに言った時、彼は地球、地球人が大好きになっていた。そして、他の戦士たちが地球へ訪れて、同じように地球人を好きになった」
楽しそうに語るウルトラの父。
「そして、私も、いつの間にか彼らのことを好きになっていたのさ」
「ウルトラマンって、みんな優しいんですね?」
「優しい、そうだね。優しいというのもあるのだろう」
「?」
「キミは聞いたことがないのかな?ウルトラマンも元は人だったのだよ」
「えぇ!?」
初耳の内容に小町は目を開く。
「今日はクリスマスだ。特別にキミへ教えてあげようか、ウルトラの歴史を」
パチンとウルトラの父が指を鳴らす。
すると周囲の景色が変わっていく。
やがて、綺麗な都市へ変わる。
地球よりもはるかに発展した文明、争いも貧困もなく、誰もが幸せそうに暮らす理想郷。
道行く人たちは笑顔で話し合っていた。
突如、太陽が爆発する。
「え、太陽が!?」
「……太陽の消失によって星は光のない世界へ変わってしまった。だが、この星の科学者達は長い時間を費やした研究の末、人工太陽を打ち上げた」
暗闇の空の中へ登っていく一つの光。
光はやがて太陽となり闇の世界を照らし始める。
澄み切った綺麗な空が広がっていく。
「同時に人工太陽は私達へ超人的な力を与えた」
一人の男が光に包まれた途端、超人へ姿を変えていく。
「私達は自らの力を正しいこと、平和の為に使うことを決めたのだ。それが今のM78星雲、光の国と呼ばれる場所だ」
ウルトラの父が指を鳴らすと今の光の国へ姿を変える。
反射して輝くクリスタルのような建物達。
空を飛ぶウルトラ戦士たち。
コロシアムでは宇宙警備隊の訓練生たちがウルトラマンタロウ指導のもと、日夜、研鑽を積んでいる。
普通の生活をしている者達もいる中、光の国を照らすプラズマスパークタワー。
宇宙の、平和の為に戦うウルトラ戦士たちが所属している宇宙警備隊本部。
そこでは宇宙警備隊隊長 ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエース、ウルトラマンレオ、ウルトラマン80、ユリアン、ウルトラマンメビウス、ウルトラマンヒカリといった多くのウルトラ戦士、そして、ウルトラセブン。
小町が光の国の景色に見惚れていると周囲が比企谷家へ戻る。
「さて、そろそろ行かねば」
椅子から立ち上がったウルトラの父。
「え、もうですか?」
「すまないね、こうみえて、仕事が山積みなんだ」
苦笑しながら立ち上がったウルトラの父を見送るために玄関へ向かう小町。
外に出ようとしたところで立ち止まる。
「おっと、忘れるところだった」
ウルトラの父は背負っていた袋からラッピングされた包みを取り出す。
包みを小町へ差し出す。
「あの、これは?」
「今日はクリスマスだよ?そして、私はサンタクロース。真面目に頑張っている大事な“娘”のプレゼントだよ」
ウィンクするウルトラの父。
袋を背負ったまま彼は空へ飛んでいく。
「うわ、飛んで行っちゃった」
呆然とサンタクロース姿のウルトラの父を見送っていた小町。
彼の姿が完全に見えなくなってから家の中に入る。
「新しいお父さんが貰ったプレゼント、お父さんからもプレゼントがもらえるし、小町的に嬉しいことだね!あとは、お兄ちゃんもかな?」
笑顔を浮かべながら小町は家の中へ入っていった。
そこから二時間ほどして兄が戻ってくる。
夕飯は外で食べてこなかったことで小町は不機嫌になりながら兄へ説教することになることを知らない。
「どうやら、この星はまだまだ問題を抱えているようだ」
宇宙空間にウルトラの父はいた。
本来の姿へ戻った彼は赤いマントを揺らしながら地球をみる。
今、新たな家族になった三人達が戦おうとしている敵は強大だ。
少し前に戦った悪魔よりも厄介な相手だろう。
だが、彼らならきっと乗り越えられる。
「セブンよ」
声は届かないがウルトラの父は血のつながりはないものの強い絆で結ばれている愛しい息子の名前を呼ぶ。
「これから先、彼らに大きな脅威や選択が訪れるだろう、彼らを導いてあげてほしい。我々も信じている。彼らなら、きっと」
ウルトラの父はマントを翻して元の宇宙、光の国へ戻っていく。
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