英雄よ、生まれ給ふ事勿れ   作:おーり

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ざっくり原作紹介

バイブレーションソード(以下バイブ
 高速振動とか文字入れたら丸太も切れる切断力
 原作だと災害級とかいう大型動物をバッサバッサ切ってた
 ※動物の毛皮はハサミで紙を切るみたいにバサバサ切れません


ホワンホワンホワ~ン烏丸~

 あ、さて。

 

 時はアールスハイドで攻撃魔法の『使用』に関しての講釈を垂れた世紀末。

 杜撰な原子炉構築して減速材垂れ流すか、燃えカスと云ってプルトニウム239を投げ捨てているかわからん管理法を施されたわけでは無いけれども。

 

 その性質に関しての危険性を把握していなかったにしては、制限をしっかり設けていたのは危機意識が最低限度は働いていたのであろう、と推測する。

 その割には『攻撃魔法』にばかり注視し過ぎて、利便性と隠密性を併せ持つ他の補助魔法、例えば『収納魔法なんか』にはとんと無頓着だった気もするが。

 

 

 まあそちらは今は良いのだ。

 王国内での取り決めを、身内になったとはいえ高々いち学生の身に過ぎない自分が、嘴を挟めるわけでも無い。

 

 自分たちを押し留める現状とはまた別に、王国外苑での魔物の増加傾向、並びに帝国の物価下降から予測される戦争準備を『併せて』差し込んだタイミングが不味かった。

 狼狽えても問題へ立ち向かう、逆境への立ち振る舞いを、魂の煌めきを垣間見たかっただけだというのに、何故に俺は働かされているのでせうか。

 

 

 ――いや、問題提起したのは俺だし、案があるなら出してくれるかと問われたのも俺だ。

 

 多少の危機意識を煽るためとはいえ、ちょいと聴き取られ易い『ように』手心を加えたのも俺だわ。

 

 かと言って、出した『提案』をほいほい呑んで、そのまま働きに連行されるとは思わないじゃない?

 

 

 ……長距離移動手段くらい持っとけよ。

 なんで俺のル●ラ擬きで移送せにゃならんのさ。

 スピードが命題な案を定義したのは俺だけども、根本的な部分で『ただの学生』の提案で国家が動くとは思わないじゃない……。

 

 まあ此処まで連れて来たからには、俺も動かせやすいように手と口挟むけども。

 大サービスなんだからね? マッタクモゥ。

 

 

「で、此処か」

 

 

 先立って、エルスの商人らには『帝国に売り出せる武器』なんかを売っておいたので、イースにも『旨味』を教えておかなくちゃ比率が合わない。

 

 根本的に間違った教義で動いてる帝国教会から改宗させて『正しい創神教の信者』を改めさせよう、という用向きはアールスハイド上層部の方々にお任せして、俺は俺で『動いてくれそうな人』への『飴』をキチンと定義しておこうという魚心です。

 

 ……人間ていうのは、何処まで検めても基本的に『欲』で動くからねぇ。

 

 

 『正しい』方向へ他人を導かせよう、という『正義』だとしても、その先に確実性と保全が見受けられないとぶっちゃけ『釣り合いが取れない』。

 『他国の膝元まで乗り込んで炊き出しと説法咬ませ』という提案は、多少大げさに云うなら『紛争地域で井戸掘ろうぜ!』に置き換えられる。

 簡単に呑むとは思えない。

 

 しかも割と綱渡りな作戦で動き出しちゃったから、今更変更利くわけもないし。

 炊き出しの材料はエルスが帝国から回収する、余り気味且つ低価格買い取りで持て余し気味な質の良くない農作物が主になるから、エルスの『商売』が上手くいかなくちゃイースの働きは普通に赤字で無駄働きだ。

 

 逆に、上手く嵌まれば帝国は自分で自分の首を絞めて自国民餓え殺すド外道政策働かせるのだから、此処で動いて貰えないと俺が王国に非難の目を浴びせられる。

 それはちょっと嫌かなー、って。

 

 まあ要するに、財務官辺りに話付けとかなくちゃ、ちょっと不味いよね。

 そんな連想。

 

 

 ……しかし、情報管理杜撰過ぎない?

