やはり俺がウルトラセブンなのはまちがっている。   作:断空我

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感想を貰って思う事、

ウルトラセブンについて、様々な見解があるのは理解していますが、この作品におけるウルトラセブンは地球人よりも地球人を愛している宇宙人です。

そのため、厳しいよりも見守るという姿勢が強いところがあります。

ウルトラ兄弟のウルトラセブンというよりも、平成ウルトラセブンやULTRASEVENXよりでしょう。


第四話:宇宙の通り魔を倒せ!

 深夜の町中。

 

 一人の男が悲鳴を上げながら逃げる。

 

 その後ろではカチャカチャと刃をこするようにしながら追いかけてくる者が一人。

 

 逃げ惑う人が助けを求めるが、誰もいない。

 

 必死に逃げる人だが、やがて、追いつかれて。

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

 その体は真っ二つに切り裂かれるはずだった。

 

 両断しようと伸ばされた二つの刃は間に割り込んだ長い鉄パイプに阻まれてしまう。

 

「キシシ!?」

 

 振るわれた鉄パイプを慌てて回避する。

 

「逃がさんぞ、貴様!」

 

 現れた相手をみて襲撃者は不気味に笑いながら両腕の刃を構える。

 

 振るわれる刃はすべてを両断する。

 

 通り魔の刃は標識や壁を切り裂いていく。

 

「無駄だ」

 

 振るわれた鉄パイプの一撃が襲撃者の頭部を叩き割る。

 

「ちぃ!」

 

 本来ならば確実に相手の命を刈り取っていたであろう一撃。しかし、それは本来ならばである。男は舌打ちしながら鉄パイプを戻す。

 

「浅い!」

 

 鉄パイプを振り下ろしたものの、とどめを刺すに至っていない。

 

 追撃しようとしたことで相手は闇夜の中へ消えてしまった。

 

「やはり、この体では限界があるか」

 

 鉄パイプを放り投げて汗だくの顔を拭う。

 

「相談するしかあるまいな」

 

 ため息を吐きながら通り魔を撃退した人物も夜闇の中へ消える。

 

 残された男はぺたんと座り込んだまま、呆然としており、警邏中の警官が見つける時まで動くことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 比企谷八幡はボッチであると一年前なら胸を張って言えただろう。

 

 しかし、今はどうだろうか?

 

「比企谷、あーしの話を聞いているわけ?」

 

「悪いが、そういうファッションとか疎いからわからないんだよ」

 

「優美子~、ヒッキーにそういうのはゆっくり教えないと」

 

「でも、八幡に似合うと思うけどなぁ」

 

 

――なに、これ?

 

 

 自称ボッチを貫いていた筈の八幡。

 

 それがいつの間にか元トップカーストの三浦優美子やら、葉山グループにいた由比ヶ浜、テニス部に所属している女の子と間違えられそうな男の子、戸塚彩加。

 

 そんな彼らに包囲されている事態に八幡は心の中で疑問符を浮かべていた。

 

 答えはすぐにでる。

 

 先日のメフィラス星人による侵略事件だ。

 

 三浦は目の前で人間生物Xに変貌した。

 

 地球防衛軍の参謀がニュースで今回の事件のあらましについて報道をしていたが、三浦優美子が怪物に変貌したということで噂が一気に広まってしまったことで距離をとられてしまっている。

 

 葉山は気にせずに話しかけようとしていたが周りの取り巻きにとめられてしまったらしく、三浦は孤立しかけるところだったのだが、由比ヶ浜は変わらず友人と接している。

 

 そのことで三浦は辛うじて腐らずに済んでいた。

 

 戸塚は前の一件を通して部活を盛り上げると頑張っており、友人のようなクラスメイトという立ち位置になっている。

 

「(ボッチの俺がどうしてこうなっているんだか?)」

 

 疑問を抱いていたところで目の前に雑誌が突きつけられる。

 

