英雄よ、生まれ給ふ事勿れ   作:おーり

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おーり「おっ、原作web版更新してるじゃーん」

 読了後↓

「――えっ、設定変わってる…。学院卒業後からは成人と見られる? は? 15から成人ってことで物語始まったんじゃ無かったっけ? でも賢者様が言ってるから間違ってないのか…?(困惑」

読み返さないといけませんかね…?
あ、此処までのあとがき前書き並びにタイトルとあらすじを改定してきました


這い拠る混沌モドキの愉しい魔法講義 愚痴り編

「……なぁ、ちょっと愚痴って良いかな」

 

 

 オブシディアス・ヴァヴランテの、妙に沈痛な呟きが教室に響いた。

 

 然程も騒然としていたわけでもない。

 かといって、静かな一言が響くほど静寂に包まれていたわけでもない。

 

 しかし、彼の言を聴き洩らさないように、と誰しもが耳を傾けている中での、常に笑顔の絶えない少年の神妙な表情と共に漏らされた一言は、水面に打った滴の様に良く利いた。

 絶やさない笑顔は胡散臭い程に野趣と暴虐に傾いた代物だったのだが、其処はご愛嬌と云う奴で言わぬが花だ。

 

 

「俺はこの国には遊学のつもりで来たんですよ。大国ですし、文明水準や倫理水準を測るには丁度いい指標になりますからね」

 

 

 のっけから、一般的には理解が難解な概念で始まり、早々に誰しもが疑問符を浮かべていた。

 ちなみに『のっけ』とは西日本の方言に当たる、『物事の初め』という意味を持つ。どうでもいい情報だ。

 

 

「測るための一手として遅延さは不可欠でした。喩えるならば、コーヒーに一滴一滴ミルクを滴らせ徐々にカフェオレへ変えて往くかのように。即ちパラダイムの更新に当たる真似に至らないように、と慎重に事を進めることは必須なんです。進行してしまった事態と云うモノは引き返し様が無く、変化というモノは不可逆なのが世の常です。何より、変化に至らないモノにも価値というモノはそれなりに備わっているものですし、無理に新しくしたモノが良いモノに換わる保証はありませんから」

 

 

 銀の車輪とか呼ばれてる秘密組織みたいな、実証実験の様なことを滔々と語る。

 つまりは『ジャガーノートによる世界崩壊』というある娯楽小説に准えた例え話なのだが、詳細を既知とする者は此処には居ない。

 居ないので、その辺りの概念に対するこの色黒白髪の抱える懸念は、聴衆の疑問符の中へ無為に溶けて通じることは無かった。

 

 意味は通じずとも、講義に耳を傾けていたひとり、オリバー・シュトロームは興味深そうに頷いていた。

 

 感慨深いものがあったのだろうか。

 そいつ、アンタの策を割と台無しにした張本人ですよ?

 

 

「ブルースフィアの物価情報を明け透けにしたのも、この国の対応力を計るためです。問題点は、その時に魔法に関しての個人的な研究結果を漏らした事でした。同時に捌けないことを把握できずに問題点ばかり挙げられたら、そりゃあ誰だって身動き取れなくなりますよねぇー……」

 

 

 遠い目をしながら、「それが誰も気づいてないことだとは思って無かったのだものゴメンナサイ」と懺悔の様に目を逸らす。

 言葉〆が小声なのは後ろめたい為だろう。

 正論突かれて詰まるヤツは間違えていることを自覚しているからだ、ってジッチャが言ってた。

 違うか、違うな。

 

 実際、謝罪も吐いていたわけではあるが、聴いていた生徒らは内心穏やかではいられない。

 それが、先立って宮廷魔法士団より発表された、『魔法使用に準ずる魔物発生への関連性』に至る物だと誰もが気づいたためである。

 

 えっ、つまり魔法を使えなくなったのは、此奴が犯人……?

 生徒らの行き付いた感想が軒並み此れである。

 

 特にリン・ヒューズなんかは視線がヤバイ。

 無表情ながらも、()の邪知暴虐を許してなるモノか、と嶮の強い眼差しで色黒白髪を睨みつけているのがわかった。顔こっわ。

 

 

「まあそんなわけで。問題点振っちまった身なので、これこの通り、国からの仕事を割り振られれば応じるくらいには反省してるんですよ。でもね、」

 

 

 ひと呼吸、間を置いて教室を見渡す。

 アールスハイド()()()()の、Sクラス並びにAクラスの面々、そして魔法の基礎を語るということで招聘された中等教育学院の幾人かの教師らが視線を集中させていた。

 

 

