衛宮士郎で逃亡者   作:朧月夜(二次)/漆間鰯太郎(一次)

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おわんねーよ!


さらば愛しき魔術師たちよ……そして故郷へ……中編2

 ベイカーストリートにある古びたアパートがオレに宛がわれた家だ。

 ここは古風な住宅街で、前世ではシャーロキアンの聖地だったが、こっちではそうでもない。

 閑静な、って言葉通りの場所だ。

 

 とは言え住むって点で言えば悪かない。

 少し歩けばリージェンツパークがあるし、買い物する場所も近所にある。

 最近は生活も落ち着いたせいか、ロンドン市民モドキって感じで、生活自体を満喫している感じがする。

 おっつけイリヤ姉たちもこっち来るって言うし、それまではのんびりしよう。

 

 そんな感じで日々を生きているオレは、今日も日課の散歩に出る。

 3月のロンドンはとても寒い。

 それこそ前世で旅行に行った北海道と変わんないんじゃないかって程に。

  

 本場のレザー、ルイスレザーズのジャケットに、足元はジョージコックスのラバソで決め、スカした感じで街を流す。

 時計塔の貴族達には鼻で笑われるだろうが、そこはそれ。

 オレは間違いなくオノボリさんなのだ、これくらいは許してほしい。

 

 何より、欧米での日本人なんて大概は中国人と思われる。

 つまり多くのアジア人の一人としか見られなく、場所によってはぞんざいな扱いを受けたりもする。

 だから尚更、郷にいては郷に従えじゃないが、英国ファンションを身に纏い、舐められないように肩を怒らせて歩くのはある意味で正解かも?

 

 それでも帰って来たのだ。無事に。

 それは素直に喜ぼう。こんな日常を送れる事自体が幸せなんだってな。

 確かにひと悶着で済まない程に、いや時折記憶が飛びがちになる程にエグい別れの儀式があったからこそ、この平和を心から実感できるのかもしれないな……。

 

 カルデアから戻って来たのは先月の事だが、戻ってきたら戻って来たで面倒な事が山ほど待っていた。

 そもそも元々は、時計塔の魔術師をボコった件で軟禁されてたわけだが、それはまあカルデアでのあれやこれを加味し、お咎めなしって事になった。

 当たり前だよなぁ? これでギルティとか言われたら、あのガンダルフめいたジジイの髭を全部抜いていたとこだわ。

 

 けどやはりオレ単体で、さーばんと、いやサーヴァント(この辺のワードは1年チョイのカルデア生活で少し成長したぜ)を人間が屠るって所が魔術師的に野放しに出来ないらしく、結局は時計塔所属の非常勤魔術師的なポジに収まった。

 その際にギアスなんたらって羊皮紙で、守秘義務の件を魔術的に縛られてだけど。

 

 当然サーヴァントとガチンコいけるって事は、たかが人間の魔術師程度に負ける道理はない訳で。

 サーヴァントとバトルしている時の速度って、はたから見た一般人目線だと、漫画みたいに残像しか見えないみたくなってるらしいしな。

 つかカルデアのシュミレーターでのオレの実践シーンを、復習がてら映像で確認すると乾いた笑いしか出なかったもの。

 やってるときにそういう感覚って無いからな。普通に戦っているつもりだけど速度域がおかしい。

 

 だいたいさ、あのカルデアの一年は、オレ達主観では苦難の日々だったが、それ以外の燃えてた場所は、アレが起きた瞬間から、カルデアがゲーティアをボコって帰還するまでの間、まるで何も無かったかのように空白状態なんだわ。

 

 だから当然、連中にはオレ達の行動を理解できない。

 ただ1年の空白期間で、人の記憶以外の部分は劣化したり朽ちていたりするわけで、何かしらが有った、と言う朧げな認識しかないのだ。

 

 そうなると必然的に、マリー達の功績は認めらんないってなる。

 オレ自身の功績とかはクソどうでもいい。あそこで一番頑張ったのは、間違いなくドクターを筆頭とした首脳陣とそれをバックアップしたAチームの一部の連中、そして最前線のリツカちゃんだしさ。

 オレの雇用主はマリーだし、帰ってきてきっちりと報酬も貰ってるから満足なんだわ。

 