「話聞いているし!?」

 

「あー、はいはい」

 

 大きな声を上げる三浦に辟易しながら八幡は休み時間が終わることを切に願った。

 

 しかし、休み時間が終わるまでにまだ十五分あったことを知った八幡は絶望する。

 

「ヒッキー!こっちだよ!」

 

「結衣!絶対にこっちだって!」

 

「あははは、大変だね~」

 

 これでもう一人が加われば四面楚歌になるなぁ。

 

 どうでもいいことを思いつつ、天井を見ながら八幡は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~、甘くておいしい」

 

 放課後、手持ちがゼロになったのでMAXコーヒーを購入して八幡は部室棟へ向かう。

 

 奉仕部の部室が見えてきたところで八幡は立ち止まる。

 

「お前ら、何やってんの?」

 

 部室のドアの前で雪ノ下と由比ヶ浜の二人が立っていた。

 

 二人は困った表情を浮かべながら部室を覗き込んでいる。

 

「あ、ヒッキー」

 

「丁度、良かったわ。比企谷君……部室の中に変な人がいるのよ」

 

「変な人ぉ?」

 

「分厚いコートをきたデブ」

 

「シンプルな説明だな、おい」

 

 一瞬で誰か該当した八幡は呆れながら部室のドアを開ける。

 

「フッフッフッ!待っていたぞ!比企谷八幡よ!」

 

「お、お前は……デブの材木座かよ」

 

「チョッ!?ハチエモーン!?」

 

 メガネをかけてダラダラと汗を流しているデブこと、材木座義輝は部室内で悲鳴を上げた。

 

「二人に自己紹介をしておくと、コイツは材木座義輝。中二病患者で、一応、顔見知りの関係だ」

 

「ケプコンケプコン!中二病とは失礼な!我は剣豪将軍――」

 

 ガクンと体が傾いて動きが止まる。

 

「……キモイ」

 

「一歩、間違えれば、変質者ね」

 

「ただし、表向きの紹介になるけどな」

 

「え?」

 

 八幡が続けた言葉に二人が疑問の声を上げようとした時。

 

「ディヤァアアアア!」

 

 背後からカッと目を見開いた材木座が手刀を振り下ろす。

 

 その動きを読んでいた八幡は手刀を弾きながら拳を叩き込もうとする。しかし、相手は振るった拳を受け止める。

 

「うわっ、汗でベトベトじゃねぇか」

 

 手を振り払いながら用意していたタオルで拭う。

 

「フン!肥満の証拠だ」

 

 悪態をつきながら汗まみれのメガネをポケットにしまって、しかめっ面の材木座が八幡を睨む。

 

「鍛えていないからこんなに汗をかく、くだらぬ小説を書いている暇があれば、鍛錬をすべきなのだ!」

 

「……え、どゆこと?」

 

「二重人格というわけではない、わね?」

 

 突然の事態に目を白黒させる由比ヶ浜と雪ノ下。

 

「実は、コイツの中には宇宙人がいるんだよ。宇宙剣豪って呼ばれた最強剣士が宿っている。聞いたことはないか?宇宙剣豪ザムシャーって」

 

 八幡はため息を吐きながら説明した。

 

 告げられた名前に二人は息をのんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そ、粗茶ですが」

 緊張した様子で雪ノ下は緑茶の入った紙コップを材木座の前へ置いた。

 

「かたじけない」

 

 ぺこりと会釈しながら雪ノ下が用意した緑茶を飲む。

 

「(緑茶もあったのか)」

 

 MAXコーヒーを飲みながら八幡は材木座に尋ねた。

 

「それで、ここへ何の用事だ?」

 

「うむ、本来ならば誰かに頼るというのは酷く抵抗があるのだが、背に腹は代えられない状況なのでな」

 

「話が見えない!!」

 

「由比ヶ浜、静かにしろ」

 

 八幡は続きを促す。

 