 

 イースという宗教国家で、財政管理を担っている大司教の性的嗜好を、割と赤裸々に知ることが出来たのだけど。

 先立って述べた『欲』の例からすれば、実に動かし易い『人格者』ではあるからいいけどね。

 

 まあいいや、アポイントメントも通ったし、手早く済ませて『次』へ行こう。

 キリシタンの改修案件で奴隷扱いされた日本人の例題あるのじゃし、其処で詰めれば『若い娘くらいなら摘まめるかも?』って言っとけば通せるじゃろ。

 

 

「ごめんくだっさーい」

 

 

  ■

 

 

「――そんなわけで、『魔法』に関しての危機意識を王国内では改善中でして。その間、帝国には動かれると困るのです。帝国の魔物被害が減少しているのは確実の様ですし、何時他国が『違う』と目を光らせるとも限りませんからな」

 

「……まあ、彼らが『戦争』に乗り出せば、我々も被害を被るのは確実ですが……」

 

 

 アールスハイドから赴いた幾人かの外交員、彼らの対応を任されたのはマキナという司教であった。

 彼は、王国から提案された『改宗推奨』の外務作戦に、どうにも乗り気になれない。

 

 確かに、帝国内で横行している『創神教』の名を借りた『全く違う貴族主義』を改めるには良い機会でもあるだろう。

 帝国内には魔物という目に見える危険が少なく、貧困に喘ぐ者を救うのだから、その『正義』を諫められる謂れも無い。

 

 だが、それを行使する『場所』が何よりも問題なのだ。

 よりにもよって、帝国領内での宗教活動。

 

 アールスハイドが本日こうして姿を現したように、国同士が話を付けるのならば其処に相応しい人間が話を取り決める必要がある。

 はっきり言って、帝国皇帝がそれを易々と呑むとは到底思えない。

 

 最初の関門が最も重要で、危険だ。

 そんな『綱渡り』を、誰に提案できるモノかという懸念が、彼の中に蟠りを生んでいた。

 

 

「良いでは無いですか。救われぬ者へ救いの手を。是非とも我々の手に委ねて戴きたい」

 

「っ、フラー大司教……!?」

 

 

 そんなマキナの葛藤を乗り越えたのは、神聖国内で財政管理を任されているアメン=フラーという男であった。

 

 外交の場に遅れて登場しながら、彼は王国からの『提案』を易々と呑んだ。

 それは『自分が責任を以て代表を務める』という、誰の目にもそう映る暗黙の姿勢だ。

 彼ほどの『立場』にあるのだから、呑んで置いて他へ鉢を回す、という真似を取れるはずも無い。

 

 

「……大丈夫なのですか」

 

「問題ない。何より、帝国が傾くことで生じる多国間のバランスを考えれば、我々が動かずして誰が動くと云うのだね?」

 

 

 『大義』。

 彼の掲げる物は『責任』以上に、その立場に決して胡坐を掻いている者が発せられる言葉では無かった。

 

 だが、マキナは知っている。

 フラーという男が、どういう人格を備えているのかを。

 

 これまでにも、教会内部で表沙汰にならなかった小さな悪事を、幾つも握り潰してきたであろうことも伺えているのだ。

 

 

「……危機に晒されるのは、何も我々に限った事でも無いのですよ? 其処はどうするのですか?」

 

 

 なので、懸念材料を顕わとする。

 

 どのように改宗を促そうとも、最終的に生きることへの選択と責任を強いられるのは其処で生きる帝国民である。

 王国が差し出す提案には、ただ施しを与えることしか述べられていなかった。

 その穴を、自ら突いたのだ。

 