 つっても常に主導権争いの内部ポリテックス祭が常な時計塔は、カルデアを丸ごと接収したいって腹積もりなんだろう。

 だから功績を認めるよりは、まず難癖をつけて主導権を取るって思惑だったんだな。

 

 聞けばカルデアってさ、現状、時計塔系の組織扱いだけど、実際はアニムスフィア家の私設組織なんだわ。

 けど魔術協会には時計塔以外もあってさ、その一派でエジプトだかにあるアトラス院からも技術提供を受けているらしいんよ。

 なのでむしろそっちの方がカルデアに貢献しているまである。

 

 だから余計に時計塔は真っ先にカルデアを召し上げようと画策してたっぽいぞ。

 大まかに三つに分かれてる魔術協会の派閥、その中でもマウントの取り合いをしてるんやなって。

 だもんでオレ達の帰還が決まる前に偉そうな太ったオッサンと、胡散臭いキャリアウーマンを送り込んできたけれど。

 

 まあその頃ってゲーティアの謎の神殿から戻って来た頃で、最前線で戦ってたリツカちゃんやマシュを含め、バックアップチームとかも精神的にボロボロだったからさ。

 勝った? 多分勝ったな? それはそれとして色々しんどい……みたいな感じよ全員。

 普段生きててさ、多少ヒリつく出来事があると新鮮だったり刺激的に感じるけど、何かトチったら即世界終了みたいなヒリつき方は洒落にならんって事やね。

 だから護衛役で、基本的には前線に行かないオレですらピリピリしてたんよ。

 

 やー、うん……八つ当たり……かもしれんが。

 うっ……胃が。

 リツカちゃんだけじゃなく、カルデアの防衛的意味で、オレも幾人かサーヴァントを呼んでるんだが、そいつら、終わったのに帰らんのよ……。

 おえっ……あかん、思い出すとえずくわ……。

 

 まあ結局、なんやかやあって帰ったからオレがここに居る訳だが。

 それもあってキツかった……。

 

 そしたら案の定、オッサン以外の連中は武力を持って制圧するぜみたいなノリだったわ。

 なんや……ロシア風の名前名乗った例の神父がいて胡散臭い事山のごとし。

 だからまあ、久しぶりにサツバツとしちゃおうかしら?

 みんな疲れて祝杯すらあげらんないトコにこれだからさ。

 リツカちゃん、毎日ドクターにカウンセリングだぜ? そらそうなるわ。ただの女の子やぞ。

 だからね、そういう漁夫の利をさらうとか許されねえよなあ? そう思ったんだ。思ったんだが……。

 

 知ってるか? サーヴァントってさ、魔力のパス? ってので繋がっててさ。

 割とオレの感情とか考えとか筒抜けなのよね……。

 キャリアウーマン風狐が夜ごそごそしてるのを見つけて、ならまあ遠慮なくいくか気配が人間ちゃうし会話も無く処そうか、そう身構えた瞬間、オレの背後からどんどん出てきてさぁ……。

 

 ゴレンジャイのコントみたいに登場してだ、問答無用で襲い掛かってなあ……。

 いきなりゴーって津波みたいの出して狐を押し流した所で、どSバレリーナが狐を蹴りまくり上空にカチあげ(屋根吹っ飛んだ)、そこに分身しながら槍を振り回して、周囲に雷まき散らすインドのサリー姿の桜(微笑んでるけどコメカミに青筋アリ)、もうこの時点で狐の身体はボロボロよ。

 

 なんか狐はキレちらかして怒りの顔芸披露してデカくなりかけたけど、そこに背後からナース服姿のメスガキがやってきて、ぶっとい注射を刺したんだが、その結果、狐の力が全部封じられて、地面にぽてりと落ち、メスガキは好機とばかりに延々と全集中煽りの呼吸で精神的デバフを入れる。

 

 そこに吹っ飛んで空が見える上空から、全身包帯巻いた巨大ハレンチ桜が掌でドーン。

 メスガキもインド桜も巻き込まれて消えかかってて草。

 お前ら仲間っぽく見えていつも殺意高すぎんよぉ!?

 

 するとそこにロリっぽい桜がやってきて、またも無数に分身したと思ったら、巨大桜とメスガキもろとも(インド桜はオレの背後に避難済み)弓で集中砲火してだ、最後は物陰からスっと現れた藤乃さんが周囲一帯を捩じ切った。

 テンアゲ状態で高笑いする藤乃さん……ちょっとチビったが。

 

 なんでオレが無事かって?