「この星へ侵入している宇宙人を倒したい、お前の力を借りたいのだ。ウルトラセブン」

 

 材木座は眉間へ皺を寄せながら口を開いた。

 

「侵入している宇宙人?それはつまり、侵略者?」

 

「えぇ!?それってウルトラ警備隊へ通報しないといけないじゃん!」

 

 雪ノ下の言葉に由比ヶ浜がオーバ-に反応する。

 

 彼女達の言葉に材木座はフンと鼻音を鳴らす。

 

「ウルトラ警備隊か、確かにアイツらならなんとかできるかもしれんだろう、だが、奴……ツルク星人は神出鬼没だ。連中が気付くまでにどれほどの犠牲者がでるか」

 

 材木座の告げた名前に雪ノ下と八幡は目を見開く。

 

 由比ヶ浜は知らないようで首をかしげている。

 

「おい、奴が地球へ来ているのか?」

 

「それは……早急になんとかしないといけないわね」

 

「え?え?どういうこと?」

 

「そういうことだ、俺一人で対処をしたかったのだが、この体では万全に戦えん、そこでウルトラセブン、いや、比企谷八幡、非常に癪だが、貴様に協力を申し込みに来た」

 

「それは依頼か?」

 

「あぁ」

 

「わかった」

 

「うむ、ではあばばばばばばば」

 

 壊れた家電のように不気味な動きをする材木座。

 

 しばらくして、ハッと周りを見る。

 

「あれ、我は何を」

 

 先ほどまでの威厳の類など存在しない。

 

 中二病の材木座義輝がそこにいた。

 

「熱さにやられたんだろ、そんな恰好をしているからな」

 

「うーむ、真面目にお祓いを考えた方が――」

 

「それで、お前は何でここに来たんだ?」

 

 この後、材木座は自作のラノベを読んでもらいたいという依頼のために奉仕部を訪れたのだという。

 

 分厚い印刷用紙を受け取るとルンルンとした足取りで彼は去っていった。

 

「さて、そろそろ説明をしてもらえるかしら?」

 

 材木座の気配が完全になくなったことを確認して雪ノ下が尋ねる。

 

 八幡は少し考えながら事情を話すことにした。

 

 理由は数か月前、侵略者の持ち込んだ怪獣兵器が街中で大暴れした事件があった。

 

 ウルトラ警備隊の活躍によって被害は最小限に抑えられる。

 

 しかし、戦いの中で負傷した者がいた。

 

 それが材木座義輝である。

 

 死の淵をさ迷いかけた彼は偶然にも地球へ来訪していた宇宙剣豪ザムシャーと一体化することで一命をとりとめた。

 

 材木座の体が完全に回復するまでザムシャー自身は精神の奥深くまで寝るつもりでいたらしい。

 

「だが、一体化するというところでミスがあったらしくて、時々、あーやってザムシャーの意識が表へ出てくる時があるんだよ。そのタイミングで俺と遭遇したわけでアイツの正体を知っているんだ」

 

「そういうこと」

 

「でもでも、宇宙剣豪ザムシャーって、確か、ヒッキー以上のボッチで冷酷だって聞いたけど、人助けなんかするの?」

 

「お前」

 

「由比ヶ浜さん、事実だけど、容赦ないわね」

 

「この地球へ来る前に一人のウルトラマンと戦って、心境の変化があったと本人は言っている」

 

「貴方ではないのね」

 

「違う」

 

「それはそうと、ヒッキー、あの依頼引き受けるの?」

 

「あぁ、材木座……いや、ザムシャーが依頼してきたとなると放っておくわけにいかないしな」

 

「じゃあ、あたし達も!」

 

「いや、今回は」

 

 八幡は正直、この依頼は一人で受けようと考えていた。

 

 ツルク星人は神出鬼没かつ残酷な存在である。

 

 もしかしたら由比ヶ浜や雪ノ下に命の危機が迫るかもしれない。

 

