英雄よ、生まれ給ふ事勿れ   作:おーり

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お久しぶりですがストレスか呪詛かで吐いて入院しましたのでそろそろ此処を切り上げますお疲れさまでした


もう無理もうダメそろそろエタる

「……状況を、整理しよう」

 

 

 王国帰還後、沈痛な面持ちで口火を切ったのはご存知色黒白髪であった。

 

 議題は『ウォルフォード孫の制服性能可笑しくない?』という彼からの疑問に対して、その場にいた全員が漸く意識した『規格外魔道具』の存在に当たる。

 

 実のところオブシー本人には一切非が在らず、原因と問題は完全にシンに由来する。

 由来するのであるが、当の本人が一番わかってい無さそうな顔で、しかし何処か落ち着かないご様子。

 例えるならば悪戯がバレた子供のような挙動にも伺えた。

 

 

「先ず、ウォルフォードくんの着ているそれは学園支給の制服だ。それは間違いがありませんか?」

 

「うむ、魔法学院並びに色は違えど三大高等学院にて普及されているモノだ。私が保証しよう」

 

 

 頷いたのは他でもないアールスハイド王国の国王陛下だ。

 ディセウム・フォン・アールスハイドの証言を得られることは既知であったのか、然程の動揺も無くにオブシディアスはほむと頷く。

 

 むしろ其処で確認を取るべき第一人物がその場に居るのだから、動くのは当然だ。

 動かれない場合孫の立場が一番亡くなるので、改めて守ってもらえている立場にあることをシンは自覚しなくてはならない場面でもある。

 

 しかし、相変わらず当の本人は何を問題視されているのかわかっていない様子だ。

 わかっていたら、そもそもこんな事態にもなっていないのだから、ある意味これも当然の因果とも呼べる。

 

 

「その『魔法を分解する』効果も、一律で普及されてる魔道具だと?」

 

「いや、それは知らない。メリダ殿が施したのでは?」

 

 

 問題点その1、異常な効果。

 其処を挙げたモノの、流石に知らないことまでは王であっても呑み込めないようである。

 

 しかし【導師】という称号まで与えられているメリダの技術力は魔法国随一と呼べるので、其処に遜ったという理屈も働いてはいる。

 美徳足る『虚言を避ける』『誠心誠意』の心情が国主としての立場として働いた所以でもあるが、ディセウムは元々導師並びに賢者の率いる一団に所属していた経緯がある。

 未だに頭が上がらない国主が多勢居る。

 それがこの辺りの国家事情であったので、平衡する意識からは彼女を称えることはあっても庇護下に置けるとは誰もが捉えられていなかった。

 

 

「いや、それを施したのはシンさ」

 

 

 だから、彼女の意見も真っ当に吐かれた。

 

 王国民としての美徳、並びに、孫が嘘は吐けないであろう点を省みても、庇護することが不義に繋がるであろうことを見抜いて、メリダはむしろ開き直るように申し出た。

 シンが『やらかした』ことは、術式付与を『その場で』見ていたがために把握している。

 ならば、其処を秘匿することは最早不可能と判じて、メリダはむしろ彼の功績を称える方向へと舵取り出来ないか、と皮算用も秘かに働かせていた。

 

 

「アタシの目の前でやったからね。何なら、もう一度やり直させても構わないよ?」

 

「ちょっ、婆ちゃん!? これ隠しとけって言って無かった!?」

 

「バレちまったら仕方ないさね。ちょいと値を吊り上げるけど、こうなれば得を取れる方に傾けな」

 

「ていうか何が問題なのか俺未だに分かんねぇんだけどもっ」

 

 

 しかし、オブシーの見抜いた問題点は、事情を詳らかにしたとして決して吊り合いはしない。

 

 

「それは、導師様の許可の下、という認識で間違いは無いんですか?」

 

「ん? アンタは何を言って……。いや、まさか……」

 

「導師様が『許可を卸した』と、そういう方向で?」

 

 

 メリダは聡明だ。

 オブシディアスの問いたいことは、直ぐに理解できていた。

 

 そして、相手が虚言を呑むのか否かを見極めようと沈黙を選んだメリダに代わり、シンが口を開いた。

 

 

「オブシー先生、あんまり婆ちゃん虐めんなよ」

 

「俺は『どうなのか』と訊いただけなんだけどね。選ぶのは導師様自身だ」

 

 