 そらリップちゃんが巨大な手でカニみたいに移動してオレを逃がしたからだわ。

 背中にひっついてさ。男の癖に情けないか? ふざけんな。鉄骨の雨が降ってる場所で北斗なんて役にたたんわ! 

 そうしてカルデアを奪おうとする連中は跡形も無く吹き飛んだ訳。

 

 

 だからそう、オレなんもしとらんのよ……。

 オレの契約したサーヴァント達が呼んでから日常的に繰り広げられてきた、トムとジェリーも苦笑いする喧嘩。

 それがちょーーーーーーーっとばっかり規模が大きくなったんよ。

 カルデアの3分の1くらい切り取られたけど……あれ、これ本末転倒じゃね?!

 

 まあそれで有耶無耶になったってか、ダヴィンチがゲス笑いしながら、これを利用して上手く立ち回るよ、えらいぞシロウ君って。

 お前いっつも良い空気吸ってんなオイ。

 

 それよりもオレ、太ったオッサンに懐かれて草。

 マリーと同レベルのポンコツでさ。

 ビビりまくって「わ、私を守ってくれ給えっ、帰ったらいくらでも払うからっ」って必死過ぎか。

 

 まあ聞けばこいつも狐とかに騙されて来たっぽいし情状酌量や。

 つか狐が死ぬ前にボヤいてたけど、本当はもっと上手く行くはずなのに、お前のせいで計画変更したんやぞコラ、ふざけんなみたいな呪詛漏れてたな。

 よう分からん……いや、オレがやった事なんて、ぜいぜい北斗神拳を使って死にかかってた職員とかAチームの人らとか治したくらいやぞ? 

 

 そのAチームの連中も、動けない職員の代わりに管制室でお仕事してたしな。

 一部を除いて良い奴やでホンマ……。なんかBBほどじゃないけど、周囲を煽ってあるくアホがおったから、そいつは申し訳ないけど秘孔をついて悪さ出来ない様にしといたけども。

 まあリーダーっぽい貴公子君にはロンドンでメシ奢って貰う約束だしな!

 ガチ貴族の食事とか気にならん? オレはなる。

 

 それでシュババっと動いたダヴィンチは、これまでのカルデアの記録とか、カルデアス自体のログとか全部持ってロンドン入りよ。

 何せドクターって魔術王ソロモン本人だし、ダヴィンチはダヴィンチだし。

 聞けば魔術協会ってもともと、ソロモン王の弟子の一人が立ち上げたらしいぜ。

 なら始祖様やんけ。

 

 2人が記録を開示しながら理詰めで説得……と言う名の恫喝を行い(まあドクターは性格的にそういうのは出来んが相棒の方がな)、リツカちゃん達の功績は認められたのだ。

 

 で、色々あってサーヴァントである2人が世間と隔絶された状態での居場所としてカルデアを利用するとゴリ押したんよ。

 リツカちゃんも物理的に守らないとだし、ダヴィンチとマシュのマスターとして、カルデアの顧問役に据えて。

 

 そんでカルデアは今後、人類にも魔術協会にも聖堂教会にも、つまり俗世のどの組織にも一切与しない中立を貫き、人類の危機の際にだけ出張ります。

 それまでは神代からの魔術の研究や記録なんかをしている巨大な魔術工房ですみたいな感じになった訳。

 

 マリーはもう自分で組織を舵取りする許容量を超えているから、ドクターに所長の座を完全に譲り、自分はオーナーとして出資はしても口は出さない方針を打ち出した。

 けど現実としてソロモンを傘下に置いているとも言える訳で、これでマリーの帰還後も、時計塔での地位は安泰って感じよね。

 まあ彼女自身も、この1年の経験で成長したって事よ。ぽんこつなのは変わらんが。

 

 結局はゴリ押しな訳だが、オレの方もどうにかパールと藤乃さん以外は帰って貰って……やば、マジで吐きそう……こうやってロンドンに帰還したって訳だ。

 

 マリーの執事の件は、中身大人として断固として契約終了にした。

 いやまあ生い立ちとか聞けばそらね、同情は出来るよ?