「ヒッキーだって危ないじゃん!」

 

「そうだが」

 

「あなた一人を行かせて何かあれば、後悔するのは私達も同じよ。そうね……逐一、貴方が報告してくれるというのなら行かせてあげるわ」

 

 ニコリ、いや、ニヤリという笑みを浮かべる雪ノ下。

 

 戸惑っている由比ヶ浜だが、雪ノ下だから良い考えなのだろうと考えて、彼女は何も言わない。

 

「逐一の連絡でいいんだな?」

 

「えぇ」

 

「わかった、約束する。逐一、連絡すればいいんだろ」

 

「その通り」

 

 微笑みを浮かべる雪ノ下に八幡は完全敗北した。

 

「でもでも、あのデブが表に意識がある場合、ザムザムは表に出てこないんでしょ?連絡とか大丈夫なの」

 

「そのことについてだが、多分、向こうが荒技を仕掛けると思う」

 

 首をかしげる二人の姿に八幡はただ肩をすくめる。

 

 言えるわけがない。

 

 意識を表に出すために、無理やり材木座義輝にランニングをさせて疲労させるなんて。

 

 いつぞやのスポ魂漫画でもあるまいしと心の中で八幡は漏らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の町中。

 

 高校生が夜にうろついていれば、最悪、警察に補導されてしまうだろう。

 

 そんな危険をはらみつつ、八幡は私服姿で家を出る。

 

 家の守りはペガに任せてきた。

 

 小町を守るために最悪、ダークゾーンへ入ってもらえばいい。

 

 尤も、ペガは「ツルク星人!?怖いよう!」といって早々にダークゾーンへ逃げてしまった。

 

 宇宙の通り魔といわれる侵略者達の中で凶悪な存在として名があがる宇宙人ということを知っていれば、震えあがってしまうのは当然だ。

 

「遅かったな、ウルトラセブン」

 

「俺は地球人、比企谷八幡っていう名前がある。確かにウルトラセブンと同化しているけれど、ここでは地球人としての名前を呼べ、お前に宿っている材木座という名前があるように」

 

「フン、覚えておこう」

 

 鼻を鳴らしながら材木座と共に夜道を歩く。

 

「奴が出現する宛はあるのか?」

 

「先日、奴の頭を叩き割り損ねた。そのことから俺を潰そうと躍起になるだろう。そのことからいけば」

 

「自らを囮にするわけか」

 

「その通りだ。だが、この体の反応は悪い。もしかしたらを考えて貴様を呼んだ」

 

「だろうな」

 

 一応、定期報告も兼ねて連絡を入れておく。

 

 夜道だけあって人の気配がない。

 

 いくら文明が発展したとしても人類は明るい時間に活動して夜は眠りにつく。

 

 勿論、例外はあるとしてもそこは変わらない。

 

 夜の世界に住まう殺人鬼こと宇宙人。

 

 奴がどのタイミングで姿を現すのか警戒をしなければならない。

 

「来たぞ」

 

 材木座の言葉でこちらへ近づいてくる宇宙人の存在を感じ取る。

 

 向こうは足音を立てないようにしているのだろう。

 

 しかし、地球に住まう者ではないという体に流れるエネルギーといえばいいのだろうか?そのようなものが不思議と八幡は感じ取れた。

 

 二人は同時に左右へ避ける。

 

 直後、ツルク星人の振り下ろした刃が地面に突き刺さった。

 

「フン、後ろからにしてはわかりやすすぎる!」

 

 ザムシャーは用意していた鉄パイプでツルク星人へ振り下ろす。

 

 回避しようとするツルク星人へ八幡は右手を握り締めて念動力を放った。

 

 背後からの攻撃にツルク星人は動きが鈍る。

 

 そこにザムシャーの一撃がツルク星人の頭へ振り下ろされようとした瞬間。

 