「最近の俺、働きすぎじゃないですかね? 学生なのに、新入生なのに、もう一か月も経つのに、学校に通えてない気がするんですけれど?」

 

 

 そんなの、此処にいる面子が知った事ではない。

 

 ちなみに。

 オブシーの最近の行動を検めると、城勤めの国家代表外交員らを引き連れて帝国周辺国並びに神聖国と商業国への移動要員として2週間。

 (本当はもっと速くに事を進める必要があったが、城内の意見と王国代表以外の人員の必要性を要求されて極少人数での移動に異議を申し立てられた。序でに各国外交員へのアポイントメントを取るため、それぞれの国で数日ずつ拘束された。『一手目』としての商業国入りは早々に為せたが)

 王国へ戻ってからは宮廷魔法士団の『研究』に付き合わされて、午後には初等学院から帰宅したメイ姫への私塾を開設されて2週間。

 (魔法の、というよりは魔力のコントロールに重点をおくべき、という教えを賢者から受けた宮廷魔法士団の、研究という名目の訓練に付き合わされた。正直『方向性が違う』ので、生来の『お人好し』を発揮して廃魔力生成に至る『攻撃魔法』への対抗措置としてのイメージ矯正を指導。メイへの講義は『その後』になるので、アウグストに止められる頃には圧縮授業になっていた。)

 

 正直、割と寝る暇も無かった。

 そのうえで、本日のコレである。

 

 

「――。特に意見も無いですか、そうですか。

 

 はい。そんなわけで特別講師のオブシディアス・ヴァヴランテです、ふれんどりぃにオブシーって呼んでね!」

 

 

 そんな感じで、彼の魔法学院での特別講義が始まった。

 自棄になったかのように、ギラギラとした笑顔で。

 

 本来、笑顔とは攻撃的なモノであるというが。

 納得の、何処かの武器商人がフフーフと嗤っていそうな顔付きで以下略!

 

 

 

  ■

 

 

 

 はい、講義しゅうりょーう!

 閉廷! 解散!

 ……ほんとにわっち、最近働き過ぎでありんせん……?

 

 間違った知識で正しい答えを発揮されるのも危ないので、日本の義務教育に則った『理科』をとりあえずぶっこんどいた。

 『燃える仕組み』から『排出される物質』なんかの例え話はマークという少年の実家が鍛冶屋だったので理解が速かったが、『火の状態』に関してまでは把握していないようだったので、鍛冶工房知識っぽく熱の伝播に関しての例えに准えてパラケルススの定義した四大別離へ推移を、って詳細は良いか。

 まあ分子の結合や乱立やら稼働状態なんかを精霊っていう概念に置き換えて説明した、とでも言っとけば良いか。

 

 ……今更だけど、前世くらい(ネギま世界)の魔法理論も割かし科学としては間違ってるな。あそこも魔力っていうのが概念じゃなくて物質で通じてる世界だし。

 ――この話止めよう! ハイサイヤメヤメ!

 

 

 気になるのは、実証の段階で火の魔法を使わせたときに、なんでか青い火を造った子がいたことだが。

 燃焼物にエタノールでも混ぜてんのか、と呆れて訊いたら凄い驚いた顔をされた。

 ちなみに、その子はそれが『高温の火』になると勘違いしていたらしい。

 ならねーよ。それなら鉄を鋳溶かす高炉内とか、それこそ太陽だって蒼くならぁな。と説いたら羞恥からだろうか、頭を抱えていたが。

 

 ……これだよ。

 魔法は『勘違い』の知識でも『結果』を捻り出す。

 

 成功するから良いか、とは見過ごしちゃいけない。

 過程が違う物を無理に押し通すなら、それの『皺寄せ』は絶対に何処か変な場所に生じるんだ。

 そしてそういう奴は一見して見つかる物じゃ無いから、因果が何処に繋がっているのかが本当に『わからない』。

 

 アレだ。

 某大統領のD4Cラブトレイン。

 要するに、そういう『傍迷惑』が、絶対的に何処かに流れ出るモノなんだよな。

 俺はそれを『魔女の講義』で知った。

 

 

 ちなみに、攻撃魔法以外に関しては、検証の結果『禁止令』を解かれたご様子。

 まあ本格的に禁止にされたら、王国内でクーデターを引き起こされかねないからね。

 

 便利さに馴染んだ人間は、易々と苦労を強いられる環境、例えば原始的な生活へなんかは戻りたがらないのが当然ですし。

 俺はそれを『雲の王国』で学んだ。映画版は名作揃いだよな。

 

 

「ちょいと、良いかの?」

 