 けど彼女は異性に父親像を求めてるからね。

 それを恋愛と混同しちゃダメよ。

 

 つってもね、今のオレ、住んでるのがベーカー街だからって訳じゃないが、フリーランスの魔術師として、アパートを事務所みたいにして仕事してんだよ。

 だからアニムスフィア当主サマのご友人枠として、今後も付き合う事になる。

 で、戻ったオレが後ろ盾に選んだのは、遠坂でもマリーでも縦ロールでもない。

 

 そう、前回の生き残りマスターこと、ウェイバー・ベルベット氏だ。

 まあうん、生き残ったからこそ恩師の借金とか責任とか全部背負わされてな、今はロード・エルメロイ二世を名乗ってるけれど。

 

 結局どうやってもオレが時計塔のひも付きになるのは避けられない。

 けど言いなりのままどっかの派閥に関わると、オレみたいな武闘派は、間違いなく小間使いにされる。

 遠坂にしたって縦ロールにしたって、まあマリーもだけど、結局はここで生きるなら、どっかの派閥に与しないとダメな訳で、そこに普段の付き合いからの情みたいなモンが混じるとグダるのは確定やん。

 

 だったらさ、所属はするけど時計塔の目の届く場所にいて、けどずぶずぶにならない距離感ってのがベターだと判断したんだ。

 なにより法政科ってとこからのスカウトがしつこくて、二世に泣きついたってのが正解かもだけど。

 化野さんとかいう胡散臭い雰囲気のお姉さんが毎日のように来るんだわ……桜たちと無言のままギスった雰囲気かもしつつ。もうやめてくれよ(白目)

 で、事務所を開いたんだけど、内容はね、霊祓いみたいな感じか。

 オレはカトリックでもプロテスタントでもないから、エクソシストとは違うけど。

 

 昔からイギリスって土地は幽霊とか大好きな国なんよ。

 日本じゃ事故物件とか言われる曰く付きの建物とか、家賃高くてもすぐ埋まるレベルで。

 だから霊媒師とかそういう胡散臭い仕事が普通にやれる。

 オレと言えば、霊より怖いのを見て来たから、そういうのを北斗も使ってどうにか出来る。

 なので魔術師とは大っぴらに出来なくとも、表の商売で金を稼げるって寸法だ。

 

 その事務所を開設にあたって後見人と言うか保証人? を二世にお願いした形となる。

 存在が今や爆弾扱いになってるオレを管理するってだけで、彼のハクもつくってんでウインウインだわ。

 二つ返事で受けてくれたよ。

 彼も多額の借金を返すのに、いろんな無理ゲーを強いられてるからさ、突然出来た義理の妹には日々可愛がられ(物理)、どうもオレとしても謎のシンパシーを感じる訳。

 

 ある夜に彼とサシで呑んだんだが、朝まで愚痴り合い、今では親友と呼べる関係かもしれない。

 年齢差はあるが、顔を合わせると無言でうなずき合い、彼の執務室で隠れるようにスコッチを飲む。

 そして弟子のグレイちゃんに怒られるまでがテンプレよ……。

 やっぱあれやね。同性の友人っていなきゃダメよ……。

 いくら綺麗でも女性だらけは精神が疲れるんだ。

 嗚呼、シンジお前にも会いたいわ……。

 

 事務所の仕事自体も表の顔としては開店休業状態で、ぶっちゃけ二世が依頼で出向いた際にヤバかったらオレが呼ばれて、戦闘面とかで助けてやるってのが殆どだしな。

 弟子のグレイちゃんも、戦闘面はかなり強いんだけど、力を十全に発揮するにはかなり面倒くさいリスクがあるもんで、二世的にもあんまり開帳したくないからな、そこは持ちつ持たれつ。

 

 アホほど借金抱えてるくせに、オレへの報酬払えないじゃんと思うでしょ。

 けどオレが動くってなると、二世の依頼者側に結構畏怖されんのよね。

 

 なんつーか時計塔がオレを囲う際に「祭位(フェス)」って言う位を授けられたのね。

 なんかあそこって古めかしい組織だから、体質もかなり保守的でさ。

 階級みたいなんがあって、それを持ってると魔術師としての名刺代わりになるんだわ。

 ちなみに二世も同じ階級やね。

 