 自分で穿っておいてなんだが、マキナはこの提案乗るべきじゃないな、と思い直す。

 王国の作戦、穴が多い。

 

 

「其処は問題無い。この話を道すがら聞いた時に、同じく『あるモノ』を聞かされたからな」

 

 

 そう言って、フラーはある『数枚の紙』をマキナへ見せる。

 訝し気にそれを受け取ったマキナは、王国外交員に断りを入れて、それらを検め出していた。

 

 

「……こ、これは……!?」

 

「『魔法の使えない農民』でも用意できる『自衛の武装手段』だそうだ。やり方は実に原始的だが、手間を惜しまなければ貧しい者らでも用意できる。それを、説法と同時に実地試験を兼ねて広めてやれば良い」

 

 

 草や蔦を絡めて攀じることで生み出せる捩じり縄。

 木の枝を幾重にも並べて造れる木製の盾や甲冑。

 木の棒の先端に汚物を塗れば毒槍が生み出せる。

 狩った小動物の臓物を煮詰めて膠を造れる。

 鞣した皮に膠と草や泥を付け乍ら石で叩けば、軽くて丈夫な革鎧を生み出せる。

 

 それらを『伐採』で得るための『刃物』は、石を叩いて削るだけの『石器』で生み出せる。

 

 本当に原始的な防衛手段だが、根本的に大々的な『戦争』に赴かせるための『戦力』を確保させることが目的ではない。

 『自衛』を必要とする者たちへ、必要な分だけ自身で賄えるだけの配慮を、『知恵』を与えようというのがマキナが見せられた幾つもの『図案』の言なのであろう。

 

 それを教会の信徒が先だって広めようと云うのだから、聴かないはずも無いだろう。

 生き延びるための備えを教えようという者たちが、こぞって伝えてくれる方法だ。

 

 

「それにもうひとつ、我々にしか取れない方法だってある」

 

「……? それは?」

 

「無論『保護』だ」

 

 

 尚も訝し気なマキナ司教に、フラー大司教は得意げに語った。

 

 戦えない生きられない、明日の食事も儘ならない女子供を、そのまま被災の地に残すことを教義は善しとはしないのだ、と。

 本人たちの希望が重要だが、村々を巡りながらそうした弱者を引き上げて往くことを考慮する。

 救うことを否定するのであれば、それこそ教義に反する(イナ)、人の道として『間違えて』いる。

 国家として間違えた方針であると云わざるを得ないのなれば、それこそ帝国へ反旗を翻そうとも執らなければならない手段である。

 

 

「……っ、それは、移民に当たるのでは……!」

 

「『移民』では無い、『移住』だ。我々が引き上げるであろう彼女らは、決して帝国の民であることを否定するわけではない。それに、食わせることに反した帝国が、『食い扶持が減る』ことを押し留めるわけも無かろう」

 

「な、なるほど……」

 

 

 この数分で、マキナはすっかり大司教への見方を変えていた。

 

 日頃から若い子女なんかに色目を使うなどの苦情を聞いているし、財政管理の立場を利用して私腹を肥やしていることはその肥え太った体型からも容易く推測できる。

 

 だが大司教という立場になるほどに、信心があることは間違いが無かったのだろう。

 

 他国の住民で在ろうと、創神教に与しない無信論者で在ろうと、命を救う事を違えてはいなかったのだ。

 

 

 彼のような人物を大司教へ据えていた、教皇猊下の采配を疑った時もあった。

 

 そんな人物の下に就けられて、日頃に不備の在る上司と、苦情を挙げてくる部下との板挟みとなって胃を痛める時もあった。

 

 何か他大国との足並みを揃えなければならない事態に至った暁には、外交役としての立場も任されている彼が酷い不備を被って自国へも巻き添えを齎すのでは無いかと、益体も無い被害妄想に更けたりもしていた。

 

 

 だが本日、初めて彼は大司教を見直していた。

 

 王国の穴が多い多方面作戦の一翼を担う、という穴を埋めるほどの采配を示してくれたのだ。

 