「はい?」

 

 

 久しぶりにドラ●もんの映画を見たくなってきた衝動に駆られつつ、神聖国に避難した帝国農民なんかも帰りたくなくなるだろうなぁ~などと推測していると、お年を召した男女の片割れに声を掛けられた。

 

 授業参観みたいに生徒らの後方に陣取っていた方々の中に見た顔ではあるが、現役採用を形としている様子の魔法学院の教職にしては歳を喰い過ぎている。

 学院長とか、その辺りの人だろうか。

 

 

「儂はマーリン・ウォルフォード、こっちはメリダじゃ。いや、中々面白い講義を見せてもらった、良く研究されておるのぅ」

 

「。ああいえ、恐れ入ります。そうですか、貴方が」

 

 

 一瞬、佇まいを変えるべきかとも思ったが、名乗りからして貴族でもないので態度を変えることはない。

 それに対して何を云うわけでもなかったので、極めて自然体に。

 

 しかしそうか、このヒトも相応に権威ではあるのだから、魔法学院に視察にくらい来るか。

 宮廷魔法士団にも、先日方向性違えども指導に来ていたっぽいし。

 

 

「……あ。そうだ、折角会えたことですし、ちょいと聞いておきたかったことが」

 

「フム? なんじゃ。儂で答えられることで在れば、なんでも構わんぞ?」

 

「では失礼して。――先日、魔法士団に魔力制御についての指導を行ったと聞いたのですが、」

 

 

 気にはなっていたんだよね。

 根本的に方向性の違う指示はさておいて、

 

 

「魔力制御の重要性に於いて、賢者様が要点を置いていると云うのであれば、何故それを大々的に教導していなかったのでしょう?」

 

「フム゛……ッ!?」

 

 

 ん? あれ、俺可笑しいこと訊いたかな。

 

 なんか、教室の空気がスゲェ静まり返っておるのですが……?

 

 

「こ、コラ、オブシディアス、賢者様に何を訊いてるんだ、キミはっ」

 

「あ、カートくん。なんかお久。いや、失礼は承知での質問だったんだが、構わないとも言質は取ってるよ?」

 

「しかしだな……」

 

 

 小声で顰めるように、彼は賢者様に敬意と云うか、立場を尊厳的に見ている節がある。

 貴族だというのに、英雄とはいえ平民への態度とは納得がし難いが、その辺りは『この国の在り様』に繋がってくるのかね。

 

 で、そちらのメカクシ眼帯の褐色肌のヒトは、いったいどなただね。

 

 

「横から失礼、オリバー・シュトロームと云います。中等学院の臨時講師と、カートくんの家庭教師も指導していました。先ほどの講義、見事でしたよ」

 

「そりゃどうも」

 

 

 シュトローム、ね。

 帝国貴族っぽい姓名だけど、カートくんの例もあるからなぁ。

 早計は控えるか。

 

 しかしデジャヴを感じる。

 何処かで会ったかね……?

 

 

「それで、先ほどの賢者様への問いかけですが、失礼ながら私見を答えてもよろしいですか?」

 

 

 目の向き、というか顔の向きが賢者様へ傾く。

 横の導師様に脇を小突かれて、咳払いで頷いた賢者様に礼を返し、シュトロームさんは粛々と答え出していた。

 

 

「――では。推測ですが、賢者様は己の知識を悪用されないように、とその訓示を体現しているのではないのでしょうか。より強力な魔法が発達すれば、先に待っているのは制御を振り切った暴走に至る、と。そういう末世に成り得る自体を想定して、あの方は自粛しているのでは、と」

 

「へぇ」

 

 

 鼻で嗤う。

 でもそれってYO! 俺の講義総じて無駄、って言って無い!?

 

 というか普通に帝国流の、知識の取り扱いに関する制限論法だな。

 完全に帝国貴族の思考じゃねーか。

 さては帝国メタクソにしちゃったのを恨んでるなコイツ~?