 しかもカルデアやらドクターの件やらで、バックに新カルデアがいるのは知られている。

 なので二世のクライアントが、オレが動いた際には別途報酬を用意してくれるから二世に負担はないんだ。

 ……まあ、奴は弟子を山ほど抱えてるし、家の借金もあるんで金回りクソだから、あからさまにオレに酒代たかってくるけどな。でもそこは無下には出来んわ。世話になってるし。

 面倒な事があれば「話はロードエルメロイ二世にオナシャス^^」って丸投げできると思えば投資としては安い安い。

 

 さて、冬のロンドンを動物園に向かって散歩中のオレだが、これを語らなければなるまい……。

 そう、藤乃さんとパール桜を連れ帰った件だ。

 

 これさぁ……胃が裏返るかって思ったけど、まだ特異点としてはオケアノスとかいう場所に関わっていた時期なんだけど、オレはマリーの護衛として、基本的には彼女の近くにいるじゃない。

 でモニター越しにリツカちゃん達の様子を見てるんよ。

 そん時にさ、イリヤ姉が連れてた筈のヘラクレスに遭遇してな。

 リツカちゃん達がピンチになったんよ。

 

 そん時にオレ、モニター眺めながらなんとなく零したんだな。

「そういやあいつって普通にやっても倒せないんだっけか」って。

 そしたらそこにいた全員がバッってこっち振り返ってさ。

 

 この頃はまだ、Aチームとか復活させてなかったから、現場はいつもデスマーチだったんだわ。

 だからなおさら、レイシフト適性とマスター適正とやらがクッソ高いリツカちゃんが前線にいくしかない。

 まあ本人はただの正義感が強くてお人好しな女の子だからさ、彼女に協力を申し出てくれたサーヴァント達が守らないとあっさり死ぬんだろうけれど。

 

 だからダヴィンチが突然、シロウ君、行って! って。

 ドクターも必死でボクも精一杯バックアップするからお願いするよって。

 まあ、実際のオレの実力がどんなもんか、それは事前にシュミレーターで英霊とガチンコやって見せたから、その辺の理解があっての事だけども。

 

 そしたらシロウが離れるとか無理とかマリーがゴネだしたけど全スルーされてて草。

 彼女、部屋の隅っこで(´・ω・`)←こんな顔してたぞ。

 で、まあ行ったさ。

 

 オレってレイシフト適性はかなり低いから、疑似地球の中に本来いない筈のオレを存在証明する時の作業がクッソ多いんだって。マスター適正だけは高いのにな。

 けど最長30分ならいける! ってダヴィンチが言うし、まあ行ったわな。

 そんでリツカちゃん達とヘラクレスの間に落ちて、後は任せて先に行け! と言う、ちょっと言ってみたいセリフの上位に入るワードを叫んでさ。

 まあうん、デビルリバースを倒したケンシロウみたいに処理して帰還した。

 

 で、その後。

 マリーが今後はカルデア側でなんかあっても困るし、シロウはアーサー王呼んだ事があるって言うし、なら何体か、電力の許す範囲でシロウもサーバントを呼びましょうとかドヤ顔で言うんだ。

 まあ理屈は分かるけど、本音はオレが今回みたいに現場に行った時の護衛的な意味なんだろうが。

 こいつホントにぽんこつやしな……。

 

 それも一理あるねなんつってダヴィンチが相乗りしてきたが、こいつオレがどんなの呼ぶか気になるだけだと思うの。

 なのでオケアノスが終わって、リツカちゃん達が戻ってきてからやったんだわ。

 

 フェイトって言う召喚装置でやるんだけどさ。

 なんつーか魔術ってよりもメカメカしいのな。

 マシュ嬢の盾を使うって所がまあアナログ感が少しあるけど。

 

 そんでやってみたら、すんげープラズマが光った。

 バッチンバッチン言うて。

 色なんか虹色みたいな? あれだなパチンコの確定演出やね。

 

 そしたらお前……桜おるやん。

 青っぽいインドの踊り子の服、サリーを着てさ。

 いつも制服着てるイメージから思えばかなり派手だし、なんか枝分かれした槍とか持ってるし。

 

「……先輩っ!」

 

 なんつって、砲弾みたいなタックルされたわ。

 聞けばロンドンのアパートには来てたらしい。

 そこで新妻気分でオレを待っていたら、急に目の前が暗くなって、気が付いたらここにいたんだと。

 はえーすっごい。でも意味分かんね。

 

 大興奮のダヴィンチを交えて事情を掘り下げていくとだ、どうも生身の桜にパールバティーって言うマジモンのインドの神様が降りてきて合体事故を起こした的な状態?