 しかも、信仰心と云う大義を抱えて。

 

 

 マキナ司教は、知らず祈っていた。

 

 この奇蹟を齎してくれた、他でもない人知の及ばぬ采配に。

 

 

 ――一方で、その遣り取りを一部始終見ていた王国の外交員は悟る。

 

 

「……(あ、これヴァヴランテくんの手口だ)」

 

 

 姿見えないと思ったら、こんな人物唆して自分たちに優位になるように動いてた。

 

 詳しくは知らないが、何かしらの『飴』をしっかりと提示し終えたのだろうなぁ、と諦観の念であった。

 

 

 

  ■

 

 

 

 なんか連れ立つ外交員サンの目に呆れが見えるのじゃけども?

 

 良かれと思ってやったのじゃー、悪気なんてないのじゃよー。

 

 

 若干狐っ子な言い訳をしつつ、帝国外周のダームとかスィードとかクルトとかにもひょいひょい飛んで話を付ける。

 まあこちらはホントに後備え。

 なので話は早い。

 

 大国それぞれの策が上手く嵌まって、帝国が『それ以上』の莫迦を晒さなければ、『役』に成らずに終えられる。

 それでももしものための、ちょっとした報告・連絡・相談程度の『お話』だ。

 

 働ける機会が在れば美味しい。

 無いのなら無いで特に何もない。

 

 本当はこんなこじんまりとした帝国周辺程度で騒ぐほどのモノでも無いんだけどねぇ。

 他にも目を向けるべき地域があるはずなんだけど、其処まで思考割こうとしないのかね。

 

 

 まあ小競り合いはヤリタイ奴だけにヤラセとけば良い。

 お仕事はしゅうりょーっ!

 

 俺、アールスハイドへ帰ったら、学生としてゆったりするんだ……!

 




~他国の情報管理
 魔人領包囲網始まる前とはいえ、大国の大司教なんていうかなりスタンスの重要な人物の性的嗜好とか人格とかをしっかりと調べ尽くす帝国諜報部隊
 フラーが特別嫌われてるから他国へ情報流すことに誰も頓着しなかった可能性も微レ存だが、それを抜きにしても得られている情報量があの部隊だけこの世界から頭一つ飛びぬけて優秀過ぎる
 魔人に成ってから諜報能力にブースト掛けられたとか言ってた気もするが、アルマジ越えの移動力持ってる時点で飛行魔法の上位互換備えてない?


~戦国時代の某C教
 宗教は何時だって外国付きあい
 当時は宣教師と云う名の奴隷買いみたいな役処でもあったので、他国へ連れ出された信者が労働法違反も真っ青な案件で使いまわされていたことでおサルは伴天連追放はじ~めました~(AMEMIYA感
 ノッブは悪くないよノッブは。でもおサルの子孫とかいう噂がある褐色シロウがキリシタン弾圧に対抗してたのはなんだか草生えるね


~石器舐めんな現代人 by原始人
 RPG農民はモンスターに簡単にヤられる役処だけど、魔王軍の襲撃に対抗して見せたライフコ●ドの例を出すまでも無く基本的に悪路で生きるガチマッチョで御座る
 手間暇惜しまなければ、本来ならバイブだけじゃ切れない木材なんかを無料で山から伐り出して防具や武器を造れるスローライフ無双の戦闘民族。それが農民。そりゃあツバメだってキレますわ
 …実際、あのバイブどんだけ伐採力あるんだろうね? チェンソーでも木材を伐るのには結構手間暇掛かりますけど?


~帰ったら~~するんだ
 完全に死亡フラグ
 帰っても馬車馬のように働かせられるのじゃよ…(ニチャァ


そんなわけで烏丸回想回
暫く出さないとどっかで云った気もしたけど、これくらい緩くやらないといい加減アレだなーって

あと年越しとか言った気もするけどノれば書けるんだよ
応援よろしく!
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