 言い分をなぞれば、それは決して追求ではない。

 事実、一度問題点が上がったからと、それを理由に引き出して議会か論考の様に悪し様にひけらかす趣味は彼にも無い。

 実のところ、彼としては虚言でもなんでも、上手い事なあなあにして事を済ませられれば問題も無いかなぁ、などと内心で思っていた。

 それを明け透けには晒せないのは、この場に居るのが当事者だけでは無いが為である。

 

 しかし、『事を荒立てたい』と捉えてしまったシンは、そんな彼に叛意を抱いていた。

 敵だと、捉えてしまっていた。

 実のところは一切そんな気も向けられていなかったのに。

 

 

「婆ちゃんは全然口出ししてない! これをやったのは俺で、やると決めたのは俺自身だ!」

 

「えー……」

 

 

 思わず、オブシーの口からドン引きの声音が漏れた。

 

 改めて、この国では15から成人と見做される。

 それを皮切りに自らを育ててくれた家から出立し、魔法学院へ大学進学に近しい気持ちで進出してきたのがシン・ウォルフォードである。

 未だ成り立ての成人意識を働かせようとするシンは、今度は自らが守る番だと、宣言と伴って自負を旨に強調したのだろう。

 

 いいのかよ、という意味の視線が、オブシーから陛下並びに賢者と導師へ向いた。

 言っちゃったものは仕方がないよ、と無言の肯定が交わされる。

 

 

「あー……、ちなみに、許可はどういう風に貰ったんだ?」

 

「え?」

 

 

 どうにも、自身が気を張ったのに、のれんに腕を押すかのような手ごたえに、シンも拍子が抜ける。

 言葉が通じて無いんだろうか、とオブシーは問い方を変えた。

 

 

「制服を貰った時、どういうやりとりをしたんだ?」

 

「え。えーと、付与が拙いなーって思って、変えても良いかな?って……」

 

「許可、卸したんですか。魔法学院の教職ですよね?」

 

「いや、そんな権利は教師にも無いが」

 

 

 魔道具は、改めると個人が製造権と支出権を備えた、ぶっちゃければ大量生産に向いていない仕様になっている。

 大量生産の方法も、流通の稼働も存在はするが、其処まではシンも未だに知らない事情だ。

 そちらはさておいて、基本一律で製造されるとはいっても、権利に続いて利益も製造者本人に付随するのだ。

 当然、其処には生じる責任も圧し掛かるのであろうが、だからこそ、それを改竄することは誰にとっても憚られることに繋がる。

 

 そんな権利にまで手を伸ばせるかと云えば、魔法学院の教師にも無理な話だ。

 ディセウムの弁は教職の庇護を働いたことと同時に、この国へ於ける責任の所在についての信頼も保証されている。

 

 

「どうなんだ?」

 

「いや、止められはしたよ?」

 

「……? じゃあ止めろよ」

 

「でも婆ちゃんならどうですか? って聞いたら、ああ導師様なら問題ないですね、って」

 

「うん。うん……?」

 

 

 思わず、小首を捻る。

 子供と大人の遣り取りにも聴こえるそれを、横から補填したのが殿下だった。

 

 

「その場には私も居たぞ。確かに、そんな遣り取りをしていた」

 

「………………それ、結局『許可』は貰って無いのでは?」

 

「えっ」

 

 

 シンが頓狂な声を上げて、メリダがそんな彼へと詰め寄っていた。

 

 

「シンーーー!? アンタ勝手にやってたのかいーーー!!!」

 

「だ、だって、婆ちゃんレベルの付与術使えれば良いんだ、って」

 

「アタシだって許可が下りたモノと思ってたよ! そもそもヒトの造ったモンを勝手に改造することが赦されるもんかい!」

 

「儂はメリダ殿が許可をしたのだと、若しくは、付与をやり直したのだとばかり……」

 

 

 悲しいアンジャッシュの結末である。

 

 

「あ゛-……、じゃあまあ、その制服はウォルフォードくんの買い取りってことで」

 

「それで済む話じゃないんじゃ……」

 

「知ってるけど、仕方ないよ。なんかほっといたら要らん余罪が浮上しそうで関わりたくねぇ」

 

 

 そう、その場には他国へ同道した者も結構いたのだ。

 呆れてツッコむマリアに、オブシーは明け透けな理由で匙を投げた。

 

 

「ねえねえ、ところでこの字、なんて読むの? 見たことの無い字なんだけど、これで付与できてるの?」

 