 

 

「それを先立って未遂に終えるための『教育』なんですがね。幾ら住みやすい国家を造ろうと、国ってのはヒトの群れですから。悪用されるような低劣だと云うのならば、それこそ先立って教育に手を出さないと。倫理観並びに知識の水準を引き上げれば、シュトロームさんの『懸念』も無いままでしょうよ」

 

 

 政治家に最初に得て欲しい技術を挙げるなら、人心の掌握とかではなくて状況に対応するための『盤を見下ろす』視点だろうね。

 問題解決のためには、先ずは状況を把握できなくちゃ意味が無い。

 俯瞰することすら出来ずに『先を読む』なんてできるわけがないんだから、そうした視野狭窄を防ぐために必要なことこそが『教育』の一端に繋がるわけだ。

 

 民主主義は国民全員に国家の主になるべく、その『教育』が施されるのが前提だ。

 全体の水準を引き上げれば、それこそ倫理に反することを平然と見逃せるようにはならないわけだから、自然と締め付けだって極まるのだろうけど。

 改めて見ても民主主義って国民に厳しい政治だなぁ、その分『自由』も有るけどさ、『責任』を伴った上で。

 

 シュトロームさんの懸念は、つまりはその辺りの『知恵を伴えない環境下』に居るであろう平民が手にした知識(武器)で何を仕出かすのか、ってことだろう。

 俺の返答は其処の『前提』を覆すだけの対応力。

 それが国家自体の話になってくると、やっぱり先立って望んだ『俯瞰視点』が重要で、話が見事にループするのだが。

 

 あとは、外患誘致を防ぐ、くらいかね。

 まさに俺が帝国にやったことだけど!

 

 

「………………キミは、」

 

 

 アッハ、とやっちまったことに対しては、まあ笑って済ませるとして。

 などと口遊んでいた俺に、何か思うところでもあったのかシュトロームさんが茫然と見下ろしてきている。

 

 つーか、目ぇ見えてるっぽくない?

 メカクシ眼帯に小さい穴とか空いてるのかも。

 単に明るいところが駄目なヒトかもな、グラサン替わりに見えて来た。

 

 若干取り留めも無いことを思考している丁度そこへ、教室外から声が掛けられた。

 

 

「失礼。オブシディアスくん、講義は終わったか?」

 

「おりょ、オルトさん。どうしました?」

 

「王城から緊急の呼び出しだ、キミの予見した通りの状況だそうだ」

 

 

 情報の取り扱いに関しては、言葉少なめを希望して事前通達を施してある。

 個人的に王国側へ配慮している。

 

 信用していないわけでは無いけども、下手に事件性疑われて騒がれることも、誰だって望むものでも無いだろうっていう計らいもあるわけで。

 しかしなぁ……、

 

 

「毎度毎度思うのですが、俺の呼び出しに警備局の捜査員であるオルトさんが宛がわれてるのは、どういうことなんでしょうね……?」

 

「ハハハ。用件は以上だから、早めに向かうようにな」

 

 

 おい待て、質問に答えろ。

 

 青年は爽やかに笑うと、本当にそれだけだったのかさらりと立ち去って行った。

 要件の内容自体は彼も聞いていなかったらしい。

 まあそれでも良いのだけど。

 

 

「ヴァヴランテ講師、王城から招聘されたと耳にしたが」

 

 

 去っていったオルトさんを引き留めるべきか苦悩する間もなく、先日顔を見知ったアウグスト殿下に呼び止められる。

 しかし入れ代わり立ち代わり、対応がめんどいなぁ。

 立食パーティじゃねぇんだぞ。

 同時に話を振られた聖徳太子状態じゃないだけまだマシだが。……イエスキリストだっけ?

 

 

「オブシーで構いませんよ。まあ基本的なお仕事の場所って其処ですし」

 

「……あの後も各箇所でキミの話を小耳に挟んだが、キミの仕事とやらがこれ以上王城にあるのか? メイの家庭教師も宮廷魔法士団の訓練も、キミの手を離れているだろう」

 

 

 おおぅ、疑いの眼差し。

 信用が無いっぽいのは個人的関係が薄いのだから仕方が無いとして、この様子だと王様からも詳細聞いてないって感じかな。

 機密の隠蔽がしっかり出来た王様だぁ。

 

 ――まあ、疑われて動けないよりは、マシか。

 

 

「『帝国が進軍を始めたら呼んでください』って言ってあるんです。だからまぁ、一種の緊急事態ですね」

 

「な……っ!?」

 

 

 判断して、さらっと説明。

 教室中が騒然となった。

 どいつもこいつも、聞き耳立て過ぎじゃなぁい?

 

 

「宜しければご一緒します? 課外授業ということで、お連れしますよ」

 

 

 ちょっと戦場まで、逝こうぜみんな!

 少年漫画の主人公っぽく、オブシディアスはキメ顔でそう云った(ドヤァ。

 




~国家間の距離
 申し訳程度の地図があるのだが、それぞれの主要都市なんかとの距離を明確にしてほしい。本来ならば移動に何日かかかるのだろうが、飛行魔法での移動を原作でやってるお蔭で距離感が曖昧なまま
 ちなみに通信手段も漫画版現在ですらアルマジチーム内のみでの秘匿手段っぽいのだが、お隣とはいえ魔人襲撃されたスィードからの連絡が速すぎた気がしないでもない。通信魔法が無い漫画版現在、情報伝達の確実性を推察するに『飛脚』のようなモノが働いているかと思われる。アールスハイドは江戸だった…?