 いや相手神様なんだけど、桜の方が強かったみたいで、逆に主導権を奪った状態だとか。

 桜の方が強いってどういうことだよ……。

 

 つっても頭の中でパールさんとお話が出来る様で、権能の使い方とかも教えてくれるんだってさ。

 これで先輩と一緒にいれますね♪ とか超ご機嫌で草。

 そしたらマリーがキレた猫みたいに桜に絡んでてさらに草。

 

 でもま、形はどうであれ、放置した状態になってた桜に再会できて、オレの心労が一つ消えた、この時のオレはそう思った。

 そしたらさードクターが「シロウ君、知り合いだから逆にやり辛いかもしれないね。ならもう一人、行ってみるかい? まだ備蓄魔力に余裕があるし」とかいう訳。

 まあダヴィンチも目キラッキラで賛成。オレに拒否権はない。

 

 で、やったさ。

 そしたらお前……

 

「…………士郎さん。ふふっ、漸くお会い出来ましたね」

 

 藤乃さん来たわ。いやいやいや……いやいや、ほんと、いやいやいや……。

 気まずい事火の如しや……。

 しかも桜とは違ってテンションはいつもの藤乃さんと変わらん。

 ただ何というか、言い知れない”スゴ味”って奴を感じる。

 

 だからオレはもうなりふり構ってらんなかった。

 速攻で桜と藤乃さんに土下座しつつ、これまでの顛末を洗いざらい喋ったわ。

 ええい、ままよ! って感じでヤケクソや。

 

 でも次の瞬間、オレの着ていた全身タイツめいた礼装が吹き飛んだ。

 藤乃さんの必殺お目目ぐるぐるですわぁ……。

 マシュ見過ぎや。オレのなんて粗末なもんやぞ。

 

 なんかね、藤乃さんの場合は、オレがやむを得ず逃亡した後、結構波乱万丈あったらしい。

 オレがいなくてピリピリしちゃって、何やかやあって同じくピリピリしていたトーコサマのパシリ一号こと、メンヘラ殺人鬼と邂逅し、蒼崎姉妹のバトルと変わらん程のガチンコやらかして、彼女の魔眼がエグい事になったんだってよ……。

 完全にオレのせいやんけ……。

 

 まあそれに関しては、殺人鬼ことシキ側にも事情があったとかで、トーコサマが収めたんだけど、藤乃さんの実家絡みの事情とかもあって、さて藤乃さんをどう扱うか? と伽藍の堂で話し合いしてた時に、桜と同じように目の前が暗くなってここにいたってさ。

 

 ドクターは悪気はないんだけど「シロウ君の縁は凄いね。信頼されているんだろうね」とイケメンスマイルしやがった時には、思わず【人中極】を突きそうになったわ……。

 流石に3秒後にボンだ! は出来んから踏みとどまったが。でも次はねえからな?

 

 まあそれでその時はそれで終わったんだが、特異点をリツカちゃんが終わらせるたびに余剰魔力を使ってオレも一人か二人呼ぶみたいな流れになったんや。

 いやまあ桜も藤乃さんも、サーヴァントとしての側面はクッソ強いから、カルデアとして盤石な体制でいられるからまあ、理解できなくも無いよ?

 

 けどさぁ……出てくるサーヴァントが何かしら桜に似てるってどういうことなの。

 どいつもこいつもヤベー連中でさ。

 可愛げはあるんだよ? それ以上に色々エグいんだよ。

 何より桜以上に情緒が不安定すぎんねん……。

 

 どうも気質も桜に似てるから、オレへの感情をどストレートにぶつけてくる。

 でもね? 考えても見てよ。

 サーヴァントの馬力って奴をよー。

 

 一般ピーポーにわかり易く説明するなら、朝起きたら同じ部屋に巨大なメスゴリラがいて、ウホウホと発情しながら全力でハグされるって言えばわかるかな?