 真っ赤な光弾が飛来する。

 

「ちぃっ!」

 

 咄嗟にザムシャーは鉄パイプで切り裂くもドロリと握っているより上が溶解してしまう。

 

 突然の不意打ちに身構える二人を余所にツルク星人は暗闇の中へ消え去った。

 

「今のは……」

 

 真っ赤な光弾が飛来した方向をみる八幡。

 

 暗闇を透視するように彼の両目が輝く。

 

 しかし、怪しい影は何も映らなかった。

 

「逃げられたか」

 

「邪魔が入った。プライドの高い奴のことだ……次は巨大化して暴れるだろう」

 

 ザムシャーの言葉は事実になるだろう。

 

 八幡は自然と拳を握り締めた。

 

 あの光弾を放った存在は何者なのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういうつもりだ?」

 

 薄暗い闇の中、ツルク星人は相手へ問いかける。

 

 暗闇の中、相手は笑みを浮かべた。

 

「何だ?助けなければよかったか?あのままでは宇宙剣豪と地球人にやられていたぞ?」

 

「ぐっ!」

 

 人物の指摘にツルク星人は顔をしかめる。

 

「このまま、ザムシャーの奴に舐められたままでたまるか!次は巨大化して叩き潰してやる!」

 

「そうか、では、これを受け取るといい」

 

「何だ、これは?」

 

「特殊な細胞を宿したカプセルだ。それを飲めば強くなれるぞ」

 

 暗闇から囁く言葉にツルク星人は思案しながらカプセルを手に取った。

 

 ニヤリと相手が不気味な笑顔を浮かべていたことにツルク星人は気づかない。

 

「巨大化する前に飲むといい、確実にお前の力となり、邪魔存在を叩き潰せる」

 

「わかった、だが、俺を騙していたら容赦はせんぞ」

 

 カプセルを握り締めながらツルク星人は姿を消した。

 

「あぁ、騙してはいないさ。強大な力を手にすることができる。ただし、何事も代償は付き物なのさ……そう、強大な力っていうものはさぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 八幡やザムシャーの予想していた通りに巨大化したツルク星人が街に出現する。

 

 人型のような姿からトカゲのような姿は最早、怪獣同然のようなものとなっていた。唯一、人型と似ているところがあるとすれば、それは両腕についている刃だろう。

 

 振るわれる刃は近くの高層ビルを次々と両断する。

 

 昼間に出現したツルク星人に人々は悲鳴を上げながら逃げていく。

 

 ツルク星人の出現は即座に地球防衛軍へ連絡がいった。

 

 地球防衛軍極東基地の地下格納庫からウルトラホーク3号が発進する準備を取っていた。

 

 発進カタパルトで出撃準備をとるウルトラホーク3号の正面ゲートが開く。

 

『オーケー!レッツゴー!』

 

 管制塔から発進許可が下りた。

 

 偽装滝が流れている中をウルトラホーク3号が出動する。

 

 慣れない者が操縦すれば水圧に負けてコントロールを失って墜落してしまうだろう。

 

 しかし、搭乗しているのはウルトラ警備隊。

 

 並々ならぬ訓練を積んでいる彼らにとって偽装滝から降り注がれる水圧など苦ではない。

 

 二子山がスライドした場所からウルトラホーク1号が緊急発進する。

 

「くそう、隊長!星人一体だけで被害は甚大です!」

 

 梶とユキの両隊員を乗せたウルトラホーク3号がツルク星人の暴れている市街地へ到着する。

 

「攻撃、開始します」

 

 ユキが操縦桿の横についているボタンを押す。

 

 ウルトラホーク3号から放たれるミサイル弾。

 

 攻撃を受けてツルク星人はのけ反る。

 

 旋回しながら再度、攻めようとした時、ツルク星人の刃が煌めく。

 

 咄嗟にユキ隊員がウルトラホーク3号を上昇させる。

 