 

 アリスがはちゃめちゃMaxなウォルフォード家の説教&反省劇場をまるっと無視して、もう一つの問題点である『制服』そのものを突いた。

 これで話を〆たかったオブシーは、非常に嫌そうな貌である。

 

 

「導師様、その辺で。で、ウォルフォードくん、どうなの? これ、効果と性能の程は」

 

「うぅぅ、今日はなんて日だ……」

 

 

 己のツケである。

 

 

「えーと、書いてあるのは『絶対魔法防御』と『物理衝撃完全吸収』と『自動治癒』に『防汚』の四つな」

 

「絶対、魔法防御……! そんなことが可能なのか……!?」

 

「俺も相当苦労したよ、そのイメージを作り上げるために、ね」

 

「問題点は其処だよ」

 

 

 ディセウムがシリアスな顔付きで驚愕を顕わにしたことで、シンもまた自負を取り戻して訳知り顔で頷くのだが、オブシーはツッコミをいれて梯子を外した。

 ドヤれる瞬間が来たかと思えたかもしれないが、そうは問屋が卸さない。

 

 

「ウォルフォードくん、イメージって言ったな? 字面そのものをなぞるのではなく、イメージを付与した、と」

 

「お、おう。……っていうか、魔法はイメージが重要だろ? 俺、なんかやっちゃった?」

 

「やっちまったなぁ……!」

 

 

 シンは上半身半裸で餅を搗く芸人を思い出した。

 しかし、口を挟んだのは、

 

 

「なるほど……! 造り手のイメージさえ准えれば、其処に『どのような文字』が描かれていようと効果は膨大にできる、ということですね……! 例え使い手に『読めなくとも』……! それは素晴らしい発見だ……!」

 

 

 歓喜の声を上げたのはシュトロームだった。

 魔法学に対して熱心な研究者であり探求者である彼にとって、この『発見』は大いに興味をそそられるモノであったのだろう。

 

 

「そうですね。他国を内側から破滅させるには、もってこいの技術だ」

 

 

 オブシーに続けて断言されたことで、誰もが冷水を浴びせられたように絶句する。

 

 効果が判らないのに発動できる。

 これの真価はつまり、そういうことだ。

 どんな効果かも知れない魔道具を流通させれば、内部破壊工作には至極簡単に流用できる。

 

 その『発見』をどうするのかは、未だ誰もが答えを出せないままである。

 




原作遣り取り↓
職員「合わないからと言って自分で直さないでくださいね」
孫「ウチの婆ちゃんに頼むのは?」
職員「メリダ様ですか、なら全く問題ないですね」
孫「(じゃあ俺でも大丈夫だな。魔改造しよう)」

予測
職員「(付与術師最高峰だし、改造する許可くらい貰えてるわよね)」
現物目の当たりにした国王「(メリダ殿が許可を卸したのだろうか)」
目の前で魔改造見てた婆さん「(制服の付与を生徒が改竄しても良いなんて、最近の学院は随分甘くなったんだねぇ)」

…ホウレンソウはしっかりとな!


漢字式付与に関しては原作でも最新話で出てきました
古代技術という括りで

その超技能に驚きながら、凄い効果が出ゆ!とはしゃいで使いまくる東の方の新キャラが同時に「危険な物だからな(キリッ」とかやってましたが、おーり並びに読者方の懸念した作中でも書いた『危険性』に関しては一切触れられておられませんでした
おま、そういうことじゃねえだろぉ!? 呆れました、読者辞めます

まあ、現実でも『どうしてこうなってるのか』が判明しないまま多用されてる技術だってありますけどね。へしことか
でも、生活基盤に隣接してる技術で思考停止するのは、ねぇ? どうなんでしょう



前書きでも書きましたが吐いて入院しました
コロナっては居ませんが、あまりにもアレな作風で二次をやるからファミ通編集部か原作者あたりから呪詛でも貰ったのかしら、とか懸念してますのでそろそろ〆ます

というか、いい加減他人の畑を他の人もやっているからとよく考えもしないで穿り返すのもどうかと自分でも思ってきてますので、自省と共に身を引く所存
おーりは再びなろうへ戻ろうとしている…!
二次創作やるくらいなら似たような世界観でも曝け出せる遊び場で好き勝手なことを書いて顰蹙買う余地を減らせば良いのでは、とも
あれ、これやろうとしてることあんまりお変わりねぇな・・・

ではドロン致しまs
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