 大げさ? 皆さん全然わかってない。

 サーヴァントってそういう連中なの。

 くしゃみのついでにその辺更地に出来ちゃうの。

 

 だから一人増えるごとに心労が増えていくんだわ……。

 みんなこっちに好意を向けてくるけれど、どSバレリーナは基本一切デレの無いツンデレ。

 構ってほしいって気持ちを伝えるのに殺しに来るんだわ。

 それをどうにか北斗神拳でいなしつつ、どう付き合ったもんかと思案してたら、マスター貴方やるわねとかなって、今度はデレを見せて来た。

 ずっと一緒にいましょう! だから溶かすねみたいな……死ぬやん。オレが死ぬ前提やん……。

 

 その後出て来たBBを名乗る桜……つかメスガキ。

 無理。どんだけ可愛くて、お茶目を発揮しようと無理。

 こいつほんとメスガキ。

 

 エロい見た目してるけど、それはアレや。

 食虫植物が甘い匂いで虫をおびき寄せるみたいなモンよ。

 オレとその周囲がギスってると、それを煽ってゲラゲラ笑うんや。

 ガチのメスガキはヤバイってそれ一番言われてるから……。

 

 そんでメルトリリスにパッションリップがやってきて、カーマにキングプロテアも来て……みたいな感じで、密かに桜族と呼ばれるメンバーが集合したんやなって。

 オレがカルデアの中を歩いていると、すれ違う職員さん達に憐みの目で見られるんだぞ?

 無言で砂糖たっぷりのコーヒーを淹れてくれたりさー。

 

 それでもまあ、一応はオレをマスターとして認めて、ここぞって時は手を貸してくれるから、それはまあサーヴァントってだけはある。

 けどな、毎晩寝る時に、オレってマリーと同室だから、そこでパール桜と藤乃さんがマリーを圧迫面接みたいに囲むんや……。

 

 何かを訴えかける子犬の目でオレを見てくるけども。

 ごめんマリー。北斗系男子でもこれは無理なんやな。悲劇なんやな。

 つか桜と藤乃さんさ。この2人はギスって無いんだよな。

 普段から一緒にいるし、割と仲良さげに見える。

 

 これに関しては、最初の頃になんか2人で話し合いを持ったらしく、それ以降一緒にいるようになってんだよ。

 そしてオレの呼んだサーヴァント群において、パール桜=藤乃さん>それ以外ってヒエラルキーが出来ている。

 これも謎や。

 

 ギスった結果、毎日のように煽り合いを繰り返す彼女たちだけど、上2人が睨みを利かすと収まる。

 これに関しては追求するのはやめた。

 オレは学習したんだ。これは突いたらヤベー奴だってね。

 

 余談だが、リツカちゃんが契約したサーヴァント(正確にはカルデアのシステムとの契約だけど、サーヴァント達はリツカちゃんとの関係を重視している)の中に、オレが冬木で岩山両斬波で倒した遠坂のサーヴァントがいたんだ。

 まあサーヴァントってシステム上、別個体っぽいらしいけど、なんか記憶を引き継いでるみたいでさ。

 

 冬木終わった後にリツカちゃんが呼んだんだけど、出てきて速攻オレに絡んできて草生えた。

 まあその後、遠坂も桜も無事で、あまつさえイリヤ姉の寿命問題も解決した件を知ると軟化したけど。

 

 ただ「お前のせいで酷い目にあってきたんだぞたわけ。カレーの英霊って呼ばれたり、女難の英霊って呼ばれたりするんだぞたわけ。詳しい事は言えないけど全部お前のせいだぞたわけ」って恨み節が凄い。

 なんだよカレーの英霊って。それと何回たわけって言うんだたわけ。

 

 ま、今日はここまでって事で。

 機会があればそうだな、7つの聖杯に纏わるオレと言う道化の話でもしてやるさ。

 いま話せって? 無理だっての目的地についたし。

 

「……おー。今日も可愛いなあ」

 

 オレの名前は衛宮士郎。

 事情があって逃亡生活を続けていたオレだが、今は毎日ロンドン動物園でペンギンを眺めるのが趣味の男である。

 ちなみに家にあまりいないのは、美しすぎるが欲望に忠実過ぎる、清楚の皮を被った魔性の妻2人に絞られるからだ。

 

 二世よ、早く依頼(オーダー)を寄越せ。

 特に日数のかかる地方がいい。

 ハリー! ハリー! ハリー!