 彼女の判断が窮地を救う。

 

 標的を失ったツルク星人の斬撃が背後にあったビルを両断した。

 

「何て奴だ!?」

 

「今の斬撃を受けたら流石のウルトラホークも一刀両断だ」

 

 少し遅れて渋川の操縦するウルトラホーク1号が到着する。

 

「くしょう!侵略者の好き勝手にされてたまるかってんだ!」

 

「隊長、もう少し、速度をぉおおおおおおおおおお!?」

 

 古橋が操るウルトラホーク1号のブレイカーナックルミサイルがツルク星人へ降り注ぐ。

 

 揺れる機内の中で冷や汗を流しながら渋川はしがみつく。

 

 ウルトラホーク3号もツルク星人へミサイル攻撃を続ける。

 

 地上ではポインターに乗った東郷隊員とリサ隊員が避難活動を行っていた。

 

「リサ隊員、威嚇射撃だ!」

 

「了解!」

 

 地上の二人はウルトラガンを構えてツルク星人へ撃つ。

 

 レーザー光線をツルク星人は刃で弾く。

 

 接近するウルトラホーク3号。

 

 ツルク星人の刃が煌めく。

 

 振るわれた攻撃がウルトラホーク3号の片翼を切り裂いた。

 

 黒い煙を放ちながら地上へ緊急着陸しようとするウルトラホーク3号。

 

 地面へ回転するようにしながらウルトラホーク3号は不時着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宇宙人が街で暴れているって!」

 

 総武高校は宇宙人出現のニュースを聞いて騒ぐ。

 

 自分達のいる場所からかなり離れたところということもあって、彼らは祭りのような気分だ。

 

 自分達が実際に被害を受けない限り、どこか他人事のような雰囲気を放つ彼ら。

 

 八幡は静かに立ち上がる。

 

「ヒッキー?」

 

「悪い、出かけてくる」

 

 静かに告げて、八幡は廊下へ出る。

 

 屋上へ向かおうとした先で材木座、否、ザムシャーがいた。

 

「行くのか?」

 

「あぁ」

 

 短く答えて、八幡はザムシャーの横を通り過ぎる。

 

 屋上に出たところでウルトラアイを装着した。

 

 ウルトラセブンは空からツルク星人の暴れている市街地へ急行する。

 

 上空からツルク星人の背中へキックを放つウルトラセブン。

 

 攻撃を受けて前のめりに倒れるツルク星人だが、起き上がると同時に腕の刃をセブンへ振るう。

 

 後ろへ下がりながらツルク星人の刃を躱す。

 

 突如、ツルク星人の体に異変が起こる。

 

 緑色の不気味な光を放ちながらツルク星人の背中から複数の触手が現れた。

 

 蠢く触手にツルク星人は苦悶の声を漏らしながら暴れだす。

 

 突然のことに驚くウルトラセブン。

 

 反応するよりも早く複数の触手がセブンの体に絡みついて、その体を持ち上げる。

 

 抵抗しようとするが強い力で体を締め付けられて苦悶の声をあげた。

 

「渋川!ホルバスターミサイル準備!」

 

「了解!」

 

 ウルトラホーク1号の機内で渋川がシステムを起動する。

 

 ホーク1号の下部ハッチが開いて、ホルバスターミサイルが発射準備となった。

 

「準備オーケーです!いつでもどうぞ!」

 

「ホルバスターミサイル!発射!」

 

 ホルバスターミサイルが暴走するツルク星人の背中に直撃。

 

 全身を焼かれるような痛みに悲鳴を上げる。

 

 ウルトラセブンは力が弱まった瞬間をついて、拘束から脱出。

 

 頭頂のアイスラッガーを投げる。

 

 光に包まれたアイスラッガーがツルク星人の背部の触手全てを切り裂く。

 

 戻ってきたアイスラッガーを逆手持ちで構えるウルトラセブン。

 