~国家代表との顔繫ぎ
 飛行魔法移動云々と先立って述べたが、帝国周辺巡りの時のアレ。要するに
 ただ、王国の王子がいっしょに来たので直ぐ様に対応してくれたのだろうが、普通なら来て直ぐ「会わせてよ」は無茶振りが過ぎる。今回の話でオブシー並びに国家代表外交員が引き留められたのはその辺を考慮した結果の拘束
 尚、本人確認に関しては住民証みたいな手段があるから信用されたんじゃなかろーか


~マヨマヨしてきた(違
 今更おさらい
 オブシーの外見はヨルムンガンドの少年兵。表情が武器商人のお嬢


~魔女の講義
 何処ぞのワルプルギスのご老体なんかは因果律の揺り返しに気を遣っているので、縁が在った烏丸もといオブシーの前世なんかはその辺りを既知として弁えてます
 作中に例とした大統領の最終形態みたいに別位相世界線へ『他人の不幸』として発揮される『皺寄せ』程度ならまだマシな方で、下手に理屈を捻じ曲げると地殻変動や過去改変なんかでさらっと辻褄合わせたりされるので傍迷惑レベルは自称神なんかメじゃない
 無論、そういう因果干渉を自己中心的に発揮すれば、普通にしっぺ返しだってありますね。大統領然り、神父然り、人理焼却みたいに歴史毎滅亡を余儀なくされた事例だってありますし
 …web版原作の賢者の発言、まさかそっちの伏線か? 一般認識の改竄が徐々に表出していって、その辺のしっぺ返しで迷惑被ったヒトとかが出てきて、魔王認定された孫が全世界から討伐対象に~、信じていた仲間にも裏切られて新たなる魔人の誕生! みたいな展開になる可能性を予測して1万ペリカ
 まあ、単純に作者が忘れて間違えてるだけだと思いますけど
 それはそれとしてダーティディーズダンダートチープって略さずに覚えたい言葉過ぎる


~賢者の長き不在(藤野もやむ改め桑佳あさの名作でしたが語呂が良いだけで内容には関係御座いません)
 友人が貴族とか嫁さんとかに騙されて魔人化してそれを討伐したり、息子が竜の魔物に殺されてパーティが解散したりと、数々の悲劇に見舞われて人間不信になって辺境へ引き籠ったのが賢者の人生でした。ざっくり説明。合ってるよね?
 詳細はエクストラとやらでお披露目中のご様子。というか、アレ結果的に賢者の失敗談になる過去編だよね? 誰の為に制作されてるの…?
 さておいて、そんな賢者様が孫に魔法を教える際には、魔力制御じゃなくて魔法詠唱を重点的に教えていることに関して嘆かわしいとか言っておったのですが、

 …沿う云うなら、あんたが教えなさいよ…

 元英雄、と云う事で求心力は在るのだが、ぶっちゃけ隠遁生活余儀なくされる賢者っていうキャラクターは大概が政治的な敗北者なので、一見して見目が良い称号でも実情はアレだなぁの典型的なパターンになります
 というか、英雄だのなんだのってのは、誕生からして『王』以外の求心性を備えちゃうので、普通に『治政失敗の証拠』に当たりますから王族にとっては目の上のたん瘤ですな
 その辺りの人間不信性発揮したから正しい教えを広めなかった、とかいう復讐のいち形態を執っていた可能性も、あるかもね!


~笑ってんじゃねーぞォ!
 商業国と神聖国に根回しして餓え殺しと農民一揆を誘発した男の言い分
 その後のごちゃごちゃもしっかり根回し済み。帝国が切り崩されて往く…!

 それはそれとして、シュトロームさんの領政の失敗点をキッチリ突いてくる男でもある
 これ、この子詳細知らないんすよ…


~警備局捜査員・オルト=リッカーマン
 居るところには居る凄腕の鎌掛け職人
 原作でシュトロームが犯人であることを暴いた青年捜査員
 そんな彼に毎度呼び出しを受けているオブシー。…これ、国から信用得て無くない?


~タイトル&あらすじ変更
 今更だけど内容に一切触れてなかったからね。更新しなくちゃ(使命感


なお、本文最後の一文はしっかりと烏丸自身が内心で思った文章です(笑)
それでは皆様、良いお年を

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