 

 問題:この地球に、オレが逃げられる場所は残っているのでしょうか?

 

 




後編が出せない理由はおもに2つ。

①FGOのボリュームがデカい。


私「結局書き足すしかないんやなって……ん? なんやグーグルプレイストアに通知? ウマ娘? なんやサイゲ、またしょうもないアプリ作りよって。事前登録はしてたようだが……いや待て、そんな時間ねえんだ。小説書かな……」

<バクシン!バクシン!バクシンシーーン!!

私「えっと、次のプロットなんだっけ。二世が……うーん……スピードの3因子ついたな……あ、ちと原作確認してっと……事件簿どこや?」

                          テイオー!テイオー!テイテイオー!!>

私「あかんあかん、小説書く言うたやん……くっそステ足りてるのに決勝でどんづまりで負けたっクソァ! あーもうむしゃくしゃする! 落ち着け、こういう時は息抜きにバクシン周回で心を落ち着けるんや。やっぱりサイゲは神だな! これからもついていくぜ!(オメメグルグル)いくぞ、バクシンシーン!!」

書きたいことは山ほどあるのに、ウマ娘のせいで筆が遅くなる……。

ま、それは冗談ですが、おそらく後2話はかかりますので、週明けくらいに次の更新できたらなと思います。
では皆様の良きウマ娘ライフを応援しています。
 
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(またしても)原作を知らないオリ主inキヴォトス(作者:朧月夜(二次)/漆間鰯太郎(一次))(原作:ブルーアーカイブ)

 雑にキヴォトスに放り込まれた何も知らない主人公。▼ 神様の手違いで事故死という雑な理由で転生――かと思いきや、そんな都合の良い異世界がたくさんある訳ねえでしょ(呆れ)という正論パンチで異世界転生は却下され、ただ次は死なないようにと人外めいた身体能力を貰い生き返らせてもらった。▼ ただ神様のサービスか「それじゃ能力持て余すしストレスやろね……なら一か所だけ暴…


総合評価:1442/評価:7.16/連載:26話/更新日時:2026年04月15日(水) 14:53 小説情報

汎モルガン「どけ!!! 私はお姉ちゃんだぞ!!!」(作者:花のお姉ちゃん)(原作:Fate/)

 第一人格「どけ!!! 私はお姉ちゃんだぞ!!!」▼ 第二人格「ならば私は、全力でお姉ちゃんを遂行する!!」▼ 第三人格「ブリテン姉妹ぃぃいい!!! ファイヤーッッ!!!!」


総合評価:1558/評価:8.58/連載:4話/更新日時:2026年03月05日(木) 22:25 小説情報

憑依転生きよぽん(作者:笑っちゃうよね〜たはー)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

きよぽんに憑依転生した。とりあえずホワイトルーム脱出するか


総合評価:1210/評価:7.92/連載:5話/更新日時:2026年04月23日(木) 21:00 小説情報

ACを作りたい少年とセミナー書記(作者:雨垂れ石)(原作:ブルーアーカイブ)

ひょんなことからキヴォトスに流れ着いた少年『境井 仁』もとい『レイヴン』▼彼が目指すのは人型機動兵器『アーマード・コア』を開発する事▼そしてそれを見守るセミナー書記とエンジニア部など様々な人物▼果たして彼は『AC』を作る事ができるのか▼そんな物語です▼※俺が書いているもうひとつの小説『無名のリンクス 先生になる』の世界とは別の世界線です▼メインの小説と並行し…


総合評価:589/評価:7.12/連載:19話/更新日時:2026年05月09日(土) 20:00 小説情報

ウルク産地のアルトリア顔の女神様(作者:へっぽこ女神)(原作:Fate/)

アルトリア顔の女神になった。全部終わらせて消滅するまで待ってたら謎丸のいるカルデアへ召喚された。▼そんなカルデアでのドタバタ女神生活。ただし周りは女神の勘違いで曇らせたり、やらかしたり、ポンコツなことしたり。▼なお、ギルガメッシュは愉悦してる。


総合評価:7190/評価:7.92/連載:25話/更新日時:2026年02月01日(日) 05:22 小説情報


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