 二つの刃を構えるツルク星人。

 

『勝負は一瞬だ』

 

 その時、ウルトラセブンへテレパシーで囁きかける者の声が。

 

『奴の斬撃は二段攻撃だ。それが終わった瞬間、隙ができる。その時を狙うことが勝機の鍵だ』

 

 テレパシーの言葉に相手の動きを伺うウルトラセブン。

 

 走り出すツルク星人。

 

 振るわれる二段斬撃。

 

 攻撃が繰り出された直後を縫うようにウルトラセブンのアイスラッガーが煌めく。

 

 振りぬいたアイスラッガーをそのまま頭頂へ戻す。

 

 両腕を切断されて、宙を舞う。

 

 刃が二つともツルク星人の胴体へ突き刺さる。

 

 振り返ると同時に両腕をL字に組んでワイドショットが放たれた。

 

 光線を受けたツルク星人は緑色の光に包まれて消えていく。

 

 構えを解いたウルトラセブンはとあるビルを見る。

 

 ビルの屋上では真っ直ぐにこちらをみていた材木座義輝の姿があった。

 

 ウルトラセブンは胸の前で両拳をぶつける。

 

 白いスパークと共に比企谷八幡の姿へ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の奉仕部

 

「全然、ダメね。起承転結がしっかりしていない。そもそも話の骨格がぐちゃぐちゃだわ」

 

「ぐふぅ!」

 

 雪ノ下雪乃による的確過ぎる発言が材木座義輝にクリティカルヒット。

 

 材木座義輝は汗をまき散らしながら膝をついた。

 

「まぁ、こうなるわな」

 

「ハチエモン~~!」

 

 涙でグシャグシャになった顔を近づこうとするが、手で阻む。

 

「うわぁ、キモイ」

 

 汗だらけの材木座をみて由比ヶ浜がぽつりともらす。

 

 しばらくして、落ち着いた材木座が尋ねた。

 

「その、また、持ってきても良いかな?」

 

「お前、ドMか?」

 

 雪ノ下に徹底的に指摘されながらもまた持ってくるという言葉に八幡は戦慄した。

 

「違うもん!あの、その……こうして評価してくれる人がいないから、その、何度か読んでもらいたいんである」

 

「言葉遣いが滅茶苦茶になってんぞ、まぁ……」

 

 八幡はちらりと雪ノ下と由比ヶ浜をみる。

 

「そうね、依頼という形であれば問題ないわ」

 

「うん!まー、時間つぶしくらいはなるかな?」

 

「ありがとう」

 

 そういって材木座は出ていった。

 

 再び戻ってくる。

 

「今度はザムシャーの方かよ」

 

「ややこしい!」

 

「意識が昇天したおかげで出てこられたのだ」

 

 あれだけで昇天するって、色々と問題があるのではないか?

 

 心の中で三人は同時に思った。

 

「この前はすまなかったな。感謝を伝えに来た」

 

「……そうか」

 

「でも、私達、何もしていないよね?」

 

「私と由比ヶ浜さんはね」

 

 首をかしげる由比ヶ浜とため息を漏らす雪ノ下。

 

「感謝するぞ。比企谷八幡」

 

 そういってザムシャーはそういって今度こそ、教室を出ていく。

 

「ツンデレ?」

 

「宇宙最強と言われている剣豪に対してツンデレと言える由比ヶ浜さんはある意味、強者ね」

 

「激しく同意だな」

 

 そういって三人は笑いだしてしまう。

 

 彼らの声を聴きながらザムシャーは奉仕部を後にした。

 




アンケートをしようと思います。


次の話、誰のメインがみたい?

  • 川崎沙希 キリエロイド登場予定
  • チェーンメール事件 メトロン星人登場予定
  • 戸塚彩加 ゴドレイ星人登場予定 
  • 小町 謎のダークマター編
  • ウルトラ警備隊 キリエロイド登場予定

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